変わる!

 感動物語「踏み出す一歩から」

1枚のカード

日から登園

(嫌だ!嫌だ!車にも乗りたくない!!)

(僕はどうすればいいの!?)

(どこに連れて行くの!?)

(分からない、行きたくない)

わ~~~!!!

僕を見る人は  困ったような表情をうかべる)


(分からない、行きたくない)

わ~~~!!!


わ~~~!!!

わ~~~!!!

そんな日が続く中、

ある時、ふと目の前に差し出された

1枚のカード

(なにかカードを四角い箱に入れているぞ?)

(このカードをこの箱に入れるのかな)

「タイムカード、押せましたね!」

(わっ、褒めてもらえた!嬉しい!!)

また差し出される着替えをしている1枚のカード

?)

(着替えるのかな?)

「よくできましたね!」

(褒めてもらえた!嬉しい!!)

(分かる!僕、分かるよ!!)


日々減っていく、「わ~~~!!

日々増えていく、屈託のない笑顔


っかけは、お母さんと支援員との

ふれあいノートに書き留められている何気ない日々の様子

褒められたこと、叱られたこと、好きなこと、苦手なこと

お母さんとの愛情あふれるノートの中に日記のように僕の成長記録が綴られている)

その中から生まれた1枚のカード

(また1枚のカードを手渡された)

(今日は何がかかれているのかな フフッ)

ふれあいノート:ご家族と職員の連絡用ノート

おいで、おいで 

つも自分のことに一所懸命なKさん

周りのことは気にしない

なにかあったら一直線

気の許さない相手とは目も合わせない

そんなKさんがひょっこりと

部屋の扉から顔を出して

いで、おいで

支援員を手招きしている

「どうされたんですか?」

声をかける支援員に対し、

Kさんは、

親指を立て、扉の中へゆっくりと向ける     

の向こうには

唇を震わせながら

まるで電柱のように

立ち尽くすAさんがいた

Aさんのただならぬ様子を見て

それを教えてくれたのだ

「ありがとうございます。とても助かりました。」

そう伝えると

Kさんは

ッと親指を立て、支援員へゆっくりと向け

得意げな表情で

その場をあとにした

待ってるよ 

はあゆみに行きません!

それまで皆勤賞のOさん

お盆休み明けの日のことです

ご家族が話しても

僕はあゆみに行きません!

声を荒げる

職員にも

僕はあゆみに行きません!

眉をしかめた表情で追い返す

Oさんの揺るがない意思

それから

自分の部屋で過ごす日々が続いた

員が再度を訪問した

職「何して過ごしてるんですか?」

O「ゲームをしてます」

職「なんのゲームですか?」

etc…

会話をつづけていくうちに

Vの字だったOさんの眉毛がだんだんとハの字に

職「今日はお話、ありがとう。また来ますね。」

Oさん「はい。また来てください

問に来る職員と、

なんでもないような話をする日々が続いた

    

してある日

職「あゆみにおいでよ。皆が待ってるよ

O「、、、、、、、、、、、、じゃあ、行きます

少し声を震わせながらOさんは言った

背中を丸め、職員のあとについていくOさん

しぶりのあゆみのもり

迎えてくれたのは

「Oさん、ひさしぶり!」

「元気だった?」

Oさんを迎えるみんなの温かな拍手

みんなの前で声を震わせながら

しかし、まっすぐな姿勢で

Oさん「僕は元気です!

「おはようございます」

火曜日と木曜日の朝にあゆみのもり須恵に響く

元気なOさんの声

最初は、 月に1日

それから、月に2日、週に1日、

今では、 週に2日

Oさんにとって

流れは

少しずつだけれど確実に一歩ずつ踏み出していける大切な時間

会えなくても 

スクを着用しましょう」

「密集は避けましょう」

「密接禁止」「密閉禁止」

それまで毎月開催されていた

ボランティアの方とのレクレーションが

泣く泣く中止に

つ会えるかな?」

「夏にはできるかな?」

「はやく会いたい」

楽しみにしていたイベント

夏になっても

できない日々が続く

取りのボランティアをさせてもらえませんか?」

ボランティアの方からのお申し出

「みんなの顔が見たい」

「でも、3密は避けないと」

「園庭から窓越しでみんなの様子をみられたら」

                     

陽の光が照りつける猛暑の日、

流れる汗を拭いながら、園庭の草取りをしてくださいました

窓から見えるいつもと違う風景

「あれ、外にきてくれてるよ」

「会いたかったよ!」

「ありがとう!」

次々と窓越しに

力いっぱい手を振りながら、声をかける利用者様たち

「ひさしぶりにみんなの顔が見れて、嬉しかった」

「元気もらえた」

「また来月も来ますね」

ボランティアの方からの温かい声

それまで毎月開催されていた

ボランティアの方とのレクレーションから一歩踏み出し

時代に沿う新しい交流形

みんなが笑顔で楽しんでいたからこそ育まれていた

えない間でも、お互いを想う時間

ほら、今日も外にきてくれてる ありがとう