今までそんなことがなかったのに、自分が嫌いになったり、死ぬことを考えたり、心が不安定になったりするのはそういうお年頃(思春期)だからです。
1.思春期の心に起きること
あなたは中学生の頃に自我(自分自身だけの意識)の存在に気付いたと思いますが、そのときから自我形成の10年に入っています。
この時期には、まず、自分自身の意識(心)を客観的に観察しますが、まもなく、心があまりに弱く、不安定で、汚いことにを知り、驚くことになります。望ましいと考えるものとあまりに違うため、自分自身の心に対して疑念や不信感を持つと同時に、自分自身の存在・生きている意味に絶望感を感じます。また、自分に対する不信感は同じ人間である他人への不信感として表れることもありますし、誰にも言えないほどひどい自分の心を誰にも話すことができず、孤独感を強く感じたりします。このようなことは理路整然と考えるのではなく、わけがわからない自分に対する自信喪失や恥ずかしい気持ち、死にたい気持ちとして表れます。
自分の心に加え、自分の容姿も気になって、人から見られている気がして、人と会うのが怖くなります。寂しいけれど、人に会えない話せない自分に対して、もう何がどうなっているのか、わからないので、いろいろ感情でぐじゃぐじゃになることも起きます。
また、そこまでいかずに夜1人になると理由もなく涙が流れるという人もいますが、これも自分の気持ちが訳がわからなくなっていること、あるいは、自分がひとりぼっちだということを感じているために起きます。
2.いつ治るのか
20代半ばには自我が確立しますが、その頃になると自分は何を悩んでいたのだろうと思い、多くの人は気の迷いだったことにして悩んでいたことすら忘れてしまいます。 この心が安定する頃は、すでに社会に出て働いている人が多く、そのときに自分の考え方や能力に自信を持てるほどのものがあるかでその後の人生を楽しく過ごせるかどうかがほぼ決まります。
したがって、現在、いろいろ心が乱れる時期ではありますが、負けないで、日々を有意義に過ごされることをお願いします。
3.治るまで待てないとき
どうしても心が苦しいときは、共感してくれそうな同級生に話をしてみましょう。大人は前に述べた通り、忘れてしまっている人も多く、あまり当てになりません(ときどき覚えている親もいます)が、保健室の先生は多分話を聞いてくれるでしょう。
参考:自分の心が汚く見える理由は、右上の質問一覧 Q21を参照。