<食料不足への対処行動>
※主な論文: 石本雄大 2006 サヘル地域の旱害・虫害下における農牧民の対処-ブルキナファソ北部I村における食料獲得活動-. 日本砂丘学会誌 53(2) :55-68.
半乾燥地域サヘルでは,降水量変動が大きく,時には深刻な干ばつが起こります。
また,気候条件によってサバクバッタが異常発生する年もあります。
私が,ブルキナファソ北部のI村で農作業の現地調査を行っていた2004年には,サヘル地域の大部分で,深刻な干ばつが起こり,加えてサバクバッタが大発生しました。
そのため,農作物は甚大な被害を受け,収穫物が0の世帯もあるほどでした。
トウジンビエに群がるサバクバッタ
それでは,住民はどのように食料を確保したのでしょうか。
ある世帯では家畜が売られ,その売り上げで穀物が購入されました。
また別の世帯では家畜の売却だけでなく,出稼ぎの収入,遠方の親族からの支援などにより食料が購入されました。
そして,いずれの世帯にも共通していたのが,採集活動が例年以上に積極的に行われていたことです。
主食となるイネ科雑草の種子が例年以上に集められ,えぐ味が強く例年はほとんど食用にされないスイレン科植物の塊茎(イモ)もおやつとして食べられていました。
スイレン科植物の花
塊茎(イモ)
<生業(なりわい)の再構築>
※主な論文: 石本雄大,宮嵜英寿,梅津千恵子,田中樹 2013 サヘル地域農牧民の食料確保におけるレジリアンス -ブルキナファソ北東部I村での出稼ぎ導入の事例-. 沙漠研究 23(2) :73-77.
随時更新します。