※主な著書: 石本雄大「サヘルにおける食料確保 -旱魃や虫害への適応および対処行動-」. 京都大学アフリカ研究シリーズ 006. 松香堂書店
ブルキナファソ北東部に暮らすタマシェクの人々は,農耕を中心に,家畜飼養,採集に加え,出稼ぎ,日雇い賃労働などの現金獲得活動を行っています。
農耕では,トウジンビエやモロコシといった穀物栽培を中心に,ササゲ,ラッカセイ,オクラ,ローゼルソウなどを栽培しています。
降水量が少ない土地で作物を栽培するための工夫として,微地形による作付作物を変え,株間を2mと広く取り,除草を非常にこまめに行っていました。
播種作業
収穫作業
家畜飼養では,ヤギ,ヒツジを中心に,ウシ,ラクダを管理しています。ニワトリも買っています。
その時々の条件により,餌場,水場を変え,日帰り放牧しています。
ヒツジへの水やり
ヒツジの乳しぼり
採集では,種子,葉,果実,塊茎などを採集します。
種子としては,イネ科草本の種子が集められ,穀物と同様に調理されます。
葉としては,バオバブやモロヘイヤの葉が集められ,ネバネバのソースの材料にされます。
塊茎としては,スイレン科植物のものが集められ,おやつの時などに食べられます。
生育期間が短いイネ科草本は水たまり脇で育ち,スイレン科植物は沼地で育つため,少雨年でも何かしら収穫することができます。
種子を砂から選別
バオバブの葉を取る男性
現金獲得活動として代表的なものは,出稼ぎ活動です。
隣国コートジボアールの都市アビジャンなど,大都市で若者が行います。
サヘル地域が干ばつの年であっても,関わりなく収入を得ることが可能です。
村での正装
出稼ぎ先での服装