変わる!

 感動物語「踏み出す一歩から」

どんなときも

言葉が伝えられるのなら

気持ちが伝えられるのなら

なんと言うのだろう?

楽しいことはなんだろう?

頑張りたいことはなんだろう?

力になれることはなんだろう?

いましている支援は正しいことなのだろうか?


これは私と、ある一人の利用者様Aさんとの話です


3年前の桜舞い散る春


私は社会人になりたてのフレッシュマン

ネクタイ姿に「七五三みたい」と声をかけられることもしばしば

期待と緊張で、胸がドキドキ・ワクワクしていました


利用者様のAさん

体を動かすことが大好きな20代の男性です

ニコニコしながら運動している姿は、周りに笑顔の花を咲かせます

とても元気いっぱいで、中でもトランポリンが大のお気に入り

少しでも時間があると、「ぽーんぽーん」とトランポリンを跳ばれています



初めて出会った日

「宇都です。よろしくお願いします」

私が話しかけると、それまで笑顔だったAさんが少し困った表情をされていました


「表情が固くなってるよ!スマイルスマイル!楽しんでいこう!

 行動指針の1つ目、自分自身が楽しむだよ!」

エルダーの山﨑さんに声をかけられました


(まずは笑顔を意識しよう)


自分自身の笑顔を意識しながら

毎日少しずつAさんと関わっていくうちに、

私が話しかけると、困った表情を見せていたAさんの表情も、

だんだんと柔らかくなり

私がAさんに話しかけたときにも、少しずつ笑顔をみせてくれるようになりました


1日中動き回る

跳び回る 走り回る

一緒に私も走り回る

(これは大変。けど、楽しい)


こいのぼりが青空を泳ぐ頃、

少しずつ慣れてきたと思っていた矢先、

急にAさんに笑顔が見られなくなりました。


昨日まではニコニコしながら元気いっぱいに運動をしていたのに


熱や咳、鼻水などの風邪症状はありません

どこか体を痛めている様子もありません


それなのに

時間さえあれば跳んでいたトランポリンに見向きもせず、

急に「ウヮーーーッ!」と

泣き叫び、

自分自身の腕に噛みつき、

壁に頭や腕を叩きつける


機嫌よく走り回っているかと思ったら

次の瞬間にはまた「ウヮーーーッ!」と泣き叫び、

自分自身の腕に噛みつき、

壁に頭や腕を叩きつける


そんな日々が続きました


新卒で経験の浅い私

Aさんとどう向き合えばいいのか分からず、

ただただ困惑するばかり


私のしていることは正しいのだろうか?

支援とはなにか?

Aさんとどう接したらいいのか

だんだんわからなくなっていった

そんなある日、Aさんのお母様がふと口にされた

「私にも、Aのすべてはわかりません」


消えかけていた気持ちに火が灯った

その一言が

再びAさんと向き合い直すきっかけになった


お母様から教えていただいた

Aさんの苦手なこと

高い声や怒った声

環境の変化

気圧、季節、暑さ、寒さ


苦手なことをたくさんたくさん我慢しすぎて

きっとAさんもどうしたらいいか

わからなくなっていたんだな


(とにかくAさんの側にいよう)


それから私は

毎日ずっとAさんの側で一緒に過ごしました


毎朝、玄関で「おはようございます」と挨拶するところから

更衣室で着替えをするときも

ゆかいすくーるのときも

昼食のときも

夕方、玄関で「さようなら」と挨拶するまで

ずっとAさんと一緒に過ごしました


1日中動き回るときは

一緒に私も動き回る

1日中じっとしているときは

一緒に私もじっとそばにいる



もっとAさんのことを知ろう

もっとAさんに私のことを知ってもらおう

そんな思いで私はAさんのそばに居続けました


それから半年ほど経ったある日

作業室で私の隣に座っていたAさんがすっと立ち上がり歩き出しました


向かった先はAさんが見向きもしなくなっていたトランポリン


えっ…

「ぽーん、ぽーん」


約半年ぶりにAさんはご自分から大好きだったトランポリンを跳ばれたのです


「ハハハッ!」

びっくりしながらAさんの表情を見ると

笑ってる!!


それは久しぶりに見たAさんの笑顔でした



それから3年ほどが経ち、現在。


1日中動き回る

跳び回る 走り回る

一緒に私も走り回る


ときどき元気がないときはあるけれど

急に「ウヮーーーッ!」と泣き叫ぶ姿はほとんど見られません


これは先日のふれあいノートでAさんのお母様が私にかけてくださった言葉です。


「Aが宇都さんに駆け寄る様子を見て、家族以上に安心してお任せできる存在がいることはありがたいことだと思いました。日々の支援ありがとうございます。」


よし!!


ご家族からかけていただける言葉で、支援員としてこんなに嬉しい言葉はありません。


振り返ったら数え切れないほど

いろいろなことがありました


1日中動き回る

跳び回る 走り回る

一緒に私も走り回る


少しでいいから

『いつもごくろうさん』って思ってくれないかな?笑


あれ?

いま、目を合わせてくれた?

いま、笑ってくれた?

「ありがとう、これからもよろしくね」

パートからフルタイムへ 

あゆみのもり須恵にパート職員として入職したのは4年前。

私の業務は、主に女性利用者様の食事やトイレ介助などの直接支援でした。

利用者様と関わるのは楽しく、仕事に喜びを感じていました。


3年が経った春、私は常勤職員として働かせていただくことになりました。


「送迎」「ゆかいすくーるの企画・進行」「PC」「行事起案」「利用者様や実習生の担当」といろいろな業務がプラスされました。


パートと常勤勤務の業務の違いに悩み、戸惑うことの連続でした。

 

特に利用者様の担当職員としての業務は本当に自分に出来るのか心配でたまりませんでした。

毎日が初めての連続です。パソコンの操作はほぼできず、失敗の日々が続きました。

職員はみんな忙しそうで

「教えて下さい」

その一言が出せませんでした。

わからない、けど聞けない


そんな日々が続き、

わからないがどんどんと増えて

なにがわからないのかさえわからなくなっていました。                   そんなときに思い切ってエルダーである山﨑さんに相談をしてみました。


「ひとつずつクリアしましょう」

「何回でも聞いてください」

「失敗しても大丈夫です」「加木さん、表情が固くなってますよ!スマイルスマイル!楽しんでいきましょう!」

「行動指針の1つ目、知ってますよね?自分自身が楽しむですよ!」


心が軽くなりました。

本当にありがたかったです。


それからは自分が理解出来るまで何度も訪ね、1つずつ覚えていくことができました。

「こんなことを聞いたら呆れられないかな」と思っても、何でも質問しました。

ささいな質問でも、一つ一つ丁寧に答えてくれる山﨑エルダー。

「わからないところを質問してくれて、ありがとうございます」

説明が終わった後、きまってこう声をかけられました。


失敗することが恥ずかしいのではなく、挑戦しないことがいけないとわかりました。


「私の成長」は、

パートと常勤勤務のしごとの違いに悩み、戸惑いながらも

失敗を糧に、挑戦したことです。

セカンドキャリア 

主人が先に逝ってしまった…。

この家は私が守らなくては。

まずは仕事を探そう。


59歳にして初めての扉。

バリバリと働いていたあの頃からもう20年。

事務職の経験しかない私がこの扉を開いていいの?


思い切って開いた扉の先で目に映る世界は一変していた。


福祉の世界でICT?パソコン一人一台?

ただただ不安。


37名の利用者様の顔と名前を覚えるのもやっとの中、

慣れないPC操作の毎日。新人研修、支援の日…

必死に向き合った。

事務業務はもちろん、与えられる仕事をこなすことで

「いっぱいいっぱい」だったところから、

少しずつ様々な仕事に関われるようにもなった。

そしてそんな中で生まれた私の目標、

「支援をしている職員さんの役に立つ事」



たくさんの「失敗」から学んだ自分なりの「気づき」

私は私のすべきことでみんなの役に立ちたい。


入職して2年が経った頃、その知らせは突然だった。

家族の身を案ずる電話が鳴り、私は急いそと帰宅。

そしてそのまま10日ほど看護休暇を頂くことに…。


急な長期休暇を取らざるを得なくなり、

申し訳ない気持ちでいっぱいだった私にかけられた

思いも寄らない言葉。

「大変でした」


その言葉に「自分の居場所」が出来たような気がして

何かが溢れそうになるのをぐっとこらえた。

少しは役に立ててるのかな?


誰にでも出来る仕事かもしれないけれど、

私が居ることでみんなが助かる仕事。


これからも自分なりの「気づき」を少しづつ増やしながら

私なりに成長していきたい。

入社2ヶ月 

私の成長は利用者様、特に職員間のコミュニケーションの重要性に気付けたことです。


入社して2ヶ月、最初は支援員であることを認識されないことが多くありました。朝、登園時に着替え、トイレなどお声がけ、食事介助をしたときもほとんど伝わらず、なかなか支援がうまくいかないな、と感じることがたくさんありました。

これから大丈夫なのかなと不安にもなりもしたがその後、2週間ほどして少しずつ、伝えたいことが伝わるようになってきました。なんで伝わるようになったのかなと考えてみると、2つ思い当たることがありました。


1つ目、日々顔を合わせることで自分が支援員であることを認識してもらうことができてきたこと。要は時間が解決してくれたということなのですが、関係性を築く上で毎日会う、挨拶するなど積極的に声をかけていくっていうのは大切だなと改めて思いました。


そして2つ目、これが一番重要だったと思うんですが、わからないことやお声がけの方法を先輩方に教えてもらったことで利用者様との関係を築きやすくなり、伝えたいことが伝わるスピードも早くなったこと。


利用者様との関係を築くためには自分ひとりでアイデアや方法を探してもどこかで息詰まる、一人では限界があるのではないかと思います。やはり職員間でコミュニケーションが出来てこそ、支援方法など多様性が生まれ、職員と利用者様の関係を作ることが出来るのではと思います。


これから長く働いて自分の支援技術が高くなったとしても、職員間でコミュニケーションをとり自分や他の職員の技術がへんな方向に偏っていないかを発見するきっかけにもなります。そしてもっとよい技術がないかを探すことにもなると思います。

自分を振り返る機会を持つためにもこういったことを意識し努力することが重要だということがわかりました。


これから仕事にどんどん慣れていくと思いますが、自分に慢心しないためにも「職員間でのコミュニケーション」をしっかり意識して過ごしていきたいと思います。