定位立体角(DSA)法は、固体表面に蒸着又は電着されたα線放出核種の放射能を測定するための主要な方法である。測定装置は、イオン注入Si半導体検出器と、線源と検出器の間に位置する検出の立体角を正確に決定するコリメータから構成される。装置は真空チャンバー内に設置されている。
定位立体角法は、放射能絶対測定法の一つある。これは、計数効率が、線源が検出器に対して張る立体角と4π立体角との比である幾何学的効率にのみで決定されることによる。したがって、高い計量品質の測定を実現するには、この立体角を最良の不確かさで知ることが不可欠である。このため、装置の寸法、コリメータの直径と線源-検出器の距離は、数マイクロメートルの不確かさで既知であり、長さ計測標準にトレーサブルである必要がある。
線源はα線を吸収しない、すなわち自己吸収によるα線のエネルギー損失を避けるのに十分な薄さでなければならない。そのため、α線源の調整には電着法などの特殊な技術を要する。
Stefaan Pommé. Alpha-particle Counting and Spectrometry in a Primary Standardisation Laboratory. Acta Chim. Slov. 2008, 55, 111–119 >>>
定位立体角法による医用α核種放射能測定法の開発
Source preparation technique of astatine-211 without electroplating for alpha spectroscopy
Fujino, S. et al., RIKEN Accel. Prog. Rep. 55 (2022) 145-146
https://www.nishina.riken.jp/researcher/APR/APR055/pdf/145.pdf