(1)吉田から配属を検討している化学科3年生へのメッセージ
卒業研究は、3年生までと大きく変わります。人生の1つのターニングポイントになる人も出てくるかもしれません。是非、いろんな研究室を見て、先生や先輩の話を聞いて、納得する場所を探してください。
研究室では,何かにチャレンジしてみること,そして失敗すること(場合によっては恥をかくこと),を応援したいと思っています。何かを始めたいと思っているが、なかなか一歩を踏み出せないひとも少なくないと思いますが,研究室での活動というのは,まさに何かをやってみる機会にあふれた場所だと思っていますし,そうありたいと思っています。学生実験とは違って一人で実験をやってみる,ゼミで発表する,誰かの発表に質問する,日大の外で行われる研究会に参加してみる,日大の外で実験してみる,などなど。。。
いずれも,慣れたひとからすると当たり前の行為ですが,初めては不安なものです。そして,恥ずかしくて躊躇してしまうかもしれませんが,恥をかいてなんぼ,です。誰か(親,先生,友人)が何かをしてくれるという待ちの状態では,なにも進みません。「自分がアクションを起こさなければ何も起こらない」ことに早く気づき、自分自身で仕事を推進する力を養ってもらいたい、と強く願っています。
また同時に,化学科の学生には,日大への(適度な!)愛好心や愛着をもってほしいなと思っています。そんな愛着をもてる研究室をぜひ選んでください。
(2)大学院進学について
私事になりますが、私は化学系学科の出身ではなく,学部生のときは「地球惑星物理学科」というところに所属していました。計算や理論を主とする学科で、正直、難しくてついていけませんでした。卒業に当たって体力勝負?の実験系ならなんとかなるかも(卒業できる)と思ったことが、現在化学に携わることになったきっかけです。その後博士課程にまで進むなどとは、配属当初は思いもしませんでした。(そのときの経緯については、こちらに書かせて頂きました。) また,当時の先生は,ひよっこの私とも対等に議論してくださいました。当研究室でも,「研究の根幹は議論(ディスカッション)であり,ディスカッションにおいては、全員フラットに議論すべきである」、という考えを大事にしていきたいとおもっています。
基本的には,大学院進学したほうが,直接会社に行くより実力が付くと考えています。学会での発表や,ほかの大学の研究者との交流,他機関での実験など,4年生では研究できないことが経験できるからです(4年生は研究出張に行くことができません)。自分が行っている非常にマニアックな研究テーマについて語っても,完全に話の通じる仲間が意外といる,ことを知るのは得難い経験です。おそらく化学科の中よりも話が通じます(これは大学を問わず,ほかの研究室でも同じです)。
ただ,大学院は,自身で決めて行くものです。(本当は大学もそうですが),受け身で行っても何も得られません。ですので,行きなさいと言うことはありません。大学院生は,研究者のたまごとして,4年生とは別に扱います(ある意味放置します)。ですので,覚悟してほしいと思います。モラトリアムで進学しても,居場所はありません。3年間もがけば,在学中はあまり実感しないかもしれませんが,確実に実力がつくと思います。
週間予定(4年生)
朝のミーティング (月): 先週の振り返りと今週やる事を話す(数分)。ミーティング後は、各自がGoogleシートに記入。話す練習です。 また、チームとして情報共有します。
ゼミ(週1): 実験報告と論文報告を行います。話すこと、質問、そして議論の練習です。
日々の研究室生活は10時~18時をコアタイムとしますが,実験系ですので+2時間程度の余裕はみておいてください。コアタイムをこなす(過ぎれば一日が終わり)、ではなく、どうすれば最大限に活用できるのか、を考えてください。実験に時間がかかりそうな場合は、遅くまで頑張るのではなく、早く来るようにしてください。人が減る(そして病院も閉まる)夜に実験するのは、あまり得策ではありません。効率的に、そしてコンスタントにコツコツやることが実験(研究)では大事です。
年間予定(4年生)
・中間報告会: 夏休み前と冬休み前に実施。
・研究会: 2022年度は,芝浦工大との合同研究会,十五研究会(北里大と農工大),の2つを行いました。
・卒業研究発表会(2月上旬)
年間予定(修士)
面白い実験結果がでた修士には、学会に参加・発表してもらいます。色々な大学の先生・学生と昼(研究)、夜(フランクに)含めて交流することは、研究の視野を広げてくれます。
また,情報収集のために学会や研究会に参加することもあります。思わぬところで,思わぬ知識が得られることもあります(論文精読や勉強はもちろん大事ですが...)。