世界敗血症デー 京都 2024 皆さんへ
~ 2030年の世界敗血症アジェンダの開始に向けて ~
世界敗血症デー 京都 2024 皆さんへ
~ 2030年の世界敗血症アジェンダの開始に向けて ~
Global Sepsis Alliance CEO
UNITE 国会議員ネットワーク 理事
ジョージア国会議員/保健副大臣
Dr. Mariam Jashi
Global Sepsis Alliance(GSA:世界敗血症連盟)は,2024年9月13日に世界保健機関事務局長テドロス・アダノム・ゲブレイェスス博士,そしてドイツ連邦保健大臣 カール・ラウターバッハ教授の支援下で,第13回世界敗血症デーのキャンペーンを開催できることを光栄に思っています。世界敗血症デーは,本年13回を迎えました。
この記念すべき機会に,Global Sepsis Allianceを代表して,日本敗血症連盟(Japan Sepsis Alliance:JaSA),そして世界敗血症デー京都2024の皆さまに,敗血症に関する意識向上,ドイツにおける医療従事者の能力構築に向けた卓越したリーダーシップ,そしてたゆまぬ努力に心から感謝申し上げます。
進歩はあるものの,今日まで,敗血症は毎年約5,000万人の子供や女性,男性の健康に対する影響因子です。そして,さらに憂慮すべきことは,敗血症によって毎年1,100万人の命が奪われ,最新の推計では毎年1,300万人以上が死亡する可能性があるという事実です。世界における死亡の5人に1人が敗血症に関連しています…そして,約500万人の抗菌薬耐性関連の死亡は,敗血症関連の死亡者1,300万人のうちの一部にすぎない事実があります。
しかし,敗血症の関する討議は世界保健の中で目立つものではなく,歴史的となった2017年5月の世界保健総会決議後も敗血症を優先している国は10%未満なのです。
この世界保健の現状を変えるには,しっかりとした行動が必要です。政治および世界保健議題において,敗血症をより注目される位置に定める必要があります。敗血症への対応を強化することで,何百万人もの予防可能な死亡や臓器機能不全を回避し,2030年の持続可能な開発目標を達成することが必要です。
敗血症に対する莫大な人的,社会的,経済的負担を国際的に減少させるために,Global Sepsis Allianceは2030 Global Agenda for Sepsis(敗血症に対する2030年世界議題:グローバル・アジェンダ)として,敗血症に関する複数年にわたる初の世界戦略を策定しました。このアジェンダは,1)政治的リーダーシップと多国間協力を通して敗血症への対応を再活性化する方法のビジョン,2)敗血症とその続発症に対する医療システムの準備,3)敗血症に対する社会全体のアプローチ方法,4)敗血症の革新のための研究開発,5)パンデミックやその他の緊急事態における敗血症への対応の強化です。
私たちは,世界保健小委員会の議長のリーダーシップ,UNITE議員ネットワーク,ヴィルヒョウ財団,敗血症財団とのパートナーシップの下で,ドイツ議会で誇りにも9月10日に敗血症に関する2030年グローバル・アジェンダを正式に発表します。
2030年グローバル・アジェンダの公表により,これから私たちは何百万人もの命を救命できるという,敗血症をグローバルヘルスの成功物語というユニークな機会を得ていると思います。
国際開発において比類ないリーダーシップを発揮するG7諸国として,日本は敗血症に関する2030年グローバル・アジェンダにおいて決定的な役割を果たすことができます。日本は既に敗血症対策で重要な進歩を示しており,国家行動計画,小児および成人向けの敗血症の診療フロー,敗血症の予防,早期発見,治療,ケア,リハビリテーションを革新し,実施する中で,よりその取り組みを強化することでしょう。
Global Sepsis Allianceは,日本がアジア太平洋地域,さらには世界全体で敗血症対策を強化するきっかけを作ると確信しています。敗血症が85%で発生する低所得国および中所得国で,日本はこれらの命を救う変革を支援することで,他の援助国政府や国際開発関係者の手本となることが期待されます。
何百万人もの子供,女性,男性を敗血症から救うこの歴史的な取り組み,皆さま,「世界敗血症デー京都2024」に,是非,ご協力ください。