※主な論文:石本雄大,宮嵜英寿 (2020)青森県における雑穀栽培及びその食文化の変遷と現状,雑穀研究 35,23-32.(査読有)
冷涼な気候条件下でも栽培可能なこともあり,青森県にではヒエをはじめとする雑穀栽培の長い歴史があります。
そこで,青森県における人と雑穀の関りを、農と食の観点から検討しました。
具体的には、雑穀栽培が古来より行われ、文化社会と密接に結びついてきた青森県において、明治末期以降の雑穀栽培および食文化の変遷を明らかにし、今後の雑穀利用の展開を考察しました。
明らかになったことは以下のように、青森県における100年ほど前からの穀物利用、雑穀栽培および食生活の変遷、近年の動向です。
・明治末から昭和初期にかけては,青森県東部,中でも南部地方の岩手県境ではアワ及びヒエが重点的に利用され,津軽地方では主にコメが利用されていましたが,高度成長期までには県内全域でコメが日常食となりました。
・2000年代初頭以降の健康食ブームもあり,商品作物としての栽培は継続され,米穀店やレストランで提供され,食文化継承の取組も行われます。
・また、上記の論文では地域振興策として,地域の特産品である雑穀のブランド化についての提言も行いました。
青森県八戸市南郷地区で栽培されたヒエ(左)とキビ(右)
タカキビバーグ定食 ※タカキビの別名はモロコシ