世界敗血症デー 京都 2024 皆さんへ
〜 敗血症という病気を知っていただく意義 〜
世界敗血症デー 京都 2024 皆さんへ
〜 敗血症という病気を知っていただく意義 〜
Global Sepsis Alliance 理事長
ブリティッシュコロンビア大学 小児保健医学 教授
Prof. Niranjan ''Tex'' Kissoon, MD
敗血症(sepsis:セプシス)は,世界中で死亡,病気,医療支出の主要な原因の1つであり,年間死亡者数の約20%を占めています。この世界的な健康上の脅威は,毎年世界で4,890 万人に影響しており,その中には妊娠中,出産中,または産後の2,030万人の子供と570万人の女性が含まれます。Institute of Health Metrics and Evaluation(IHME:健康指標評価研究所)の最新の推定によると,敗血症は年間 1,370 万人の死因となっており,5 歳未満の子供 290 万人が死亡し,すべての妊産婦死亡数の10.7% を占めています。そして、これらの死亡の多くは予防可能です。
Global Sepsis Alliance(GSA:世界敗血症連盟)は,感染予防と制御対策の提唱,感染症に対する一般的知識と健康を求める行動の向上,敗血症の治療全般にわたる調整された統合医療サービスへ公平にアクセスできるようにすることで,敗血症に対する国家的かつ国際的負担を軽減することを目指しています。
2030 Global Agenda for Sepsis(2030世界敗血症アジェンダ)は,国連加盟国と国,地域,世界レベルでの複数の利害関係者に対して協調的な取り組みを通じて,敗血症が人々,社会,医療,経済に及ぼす重大な負担を軽減することを目的とした,初めての複数年にわたる,国際的戦略的ビジョンです。私たち世界敗血症連盟は,5つの地域敗血症アライアンス,つまり,アフリカ,アジア,太平洋,カリブ海,東地中海,ヨーロッパ,ラテンアメリカ,北米の加盟組織 およびパートナー組織の協力を得て,このアジェンダ(計画表)の作成を開始し,調整しました。この過程において,敗血症の生存者と家族の代表者,および公的,私的,学術的,市民社会の各セクターのパートナーとのフォーカスグループディスカッションや協議が含まれています。
「2030世界敗血症アジェンダ」の最終的な目標は,世界的な保健診療の開発の枠組みの中で,敗血症をより強固に保険診療に位置付け,コミュニティと医療現場において敗血症の医療緊急事態への対応能力を強化することで,子供,女性,男性の何百万人もの予防可能な死亡と障害を回避することにあります。