精神疾患は悪化 ➡当帰飲子、麦門冬湯
精神疾患の悪化に注意 ➡四物湯、五淋散、潤腸湯、八味地黄丸、温経湯、白虎加人参湯
精神を悪化させない ➡竜胆瀉肝湯、柴胡清肝湯、竹筎温胆湯、辛夷清肺湯、清肺湯、麻杏甘石湯
老人性の乾燥肌、貨幣状湿疹。 (単なる皮膚乾燥で下腿外果~下腿前面から始まり、掻破痕はあっても皮膚描記症は呈しない。冷えや血行不良が背景にあり、貨幣状湿疹は上背部(肩甲骨による圧迫部)に多い。) (→アトピー体質には柴胡清肝湯。四物湯は不適。)
71四物湯 コタロー2g クラシエ6錠×3
◎皮膚がカサカサ、冷え気味 →必ず四物湯。血行を良くして、乾燥を治す。 『当帰と地黄が主薬』
*冷えも治す。痛みに関しても、冷えや血行不良が原因のものは緩和する。(特に、膝の冷痛)
*熱証(36℃後半、不眠・イライラ、ほてりやかゆみ、湿疹や浸出液)には禁。(→黄連解毒湯を優先)
*やせ型、胃弱の者に禁。地黄が胃にもたれて飲めない。(→当帰芍薬散を使用)
*コタローが一番。熱と胃もたれが出にくい。
■お風呂の温度は40℃以下低めで、体はゴシゴシこすらず、優しく洗うこと。風呂上りには保湿剤を。ヒルドイドソフト軟膏、ケラチナミンコーワ軟膏、ニベアなど。貨幣状湿疹にはアンテベート軟膏。
■肉類(牛・豚・鶏)、白ごまは乾燥肌に有効。
→57温清飲コタロー4g、『四物湯4/3+黄連解毒湯1』。四物湯の量が多すぎて使いにくい。
●より潤すには →86当帰飲子ツムラ2.5g より熱性が強く、熱証には禁。鼻炎も悪化。
老人で乾燥が強く、貨幣状湿疹ができる者。足底が乾燥し肥厚する者。
*四物湯だと鼻炎は悪化しない。使い勝手で劣る当帰飲子は出番がない。精神疾患に禁!
●膀胱炎になる人で皮膚がかさつく →76竜胆瀉肝湯コタロー3g
◎体温が高めで皮膚乾燥する ◎膀胱炎体質 *熱証と皮膚乾燥の合併に。
*構成は『四物湯1/2+黄連解毒湯3/4+利水剤』、四物湯より黄連解毒湯に近い。
→56五淋散ツムラ2.5g *『四物湯1+黄連解毒湯1/3+利水剤』、四物湯に近く、熱性。
●便秘なら →51潤腸湯ツムラ2.5g 『地黄・当帰が主薬』
◎老人性の皮膚乾燥と便秘に。地黄が多い割に、蠕動促進の生薬のおかげで胃にはもたれない。
◎腰痛治療には、地黄剤と駆瘀血剤を併用する必要があり、潤腸湯(四物湯)+桂枝茯苓丸をよく使う。 *膝の冷痛にも効く。 *1~2か月以上使うと温めすぎて、熱証となる場合あり。注意!
アトピー体質 (→首の後ろから発生し、頭部・顔面、上背部に拡大。熱性の病変で、吹き出物が特徴。)
●アトピー体質には →80柴胡清肝湯ツムラ2.5g *気道の乾燥にも有効。
◎のどが乾燥し、咳が続く者に有効。(*鼻炎、痰は悪化。気道の分泌物は増やす。)
◎皮膚の乾燥と同時に、上背部、頭頚部に吹き出物が出て化膿する者に有効。(アトピー体質)
*『四物湯1/2+黄連解毒湯3/4+発疹治療剤』、黄連解毒湯に近い。竜胆瀉肝湯は利水剤あり、水毒に適する。柴胡清肝湯は水分貯留させ、水毒は悪化。その分、乾燥の症状は緩和する。
◎ADHD、多動・不穏にも使用。(*上熱下寒型で、多少の冷えや皮膚乾燥を伴う。)
■アトピー体質には、基本はコレクチム軟膏、モイゼルト軟膏を使用。顔のにきびには、エピデュオゲルが良い。 熱や掻破で悪化するので、かゆい場合は冷やす方が良い。また、ヒルドイド軟膏はにきび・吹き出物を悪化させる。注意!
■水分摂取で乾燥が治ることはない。水分をとりすぎないこと。胃を悪くして逆効果になる。注意!
●気道の乾燥だけなら →93滋陰降火湯ツムラ2.5g *夜、布団に入り、体が温まると、咳が数分続く。一通り咳こむと、不思議と治まる。のどの乾燥を自覚。(夜中の咳) 『天門冬が主薬』
*鼻炎は悪化。注意! *地黄の量が多く、胃腸虚弱には使えない。 *皮膚の乾燥も治さない。
■気道の乾燥は、冬場・暖房の使用で顕著に。ゆり根(食品)、加湿器の使用、濡れたタオルを吊る、などが有効。
●気道の乾燥、柴胡清肝湯や滋陰降火湯を使うほどではない →29麦門冬湯ツムラ3g
*地黄がない分、飲みやすい。しかし人参あり、かなり便秘する。便秘、熱証に禁!
◎もともとの乾燥体質というよりは、風邪の後、一時的に気道が荒れて乾燥し、咳こむ場合に適する。(若干の乾燥に知覚過敏が加わった病態)
*皮膚は潤さない。 有名処方だが、使う機会はない。 『麦門冬・人参が主薬』
●痰が合併する例 →91竹じょ温胆湯ツムラ2.5g 『二陳湯ベース』
◎風邪が治った後にも咳と痰が長引き、不眠となる例に適合。(咳痰+不眠)
*痰がある場合は、潤してはいけない。乾燥させて痰を除くこと。
◎軟便・疲れ気味で、足先が冷たく、首がこる者にも適合。(足先の冷+首のこり+気虚・軟便)
●COPD・切れにくい痰 →90清肺湯ツムラ3g 『桑白皮・天門冬が主薬』
*切れにくい粘調痰が大量に出る。長年の喫煙による「気道の炎症+乾燥」が原因。
*食欲はあるが、常に息切れし・るいそうしてくる。スピリーバを必ず併用。
●副鼻腔炎 →104辛夷清肺湯ツムラ2.5g 気道の炎症
*炎症を引くと同時に、痛んだ粘膜を修復。 『辛夷が主薬』
*潤す成分がありながらも、鼻炎を悪化させない。また、副鼻腔の熱は引くが、体は温める。と都合よくできている。初めはクラリスを併用。冷えによる鼻炎にも有効。
●小児気管支炎で痰の絡む咳が続く →55麻杏甘石湯オースギ1.5g 95五虎湯オースギ3錠×3
*石膏剤なので、気道の熱・炎症は引くか、心不全・浮腫は悪化。高齢者には使いづらい。 『麻黄・石膏が主薬』
●高齢者の夜間頻尿・膝の冷痛 →7八味地黄丸オースギ6錠×3 コタロー3g 『地黄が主薬』
*胃腸は丈夫だが、体力の低下・冷えやすさ、性欲減退など自覚。
*胃の不調・便秘・熱証は悪化! 精神疾患に禁! 耳鳴り、難聴には効かない。注意!
■腎虚にはノコギリヤシが有効。あまり副作用なく八味丸より使いやすいが、同じく熱証の悪化あり。数日~1週間で効果なければ中止が妥当。 (ディアナチュラ ノコギリヤシ30日分 964円)
→107牛車腎気丸ツムラ2.5g 『八味地黄丸+利水剤』、使う機会なし。
●手足のほてり(手温・陰虚)には、黄連解毒湯か三黄瀉心湯が良い。便秘なら大黄牡丹皮湯、過食・肥満なら大柴胡湯を併用する。あとは清暑益気湯(夏バテ体質に)も候補。 (*三物黄ごん湯:出産・大量出血後の手掌足底のほてりに、温経湯:進行性指掌角皮症に、は効かない。)
●単なる脱水、熱中症には →34白虎加人参湯クラシエ4錠×3 クラシエ2g3g *夏場のアトピーに、汗による悪化を防ぐ。体表の熱感、口渇、舌の乾燥・無苔が条件。 『石膏・知母が主薬』
15黄連解毒湯オースギ1.5g コタロー2cap×3 『黄連が主薬』
◎熱毒の治療 (実熱)
<かゆみ・湿疹、顔面紅潮、暑がり・汗かき、高血圧・糖尿病体質>
*首ではなく手が温かい。自覚的には寒いと感じることがほとんどない。血行が良く、皮膚も乾燥がない。顔面紅潮。肥満・糖尿病体質で胃は丈夫。
*乾燥はないのにかゆくなる。体が熱をもつと、湿疹も出やすい。(特に風呂上り)
<不眠、躁状態>
*過剰な熱は、不眠、躁状態を呈する。元気すぎる、怒りっぽい、多弁、ほとんど寝ない、嫌な夢が増える、など。エネルギッシュで経営者だったりする。
*黄連解毒湯の副作用は、冷えによる神経痛、胃痛。痛がったり、食事量が減ったりすれば中止する。
■過食・肥満、お酒、コーヒー、生姜・キムチ・カレーなどは熱証を悪化。注意!
●便秘する者は →113三黄瀉心湯コタロー2cap×3 オースギ1g 『黄連が主薬』
*皮膚のかゆみ、湿疹には黄連解毒湯。不眠症、躁病・統合失調症には三黄瀉心湯が効く。夜間の煩躁、手足の煩熱にも効く。(*便秘なければコタロー2cap、少量で。黄連解毒湯でもOK)
●黄疸には →135茵ちん蒿湯コタロー2cap×3 『茵ちん蒿が主薬』
*黄疸・肝障害、胆嚢摘出の患者に効く。半年、1年と飲むと精神的にも安定してくる。
*加味逍遙散、梔子柏皮湯に類似。便秘のある者でないと適さない。
●手温・便秘には →33大黄牡丹皮湯ツムラ2.5g *冬瓜子で補水
*手温(陰虚が関与)または右下腹部痛あれば、大黄牡丹皮湯。(手冷には桂枝茯苓丸か加味逍遙散)
●強い胸脇苦満には →8大柴胡湯ツムラ2.5g オースギ6錠×3
*大柴胡湯の患者は必ず過食・肥満する。腹部は緊満。 『半夏・柴胡が主薬』
●瘀血・苦満なく、ただの便秘 →62防風通聖散クラシエ9錠×3 ツムラ2.5g
*越婢加朮湯に近い。熱毒体質の者の喘息、皮膚炎に適応か。腹部は緊満。
●便秘に加えのどのつかえ →133大承気湯ツムラ2.5g
*肥満し腹部は緊満。腹力(+)が条件。
*上部と下部の気滞を同時に治す処方。 『枳実・大黄が主薬』
●熱毒の者が弱って胸脇苦満、動悸する →12柴胡加竜骨牡蛎湯ツムラ2.5g クラシエ6錠×3 (*ツムラは大黄0、他は大黄1)
*もとは大食、元気もある者が疲弊し、胸脇苦満、不食、臍上悸を認める場合は柴胡加竜骨牡蛎湯。熱実証の者が弱るに従って、大柴胡湯、黄連解毒湯➡柴胡加竜骨牡蛎湯➡補中益気湯、となる。
*熱の産生は鈍り、寒熱中間となっている。精神は不安・動揺。 『柴胡+六君子湯』
●さらに弱って寒証となる →41補中益気湯ツムラ2.5g ジュンコウ6錠×3
*無理を重ね疲弊。寒がる、食べれない、軟便なら補中益気湯。熱の産生はさらに鈍り、寒証に。
*便秘させ、熱もため込むので、熱証に禁! (→もち米、牛肉) 『人参黄耆・当帰が主薬』
●肥満・糖尿病体質ながら、もともと寒証 →63五積散ツムラ2.5g
*温める処方。『麻黄湯+四物湯』 防風通聖散の裏処方。
●便秘が強固 →61桃核承気湯クラシエ3錠×3 *1週間に1度
*腹力(+)・強固な便秘に加え、ホットフラッシュなど上熱が盛んな者に適す。『大黄・桃仁が主薬』
*左下腹部の圧痛はあてにしないこと。
*気滞(のどのつかえ)あれば、大承気湯・通導散が優先。
●ホットフラッシュが著しくとも、腹力(-)・軟便 →67女神散ツムラ2.5g
*産後精神病など、元来精神病ではなく、発症時期がある日を境にとはっきりしている例に適応。(しばらく前まで仕事もしていた等) 実熱ではなく、虚証・上熱下寒である。
*温める漢方、便秘・熱証には禁! 『人参当帰桂皮・黄連が主薬』→補気、体を温め、煩躁を除く。
生活習慣(熱毒)
●体を温める食品は控える。生姜、唐辛子、にんにくなど。口に入れて辛いと感じるもの、体が温まるものは禁! 生姜湯やキムチ、辛口カレーなどは最悪である。
●熱毒の者は、食毒・肥満の傾向にある。(*臓毒証体質) 肉、主食(ごはん・麺類)、酒は控え、野菜、キノコ、こんにゃく、海藻などゼロカロリーのものを主に食し、ダイエットを心がけること。体を冷やす効果がある。 運動も必要。
●トピナで食欲を抑制できる場合あり。 50㎎から始めて200㎎まで増量。顔や手のしびれ、うつ状態の悪化生じる例には不適。統合失調症に適合多し。
●熱証の胃薬 →73柴陥湯ツムラ2.5g 『柴胡・黄連+六君子湯』
*熱実証の胃痛、背部痛に。 胃はスッキリするが、便秘は悪化。屯用が基本。
*老人・寒証には禁! ロキソニンと同じく吐血あり。基本は熱の盛んな若者向け処方、食欲旺盛で元気が条件。
24加味逍遙散ツムラ2.5g 清熱駆瘀血剤 『山梔子・柴胡・薄荷が主薬』
◎上熱下寒(瘀血)のうち、特に上熱を治す。
A.<首が熱、手足が冷>
*手足は冷えて寒いのに、頭頚部はほてって熱い。冷やすと寒いし、温めると暑い。常に不快を感じている。精神的には情緒不安定。多訴、攻撃性も一つの所見である。
*ねむりは浅い。夢が多い、悪夢。(夜間上熱証)
B.<便秘(+) *2~3日に1回、そこまでひどくない。>
B.<生理前のイライラ、生理が重い>
*ここまでは瘀血で、駆瘀血剤が必要。
C.<肩首のこり、背中の痛み>
C.<胃の不調(胃痛、吐き気)>
*柴胡剤が必要。胃の不調、背部痛は胸脇苦満ととる。
*加味逍遙散は上熱を清す駆瘀血剤であり、ほてり、便秘、胃の不調と背部痛を治す処方と思ってよい。
*冷やす力が強いので、寒証の者が飲むと冷えて胃が痛くなるか、下痢・軟便となる。
*抗うつ作用があり、統合失調症の幻聴を悪化させる。注意!
*便秘のないものには適合しない。
*首に熱、手足が冷の者でないと適合しない。 (手温、実熱には無効)
→314梔子柏皮湯コタロー2g *山梔子が主薬、加味逍遙散と類似。(清熱は劣る)
*山梔子は便秘し、後頚部が煩熱、胸中が鬱々悶々とし何とも言えない状態を治す。(*ストレスが肝を障害し、上熱下寒に陥っている。あるいは黄疸の前兆である。)
*腹力は強くないが、軟弱でもない。たとえ実証であっても瘀血のない者には、下痢・胃痛する。
25桂枝茯苓丸オースギ1.5g クラシエ6錠×3 利水駆瘀血剤
◎固定痛(瘀血)を治す。 *古傷、腰痛
*桂皮に特徴、手冷の者でないと効かない。(手温は大黄牡丹皮湯) 『桂皮・桃仁が主薬』
*便秘がない者には適しない。(加味逍遙散と同じく、2~3日に1回程度の便秘)
◎パーキンソン病に必ず有効 *便秘、手冷、固定痛とそろう
*加味逍遙散と併用すると、必ず胃をやられる。注意! (併用禁)
*桂枝茯苓丸の患者は、首の熱は目立たず、背部痛・胃の不調もない。加味逍遙散が上部の熱に効くのと比べると、桂枝茯苓丸は固定痛や腰痛に効く。
●薏苡仁が必要 →125桂枝茯苓丸加薏苡仁ツムラ2.5g
89治打撲一方ツムラ2.5g 一般駆瘀血剤
◎固定痛を治す。 *打撲、ねんざ、外傷
*臍横の圧痛(右2㎝)があれば必ず効く。桂枝茯苓丸とはよく併用。
*下剤としては桂枝茯苓丸より強め。さらに強いのは通導散。 桂枝茯苓丸で便秘が残る場合、治打撲一方や通導散に。
*手冷、手温は気にしなくて良い。(一応、桂皮は含有) 『樸樕・川骨が主薬』
33大黄牡丹皮湯ツムラ2.5g 補水駆瘀血剤
◎手温の者の瘀血を治す。 *上熱下寒、固定痛
◎下焦の炎症を治す。 *膀胱炎、虫垂炎、卵巣痛
*手温は熱毒ではなく、陰虚である。だから冬瓜子が効く。 逆に手冷は水毒と思って良い。桂枝や利水剤が効く。
◎乾燥の咳など、軽い陰虚であれば治してしまう。
*右下腹部の圧痛があれば必ず効く。限局が条件。 痛いという所まで行かずとも、何かおかしいぐらいでも陽性ととる。 『冬瓜子・桃仁が主薬』
→320腸よう湯コタロー2g 大黄を除き、薏苡仁を加えた。熱証で便秘がない際の駆瘀血剤。
105通導散ツムラ2.5g 便通駆瘀血剤
◎強度の便秘(瘀血、気滞)を治す。 *腹力(+)が条件。
*ほうっておけば1週間も便秘してしまう。大体は痔を合併。胃腸は丈夫。
*瘀血に加え、気滞がある。駆瘀血剤では改善せず、行気剤を併用して初めて治る。
*胃腸虚弱、腹力(-)の者には適合しない。(胃痛して飲めない) 大承気湯と同じ腹力が必要。
*下部気滞(便秘)には効くが、上部気滞(のどのつかえ)には効かない。 『紅花・木通が主薬』
*上熱下寒、寒証の者にも適応できる。慢性微熱を生じている例にもよく適合する。
35四逆散ツムラ2.5g 『柴胡・芍薬が主薬』
◎手汗を治す。 (自律神経の緊張、ストレス病)
*緊張から手のひら、足の裏が汗ばんでひんやりと冷たい者に適合。
*腹直筋の緊張(+)、腹力はあるように見える。やや便秘より。
*性格的には生真面目で、少し気にしすぎる所がある。ときに高血圧・頻脈の傾向。
*老人には少なく、青年男性に多い。 しばしば胃の不調・背部痛を合併。(胸脇苦満)
8大柴胡湯ツムラ2.5g オースギ6錠×3 *実熱向け、トピナ併用が吉 『柴胡・半夏が主薬』
◎ストレスで過食・肥満。腹が張って苦しい者。 (*腹部緊満、胸脇苦満)
*便秘、熱毒体質 (上熱下寒ではなく、実熱証)
→他、柴胡加竜骨牡蛎湯、補中益気湯
9小柴胡湯ツムラ2.5g オースギ6錠×3 *人参含有、便秘・熱証に禁! 『半夏・人参が主薬』
◎かぜをひいて口が苦いのを治す。
*胃腸が弱って、食欲はない。
*便は食事量が少なく便秘のこともあれば、軟便のこともある。
●かぜによるのどの痛みには →109小柴胡湯加桔梗石膏ツムラ2.5g あるいは324桔梗石膏コタロー2g あるいは122排膿散及湯ツムラ2.5g *SPトローチと併用 『桔梗が主薬』
*石膏によるむくみに注意! 投与は1~2日で十分。
10柴胡桂枝湯ツムラ2.5g クラシエ6錠×3
◎老人の慢性微熱を治す。
*手冷、虚証の者。 『桂枝湯+小柴胡湯』
11柴胡桂枝乾姜湯ツムラ2.5g
◎自己免疫疾患で発熱、慢性炎症がある者。
*体内に何らかの炎症が持続、体力を消耗した状態。腹力(-)・軟便。
*腹冷が条件。顔面は発熱で紅潮しているが、手足は冷たく基本は寒虚証である。
*心窩部右5㎝の所に限局した圧痛あり。(限局性胸脇苦満)
*大建中湯、人参湯か六君子湯、半夏厚朴湯あたりも近い処方。 『黄芩・乾姜人参が主薬』
*9、10、11は免疫異常の正常化を図る処方と思う。
70香蘇散ツムラ2.5g
◎胸部脇腹の痛み、みぞおちの圧痛
*横行結腸など腸管ガスの胸部圧迫による症状。心下痞が特徴 →四逆散+香蘇散
*半夏厚朴湯はのどのつかえだが、香蘇散は胸部脇腹、横隔膜周辺の痛みや苦しさを除く。 性格的には多愁訴ではなく、大人しくて気の弱そうな人。書く字も小さい。
◎さばアレルギー(じんま疹)を治す。
54抑肝散ツムラ2.5g *腹直筋の緊張、臍上悸、舌の振戦、提示不良が条件。
◎レビー小体病
◎まぶたの痙攣(不随意運動、チック)、過覚せい(寝つきは良いが、中途覚醒多く、イライラしやすい)
*温めるので熱証には不適。 『川芎・釣藤鈎が主薬』、動脈硬化による脳血流障害を治す処方。
◎他、低視力者の幻視、難聴者の音楽幻聴にも効く。
●食欲がなければ →83抑肝散加陳皮半夏ツムラ2.5g 二陳湯を加えた。
103酸棗仁湯オースギ2g
◎嫌な夢が多く、眠りが浅い(夜間上熱証) *加味逍遙散とよく併用
*酸棗仁湯はしばらくすると効かなくなるケースあり、1~2か月したら、一旦は中止を検討。
◎高齢者の不安・不穏
*高齢者の不安が強く、落ち着きがない場合に適合。体力の低下、貧血をしばしば合併。単独では無理で、セロクエルなど精神科薬の併用は必須。 『川芎・酸棗仁が主薬』
17五苓散クラシエ2g3g クラシエ6錠×3 『桂皮・茯苓白朮が主薬』
◎めまい、立ちくらみを治す。 (内耳水毒)
*手冷、舌歯痕(+)が条件。 *乾燥の咳(陰虚)、便秘は悪化。注意!
*高齢者の足のむくみにはほとんど効かない。ラシックスが優る。
*乾燥させすぎた時は、柴胡清肝湯で潤すと良い。
◎水毒頭痛にも効く。適合した場合は、直後に尿量が増える。
◎あとは小児の胃腸炎で、水を欲しがるが飲むと吐く場合に適合。
●職場や朝礼で倒れる →39苓桂朮甘湯ジュンコウ5錠×3 オースギ1.5g *桂皮に重点
16半夏厚朴湯オースギ1g オースギ4錠×3 『半夏が主薬』
◎舌歯痕、のどのつかえを治す。 (喉頭蓋水毒)
◎鼻炎を治す。 (半夏厚朴湯+五苓散、葛根湯) *桂皮を足すと効きは速くなる。
*砂糖、小麦の制限が超重要!
*鼻腔、咽喉頭など上気道にたまった湿気を除く。
*尿量は増やさない。五苓散は即効性だが、半夏厚朴湯は1~2週間ほどかかる。
*便秘させるので、駆瘀血剤など併用する。下痢の者には丁度良い。
*精神的には不安が強く、神経質。ランドセン、リリカ、ドグマチール併用が吉。
→扁桃炎には138桔梗湯ツムラ2.5g *半夏は咽喉頭のむくみをとるが、細菌感染や膿の貯留になると桔梗が必要。桔梗には排膿・排出作用あり、嘔吐は悪化。注意!
43六君子湯クラシエ2g3g ツムラ2.5g 『人参が主薬』
◎胃の不調を治す。(胃水毒) *虚証は六君子湯、実証は補中益気湯
*小食・胃腸虚弱、食べ過ぎによる胃の不調には、人参が効く。
*便秘、熱証は悪化。寒証、やせて小食、軟便の者でないと適応しない。
*タケプロンを併用。ロキソニンは禁!
23当帰芍薬散オースギ6錠×3 クラシエ2g3g
◎水毒頭痛を治す。 *天気が悪いときに頭痛。生理前に頭痛。
*冷えてむくみやすい者。(特に膝から下) ほてりや熱の症状はない。
*肥満・大食ではない。
*若い女性、やや虚証より。皮膚は乾燥しやすい。 (ここでいう虚証は、冷え・むくみやすさを指し、体力がないわけではない。気虚とは違う。)
*総括すると『当帰・茯苓白朮が主薬』で、五苓散の桂皮→当帰とした方が良い患者に適合。
30真武湯三和1.5g 『附子が主薬』
◎低体温を治す。 (陽虚がメイン)
*低体温に加え、むくみ・軟便。
*老人、衰弱、危篤の者。 (実熱の真逆の状態。生命の火が消えかかっている。)
40猪苓湯クラシエ2g3g
*『滑石・阿膠が主薬』、膀胱の熱をとり、止血する。しかし、竜胆瀉肝湯や大黄牡丹皮湯が優り、猪苓湯は出番がない。
●生活習慣(水毒)では、砂糖、小麦を控える。(超重要!)
*パン類、ジュース、野菜ジュース、大福、お菓子、麺類などは、鼻炎・水毒を悪化。
*そばOK、ノンカロリーOK。コカゼロ、ゼロカロリーゼリー、パルスイートなど。
85神秘湯ツムラ2.5g
◎朝方の鼻炎を治す。 (冷えと気滞、水毒が関与)
*乾燥の咳が出てくる場合あり。注意! 『麻黄・厚朴陳皮が主薬』
81二陳湯ツムラ2.5g *六君子湯から人参を省いた。『半夏・陳皮・茯苓が主薬』
◎つわりを治す。 *舌苔(+)
*つわり以外でも吐き気、食べ過ぎで胃を壊した、風邪のあと胃の調子が悪い等に使う。言うなれば一時の胃の不調であり、元来の胃の虚弱には六君子湯の方が良い。
*二陳湯は人参はないものの乾燥はさせるので、乾燥の咳、便秘に注意!
*痰にも効くが、痰に関しては二陳湯より竹じょ温胆湯をよく使う。
21小半夏加茯苓湯オースギ1g 二陳湯の方が優秀
*五苓散は吐くとスッキリする(*車酔い、胃腸炎が典型)が、二陳湯や小半夏加茯苓湯は吐いてもずっと気持ち悪い。(*つわりが典型)
52よく苡仁湯クラシエ6錠×3 ツムラ2.5g 『薏苡仁・麻黄が主薬』
◎自己免疫性関節炎を治す。 (手温、指関節の湿と熱)
*曲げ伸ばしすると痛い。(何もしなければ痛くない)
*半年~1年かけ、徐々に改善。ネオーラル併用(25~50㎎)が吉。
28越婢加朮湯ツムラ2.5g 熱強ければ、黄連解毒湯も併用
*皮膚や膝関節の湿熱を除く。『麻黄石膏・蒼朮が主薬』、急性期に適。
◎膝に水がたまり、熱をもつ。
◎花粉症で目まで痒い。帯状疱疹の急性期(水疱・発赤)。痛風。 (湿と熱)
*患者は熱実証。肥満、腹力(+)。
●便秘なら →62防風通聖散
20防己黄耆湯クラシエ6錠×3 クラシエ2.5g3.75g 『黄耆が主薬』
*肥満、腹力(-)の者。腹の肉が横に垂れ落ちる。
◎膝、足関節の腫脹に効く。多汗にも効く。
*便秘させる。注意!
●体表の虚による発汗、褥瘡の治癒不良、浸出液の多い病態 →98黄耆建中湯ツムラ3g
*『黄耆+小建中湯』、虚弱児童や老衰、衰弱に。
88二朮湯ツムラ2.5g *二陳湯ベース、筋骨強化の生薬をプラス
◎五十肩を治す。 (水毒+瘀血)
*桂枝茯苓丸(加薏苡仁)を必ず併用。あとは、葛根湯もよい。
37半夏白朮天麻湯ツムラ2.5g 『人参黄耆が主薬』、六君子湯や補中益気湯に近い。
◎疲労倦怠、頭痛を治す。(気虚+水毒頭痛)
*胃弱、舌苔が厚い。
*頭をふると頭痛。顔を洗うと頭痛。 (*頭をふるとめまい→五苓散)
78麻杏薏甘湯オースギ1.5g 『麻黄、薏苡仁が主薬』
◎関節痛を治す。 (冷えによる水毒)
*スポーツで雨に打たれ体が冷え、そこから全身の関節痛がする例。(実証)
*ぎっくり腰に芍薬甘草湯と併用。
◎ストレスがお腹にくる →60桂枝加芍薬湯クラシエ6錠×3 ツムラ2.5g 『芍薬が主薬』
*過敏性大腸(下痢、トイレに篭る)、腹直筋の緊張
→小児の場合は99小建中湯ツムラ2.5g
◎小建中湯の証で動悸する者 →26桂枝加竜骨牡蛎湯ツムラ2.5g
◎体表の虚による発汗・体液の漏出 →98黄耆建中湯ツムラ3g
◎ストレスで手汗をかく・手冷 →35四逆散
◎ストレスでのどのつかえ →16半夏厚朴湯
◎立ちくらみ →17五苓散(水毒) 47釣藤散(老人性)
◎ストレスで動悸、倒れる →39苓桂朮甘湯、12柴胡加竜骨牡蛎湯 *動悸は虚証
◎高血圧・頻脈、加えて不眠 →インチュニブ *1~2㎎で効く。精神的緊張が原因
◎心不全・不整脈 →64炙甘草湯ツムラ2.5g
◎ほてり・首の煩熱 →15黄連解毒湯(67女神散)、24加味逍遙散、33大黄牡丹皮湯(61桃核承気湯)など。大体は、清熱剤、駆瘀血剤と柴胡剤を併用。
◎ストレスが胃にくる(胃痛・背部痛) →35四逆散、24加味逍遙散、73柴陥湯など柴胡剤。あるいは43六君子湯、32人参湯など人参剤。あとはタケプロン。ロキソニンは中止!
◎歯周病、上背部の化膿 →122排膿散及湯ツムラ2.5g (*副鼻腔炎、臀部の化膿には無効!)
◎こむら返り、ぎっくり腰、睡眠時の落下感覚 →68芍薬甘草湯ツムラ2.5g 『芍薬が主薬』
◎疲労、精神的緊張による生あくび →72甘麦大棗湯ツムラ2.5g *水毒は悪化
◎極度の冷え、冷えによる疼痛 →127麻黄附子細辛湯コタロー2cap×3 三和1.5g
◎チック、レビー小体病 →54抑肝散ツムラ2.5g
◎パーキンソン病 →25桂枝茯苓丸オースギ1.5g
◎関節リウマチ →52よく苡仁湯クラシエ6錠×3
◎陰部の搔痒、疼痛 →3乙字湯ツムラ2.5g
◎臓器の下垂感 →41補中益気湯ジュンコウ6錠×3
◎青年男女のにきび →52清上防風湯ツムラ2.5g *瘀血なし(桃仁で悪化)。赤く隆起、先端は化膿。つまりは健康体。エピデュオゲル。
◎生理痛 →(駆瘀血剤以外だと)腹痛には桂枝加芍薬湯、頭痛には五苓散
◎高齢者の高血圧、早朝の浮動感 →47釣藤散ツムラ2.5g *動脈硬化が原因 *石膏・釣藤鈎が主薬。脳血管の攣縮を緩和。 *中年以降にやや虚状を呈し、朝立ち上がることが困難な者。
◎口に唾液がたまる →32人参湯オースギ2g 真武湯と並んで虚弱 *乳幼児のよだれ→五苓散 *リスパダールの副作用(統合失調症)→黄連解毒湯
127麻黄附子細辛湯コタロー2cap×3 三和1.5g 昇圧・中枢体温を上げる
◎冷えによる疼痛を治す。 『麻黄・附子が主薬』
*冷えによる全身の痛み、特に触れるとすぐ怒る介護老人。
18桂枝加朮附湯三和3g 141葛根加朮附湯三和2.5g
◎温めると軽減する神経痛に。 『桂皮・附子が主薬』
*麻黄附子細辛湯が優る。使う機会はない印象。
*麻黄剤は、不眠、高血圧・頻脈、多汗に注意!
38当帰四逆加呉茱萸生姜湯ツムラ2.5g 末梢動脈をひらく
◎しもやけを治す。(冷えによる動脈閉塞)
◎ASO(閉塞性動脈硬化症)を治す。 →桂枝茯苓丸と併用
*駆瘀血剤、四物湯、附子など併用するとさらに効果は強まる。 『桂皮・呉茱萸が主薬』
31呉茱萸湯ツムラ2.5g
◎ビールの飲み過ぎ、胃冷によるしゃっくりを治す。
*全身を温める効果はない。その分、熱証でも使用できる。 『人参・呉茱萸が主薬』
27麻黄湯ツムラ2.5g 1葛根湯ツムラ2.5g 45桂枝湯ツムラ2.5g
◎気管支炎(かぜ)に使う漢方。 *関節痛→『麻黄』 *肩こり→『葛根』 *手冷→『桂枝』
*寒気がする場合に限り使用。
*胃腸が弱っている場合は、→9小柴胡湯。 乾燥の咳は悪化!注意!
*気道粘膜の乾燥を治すには、→80柴胡清肝湯。104辛夷清肺湯。 鼻炎は悪化!
*のどの化膿には、桔梗→109小柴胡湯加桔梗石膏、122排膿散及湯。 嘔吐は悪化!
●気管支炎ではなく、胃腸炎なら→14半夏瀉心湯クラシエ6錠×3 ジュンコウ2g *抗がん剤による多発口内炎 *胃腸炎による下痢・嘔吐に有効。グル音亢進、黄色舌苔が条件。『黄連・乾姜が主薬』
41補中益気湯、43六君子湯、32人参湯 (補気剤)
*軟便、寒がる者に限り使用。
5安中散コタロー2cap×3 オースギ1g 『茴香が主薬』
◎寒証の胃薬。 *太田胃散、SM散に類似。
*熱証→柴陥湯、ストレス性→四逆散、加味逍遙散など。
106温経湯ツムラ2.5g
◎進行性指掌角皮症を治す。 『麦門冬・阿膠が主薬』
*四物湯の地黄を除き、麦門冬と阿膠を加えた。牡丹皮、呉茱萸、桂皮も入っている。
50荊芥連翹湯ツムラ2.5g
◎上半身の湿疹 (解毒証体質、寒証)
*温性が強く、使う機会はない。
53疎経活血湯ツムラ2.5g
◎坐骨神経痛など冷えによる腰下肢痛に。
*四物湯にさらに温性の生薬をプラス。熱証には禁! (鼻炎も悪化)
→潤腸湯+桂枝茯苓丸が優る。疎経活血湯は使う機会がない。
83桂枝人参湯ツムラ2.5g
◎頭痛を治す。 *もともと冷え症、胃腸が弱い。
124川芎茶調散ツムラ2.5g
◎かぜの頭痛を治す。
*イライラすると頭痛 →加味逍遙散など柴胡剤
気血両虚
65帰脾湯ツムラ2.5g 137加味帰脾湯クラシエ9錠×3 ツムラ2.5g 『人参・黄耆が主薬』
◎貧血・動悸、易疲労を治す。
*地黄なし。補中益気湯、十全大補湯が胃にさわる者に適応。
*熱証、便秘には禁! 虚証で軟便、冷えの者に限る。
◎内出血 (打撲していないのにあざ)
◎ペット、親族の死で心身とも疲弊。食べれない、眠れない。
102当帰湯ツムラ2.5g 『当帰が主薬』
◎冷えによる胸背部痛を治す。
*狭心症のような痛み、原因は上腹部のガス。温めると治る。(人参、当帰、乾姜)
◎胃けいれんにも効く。
*人参含有。熱証、便秘には禁。
97大防風湯ツムラ3.5g 三和3g 『杜仲・附子が主薬』
◎肉が落ちて、手足の一方が細くなった者。(片麻痺)
*栄養が不足し、皮膚や筋肉が委縮した状態。
*気血両虚に使う漢方で、便秘・熱証には禁。
◎帯状疱疹後神経痛、脊柱管狭窄で筋力低下 など難治性疼痛に大防風湯+桂枝茯苓丸として良いケースあり。(四物湯+桂枝茯苓丸+人参黄耆・附子)
108人参養栄湯ツムラ3g クラシエ2.5g 『地黄当帰・人参が主薬』
◎るいそう、皮膚乾燥、軟便、咳・息切れ
*地黄が多い。弱ってはいても、胃腸は丈夫。 →地黄ムリなら帰脾湯
48十全大補湯ツムラ2.5g 『人参黄耆が主薬』
◎るいそう、皮膚乾燥、軟便
◎疲れてすぐ横になる。
*気血両虚の基本処方。地黄あり。
総論
乾燥
◎皮膚乾燥(血虚) →肉、ゴマ油 *四物湯、潤腸湯、温清飲など地黄剤
*爪がもろい、毛が薄い
*白舌、裂紋
*冷え体質(特に下肢)
◎気道の乾燥(陰虚) →ゆり根 *大黄牡丹皮湯、麦門冬湯、柴胡清肝湯など
*無苔
*熱により水分がとんでいる場合は熱証の治療を優先する。(黄連解毒湯など)
熱毒(実熱証) →黄連解毒湯
*顔面紅潮 *あつがる *かゆい
*体力あり、腹力(+) *よく食べる、高血圧・糖尿病体質
*精神的には躁状態
→野菜を沢山とって、体を冷やす。 ダイエットも必要。
→生姜、唐辛子、キムチ、カレーなど熱性食品を控える。(*冷え・疼痛には良い)
上熱下寒(瘀血)
*首は熱いが手足は冷えている。(常に不快感、多訴) →加味逍遙散
*便秘、痔 *固定痛 →桂枝茯苓丸
*胃痛、背部痛 →柴胡剤
→熱が目立つなら、熱性食品は控える。
→運動が超重要! (パーキンソン病、引きこもりなど、野外活動が少ないと発生)
→セロリ、セリなど芳香食品、レタスなど少し苦味のあるもの、いちご、オレンジなど酸味のあるものが良い。が、食品での治療には限界がある。
→便秘には、野菜、キノコ、コンニャクなど食物繊維、バナナ、ヨーグルト、白ごま、ゴマ油などが良い。
→この体質は鼻炎を合併しやすい。舌歯痕など水毒、冷えや気滞が原因に見えて、背景に瘀血あり。
冷え(上熱下寒でなく、純然たる冷え)
◎昇圧、中枢体温を上げる →麻黄附子細辛湯
◎末梢血管を広げる →当帰四逆加呉茱萸生姜湯
◎静脈のうっ滞を解消 →駆瘀血剤 この3つが、冷え・疼痛治療の基本。
*かぜで一時的に寒がる者 →麻黄湯、葛根湯、桂枝湯
*もともと熱実証の者が弱って寒証に転じた場合 →補中益気湯
*冷えもあるが胃腸の虚弱が目立つ場合 →人参湯・六君子湯、小建中湯
*冷えもあるがむくみやすい →当帰芍薬散
*貧血、内出血 →帰脾湯
*難治性の神経痛 →大防風湯+桂枝茯苓丸
便秘
◎瘀血と考え、まずは駆瘀血剤を使用。
*桂枝茯苓丸→治打撲一方→通導散
◎駆瘀血剤が飲めない者は、瘀血ではなくただの便秘 →大黄甘草湯、三黄瀉心湯
*熱毒。体の痛みもなく、不眠気味 →三黄瀉心湯で冷やしたい
*疼痛か冷えあり、冷やしたくない →大黄甘草湯
◎老人性の便秘には、麻子仁丸をよく使う。
*カマグ1~2gとセンノシド2~4Tなど、下剤が多く入っている例。
*人参(補剤)、五苓散(利水剤)などは便秘解消してからで。
*治打撲の圧痛点(臍横右2㎝)か、大黄牡丹皮湯の圧痛点(右下腹部)がある場合は、それを優先して間違いない。
◎地黄の副作用どめに使う。地黄の胃もたれ、熱証を緩和する。→潤腸湯
軟便
◎胃腸虚弱には、人参。六君子湯が基本。 ただ、啓脾湯や人参湯、小柴胡湯や真武湯、五苓散、半夏厚朴湯、二陳湯、竹筎温胆湯、麦門冬湯、加味帰脾湯、補中益気湯、女神散、八味丸も下痢はとめる。 (補剤、利水剤)
◎胃腸炎による下痢→半夏瀉心湯、五苓散 ストレス→桂枝加芍薬湯
◎軟便の者のほてり →女神散
◎軟便の者の皮下水腫 →防己黄耆湯
◎軟便の者の腹冷 →大建中湯
駆瘀血剤の系統
◎桃仁、牡丹皮系(冷) 24加味逍遙散(上熱)、25桂枝茯苓丸(手冷)、33大黄牡丹皮湯(手温)、61桃核承気湯(強度便秘)
◎樸樕系(中) 89治打撲一方
◎紅花、蘇木系(中) 105通導散(強度便秘)
◎当帰系(温) 23当帰芍薬散(冷えむくみ)
*寒証の者だと、冷性の桃仁牡丹皮系は悪い。(胃痛、下痢する) 中間、温性の89、105、23が良い。
*熱証の者だと桃仁牡丹皮系。 上熱下寒だと、熱が目立つ場合は桃仁牡丹皮系だが、寒が目立つ場合は89、105が良い。23はほてるので悪い。
*駆瘀血剤で副作用が出る場合は、温冷を間違えているか、瘀血のない者である。
診察の手順
⓪まずは主訴、医者に何を治してほしいか。体調が悪くなるとしたらどこか、を問診。
①手足、首と触り、寒熱を診る。と同時に、皮膚乾燥の有無をチェック。(暑がる方か、寒がる方かを問診。)
→実熱、上熱下寒、寒証を判定。(熱と思えば、湿疹・かゆみの有無を問診。寒と思えば、痛みと乾燥の有無を問診。)
*手汗・手冷→四逆散 *手冷→水毒 *手温→陰虚(乾燥の咳を問診)
*乾燥が全身→四物湯 *足の一部だけ→参考所見
②舌歯痕を診る。(歯痕(+)→立ちくらみ、のどのつかえ、鼻炎の有無を問診。)
③口唇色を診る。青紫→駆瘀血剤
*ほか、*提示不良→抑肝散 *厚舌苔→二陳湯系 *黄色舌苔→半夏瀉心湯
*寒熱も、舌色で再確認。熱証→紅舌 寒証→白舌
④便秘の有無を問診。痔の既往もあわせて。(瘀血の判定)
⑤腹部の圧痛点を確認。あとは腹力、臍上悸、臍下不仁を確認。
*心下とその左右、臍横、臍上、右下腹部、左下腹部、下腹正中
胸部苦悶
◎のどのつかえ →半夏厚朴湯
◎胸部中央の苦悶・心下痞 →香蘇散+四逆散
*あとは、山梔子(黄連解毒湯、加味逍遙散)、胸脇苦満と考え柴胡剤+駆瘀血剤。
*ソラナックスかランドセンを併用。リリカ、ドグマチールも考慮。
陰虚
*乾燥の一種。煩熱、無苔、口渇・咳を特徴。皮膚乾燥とは違う概念で、気道の乾燥、体の水分保持力の低下による手足の煩熱を意味する。
*飲水では改善せず、加湿器の使用、ゆりね、天門冬・麦門冬など、ねばりけのある食品で改善する。漢方薬で言うと、柴胡清肝湯、滋陰降火湯、清暑益気湯、麦門冬湯など。鼻炎の悪化に注意。
熱
*皮膚の発赤、かゆみ。不眠・精神的興奮、躁状態。
*治療は黄連解毒湯を基本とする。(上熱下寒の場合は駆瘀血剤)
冷え
*手足の冷え、尿量が多い。
*部分的な皮膚乾燥や、神経痛を合併しやすい。治療は上熱下寒だと駆瘀血剤に、麻黄附子系か地黄剤を併用する。当帰系は合わない。 寒証だと当帰系(当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰芍薬散、当帰飲子)が適合する。Caブロッカー(コニール)も考慮。
血虚
*皮膚乾燥を指す概念。ほか、脱毛、爪がもろい、月経が少ない・遅れる、白舌・裂紋、神経痛、膝の冷痛も血虚ととる。ほか、耳鳴り、こむら返りなども血虚と関連する。(裂紋は陰虚でも現れる)
*治療は食品だと肉類、漢方薬だと四物湯。
水毒
*体の局所(特に上半身)に湿気がたまった状態。舌歯痕、厚舌苔として観察できる。
*治療は、二陳湯、五苓散、半夏厚朴湯、六君子湯など。浮腫の部位により使い分ける。砂糖、小麦の制限が超重要。
気虚
*胖大、舌歯痕、地図状舌
瘀血
*静脈のうっ滞。便秘、痔、口唇紫、下腹部圧痛、月経が重い、固定痛等で証明される。
*野外活動、運動が超重要。駆瘀血剤で治療。
帯状疱疹
*バルトレックス(500)6T初期治療をしっかり行う。急性期の熱と水疱には、越婢加朮湯を基本とし、あとは黄連解毒湯や五苓散、桂枝茯苓丸加薏苡仁の併用を考える。
*慢性期で痛みが残る場合は、寒証に転じており、四物湯を基本とし、あとは駆瘀血剤を考える。
関節リウマチ
*急性期で熱と浮腫がある時期は、越婢加朮湯を基本とする。(以下、同上)
*慢性期には、よく苡仁湯を基本とする。ネオーラルかジセレカ併用を推奨。
コロナ感染症
*寒気(発症1~2日)➡葛根湯、麻黄湯 *口が苦い(発症3日以内)➡小柴胡湯(+桔梗石膏)
*強いのどの痛み(発症4日以降)➡プレドニン30㎎×1~3日 *頻回の粘血便➡半夏瀉心湯
*治癒後の疲労倦怠感➡補中益気湯 *長引く咳、痰➡竹筎温胆湯
耳鳴り
*陰虚、血虚、瘀血、腎虚、熱証あらゆるものが原因となる。全身を診て判断する。
*若い人はストレスが原因。柴胡剤+駆瘀血剤。加味逍遙散、抑肝散。顔面紅潮には黄連解毒湯。
*高齢者は脳循環不全が原因。釣藤散。あとは腎虚。足腰の冷え・夜間頻尿には牛車腎気丸。
*急速に発症したものは、炎症・浮腫が関与。発症直後は柴苓湯。
頭痛
*かぜ→葛根湯、川芎茶調散(胃は丈夫) これは風邪が治れば治る。
*冷え→葛根加朮附湯、五積散
*熱→黄連解毒湯、清上防風湯
*気候病、めまい・立ちくらみ→五苓散
*あとは瘀血。
腰痛
*老人性(脊柱管狭窄症)→潤腸湯+桂枝茯苓丸 *地黄剤は四物湯でも可
*ぎっくり腰→芍薬甘草湯+麻杏薏甘湯、あとは桂枝茯苓丸
関節痛
*曲げ伸ばしで痛い→よく苡仁湯
*熱感(+)→越婢加朮湯 *瘀血→桂枝茯苓丸など
*熱感(-)→10桂芍知母湯コタロー3g (桂枝加朮附湯より麻黄があるぶん強い)
神経痛
*基本は冷痛・血行不良と考え、桂枝加朮附湯+四物湯+駆瘀血剤とする。(大防風湯+桂枝茯苓丸) しかし、温めると良くない例は、清熱剤や柴胡駆瘀血剤が必要となる。温清飲のような形になる。
*知覚過敏の病態(アロディニア)には、麦門冬湯、当帰飲子、大防風湯+桂枝茯苓丸、柴胡清肝湯などを考える。
月経痛
*月経前は水滞、むくみや水毒頭痛をきたしやすい→五苓散、当帰芍薬散
*月経初日から2~3日は生理痛がひどい→瘀血(加味逍遙散、桂枝茯苓丸)
*更年期のほてり→黄連解毒湯、便秘なら加味逍遙散
アトピー
*『第一段階は、増悪期で、皮膚の発赤、搔痒、腫脹・びらんが特徴。迷わず強力な発表剤、抗炎症剤だけを投入し炎症の沈静化を図る。具体的には越婢加朮湯や黄連解毒湯である。間違えても四物湯など補剤を用いてはいけない。火に油を注ぐことになる。桃核承気湯や通導散などの攻下の剤は時に用いる場合がある。
第二段階は安定期で、皮膚は腫脹せず、発赤も瘙痒も軽度である。著者は消風散、十味敗毒湯、温清飲などを中心に考えるが、白虎加人参湯、苓桂朮甘湯、十全大補湯、補中益気湯など広範な選択がありうる。
第三段階は枯燥期で、肌は腫脹も発赤もなく、枯れた状態である。乾燥し、皮膚の落屑は粉をまき散らしたようである。この場合は四物湯を中心に補血し、若干の清熱剤を混じて用いる。安定期同様に薬方選択の幅は広い。
要するに治療法は清熱と補血を意識して、メリハリのついた治療方針を立て、腫れとかゆみに対して的確に対処することに尽きる。』
*ステロイドは効くが、結局は一進一退の経過となる。外用は副作用を考えると、プロトピック軟膏、コレクチム軟膏でコントロールしたい。内服は、ネオーラルが優秀。割と少量、25~50㎎で効く。
生薬
●酸棗仁:安眠。夢が多い者に効く。 ➡酸棗仁湯
<陰虚、乾燥を治す>
●石膏(硫酸Ca):舌の乾燥、口渇に使う。喉の乾燥以外では、かぜによるのどの痛みにも使う。老人性の口内乾燥、熱中症、アトピー・喘息など。 一方、精神の熱には無効。ほか排膿を阻害、浮腫は悪化。舌苔の厚い者には禁。 ➡釣藤散、白虎加人参湯、小柴胡湯加桔梗石膏、麻杏甘石湯など
●地黄:膝の冷痛、皮膚乾燥に。胃もたれに注意。 ➡四物湯、潤腸湯、八味丸など。
●麦門冬:陰虚を治す。(手のひら・足の裏のほてり、気道の乾燥に。) 皮膚の乾燥には無効。鼻炎は悪化。多く使うと胃は悪くする。 ➡麦門冬湯
●天門冬:麦門冬よりさらに強力。胃にさわりやすい。 ➡滋陰降火湯
●貝母、百合:麦門冬より強力だが、天門冬ほどではない。 ➡辛夷清肺湯
●知母:発汗や体液の消耗を抑える。
●茵ちん蒿:黄疸、皮膚病に使用。
<血行を改善>
●当帰:末梢血管をひらく。冷えには良いが、ほてりは悪化。月経過多、陰虚、陽虚には禁! ➡当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、当帰飲子
●川芎:当帰よりさらに強力。当帰とはよく併用。
●白芷:かなり温める。精神疾患には禁! ➡五積散、荊芥連翹湯、清上防風湯、川芎茶調散、疎経活血湯
<体温を上げる> (陽虚に適)
●附子:低体温に。熱の産生が衰えた高齢者、もとから低体温で寒がる者。 ➡麻黄附子細辛湯、真武湯、八味丸
<お腹を温める> (腹冷・軟便に適)
●乾姜、山椒 ➡大建中湯
<元気を出す>
●人参:胃の不調を解消。ただし便秘・熱証は悪化。精神の患者には禁! ➡六君子湯、補中益気湯
●エゾウコギ:元気を出す。晩に飲むと不眠に。人参系だが、精神疾患にも使える。
<湿気を除く>
●桂皮:手足の先を温める。利尿・発汗を促す。手冷・水毒、寒がる者に適応。手温には禁! ➡桂枝加芍薬湯、桂枝茯苓丸、五苓散・苓桂朮甘湯、桂枝加朮附湯、葛根湯など (*桂皮の特徴はない処方(手温にも使用):治打撲一方、よく苡仁湯)
●半夏:咽喉頭、鼻粘膜の浮腫を除く。便秘・乾燥は悪化。舌の乾燥・無苔には禁! ➡半夏厚朴湯、二陳湯・竹筎温胆湯、六君子湯・小柴胡湯、半夏瀉心湯
●桔梗:半夏は咽喉頭のむくみをとるが、細菌感染や膿の貯留となると桔梗が必要。半夏はかえって悪い。桔梗には排膿・排出作用あり、嘔吐は悪化。注意! ➡小柴胡湯加桔梗石膏、桔梗湯、排膿散及湯、柴胡清肝湯、竹筎温胆湯、防風通聖散
●茯苓、蒼朮白朮、猪苓、沢瀉
<胸の苦しさを除く>
●柴胡:横隔膜周辺の疼痛・苦悶を治す。(胃痛・背部痛) ➡四逆散、加味逍遙散、柴陥湯、小柴胡湯、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯
●山梔子:便秘し、後頚部が煩熱、胸中が鬱々悶々とし何とも言えない状態を治す。(*ストレスによる軽い肝障害) ➡加味逍遙散、茵ちん蒿湯
●香附子 ➡香蘇散+四逆散
<体を冷やす>
●黄連、黄芩、黄柏
●升麻:体を冷やす。
●金銀花
●菊花:利尿あり。
●冬瓜子:すいかと同じ。清熱、補水が主。 ➡大黄牡丹皮湯
<上熱を清す>
●薄荷:上熱を清す。(実熱には無効) ➡加味逍遙散、柴胡清肝湯、防風通聖散
●山梔子:上熱下寒に適する。 ➡加味逍遙散
●葛根:首の熱、湿をとる。
<下痢止め>
●蓮肉:下痢を止める。 ➡啓脾湯
●タンニン:下痢を止める。 ➡フェロベリン、新タントーゼA、ロペミンなど。
●生レンコンのしぼり汁:止血(生理出血など)、下痢を止める。
<便秘>
●難消化性デキストリン
●大黄芒硝:センノシド、カマグで排便が一定しない場合は、大黄甘草湯や麻子仁丸が良い。 ➡大黄甘草湯
●枳実、杏仁 ➡麻子仁丸
●決明子、山梔子
●バナナ、ヨーグルト、白ごま、ゴマ油、オクラ、ごぼう、枝豆、こんにゃく、さつまいも
<関節痛、関節炎>
●薏苡仁:関節痛を治す。筋の付着部位、健あたりの熱(炎症)、湿を除く。 冷えは悪化、便秘するのが難点。 ➡よく苡仁湯、麻杏薏甘湯
●麻黄:節々の痛みを治す。
71四物湯 寒虚証、皮膚乾燥を治す
A.皮膚乾燥 (*肌の色つやが悪く、老人性の皮膚乾燥を思わせる。貨幣状湿疹の患者。)
B.足の冷え (*膝の冷痛にも多少効果)
C.胃腸の虚弱、上熱がないこと。 (➡あれば温清飲類を優先)
E.舌は乾燥し、赤黒くなる。
F.充血・出血、皮膚の炎症・浸出液は悪化。(*黄連解毒湯を合方し、温清飲とすれば悪化を防ぐ。)
*熱証で四物湯や当帰芍薬散が胃にあたる場合は、柴胡清肝湯や竜胆瀉肝湯を選択する。
*食事でも、豚肉など肉類、白ごま・ごま油などを摂取すること。
*皮膚乾燥の治療は、たとえば胃腸虚弱なら四君子湯を足して十全大補湯、熱証なら黄連解毒湯を足し温清飲類とする。
●地黄3芍薬3 :潤す
●当帰3川芎3 :温
*クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2g、ジュンコウ2.5g、ツムラ2.5g。コタローが優れる。熱証でもまだ飲める。ツムラ、ジュンコウは熱をもち、胃にもたれやすい。
*血行を良くし温め、皮膚を潤す処方。血虚の者の冷え、倦怠・疼痛を改善する。「不通即通」
*皮膚を潤すのは地黄。当帰・川芎は血行を良くし、体を温める。熱証の者だと、地黄以上に当帰川芎が胃もたれの原因になる。(*地黄は、胃腸虚弱で食事が進まない者、嘔吐には禁!)
15黄連解毒湯 熱実証、熱毒を治す。
A.有り余る体の熱が湿疹やかゆみとなり体表に出る者。風呂上りに、発赤の強い紅斑・湿疹が出る。
B.顔面紅潮 皮膚粘膜の充血・熱感。汗かき、暑がり。
C.熱毒による不眠・興奮。躁病、統合失調症。高血圧。
*熱はエネルギーであり、黄連解毒湯の患者は会社経営するなど体力があり、大食する。汗かき、暑がり。 純粋な熱実証であれば、冷えや乾燥はない。
*もともと熱実証だが、食欲・元気がない、体が冷えるという例(=疲弊し寒虚証に転じた者)には、補中益気湯(温める漢方)を使う。
●黄連1.5黄芩3山梔子3黄柏3、全て清熱
*山梔子があるが、下痢はしない。便秘にも効かない。
*皮膚炎・かゆみは治すが、乾燥は治さない。(*アトピーには四物湯を併用。)
*オースギ1.5g、オースギ5T×3が優れる。ジュンコウ1.5g(黄連2黄芩3山梔子2黄柏2)、ツムラ2.5g(黄連2黄芩3山梔子2黄柏1.5)、クラシエやコタローは効果・副作用とも劣る。
*胃腸虚弱、寒虚証の者は長くは飲めない。体が冷えて神経痛が悪化したり、あとは胃も痛くなってくる。しかし、①湿疹やかゆみが出ている際、②当帰や附子で温めすぎて、熱が過剰となりイライラしている場合などは良く適合する。1—2か月は飲むべきである。
80柴胡清肝湯 解毒証体質。アトピー・喘息。
① 皮膚枯燥・アトピー体質で、上半身に吹き出物ができ、段々と色素沈着してくる者。気道も枯燥・バリア機能が弱く、扁桃炎・中耳炎、喘息になりやすい。解毒証体質は、このように皮膚・気道が弱い者をいう。 *普通、胃腸は丈夫である。乾燥により熱は盛んとなりやすい。
*消風散はかえって悪い、注意! 飲酒で悪化!
*『皮膚は枯燥して赤味を帯び、灼熱感があり、搔痒がひどく、ひっかくと粉をふく。顔面・頭部、首の後ろがひどく侵される。多くは丘疹性の湿疹で、掻破による出血痕がある。』『顔面・頭頚部の湿疹が主訴。酒に酔ったような赤い顔で、首の後ろの皮膚は木の皮のように硬くなっている。患部には灼熱感があり、皮膚が乾燥して痒いだけでなく、痛いのでオリーブオイルを塗っている。そうしないと粉がふきこぼれる。ひっかいた跡が点々と黒くなっている。ステロイドは一時は少し良いが、結局良くならない。食欲や元気はある。腹直筋の緊張は良い。口渇が強い。』
② 児童の実熱もしくは上熱下寒、ADHD児の多動・不穏 (*手足の冷はあってもよい)
*便秘なら加味逍遙散を優先。柴胡清肝湯は黄連解毒湯に近いが、皮膚も気道も潤す。
③ 口渇・乾燥の咳、陰虚の熱を治す。(*鼻炎は悪化)
●地黄1.5当帰1.5川芎1.5芍薬1.5 :四物湯
●黄連1.5黄芩1.5黄柏1.5山梔子1.5 :黄連解毒湯
●柴胡2薄荷1.5、連翹1.5桔梗1.5、牛蒡子1.5カロコン1.5甘草1.5 :清熱、上背部の湿疹・化膿を治す、気道を潤す (*牛蒡子:肺・咽頭を潤し、熱を冷まし、湿疹を治す。) (*桔梗:頭目・咽頭の熱を冷ます。排膿。)
*ツムラ2.5g、コタロー3g、どちらも優秀。 長く使うと潤して鼻炎に傾く。ほか、上熱の清熱は弱く、加味逍遙散・駆瘀血剤に劣る。清熱は期待しないこと。
*皮膚の分泌物、水疱は悪化させる場合あり。そのような際は、消風散が適する。
57温清飲 解毒証体質、アトピー・乾癬
*柴胡清肝湯とほぼ同じ適応。補血、清熱することで、肝気を静める。
●地黄3当帰3川芎3芍薬3 :四物湯
●黄連1.5黄芩1.5山梔子1.5黄柏1.5 :黄連解毒湯
*オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、ツムラ2.5g、コタロー4g(地黄4当帰4川芎3芍薬3黄連1.5黄芩3山梔子2黄柏1.5)、ジュンコウ2.5g(地黄4当帰4川芎4芍薬4黄連1.5黄芩3山梔子2黄柏1.5)は配合量が異なる。
22消風散 浸出液が多い皮膚病。(*皮膚枯燥とは逆の病態)
① ジュクジュクした皮膚病。慢性に経過し、かゆみは強い。場所は下腿の一カ所にとどまる例から、顔面頭部、全身に及ぶ場合もある。浸出液が多く、痂皮形成・口渇(+)となる。初期は夏場の熱、梅雨の湿気で悪化する。全身に及ぶと季節性はなくなる。完治には1年ほど必要。
*浸出液が多く、汁が垂れてくるような皮膚病には消風散。接触性皮膚炎など急性に発症したものには無効で、この場合は越婢加朮湯を使う。
*砂糖、アルコール、牛肉、さばは控えること。
●地黄3当帰3・胡麻1.5、防風2荊芥1 :温・肌を潤す、温・湿疹を治す
●石膏3知母1.5、牛蒡子2蝉退1苦参1 :清熱・補水、清熱・湿疹を治す
●蒼朮2木通2、甘草1 :水を除く、緩和
*温4、清熱5と清熱が優る。考え方は温清飲に近い。消風散無効なら温清飲、温清飲無効なら消風散。状況に応じて十味敗毒湯、黄連解毒湯など合方する。
*オースギ2.5g、ツムラ2.5g、コタロー3g、優劣未判定。
6十味敗毒湯 酒毒による皮膚病、下腹から腰回り・四肢の発生が特徴
ビール、薬剤など毒による湿疹。病変は赤く膨隆し、乾燥気味で搔痒(+)。慢性的な経過をたどる。
① 主に下腹から腰まわり、四肢にも発生。発疹は少し赤味があり、結構かゆい。いったん治っても、飲酒で悪化。(*葛根湯でも悪化する、注意!)
*基本的には健康体。食欲、便通には異常がない。病変は乾燥、口渇(+)。浸出液が多く、痂皮を作るようなものには向かない。(➡治頭瘡一方、消風散)
②「白髪染めでかぶれて慢性湿疹に」「化膿する病変」「1年以上続く手掌の湿疹と落屑、汗疱性白癬の外観。発赤少なく、かゆみはない」「手掌・足底の小豆大の出来物。化膿はせず、1か月で自然に治っては、またできる」
*いずれも湿疹の外観が乾燥気味であることが特徴。心下痞、胸脇苦満は必須ではない。
*膿には表面のものと、中の方に出来るものとがある。表面の膿は陽症、気血の過剰・うっ滞で、肥満する中高年に多い。特に酒、肉、油が悪い。 中の方に膿をもち、中々排膿しないものは陰症で、まずは葛根湯や十味敗毒湯で発表するのが良い。体力が不足し、治りが悪い場合は、黄耆建中湯、十全大補湯、帰脾湯、補中益気湯などで気血を補う。石膏は禁、膿を中に閉じ込めてしまう。この場合、口渇には麦門冬を使う。
*もとは大柴胡湯を使う肥満型の男性。旅行で多く飲食した後、下腹部におできができた。それが中で化膿し鶏卵大にまで大きくなり、疼痛著しく、発熱・悪寒。 十味敗毒湯1か月で治る。
*32歳女性。母趾にけがをして、そこから化膿。発熱・悪寒、腋窩リンパ節まで腫れた例。十味敗毒湯1週間で治る。
*飲酒習慣のある36歳女性。1年中、顔面・頚部に吹き出物ができる。一つ治ればまた一つできるといった具合。十味敗毒湯4か月で治る。
*43歳男性。胆嚢摘出してから、全身に湿疹ができてかゆくてたまらない。かきむしった傷があり、化膿しておできになったものは痛くてたまらない。赤味が強く、隆起し、固く緊満している。十味敗毒湯1~2日でおできはつぶれて排膿し、楽になった。(しかし、湿疹には大して効果なし)
●川芎3桔梗3防風1.5荊芥1独活1.5生姜1 :温
●柴胡3樸樕3、茯苓3、甘草1 :柴胡・駆瘀血、利水、緩和
*樸樕を使用した温、駆瘀血・柴胡剤。
*オースギ2g、クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。 ➡タウロミン(市販薬)
59治頭瘡一方 新生児の頭部湿疹に使用、体力があり、便秘の者に適。
① 新生児の頭部湿疹。顔は炎症で真っ赤である。浸出液が多く、痂皮・落屑を認める。搔痒は強い。
●川芎3防風2 :血行促進(顔面頭部)
●荊芥2連翹3忍冬2 :湿疹・化膿を治す
●紅花1大黄0.5、蒼朮3、甘草1 :駆瘀血、利水、緩和
*上熱を治すものではない。胎毒の解毒が主である。
*『清上防風湯は清熱を主とし、治頭瘡一方は解毒を主とする。』
*口渇あれば桔梗石膏、瘀血あれば桃仁を合方する。ほか、十味敗毒湯、黄連解毒湯も併用可。
*浸出液が治まり、乾燥が目立つようになれば温経湯が適合する。
58清上防風湯 健康体の男女青年、顔面頭部のにきびに (*便秘・瘀血の者に使うと悪化!)
*『上焦の熱が盛んで頭面に瘡癰毒腫などの症あれども、便秘がなければ防風通聖散のごとき大黄芒硝滑石の類は用いぬなり。』
*『面庖(にきび)は強壮の青年男子に多く、女子の場合も壮実で顔色赤く、発疹も充血して赤いもの・頭部湿疹・眼充血・顔面充血・酒皶鼻などによい。薏苡仁を5.0gぐらい加えるとよい。』
*上部の熱を解くには攻下する場合もあり、治頭瘡一方などは攻下して頭瘡の邪熱を除く手段である。
●黄連1黄芩2.5山梔子2.5、川芎2.5白芷2.5 :黄連解毒湯、四物湯
●浜防風2.5荊芥1薄荷1、連翹2.5桔梗2.5枳実1、甘草1 :上部の湿疹に、化膿に、緩和
*川芎白芷防風荊芥桔梗薄荷は上焦に作用、駆風解毒する。連翹桔梗枳実は排膿に働く。
*ツムラ2.5g、オースギ2.5g(防風2.5)、優劣未判定。
*適合する皮疹の性状は、隆起著明・赤味が強い。先端は化膿。これは顔だけでなく頭にもできる。瘀血の関与はなく、桃仁で悪化する。
*重症例はエピデュオゲル、抗生剤内服も併用。
135茵ちん蒿湯 黄疸・肝障害、便秘を治す。
① 黄疸・肝障害あるいは胆嚢摘出の既往があって、便秘する者に適応。
② 夜間の皮膚搔痒発作。便秘あれば茵ちん蒿湯を。寒い時期に悪化する例は葛根湯加石膏を。
●茵ちん蒿4山梔子3、大黄1 :清熱、下剤、黄疸の治療
*便通を良くし、黄疸と熱を去る。肝障害に使用。
*オースギ1g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、ツムラ2.5g、コタローカプセル1T×6、優劣未判定。
*合わないと胃にもたれて、食事量が減ってくる。「皮膚病、痒がる」あるいは「躁病、熱実証」という所がポイントではなく、「肝障害・黄疸」「便秘」が使用のポイントである。
98黄耆建中湯
A.褥瘡・肉芽形成が不良。リンパ節が自壊し瘻孔となり、体液が漏れ出す者。
B.るいそう・栄養不良、疲労倦怠など虚証。
C.腹直筋の緊張・腹痛 (*疲労倦怠か腹痛が小建中湯の適応)
●黄耆4 :補気・止汗、軟便を治す
●桂枝4、芍薬6甘草2、大棗4生姜1、膠飴10 :小建中湯
*小建中湯に黄耆を加えた。より虚証の者に適応。ツムラ3g×6。
*六君子湯(水湿)、防己黄耆湯(水太り)、補中益気湯(もとは熱実証)は近い処方。
*00黄耆 :皮膚に栄養を与える生薬。体表に停滞する水を除く。『多汗。発汗で悪化する病態。』『皮膚色が白く、軟らかい。』『皮膚感覚の障害』などに使用。
28越婢加朮湯 熱実証。体表の熱と浮腫に(急性)
① じんま疹・痛風・アレルギーなど、体表の熱と浮腫(急性)に適応。
*腹にも脈にも力あり。虚弱者、結核患者には適さない。
A.花粉症がひどく、目までかゆくなる者。
B.痛風発作、接触性皮膚炎
C.膝関節に水がたまり、熱を持つ者。
*瘀血・便秘あれば大黄牡丹皮湯を足す。
② 尿量減少し、むくむ者。ネフローゼ、高齢者の下腿浮腫など。普通は五苓散の適応だが、体表の熱が盛んな者は越婢加朮湯の適応がある。
③ 食事の味がしない、煙草の味がおかしいなど、舌の乾燥がある例。越婢加朮湯や続命湯など、石膏剤の適応がある。
●石膏8、麻黄6蒼朮4、大棗3甘草2生姜1 :清熱、除痛・利水、胃腸虚弱に。
*石膏で体表の熱をひき、麻黄・蒼朮で浮腫を軽減する。 白虎加人参湯は補水するが、逆に越婢加朮湯は水を除く。
106温経湯 寒虚証、進行性指掌角皮症の特効薬
*進行性指掌角皮症いわゆる手荒れは、特に主婦、美容師、飲食店員、銀行員やアトピー素因を持つ人などによくある。 水仕事をよくしたり、紙幣をよく扱ったりするために手指の皮脂が減るうえ、繰り返し指先に刺激が加わって起こるものである。主に利き手の指先から発症し、皮膚が乾燥してはがれ落ち(落屑)、さらに硬くなって(角化)ひび割れたり、指紋がなくなるなどの症状がみられます。そしてひどくなると両手のひら全体にまで広がってしまいます。冬にひどくなりますが、夏にはよくなることが多いようです。さらに進行すると、赤みやかゆみ、さらには小さな水ぶくれやひび割れもみられるようになり、手あれから手湿疹の状態にまで進んでいきます。
*湿疹の性状は擦りむいたあとのようで、少し乾燥し分泌物はない。あまり隆起せず、発赤を認めない。かゆみはあるがひどくない。 このように手の指、手の甲にできて、慢性・難治に経過する湿疹に効果がある。ただし、精神症状伴う場合は、黄柏を合方するなど、熱が過剰とならないよう注意する。
以下、適合する者の特徴として、
A.下痢しやすい。不妊体質。(*腰あたり、中心部の冷え)
B.手の湿疹、手掌煩熱、口唇乾燥 (*陰虚・乾燥)
C.月経不順、頭痛・下腹部痛 (*軽度の瘀血)
*食欲は普通、やや虚証でやせ型~標準体型。
●麦門冬4・半夏4人参2 :補気・補水
●呉茱萸1桂皮2生姜1、当帰3川芎2芍薬2甘草2・阿膠2 :温、補血
●牡丹皮2 :駆瘀血
*当帰四逆加呉茱萸生姜湯ベース。そこに麦門冬・阿膠・牡丹皮を加えた。
*コタロー4g、ツムラ2.5g。
●熱の治療を優先すべき症例
以下の所見がある者は、まず熱の治療を第一とする。
① 首の後ろが一番熱をもっている者、顔面紅潮している者 ➡手が冷たければ(=上熱下寒)、柴胡剤、駆瘀血剤(加味逍遙散や桂枝茯苓丸、四逆散など)。手が温かければ(=熱実証、高血圧・高体温・肥満過食気味)、黄連解毒湯か大黄牡丹皮湯、大柴胡湯。低血圧・低体温あるいは胃弱・るいそうあるいは軟便であれば(=虚証)、人参証(桂枝人参湯、竹筎温胆湯)。 便秘の有無で分ける考え方もある。便秘あり(2~3日に1回→加味逍遙散・桂枝茯苓丸。3~4日に1回→大黄牡丹皮湯・三黄瀉心湯。4~7日に1回→通導散・麻子仁丸。)、軟便(竹筎温胆湯、女神散、補中益気湯、桂枝人参湯、真武湯)。
② 体の熱が湿疹、かゆみとなり体表に出る者(熱実証) ➡黄連解毒湯
*手先足先、膝、お腹、後頚部と順に触れ、首が一番熱い者。首が汗ばんでいる者。大体は、手足、膝などは逆に冷えている。
*パッと見て顔が赤い者。紅舌が著明。上熱下寒の者もいれば、全身が熱いという者もいる。
*風呂上りや夜布団に入り、体が熱をもつとかゆみや湿疹を生じる者。発赤のある湿疹、あるいは湿疹はなくとも全身(あるいは
上半身)がかゆいといったケース。全身に熱がある患者は全身に、上熱下寒の者は上半身に限定し症状が出る。
③ 感染症による熱発、熱中症・発汗過多による発熱 ➡麻黄湯、白虎加人参湯など麻黄・石膏剤
*外因による発熱には、麻黄剤、石膏剤を使用。 *①~③は内因・精神疾患の熱。多くは上熱下寒か熱実証である。
●熱実証(上熱下寒ではなく、全身の熱が顕著。手足とも温)には、①清熱剤(黄連解毒湯)、②大黄剤(三黄瀉心湯、大黄牡丹皮湯)を使用する。一応、③麻黄剤・石膏剤も候補だが、精神科では出番はない。(感冒・熱中症に限られる。)
*体力があり、過食・肥満、暑がり。 (黄連解毒湯、大黄剤)
*抗病反応が強く、かぜでも高熱が出るタイプ。 (麻黄、石膏知母)
➡清熱、瀉下、発汗が基本
*顔面紅潮・紅舌、弦脈、腹力充実。基本的な熱エネルギー(生命力)があり、脈ても腹診でも押し返してくる。声もハリあり。元来健康、病気知らずの者。
からだを冷やす食品、食物繊維を。 食事は熱源であり、粗食・食事の節制を。
きゅうり、トマト、レタスなど野菜 熱を冷ます食品
野菜海藻キノコ根菜類など食物繊維 肥満・食毒を予防
*体に熱がある者は、キムチ・生姜・にんにく・ニラ、カレー・唐辛子やコショウ・シナモンなど香辛料、ナマ玉ねぎ・シソ・ネギ・からしなど辛味食品は温熱性であり、辛いと感じる物は日常的・習慣的にとらないこと。生薬だと当帰川芎、地黄人参、麻黄附子、山椒ういきょう、桂枝丁子などを避ける。
*飲料に関しては、コーヒー、お酒は上熱を悪化する。基本的には禁止である。
*特に、肥満・食毒の者は、野菜・海藻・キノコ・根菜類(食物繊維)を推奨。カロリーのないもので空腹をまぎらわし、糖質・脂質・蛋白質などカロリーのあるものの摂取量を抑えること。
*鼻炎・舌歯痕など水毒の傾向にある者は、小麦粉(パン・麺類)、ジュース、お菓子、饅頭、果物など甘い物を多くとらないこと。
体を冷やす漢方。 余分な熱が皮膚・体表に、かゆみや湿疹、顔面紅潮となり出る者に使う。
15黄連解毒湯 熱実証、体力・腹力(+)。熱毒を治す。
A.有り余る体の熱が湿疹やかゆみとなり体表に出る者。風呂上りに、発赤の強い紅斑・湿疹が出る。夜、布団をかぶり、体に熱がこもるとかゆみが強まる。 →物理的な冷却も有効
B.顔面紅潮 皮膚粘膜の充血・熱感、出血・浸出液は増える。汗かき、暑がり。
C.熱毒による不眠・興奮。疾患では躁病・統合失調症。(*たとえば春先の不穏、躁状態) 高熱が1週間も続き、幻覚妄想を呈する例。(*せん妄) 不眠症で、頭がさえて眠気がこない、精神的に興奮・イライラ、顔面紅潮しのぼせる、という場合。高血圧、更年期障害の患者に。(*山梔子は充血を去り煩躁を鎮める。)
*熱毒が体表に現れると、湿疹・発赤・皮膚搔痒、顔面紅潮となる。精神面には脳充血・脳熱毒という形で現れ、イライラ・不眠、躁病になる。心臓にでると動悸、高血圧となる。
D.動悸、高血圧、出血。 飲酒でひどく動悸する者。ひどい火傷・外傷を負い興奮状態となり動悸、出血する者。心臓に故障があるわけでなく、心悸亢進もしていないのに、体が熱く全身のあちこちで脈を打つのを感じる者。高血圧や更年期障害で顔面紅潮する者。 黄連解毒湯の場合、胸脇苦満や腹部膨満はなく、心下が少しつかえる程度である。出血には黄連解毒湯や三黄瀉心湯(血流を減らす)、生レンコンのしぼり汁(粘膜や血管を丈夫にする)が効く。
*Aは必ず黄連解毒湯を選択。B—Dに関しては、腹力・体力がある者は黄連解毒湯だが、手足の冷など虚がある者(あとは便秘や固定痛)には、加味逍遙散・桂枝茯苓丸など駆瘀血剤を第一に考える。
*熱はエネルギーであり、黄連解毒湯の患者は会社経営するなど体力があり、大食・肥満する。汗かき、暑がり。身体所見としては、紅舌、腹力充実。 純粋な熱実証であれば、冷えや乾燥はない。
*熱をひきすぎると、冷えが出てきて、元気がない・活動力が失われるということも生じうる。もともと熱実証だが、食欲・元気がない、体が冷えるという例(=疲弊し寒虚証に転じた者)には、補中益気湯(温める漢方)を使う。
●黄連1.5黄芩3山梔子3黄柏3、全て清熱
*山梔子あるが、下痢の心配はない。便秘にも無効。(便秘患者には➡三黄瀉心湯:黄連1黄芩1大黄1 コタロー3カプセル)
*皮膚炎・かゆみは治すが、乾燥は治さない。(*アトピーや乾癬には四物湯を併用)
*オースギ1.5g、オースギ5T×3が優れる。ジュンコウ1.5g(黄連2黄芩3山梔子2黄柏2)、ツムラ2.5g(黄連2黄芩3山梔子2黄柏1.5)、クラシエやコタローは効果・副作用いずれの点でも劣る。胃が弱い者は梔子柏皮湯が良い。
*胃腸虚弱の者、寒虚証の者は長くは飲めない。体が冷えて神経痛が悪化したり、あと胃も痛くなってくる。しかし、①湿疹やかゆみが強く出ている際、②当帰や附子、人参などで温めすぎて、熱が過剰となりイライラしている場合などには非常に良く適合する。虚証であっても2週間~1—2か月は飲むべきである。
➡黄連解毒湯、三黄瀉心湯、柴胡清肝湯、竜胆瀉肝湯、加味逍遙散、通導散、桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯、女神散 :熱をひきたい場合に使う漢方
113三黄瀉心湯 熱実証。便秘の者に使う黄連解毒湯。充血・出血、興奮・狂乱を治す。
*顔面紅潮、気分がイライラし落ち着かない。便秘、脈に力があり、充血、ときに出血する者。腹部膨満や胸脇苦満はない。 脳出血、子癇にも使用。
*昔は刀傷を受け出血、精神的に興奮する者に使った。三黄瀉心湯は、興奮を鎮め、血圧を下げ、出血を止める。 出血している場合、熱いものは避けること。冷やした方が出血は止まる。 鼻血、吐血、喀血、子宮出血などに使用。
*感染症で高熱が出て、精神的に半狂乱状態となる者。更年期で煩熱し、常にイライラする者。刀傷を受け、興奮し出血が止まらない者。
① 熱実証で顔面紅潮。多血質で血色は良い。精神的に興奮、イライラし不眠である。しばしば体をかゆがる。腹力(+)、胸脇苦満や腹直筋緊張はない。
*湿疹には、やはり黄連解毒湯が効く。かゆみだけなら三黄瀉心湯でも可。
② あとは単なる便秘の者で、どうせなら少し熱もひいておくかとなった時に三黄瀉心湯を使う。
③ 鼻出血・眼底出血・脳出血など。興奮を鎮め、出血を止める。あとは子癇にも効果。
●黄連3黄芩3、大黄3 :清熱、下剤
*結構下すので、便秘でない者には使えない。中~強度の便秘に適応。ツムラ2.5g、オースギ1gが強力。コタローカプセル1T×9あり。クラシエ2g・3gは黄連1黄芩1大黄2と効果が弱い。
*熱毒と便秘には、三黄瀉心湯、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、大承気湯、通導散、大柴胡湯、防風通聖散などが候補に挙がる。熱毒と軟便・下痢には女神散、黄連解毒湯など。
135茵ちん蒿湯 黄疸・肝障害、便秘を治す。
*黄疸・肝障害あるいは胆嚢摘出の既往があって、便秘する者に適応。(*黄疸があっても、便秘もせずという場合は梔子柏皮湯を選択。) 胸中の苦悶はあってもなくても良い。
*出血は黄疸と似た病態である。慢性出血の場合、寒熱が重要で、芎帰膠艾湯など温補剤で治らない場合、茵ちん蒿湯が適する。(*帰脾湯や桃核承気湯が適する例もある)
①『夜間の皮膚搔痒。発作的に生じる。所見は口渇(+)ぐらいで、食・便通に異常なし。』 ←葛根湯加石膏もしくは茵ちん蒿湯が効く。(*黄疸・肝機能障害の既往、心窩部のつかえ感、便秘の傾向あれば茵ちん蒿湯を優先。連日の発作で、寒い時期に悪化する場合は葛根湯加石膏を優先。)
*慢性じんま疹や難治性皮膚炎にも適応。
② 急性肝炎(*発熱、黄疸、肝腫大)、黄疸、アルコール性肝障害 (*肝臓癌、肝硬変の精査必要)
③ 黄疸で入院したとか、胆嚢摘出の既往がある者。
④ あるいは黄疸の前兆に。(*胸が塞がったようで苦しく、食欲がなく、ときに嘔気する。)
*大酒家でがっちりした体格、胸脇苦満(+)なら大柴胡湯を合方。酒毒による皮疹だと、茵ちん蒿湯以外には、十味敗毒湯がある。
●茵ちん蒿4山梔子3、大黄1 :清熱、下剤、黄疸の治療
*便通を良くし、黄疸と熱を去る。肝障害、皮膚炎に使用。
*オースギ1g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、ツムラ2.5g、コタローカプセル1T×6、優劣未判定。
*合わないと胃にもたれて、食事量が減ってくる。「皮膚病、痒がる」あるいは「躁病、熱実証」という所がポイントではなく、「肝障害」「黄疸」および「胸部の苦悶」が使用のポイントである。
117茵ちん五苓散 尿利し、黄疸を治す。黄疸・肝障害証。
① 肝硬変による腹水、浮腫。
② 黄疸がある者で、便秘はなく、尿量減少・浮腫がある場合。
③ 慢性じんま疹で、浮腫を伴う例。
●茵ちん蒿4、桂皮2.5沢瀉6茯苓4.5蒼朮4.5猪苓4.5 :肝機能改善、五苓散
*利尿し、黄疸・肝障害を改善する処方。 (*便秘の者には茵ちん蒿湯)
314梔子柏皮湯 煩熱証。虚証の黄連解毒湯。手足煩熱と胸部の苦悶を治す。
●山梔子3黄柏2甘草1 :清熱
*コタロー2g、黄連解毒湯ではなく、加味逍遙散に近い。手足の煩熱には効かない。たとえ実証であっても瘀血のない者には、加味逍遙散と同様、下痢・胃痛する。
*山梔子は便秘し、後頚部が煩熱、胸中が鬱々悶々とし何とも言えない状態を治す。(*ストレスによる軽い肝障害から上熱下寒の病状に陥っている。あるいは黄疸の前兆である。)
① 胸部の苦悶に。
*腹力は強くないが、軟弱でもない。(*熱実証ではないが、下痢・軟便でもない。)
*肝炎、黄疸、皮膚病、不眠、口内炎などに使う。
00葛根黄連黄芩湯
*疫病で高熱が出て、下痢とともに痙攣を起こす者。
*二日酔いには通常五苓散だが、心窩部が痛み嘔吐下痢する者は葛根黄連黄芩湯が良い。
●黄連3黄芩3葛根6甘草2 :心窩の熱、高熱に加え、下痢・意識混濁する者。
00白頭翁湯
*下痢で水を飲みたがる者。しぶり腹、疫病による粘血便に。
●白頭翁2黄柏3黄連3秦皮3 :胃腸の熱・下痢には白頭翁、黄柏が適する。石膏は不適。
熱はさほどひかないが、気滞性の便秘によく効く。
133大承気湯 熱実証、臓毒証体質。便秘(中・強)・腹部膨満を治し、熱毒を緩和する。
① 熱毒の者の便秘(気滞)を治す処方である。肉や油物を好む肥満者。糖尿病・高血圧・精神病など合併。体力・腹力あり、腹部緊満が顕著である。大承気湯だと腹部は全体に膨満。大柴胡湯は上腹部の膨満が特徴。(*虚弱者、腹水や腹膜炎による腹部緊満には適しない。) 空腹時に冷えた物をとると、通じはつきやすい。
*大承気湯が得意とするのは、腹部膨満、便秘の解消であるが、ときにのどから胃にかけてのつかえ感を緩和する例あり。 (*のどのつかえには半夏厚朴湯、補気・補血など考慮。大承気湯が第一ではない。)
② 発熱し汗ばむことが続き、数日便秘した場合。硬い便がつまって、うわごとを言う場合。悪寒は去り、便秘して熱だけがある場合。 (*悪寒が強く、大量に発汗し、体力が弱った者・脈の弱い者には禁。)
*便秘を解消すると、熱は緩和する。
●枳実3厚朴5、大黄2芒硝1.3 :気滞を治す枳実厚朴と、便秘を治す大黄芒硝を合わせた方剤。
*ツムラ2.5gが強力。コタロー2g(枳実2厚朴5、大黄2芒硝0.9)はやや弱い。
*下剤としては、大承気湯≒麻子仁丸>潤腸湯。気滞には、大承気湯(枳実3)>麻子仁丸・潤腸湯(枳実2)の印象。
61桃核承気湯 駆瘀血剤。熱毒の者の便秘(強)、気逆(ホットフラッシュ)を治す。
A.強度の便秘に加え、上半身に熱(ホットフラッシュ、顔面紅潮)。 *4~5日以上の便秘
B.腹力(+)。手足も温で全身の熱あり。冷え・乾燥とは無縁 (*熱、腹力ない者には適さない。)
C.左下腹部痛
*生薬構成は桂枝茯苓丸に似るが、便秘が強度で上半身に熱がある者に適する。左下腹部痛が特徴。
D.のどや胃あたりのつかえ感がないこと。 (*気滞➡大承気湯・通導散・大柴胡湯を選択)
E.口唇紫、痔・生理不順 (*桃核承気湯の場合、主症状ではない。) 桃核承気湯が主治とするのは、打撲・外傷により急性に発生した瘀血である。たとえば、出産後に便秘・発熱し、半狂乱状態となる者。(*頚部硬直なく、髄膜炎ではない。瘀血が原因。) 頭部外傷後の精神病状態。目の打撲・外傷で、内出血・疼痛が著しい者。下腹部の打撲で出血、尿閉する者。高所から転落し、悶絶する者、などである。(*1日分をいっぺんに飲ませると、大体は即座に利尿・何度か下痢し、血種が小さくなって治る。)
*桃核承気湯(瘀血)の頭痛は、呉茱萸湯のようにたまにではなく、軽い重いはあっても毎日である。
*ABCが特に重要な所見。腹力や体力、便秘の有無で実証でないと思う所がある者には適応しないので注意。 虚証の者には、初めは良いようでも、そのうち胃痛・腹痛して合わない。
●大黄3芒硝1甘草1.5、桂枝4桃仁5 :便秘を治す、手足の先・骨盤内の血行を促進
*上逆し、頭に上った血と熱を桂枝・桃仁で手足の先や骨盤内に戻す。
*強力な下剤。下しやすいので、できれば少量からスタート。オースギ1.5g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、ジュンコウ2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。クラシエ錠3T×6が調整はしやすい。
62防風通聖散 臓毒証体質。腹部緊満・多汗便秘。
肥満・生活習慣病に。瘀血、胸脇苦満がない者に適応。(*瘀血ある者には禁)
① 上半身の多汗・湿疹、扁桃炎・副鼻腔炎、軽度の便秘を治す。
A.肥満・便秘 *腹力(+)、腹部は力があり固く緊満する。
B.患者は暑がり、汗かき。紅舌。 昔は、感染症で高熱が続き、陰虚の火を生じた者を治す処方
であった。水分の循環が不良で熱が下がらない病態に対し、発汗・利尿・排便を促し再度水分
を循環させ、熱を下げる意図をもっている。
*熱エネルギーを外に捨てるので、寒証・気虚・軟便の者には適さない。ほか、徐脈の者、妊婦・出血する者、瘀血の病にも適さない。
*肉食で悪化、野菜中心の食事を心がけること。生活指導が重要。
*便通が改善、当初2㎏ほど減る。ダイエット薬とされるゆえんだが、その後の体重減少はなく、この漢方で痩せることはない。 個人の努力が必要。
② 常用すれば熱を除き、動脈硬化を予防する。将来、脳卒中を起こす危険を感じる者に。肥満・過食の者はアシドーシスに傾きやすいが、アルカローシスに誘導する働きがある。
●大黄1.5芒硝0.7甘草2 :下剤
●麻黄1.2石膏2生姜0.3白朮2 :越婢加朮湯
●黄芩2山梔子1.2滑石3石膏、当帰1.2川芎1.2芍薬1.2 :黄連解毒湯+四物湯去地黄
●防風1.2麻黄、桔梗2連翹1.2・荊芥1.2薄荷1.2 :温・病邪発散、解毒・上熱を除く
*防風通聖散は、体表の熱、肺の熱をひく。高体温・多汗、皮膚炎、蓄膿症、便秘に効果。ツムラ2.5g、クラシエ錠3T×9(錠剤だと大量)、クラシエ2.5g・3.75g、オースギ3g、コタロー3g、優劣未判定。
*肥満・食毒の患者には、地黄は除くべきである。そして、麻黄・石膏で上熱に対応する。
00当帰拈痛湯 臓毒証体質。痛風に
*発赤・腫脹は、関節近傍の筋肉である。関節内ではない。圧痛はあるが、皮膚をつまんでも痛まない。疼痛部位は移動。3日ぐらいでとりあえず治るが、また別の部位が発作的に痛む。悪寒・発熱を伴うことあり。これは湿熱であり、美食家に多い。根っこや境界は明らかでなく、自然と山の形に盛り上がる。外科医がよく分からずに切開などすると、かえって悪い。
●防風当帰羗活、人参炙甘草知母 :温、補水
●白朮蒼朮猪苓沢瀉、黄芩苦参升麻葛根 :利水、清熱
*断酒、フェブリクが優る。現代では、使う機会がない。
00烏薬順気散
*腕枕をして腕が動かない者。寝違えて首が回らない者。重い物を持ったり、足を踏み外して、腰を痛めたり・足をくじいた者。脳出血で手足がしびれる者。これは冷えと気の鬱滞が原因であり、温・行気で治る。
●麻黄3川芎3白芷3乾姜2.5生姜1、白彊蚕2.5 :温、清熱
●陳皮5枳殻3桔梗3烏薬5、甘草1.5大棗3 :行気、緩和
*生姜、大棗は省略可。
8大柴胡湯 胸脇苦満(強)証。 大体は臓毒証体質に適応。
① 腹力(+)、特に上腹部が緊満し、胸脇苦満が著しい者。美食家が多く、酒と肉食を好む。食事指導が大切である。高血圧、胆嚢炎、肝炎の発熱患者に使う機会が多い。最低血圧が高い者には釣藤鈎・魚腥草を足す。
A.胸脇苦満が左右に広がる。心窩部に加え心窩部左7㎝(胃)と、心窩部右7㎝(肝臓・胆嚢)に圧
痛。(*胃だけなら柴陥湯を選択。右の圧痛が大柴胡湯では重要。)
B.腹力(+) 便秘・のどや胃のつかえを合併する例には大承気湯を併用する。
C.熱がこもる体質。暑がり、汗かき。乾燥とは無縁。 紅舌・黄苔
D.過食・肥満の傾向。 患者は胃部の不快を打ち消すため、絶えず食べ続ける。
② 大柴胡湯の頭痛は、発作的ではなく持続的で頭重に近い。肩こりを伴い、便秘すると頭痛する。
*大体はABCDと合併するが、ABあれば大柴胡湯。(*胸脇苦満なければ防風通聖散か大承気湯。)
③ 大腸炎、赤痢にかかり、しぶり腹が著しく、腹部が膨満して苦しく、下剤を用いるべき場合。大柴胡湯ほど実でない場合は、桂枝加芍薬湯や芍薬甘草湯が適する。
●柴胡6黄芩3・枳実2大黄1 :清熱・通便
●半夏4生姜1大棗3芍薬3 :胃の苦しさを除去
*便秘には大承気湯、桂枝茯苓丸など併用。(*大柴胡湯では便秘改善しない。)
*糖尿病、肥満にはトピナを併用してみる。(*2週間試して無効なら、継続する意味はない。)
*ツムラ2.5g、オースギ2.5g、クラシエ錠3T×6、オースギ錠6T×3など。
トピナ 肥満、食欲を抑制
*過食・肥満の者には、トピナ(50)2~6Tを使用する。
*適合する者は、満腹を感じるようになり、嘘のように過食が止まる。1か月4~5㎏のペースでやせ続けるが、標準体重を超えて痩せることはない。
*必ず1Tから徐々に増やすこと。急激に増量すると、手の先・顔面のしびれ感が出現する。
*統合失調症の患者、大柴胡湯が適合する患者に有効例が多い。おそらく大柴胡湯など漢方が1~2種適合してから、トピナという流れの方が有効率が高い。
➡統合失調症の男性患者、治療薬の副作用で急激に肥満。引きこもりから、体重110㎏に達した。 トピナ(50)4錠にて50㎏の体重減少、幻聴など残遺症状も改善。
➡児童期PTSDの女性患者。パキシルの副作用で急激に肥満。大柴胡湯、黄連解毒湯、ランドセン、フルメジン、トピナなどで治療。大柴胡湯・トピナを加えてからは月4~5㎏のペースで体重減少した。
105通導散 強度の便秘・痔、瘀血気滞証。
① 1週間程度・強度の便秘に加え、痔を合併。あるいは上熱下寒が悪化し慢性微熱を呈する者。便秘・気滞(のどのつかえ)・瘀血とある者。駆瘀血剤だけでは解消せず、行気剤が必要なケースがある。 一定の腹力があり、胃がそこまで虚弱でなければ、手足の温冷、寒熱に関しては不問である。大腸の実証が際立っている。
*瘀血と気滞の両方が背景にある場合、桂枝茯苓丸・治打撲一方や大黄牡丹皮湯、そこに麻子仁丸や大承気湯など、両者を併用する。片方では上手く行かない。
A.強度の便秘、腹力(+) (*大承気湯に近く、腹力(-)には不適。)
B.痔出血、固定痛、精神疾患による微熱(著しい上熱下寒)。 (*瘀血)
C.熱のバランスは、熱虚証や寒証に属する。熱実証ではない。
D.のどのつかえなど気滞、あるいは気虚。
E.軽度の皮膚乾燥 (*足のくるぶしなど限局) 気の異常と皮膚乾燥は軽度にとどまる。
*大承気湯に駆瘀血効果を持たせた方剤である。(*桂枝茯苓丸は手足の冷・水毒体質、桃核承気湯は手足温・熱実証に適する。) 一定の腹力・瘀血に加え、気滞か気虚、若干の皮膚乾燥がある例に良い。
*昔は、鞭や棒で打たれた者の打撲治療に使っていた。
●大黄3芒硝1.8、甘草2 :下剤
●当帰3紅花2蘇木2木通2 :温・駆瘀血
●枳実3厚朴2陳皮2 :気剤
*紅花蘇木で駆瘀血し、枳実厚朴陳皮で行気する点が特徴。 精神科領域では、駆瘀血・気剤として使用機会が多い。
*下剤としては強力で、まずは1日1包で。便秘が強固なら1日2~3包と増やす。
*ツムラ2.5g、コタロー4g。
52よく苡仁湯 関節炎。冷やすと良い場合。
① リウマチなど自己免疫性関節炎の慢性期 (*関節の変形、熱感・疼痛) 急性期を過ぎても熱感・腫脹が去らず、慢性化した例に使用。最重症ではなく、外来患者、通院する体力はある者に。
A.手足は温かい (*冷えはない)
*便秘の者は下剤併用を。(桂枝茯苓丸、通導散、大承気湯など)
*ネオーラル(25)1~3Tを併用すること。(一部無効例あるが、6~7割の患者に有効)
② 関節近傍の疼痛に適応。変形性関節症、結核性関節炎で漿液がたまる者。
●よく苡仁8 :冷、関節の炎症を鎮める。(熱・湿・疼痛に効果)
●麻黄4桂皮3当帰4、蒼朮4芍薬3甘草2 :温(血行促進)、利水除痛
*関節の炎症を鎮める。麻黄桂皮当帰の温は、よく苡仁の冷で打ち消してある。ただ、大量の薏苡仁あり、便秘は悪化しやすい。
*肩関節➡二朮湯、浮腫・関節液➡越婢加朮湯、冷え➡桂枝加朮附湯・麻黄附子細辛湯、肥満・多汗➡防己黄耆湯・防風通聖散 身体疼痛は麻黄剤が適する例と、附子剤が適する例、駆瘀血剤が適する例、温熱剤・寒冷剤・利水剤が適する例に分かれる。附子が適さない例は、麻黄の適応となる。
*当帰・芍薬・薏苡仁には補血効果あり。慢性疾患では、補血・駆瘀血剤で閉じた経路を開く必要がある。
*ツムラ2.5g、ジュンコウ2g、オースギ3g、クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、優劣未判定。
78麻杏薏甘湯 ぎっくり腰に。熱のある関節炎、湿による関節痛。
① 関節の腫脹疼痛で熱を伴うもの。急性に生じた筋肉の熱・浮腫を治す。
A.ぎっくり腰など、筋肉に生じた急性の熱・浮腫。(*芍薬甘草湯を併用)
B.関節の腫脹疼痛で熱を伴うもの。冷やすと楽になる者。リウマチ、神経痛で夕方になると発熱
し痛む場合。
C.かぜで床に臥せ、氷枕で首を冷やしていたら、首が動かなくなった者。 汗をかいた後、風に
あたり冷えて痛みが出た者。(湿が関与)
*関節リウマチなど慢性、変形を伴う例には、よく苡仁湯が優る。(*血行再建が必要)
② 疣贅(*いぼで乾燥して固いもの)、落屑(*頭のふけ、手の甲の荒れ、指掌角皮症など)
*疣贅には薏苡仁単独で十分。薏苡仁は1日10g以上、大量を用いること。
●薏苡仁10 :浮腫を除き、筋痛・関節痛を緩和。いぼや皮膚病を治す。
●麻黄4杏仁3、甘草2 :炎症・浮腫に
*大量の薏苡仁により冷性である。熱をおびた筋痛・神経痛に適す。(*冷痛には桂枝加朮附湯)
*麻黄湯の派生であり、あまり虚弱でないこと。麻黄が飲める程度の胃腸ならOK。
*薏苡仁は便秘させるため、便秘の者には長く連用しないこと。(あるいは駆瘀血剤を併用)
*オースギ1.5g、三和1.5g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
28越婢加朮湯 熱実証。体表の熱と浮腫に(急性)
*発汗がない者は越婢加朮湯。 (*発汗には白虎加人参湯、白虎加桂枝湯。)
① じんま疹・痛風・アレルギーなど、体表の熱と浮腫(急性)に適応。腹にも脈にも力があり、腹力(+)、熱実証の患者。虚弱者、結核患者などには適さない。
A.花粉症がひどく、目までかゆくなる者。急性じんま疹に。(*皮膚の浮腫、熱感)
B.痛風発作、接触性皮膚炎 (*皮膚の浮腫、熱感)
C.関節の浮腫、熱感 (*膝関節に水がたまり、熱を持つ者)
D.紅皮症、壊疽・潰瘍・膿瘍 (*発赤・浮腫に分泌物を伴い、ただれて汚く見えるもの)
E.高齢者の下肢浮腫 (*ラシックス、五苓散、越婢加朮湯、木防已湯が候補)
*瘀血・便秘あれば大黄牡丹皮湯を足す。
② 尿量減少し、むくむ者。たとえば腎障害、ネフローゼなど。普通は五苓散の適応だが、体表の熱が盛んな者は越婢加朮湯の適応がある。
③ 食事の味がしない、煙草の味がおかしいなど、舌の乾燥がある例。越婢加朮湯や続命湯など、石膏剤の適応がある。
●石膏8、麻黄6蒼朮4、大棗3甘草2生姜1 :清熱、除痛・利水、胃腸虚弱に。
*石膏で体表の熱をひき、麻黄・蒼朮で浮腫を軽減する。 白虎加人参湯は補水するが、逆に越婢加朮湯は水を除く。
34白虎加人参湯 熱実証、体表の熱と発汗、口渇(+)
A.舌苔は薄く、舌は乾燥。舌苔の厚い者、舌が湿っている者には不適。(必須条件)
① 夏場のアトピー、乾癬。皮膚の状態は温清飲と同じだが、『身に寒なく、ただ熱し』、皮膚に灼熱感があり、口渇が強い場合に白虎加人参湯が適する。石膏の量を灼熱感がなくなるまで、1日20g・30gと多く使うと良く効く。(*発汗なければ越婢加朮湯も候補)
② 高熱が続き大量発汗、脱水症状を起こし口渇が著しい場合。脈にも腹にも力あり。 補水作用のある白虎加人参湯が適合。点滴も併用する。
➡33歳女性。さむけはなく、38度前後の熱が1週間続く。顔面紅潮、体熱感あり。発汗し、手足の先は冷。食指良好、口渇(+)。熱発してからは頭痛・不眠。CRP・WBC高値。臍上悸(+)
*白虎加人参湯の頭痛は、脱水による激しい頭痛で、発汗剤を使用すると悪化する。悪寒・胸の苦しさがあっても、麻黄剤・小柴胡湯は良くない。
③ 寝る前に口渇・多飲し、夜尿する者。
●石膏15知母5粳米8人参1.5甘草2 :体表を冷やし、汗を止める。
*便秘には注意。大承気湯の併用が良いか。
*口腔内の乾燥もないのに使うと、胃もたれ・浮腫など来す。注意!
00竹葉石膏湯
*白虎加人参湯より一段と体液を失い、補水を必要とする者。
●石膏12.8粳米5.6人参2.4甘草1.6、麦門冬8半夏4竹葉1.6 :白虎加人参湯、麦門冬湯
136清暑益気湯 夏の暑さに負ける者。暑さ・発汗が続き体力を消耗した者。
① 夏バテの処方。夏になると食が減じ、水っぽいものを欲しがり、手足がだるく、足の裏がほてり、ときに下痢する者。これは陽気が夏の暑気のために足の方に下ったためで、補中益気湯に黄柏を加えたものでも治る。食欲不振、倦怠感、虚熱が特徴。
② 老人や虚人が夏に弱る場合。
*夏の暑さではなく、クーラーの冷えで具合を悪くしている例には、呉茱萸湯を選択。
③ 熱中症で発汗により体表は冷えても、まだ汗が止まらない者。(*発汗の勢いは衰えている。)
*数日経過し、熱は去り、体は冷えはじめ、発汗の必要性がないにも関わらず、ダラダラと発汗する事例に。食欲減退、体力の消耗、倦怠感など気虚が特徴。
*急性肝炎にも有効。急性の熱で消耗した場合。
●人参3.5黄耆3五味子1、陳皮3白朮3.5甘草1 :止汗、脾胃・気の損傷を補う
●麦門冬3.5、黄柏1 :補水、清熱
●当帰3 :温める
*止汗し、発汗により損傷した気、水、熱を補う。 四君子湯に生脈散を加えた処方。
*ツムラ2.5g、他なし。
気虚による発汗
00玉屏風散 寒虚証、表虚による自汗
① じとっとした汗をかくが、冷えて寒がる者。
*熱のこもりではなく、体表の気虚が原因で発汗している。従って、発汗部位は冷え、倦怠感がある。 (*気が不足すると、汗、下痢、皮膚の脆弱など、漏出が増える。不要な漏出は、気を消耗し悪循環に陥る。)
●黄耆6 :気を補い(体表)、体表を強化
●白朮2 :気を補い(脾胃)、脾胃を強化
●防風2 :体表の血流を増やす
*気を補う黄耆・白朮に、体表の血行を良くする防風を加え、体表の虚(表虚)を治す処方となっている。 大量の黄耆あり、必ず便秘に傾く。もとから便秘の者は下剤併用すること。
*医薬品製剤がなく、煮だしが必要。製剤だと、クラシエ防己黄耆湯(防已5黄耆5白朮3大棗3甘草1.5生姜1)、ツムラ清暑益気湯が近い。
29麦門冬湯 乾燥(急性一過性)。のどの乾燥、乾燥の咳を治す。知覚過敏にも有効。
① かぜが治りはしたが、その後もせき込む者。 百日咳、咳込みがひどい者。(*病後、陰虚の咳)
*感冒後の嗄声。咳が続き、声が枯れる者。
*ほか、妊娠咳には麦門冬湯証が多い。
*こみあげてくるような強い咳で、それがあとからあとから頻発する。痰はない。のどの奥は乾いている感じと言う。咳がないときは1時間、2時間とないが、出はじめると後から後からひっきりなしに出て、顔が赤くなるほどせき込んで、嘔吐しそうになる。地黄を加えると効果は強まる。 痰の多い者、鼻炎・舌歯痕には禁。便秘も悪化。注意!
② 乾燥による知覚過敏 (*たとえば帯状疱疹で皮疹乾燥し、服が触れるとピリピリ痛む者。六味丸+麦門冬湯が適合。)
*麦門冬湯は、急性の乾燥に適応。(*慢性の乾燥には適さない) 10—20日の内服で軽快する。
③ 高齢者、のども口も乾燥し、水分をほしがる者。
●麦門冬10、粳米5大棗3甘草2 :気道を潤す、体を潤す
●半夏5人参2 :下痢・軟便を治す
*麦門冬の潤す作用を粳米、人参が強める。半夏、人参が便を固める。体外に水分が出るのを阻止する。大棗と甘草は甘味で、これも水湿を助長する。 つまり、乾燥には良いが、水湿・便秘は激しく悪化する。
*長期使用には向かない。乾燥を潤すといっても、地黄がなく、麦門冬だけで小手先である。急性の乾燥には良いが、慢性の乾燥・体質改善には役に立たない。
*精神疾患の患者には、まず使わない。上熱・水湿・便秘が悪化して、大変なことになる。
*ツムラ3g、コタロー5g、ジュンコウ2.5g、優劣未判定。
40猪苓湯 膀胱炎体質。
*皮膚乾燥がある者の下腿浮腫に。(竜胆瀉肝湯の方が良いか?)
膀胱の熱を緩和
① 膀胱炎で発熱、血尿する者。排尿痛がある者。(膀胱の熱) *抗生剤と併用。
*根本的な原因や習慣性があるわけでなく、洗い流し程度で回復する軽症の膀胱炎に使用。尿路結石の排出を促進する効果あり。
*習慣性膀胱炎の患者、あるいは陰虚、皮膚乾燥がある者は、竜胆瀉肝湯が優る。
② 頻尿だが、ほとんど尿が出ない者。尿が出にくい者。(膀胱の熱)
③ 腎結石・尿路結石
浮腫・水毒を緩和
④ 桂枝を使いたくない場合。手が温かい者に。腰から下の浮腫、色白で水っぽい患者に適。
*めまいには五苓散が優る。猪苓湯は効かない。
*汗が多く、脱水している者には適さない。(*利尿し脱水を助長)
●茯苓3、猪苓3沢瀉3滑石3 :胃の水湿を除く、膀胱炎に対し清熱利水
●阿膠2 :止血
*膀胱の熱を除く処方。阿膠は止血、猪苓沢瀉滑石は清熱利水に働く。
*桂枝がない分、全身的な利水効果はない。(*利水剤は便秘に注意が必要だが、五苓散ほど影響はない印象。)
●熱虚証
*元来冷え症(寒虚証)、足や手の先は冷え、上背部・顔には熱をもつ。上熱下寒の病状。精神疾患の患者に最も多い証。
*①熱が盛んで熱実証よりの者には黄連解毒湯を、②胃痛・心兪~隔兪痛がある者には柴胡剤を、③便秘、ほてりもするが冷えも結構ある例には駆瘀血剤を使う。
*冷えが強いからと、うかつに当帰川芎・附子・生姜乾姜など使うと、案外熱の勢力が強く、すぐに上熱が悪化。イライラ・ほてり、湿疹などで大変なことになる。まずは清熱を心がけ、柴胡剤・駆瘀血剤を駆使し、黄連解毒湯類も積極的に使っていく。
●胃の不調・肝気の失調から生じる背部痛は、隔兪・心兪に出る。肝系の流れを良くする加味逍遙散が適合。
●左中封(ちゅうほう) 瘀血の頭痛、生理痛を緩和。瘀血の人は激痛。桂枝茯苓丸など駆瘀血剤が適合。
熱性の食品、お酒・コーヒーを控える 熱をとらない
肝気の巡りを良くする食品を セリ・セロリ・レタスなど
*上熱がある者は、キムチ・生姜・にんにく・ニラ、カレー・唐辛子やコショウ・シナモンなど香辛料、ナマ玉ねぎ・シソ・ネギ・からしなど辛味食品は温熱性であり、辛いと感じる物は日常的・習慣的にとらないこと。生薬だと当帰川芎、麻黄附子、山椒ういきょう、桂枝丁子などを避ける。
*飲料に関しては、コーヒー、お酒は上熱を悪化する。基本的には禁止である。
*鼻炎・舌歯痕など水毒の傾向にある者は、水分を取りすぎないこと。また、小麦粉(パン・麺類)、ジュース、お菓子、饅頭など甘い物を多くとらないこと。
*芳香・酸味食品、苦味食品・辛温食品は、肝気の流れを良くする :セリ、レタス、梅、そば、セロリ、いちご、オレンジ、グレープフルーツ、ピーマン、みかん、とうもろこし、キャベツなど。玉ねぎ・ニラ・生姜・にんにくなど。 生薬だと柴胡・枳実・釣藤鈎。 ×ゆず・パイナップル・ブリ・かんぱち・白ゴマ・黒ゴマ・五苓散・紫蘇(無効、良くも悪くもない)・チョコ棒やパイの実・リンゴジュースやファイブミニ(つかえは不変・鼻炎悪化) ××サフラン(はっきり悪化)・タラの芽(著しく悪化)・亜麻仁油(時に悪化)・トッポやポッキー(はっきり悪化)
*人は仰臥しているときは安静であり陰である。覚醒していると動くため陽である。このため、自汗は陽に属し、寝汗は陰に属す。 陰熱➡加味逍遙散・酸棗仁湯 陽熱➡黄連解毒湯・加味逍遙散
24加味逍遙散 熱虚証、駆瘀血柴胡剤。清熱効果の強さが売り。
A.手足は冷え、熱が人体上部に集まっている。頭頚部の熱により、イライラ・不眠を生じている。紅舌。冬であっても首や上背部をアイスノンで冷やすと気持ちが良い。(*首の冷却が有効)
B.軽度の便秘、月経困難。 (*たまに2—3日便秘する。特に生理前が多い。)
C.胃の不調が背部痛(心兪~隔兪)に発展。慢性的な肩こり体質である。胃潰瘍をよく合併、タケプロン併用が望ましい。胸脇苦満はなく、胃痛(心窩部、放散するにしても心窩左や背部)である。
D.舌の形状が先鋭で三角形に近い。提示が性急、いらだちを反映。
*A-Cすべての条件を満たす者は、加味逍遙散が適合。(*患者の自覚としては、肩こり・頭痛が顕著。ロキソニン常用する。他覚的には、頭頚部の熱感が顕著、手足は逆に冷。多少の便秘を合併。)
●柴胡3薄荷1山梔子2牡丹皮2 :山梔子・牡丹皮が中核。ほてり、便秘を治す。
●茯苓3蒼朮3 :利水(茯苓は胃湿、蒼朮は筋痛を治す)
●芍薬3甘草1.5 :筋緊張を緩和 (肩こり、胃痛、生理痛を治す)
●当帰3生姜1 :温める
*瘀血に加え背部痛ある例には、ツムラ2.5gが優れる。背部痛なく、上熱だけならクラシエ2g・3gが優れる。薄荷(上熱の発散)の味が強い。他メーカーはダメ。
*統合失調症の幻聴・妄想を悪化させる。統合失調症に禁。(特にツムラ)
*上熱がない者は胃痛する。特にうかつに桂枝茯苓丸を併用すると必ず胃をやられる。併用禁。 (*そもそも上熱がはっきりしない例には使うべきでない。)
*適合した場合は、15分ぐらいで熱が引け、その日から寝やすくなる。4~5日で胃痛・背部痛、1か月で生理も軽くなる。 一方、茯苓蒼朮あるも、めまいには効かない。めまいには五苓散か苓桂朮甘湯が必要。 湿疹・化膿にも効かない。解毒証体質には黄連解毒湯、柴胡清肝湯が必要。
*加味逍遙散が効くがもう一つという時は、香附子を足すと良い場合あり。行気が弱いからである。
*山梔子を含む製剤(辛夷清肺湯、加味逍遙散、黄連解毒湯など)の長期投与に関しては、腸管脈静脈硬化症に注意。高齢者に多く、右下腹部の間欠的な激痛、回盲部から横行結腸にかけての腸管壁肥厚・変色、下痢嘔吐などイレウス、が初期症状である。
➡上熱下寒治療は、便秘・瘀血がある例は、加味逍遙散・桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯・通導散など駆瘀血剤を優先。(*実熱には黄連解毒湯、三黄瀉心湯、桃核承気湯、防風通聖散など)
*(考察) 加味逍遙散の構成生薬について考えるに、駆瘀血剤の山梔子・牡丹皮が中心であり、これは上熱を清し、便秘を治す。そこに柴胡・薄荷が加わり、上熱を清する力を強めると共に、ストレス性の胃症状を緩和する。また、利水剤の茯苓・蒼朮があり、茯苓は胃の湿を除き、蒼朮は筋痛(筋の湿)を治す。そこに筋緊張を緩和する芍薬甘草が加わり、肩こり、腹痛、生理痛を治す。また、当帰・生姜の温剤があり、手足の冷えに効くようにもなっている。つまり、加味逍遙散は瘀血による便秘と上熱がある者で、ストレス性の胃痛、胃痛から心兪~隔兪にかけての背部痛・肩こりに発展する症状を有し、かつもとの体質としては虚証・冷え症の傾向で、手足の冷・多少の胃腸虚弱などを有する場合に、男女を問わず広く適応するものと解釈する。 臨床経験の上でも、加味逍遙散が適合する例は何も女性に限らず、大まかにはもともとの冷え症・虚弱体質、手足は冷えるのに上熱が盛んであること(上熱下寒)、軽度の便秘または月経困難(瘀血)、嘔気や胃痛など胃症状とそこから発展する背部痛(肩こり)があれば、とてもよく効く処方である。 当該患者に関しても、ストレス性の胃症状、肩こりに加え、上熱下寒、やややせ型でもとの体質は虚証にも関わらず、上熱は盛んでイライラしやすく、また便秘の傾向にあったため加味逍遙散を使用したところ、病状が安定し復職に至っている。これには、リリカもしくはドグマチールといった抗うつ作用のある薬剤を併用している。以下、過去の文献であるが、『しきりに物事を苦にし、自ら大病となし、自刃せんと悲傷する者。往々にして一見した体力・飲食は普通で、このような者は虚証に見えても、うかつに人参・附子、補中益気湯・帰脾湯など温補剤を与えると激烈に悪化し、自殺する例もある。柴胡剤・駆瘀血剤が適合する。』 現代医学で言う、アクティベーションシンドロームの概念であるが、上熱が盛んでイライラしやすい患者には、三環系・SNRIなど下手に強い抗うつ薬を行くと、興奮・衝動性・情緒不安定をあおって必ず失敗する。しんどいしんどいと言う割に、多訴的でエネルギッシュ、診察室で聞いているとこちらが逆に疲れてくるような患者は、抗うつ薬はリリカやドグマチールなどの軽い抗うつ効果を持つ薬剤にとどめ、加味逍遙散や黄連解毒湯、桂枝茯苓丸などでまずは上熱を清しないと治療が迷走し、上手く行かない。 当該患者も、一面、多訴・不定愁訴の傾向があって、加味逍遙散とリリカ、ドグマチールの併用が非常に良く適合した例である。現在は加味逍遙散をほぼ常用し、たまにドグマチールを使う程度で安定を維持している。
103酸棗仁湯 夜間上熱証。夜間の熱、悪夢を治す。
A.何かに追われるとか、トラウマチックで嫌な夢をよく見る。(*悪夢)
B.夜中、目が覚めた時に、発汗・動悸している。(*夜間の上熱) 日中も上熱あり。舌尖紅。
C.血虚(かさつき)、臍上悸、少し疲れた印象。
*患者は熱のバランスが悪い。これからさあ寝るという時に、上背部~頭頚部に熱がこもり、深い睡眠がとれないでいる。寝付きにくく、寝付いても上熱の不快感により、嫌な夢を見てたびたび覚せいする。ひどければ冬でもアイスノンを首に巻いたり、氷枕を上背部に入れると気持ちが良く、寝つきやすい。
*上熱下寒に加え便秘がある者には、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、通導散など駆瘀血剤が優先する。
●酸棗仁15知母3川芎3茯苓5甘草1
*オースギ2g×1~2包寝る前が基本。酸棗仁は脳神経の興奮を鎮める。そこに発汗を抑制し・陰虚の熱をひく知母、動悸を鎮める茯苓を加え、それらが上半身に働くよう川芎を加味してある。効果は即効で当日から。1—2回飲んで効果がなければ飲む意味はない。
*茯苓配合も、酸棗仁が潤性で、めまい・立ちくらみは悪化させる場合あり。水毒には五苓散必要。
*適合した場合、始め数日は多尿・下痢になる場合あり。
D.認知症で怒りっぽい患者。酸棗仁で落ち着く場合がある。
73柴陥湯 熱証患者の胃薬。胃痛を治す。
① 熱証患者の胃痛 (心窩部左の疼痛)に。悪化すると背部痛(心兪・隔兪)に波及。
*肥満なくむしろやせ型。患者は食欲旺盛、元気あり。
*若くて熱の勢いのある10代20代、いっても40代まで。多少の手足の冷えは許容。
*70代80代の高齢者には禁。特に衰えを感じる者は、冷やしすぎて胃潰瘍・吐血など生じる。
*便秘の者は大承気湯や桂枝茯苓丸、通導散を足すこと。(*便秘は悪化する)
*柴陥湯や柴胡清肝湯はADHD児に有用。落ち着きがないとか、多動といった症状を緩和する。黄連解毒湯に近い処方。(*フルメジン・デパケン・ランドセン・インチュニブなど併用すること。)
●柴胡5、黄芩3黄連1.5 :清熱
●半夏5人参2大棗3甘草1.5生姜1カロニン3 :六君子湯に近い(利水なし)
*半夏瀉心湯(黄芩2.5黄連1半夏5人参2.5大棗2.5甘草2.5乾姜2.5)に柴胡を加え、乾姜は除き、黄芩黄連は増量、かなり清熱する胃薬。(*逆にSM散・太田胃散・安中散などは、胃を温める。熱証の者には禁。)
*ツムラ2.5gが優秀。コタロー2.5gと優劣未判定。
14半夏瀉心湯 中間証の胃薬。黄苔・嘔吐、グル音亢進に。口内炎に。
① 胃にある邪気(*炎症)を嘔吐・下痢して治そうとする患者。六君子湯ほど虚弱ではない者に適す。腹力はあり、グル音亢進・心下痞(+)。また、黄苔舌(+)、炎症・熱が存在する場合に。
黄苔舌:紅舌・黄色苔が普通で、ひどくなると中心にひび割れができる。胃の熱を反映。
*急性胃腸炎。あるいは、幼少の頃から下痢しやすく、油物を多く食べるとお腹がゴロゴロ鳴って、どっと下痢する者。時に、腸管ガスが多く悪臭がある。半夏瀉心湯の下痢は、水気があって量が多く、回数は1日1~4回、ゴロゴロ鳴って、いっぺんに出る。腹痛は軽く、しぶり腹ではない。半夏瀉心湯が良い。大体、1~2日で治る。 (*たびたび便意を催すが、出るのは少量の下痢便と粘液で、俗にいうしぶり腹の状態。これには芍薬、大黄が適する。)
② 胃腸炎以外に、抗癌剤で下痢・嘔吐、口内炎が多発といった例にも適する。口内炎には1日3~5回、お湯で溶かした半夏瀉心湯を長く口に含みぶくぶくうがいした後に飲み込むとよい。この場合は、水に溶けやすいジュンコウ2gが適する。そのまま口に含んで溶かしても良い。(*黄連湯は苦味が強いが、より炎症は引く。上熱盛んな者には、黄連解毒湯・加味逍遙散が優る。)
③ 胃が膨満し、苦しくて安眠できない者。後頭部から首にかけて重く、もんでもらいたいような感じを訴える患者。心下痞がある場合、半夏瀉心湯が適する。間食を控え、夕食を軽くし、腹7分とすると治る。生活指導が重要。
*半夏瀉心湯の場合、下痢・嘔吐しても症状は軽快せず、背景には脾気虚と陽気不足がある。
●半夏5乾姜2.5、人参2.5大棗2.5甘草2.5 :温・嘔吐を止める、下痢を止める・脾気を補う
●黄連1黄芩2.5 :胃腸の炎症を鎮める、苦味で健胃する
*ツムラ2.5g、オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2.5g、ジュンコウ2g、優劣未判定。口内炎には、溶けやすいジュンコウかコタローが適する。
*胃痛薬➡ (熱証)柴陥湯・黄連解毒湯≫半夏瀉心湯>黄連湯≫(虚証)六君子湯・SM散・安中散
*胸脇苦満・口が苦い➡ 小柴胡湯
120黄連湯 中間証の胃薬。厚い白苔、腹痛には黄連湯。
*半夏瀉心湯に類する。桂皮ありSM散にも近い。手足の冷、心下痞(+)、黄苔でなく白苔が厚い、嘔吐ではなく腹痛が主訴なら黄連湯。(*グル音亢進、下痢・嘔吐が主訴なら半夏瀉心湯。)
① 胃に熱あり、胃痛する例。ときに嘔吐。(*急性胃腸炎、胃潰瘍・胃癌、消化不良など)
*再発性口内炎、口臭。日常大酒する者、二日酔いで苦しむ者。化学物質による口腔内びらん、などにも適応。
●半夏6人参3大棗3甘草3、乾姜3桂皮3 :下痢を止める、温
●黄蓮3 :冷やす
*半夏厚朴湯に桂皮を足した。心下痞・胃痛強ければ、黄連湯+芍薬甘草湯。胃痛ではなくグル音が目立つなら、半夏瀉心湯。
*ツムラ2.5g、コタロー2.5g、優劣未判定。
*手足の冷えや虚証の気がある場合は、黄連解毒湯や柴陥湯だと強すぎるので、胃薬として半夏瀉心湯や黄連湯が適する。
76竜胆瀉肝湯 膀胱炎体質、上熱証。若干の皮膚乾燥。
① 膀胱炎を繰り返す体質、あるいは子宮内膜炎(梅毒・淋病など)、下焦の熱・炎症が存在する者。微熱(上熱下寒)が続く。手足の裏は湿潤する。
*肥満、完全な熱実証の場合もあれば、やせ型、熱虚証で手足の冷え、皮膚乾燥、膝の冷痛を伴う場合もある。とかく下焦の炎症があれば、もとの体質にはこだわらない。よほど虚弱でない限り、適応すると思ってよい。 五淋散と竜胆瀉肝湯はほとんど同じである。
●地黄1.5当帰1.5川芎1.5芍薬1.5 :四物湯
●黄連1.5黄芩1.5黄柏1.5山梔子1.5 :黄連解毒湯
●竜胆2、薄荷1.5連翹1.5浜防風1.5 :清熱(下焦)、清熱(上熱)
●沢瀉2木通1.5車前子1.5、甘草1.5 :膀胱炎に使用する清熱利水剤、緩和
*竜胆で清熱する分、四物湯と比べ胃もたれや上熱悪化を来さない。
*コタロー3gが優れる。ツムラ2.5gは(地黄5当帰5・黄芩3山梔子1竜胆1・沢瀉3木通3車前子3甘草1)、地黄当帰が多く熱証には不適。一貫堂(コタロー竜胆瀉肝湯)は慢性膀胱炎に適する。
*乾燥は治すが、皮膚の発疹は減らさない。発疹には柴胡清肝湯が必要。
56五淋散 膀胱炎体質、血虚・中間証
*竜胆瀉肝湯と似て、細菌性膀胱炎を繰り返す者に使う。竜胆瀉肝湯と比べて、清熱は弱いが利尿は強い。やや冷え・虚証によって、むくみ・尿不利がある場合は、五淋散が適する。
●地黄3当帰3・黄芩3山梔子2、芍薬2甘草3 :補血・清熱、鎮痛
●茯苓6、沢瀉3木通3車前子3滑石3 :利尿・抗菌作用
*温めたにしても熱の心配がない者には猪苓湯合四物湯か五淋散、現に熱の症状がある者には竜胆瀉肝湯を選択する。
*ツムラ2.5g
112猪苓湯合四物湯 膀胱炎体質、血虚・寒証
*竜胆瀉肝湯から黄連解毒湯と竜胆を抜いた処方。
① 腎・膀胱に結核結節があり、血尿持続する場合。失血が続き、患者はるいそう・消耗している。
② 膀胱炎を繰り返す体質に加え、血虚、冷え・皮膚の枯燥が目立つ例に。
●茯苓3、猪苓3沢瀉3滑石3 :胃の湿を除く、膀胱の炎症を治す
●阿膠3、地黄3当帰3川芎3芍薬3 :止血、温・枯燥を治す
*膀胱炎治療:黄連解毒湯を足すと清熱、止血する。竜胆瀉肝湯に近くなる。小児の場合は小建中湯。10分おきといった切迫感がある場合は、精神薬・駆瘀血柴胡剤・甘麦大棗湯を考える。
80柴胡清肝湯 解毒証体質、熱証。アトピー・喘息。
① 皮膚枯燥、解毒証体質を治す。アトピー患者。熱証患者の頭頚部のにきび・吹き出物。喘息、中耳炎・扁桃炎を繰り返す者。
*皮膚枯燥・アトピー体質で、上半身に吹き出物ができ、段々と色素沈着してくる。気道も枯燥・バリア機能が弱く、扁桃炎・中耳炎、喘息になりやすい。解毒証体質は、このように皮膚・気道が弱い者をいう。 皮膚の解毒証体質には黄連解毒湯+四物湯(温清飲)。気道の解毒証体質には滋陰降火湯。皮膚と気道の解毒証体質には柴胡清肝湯が適合する。 普通、胃腸は丈夫である。乾燥により熱は盛んとなりやすい。
*消風散はかえって悪い、注意! 飲酒で悪化。
*『皮膚は枯燥して赤味を帯び、灼熱感があり、搔痒がひどく、ひっかくと粉をふく。顔面・頭部、首の後ろがひどく侵される。多くは丘疹性の湿疹で、掻破による出血痕がある。』『顔面・頭頚部の湿疹が主訴。酒に酔ったような赤い顔で、首の後ろの皮膚は木の皮のように硬くなっている。患部には灼熱感があり、皮膚が乾燥して痒いだけでなく、痛いのでオリーブオイルを塗っている。そうしないと粉がふきこぼれる。ひっかいた跡が点々と黒くなっている。ステロイドは一時は少し良いが、結局良くならない。食欲や元気はある。腹直筋の緊張は良い。口渇が強い。』
② 児童の実熱(もしくは上熱下寒)、ADHD児の多動・不穏 (*手足の冷はあってもなくてもよい)
*便秘なら加味逍遙散を優先。柴胡清肝湯は黄連解毒湯に近いが、皮膚も気道も潤す。特に、アトピーや上半身の湿疹ある例には著効する。
③ 口渇・乾燥の咳、陰虚の熱を治す。(*鼻炎・水疱は悪化)
●地黄1.5当帰1.5川芎1.5芍薬1.5 :四物湯
●黄連1.5黄芩1.5黄柏1.5山梔子1.5 :黄連解毒湯
●柴胡2薄荷1.5、連翹1.5桔梗1.5、牛蒡子1.5カロコン1.5甘草1.5 :清熱、上背部の湿疹・化膿を治す、気道を潤す (*牛蒡子:肺・咽頭を潤し、熱を冷まし、湿疹を治す。) (*桔梗:頭目・咽頭の熱を冷ます。排膿。)
*ツムラ2.5g、コタロー3g、どちらも優秀。 長く使うと潤して鼻炎に傾くほか、上熱の清熱は弱く、加味逍遙散・駆瘀血剤に劣る。清熱は期待しないこと。
*皮膚の分泌物、水疱は悪化させる。温清飲でなく、消風散が適する。
*『皮膚疾患の治療。第一段階は、増悪期で、皮膚の発赤、搔痒、腫脹・びらんが特徴。迷わず強力な発表剤、抗炎症剤だけを投入し炎症の沈静化を図る。具体的には越婢加朮湯や黄連解毒湯である。間違えても四物湯など補剤を用いてはいけない。火に油を注ぐことになる。桃核承気湯や通導散などの攻下の剤は時に用いる場合がある。
第二段階は安定期で、皮膚は腫脹せず、発赤も瘙痒も軽度である。著者は消風散、十味敗毒湯、温清飲などを中心に考えるが、白虎加人参湯、苓桂朮甘湯、十全大補湯、補中益気湯など広範な選択がありうる。
第三段階は枯燥期で、肌は腫脹も発赤もなく、枯れた状態である。乾燥し、皮膚の落屑は粉をまき散らしたようである。この場合は四物湯を中心に補血し、若干の清熱剤を混じて用いる。安定期同様に薬方選択の幅は広い。
要するに治療法は清熱と補血を意識して、メリハリのついた治療方針を立て、腫れとかゆみに対して的確に対処することに尽きる。』
57温清飲 解毒証体質、アトピー・乾癬
① 皮膚枯燥、解毒証体質を治す。アトピー患者。熱証患者の頭頚部のにきび・吹き出物。喘息、中耳炎・扁桃炎を繰り返す者。
② 児童の実熱(もしくは上熱下寒)、ADHD児の多動・不穏 (*手足の冷はあってもなくてもよい)
*柴胡清肝湯とほぼ同じ適応だが、気道の乾燥・喘息がなく、皮膚の症状だけなら温清飲が優る。
*治癒には時間がかかる。1か月を過ぎた頃から効果、完治には半年。初期の数日は浸出液が出て悪化したように見えることあり。
*補血、清熱することで、肝気を静める。皮膚の乾燥・炎症を治すだけではない。高血圧でのぼせる者には、釣藤鈎、黄耆、魚腥草(ドクダミ)を加える。痔出血には魚腥草を加える。
③ 血行が良くなると消退する紫赤斑、顔面のシミなど。
*下肢の地図状の模様。紫赤色で、入浴により血行が良くなると消退。
*足の裏の煩熱に投与した所、シミが3年がかりで治癒。
●地黄3当帰3川芎3芍薬3 :四物湯
●黄連1.5黄芩1.5山梔子1.5黄柏1.5 :黄連解毒湯
*温清飲が無効なら消風散を試すとよい。逆に消風散が無効なら温清飲がよい。
*オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、ツムラ2.5g、優劣未判定。コタロー4g(地黄4当帰4川芎3芍薬3黄連1.5黄芩3山梔子2黄柏1.5)、ジュンコウ2.5g(地黄4当帰4川芎4芍薬4黄連1.5黄芩3山梔子2黄柏1.5)だけ特殊。
*温清飲は四物湯2:黄連解毒湯1の配合。患者の熱状、皮膚の乾燥度合いに応じて黄連解毒湯と四物湯を別々に出した方が良い。四物湯2:黄連解毒湯2、四物湯1:黄連解毒湯2など。特に治療初期は、黄連解毒湯が多い方が無難である。
22消風散 浸出液が多い皮膚病。(*皮膚枯燥・解毒証体質とは逆の病態)
① ジュクジュクした皮膚病。慢性に経過し、かゆみは強い。場所は下腿の一カ所にとどまる例から、顔面頭部、全身に及ぶ場合もある。浸出液が多く、痂皮形成・口渇(+)となる。初期は夏場の熱、梅雨の湿気で悪化する。全身に及ぶと季節性はなくなる。 一カ所だけなら2週間で治るが、全身に及ぶ例だと完治には1年かかる。
*浸出液が多く、汁が垂れてくるような皮膚病には消風散。接触性皮膚炎など急性に発症したものには無効で、この場合は越婢加朮湯を使う。
*砂糖、アルコール、牛肉、さばは控えること。
●地黄3当帰3・胡麻1.5、防風2荊芥1 :温・肌を潤す、温・湿疹を治す
●石膏3知母1.5、牛蒡子2蝉退1苦参1 :清熱・補水、清熱・湿疹を治す
●蒼朮2木通2、甘草1 :水を除く、緩和
*温4、清熱5と清熱が優る。考え方は温清飲に近い。消風散無効なら温清飲、温清飲無効なら消風散。状況に応じて十味敗毒湯、黄連解毒湯など合方する。
*オースギ2.5g、ツムラ2.5g、コタロー3g、優劣未判定。
6十味敗毒湯 酒毒による皮膚病、下腹から腰回り・四肢の発生が特徴
*小児の肛門膿瘍、体表の化膿(赤にきび、褥瘡)。排膿散及湯に類似?
ビールなど毒、薬剤による湿疹。病変は赤く膨隆し、乾燥気味で搔痒(+)。慢性的な経過をたどる。
① 主に下腹から腰まわり、四肢にも発生。発疹は少し赤味があり、結構かゆい。いったん治っても、飲酒で悪化。慢性的な経過をたどる。(*葛根湯でも悪化、注意!)
*基本的には健康体。食欲、便通には異常がない。病変は乾燥、口渇(+)。浸出液が多く、痂皮を作るようなものには向かない。(➡治頭瘡一方、消風散)
②「白髪染めでかぶれて慢性湿疹に」「化膿する病変」「1年以上続く手掌の湿疹と落屑、汗疱性白癬の外観。発赤少なく、かゆみはない」「手掌・足底の小豆大の出来物。化膿はせず、1か月で自然に治っては、またできる」
*いずれも湿疹の外観が乾燥気味であることが特徴。心下痞、胸脇苦満は必須ではない。
*膿には表面のものと、中の方に出来るものとがある。表面の膿は陽症、気血の過剰・うっ滞で、肥満する中高年に多い。特に酒、肉、油が悪い。 中の方に膿をもち、中々排膿しないものは陰症で、まずは葛根湯や十味敗毒湯で発表するのが良い。体力が不足し、治りが悪い場合は、黄耆建中湯、十全大補湯、帰脾湯、補中益気湯などで気血を補う。石膏は禁。膿を中に閉じ込めてしまう。この場合、口渇には麦門冬を使う。
*もとは大柴胡湯を使う肥満型の男性。旅行で多く飲食した後、下腹部におできができた。それが中で化膿し鶏卵大にまで大きくなり、疼痛著しく、発熱・悪寒。 十味敗毒湯1か月で治る。
*32歳女性。母趾にけがをして、そこから化膿。発熱・悪寒、腋窩リンパ節まで腫れた例。十味敗毒湯1週間で治る。
*飲酒習慣のある36歳女性。1年中、顔面・頚部に吹き出物ができる。一つ治ればまた一つできるといった具合。十味敗毒湯4か月で治る。
*43歳男性。胆嚢摘出してから、全身に湿疹ができてかゆくてたまらない。かきむしった傷があり、化膿しておできになったものは痛くてたまらない。赤味が強く、隆起し、固く緊満している。十味敗毒湯1~2日でおできはつぶれて排膿し、楽になった。(しかし、湿疹には大して効果なし)
*別の43歳男性。もとは柴胡清肝湯が適合する解毒証体質だったが、潰瘍性大腸炎になり低脂肪・低残渣食とした所、皮膚乾燥は軽快。しかし、耳たぶの粉瘤、顔の横・耳の周辺の湿疹・吹き出物がなかなか治らなかった。背部・臀部・頭部にも同様の吹き出物があり、髪の生え際に多くできる。黄連解毒湯、アレロック・キプレスなどで軽快せず、十味敗毒湯ですぐに改善した。臍横の軽度違和感と心窩左の軽度疼痛あり。便秘がちだが桂枝茯苓丸や加味逍遙散は胃にさわってかえって悪い。
●川芎3桔梗3防風1.5荊芥1独活1.5生姜1 :温
●柴胡3樸樕3、茯苓3、甘草1 :柴胡・駆瘀血、利水、緩和
*樸樕を使用した温、駆瘀血・柴胡剤。
*オースギ2g、クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
*ニキビには、①男性ホルモン・皮脂分泌の増加、②角化異常・細菌感染、③睡眠・食生活、④上熱・瘀血が関与する。①に対しては、ベピオゲルが有効。(*乾燥・漂白・殺菌作用あり、乾燥肌には不適。毛髪・衣類につくと脱色する。過酸化ベンゾイル、耐性菌の心配がない。) ②に対しては、ディフェリンゲルが有効。 ほか、エピデュオゲル(ベピオゲル+ディフェリンゲル)、デュアックゲル(ベピオゲル+ダラシンTゲル)あり。いずれも1本15g。
00内托散
*すでに自潰・排膿し、その後の肉芽の発生が悪いもの。 外傷や手術のあと傷がいつまでも治らないもの。
*5か月前に虫垂炎を手術。傷口が癒合せず、いつまでも膿が出続ける例。食欲・便通に異常なし。ただ、疲れやすい。再手術を勧められていたが、内托散により1か月で治癒。
●人参2黄耆1.6甘草0.8 :補気
●当帰2.4川芎1.6、白芷0.8防風1.6、桂皮1.6 :温・補血、温・血行促進、温・利水
●桔梗1.6、金銀花1.6、厚朴1.6 :排膿、清熱、行気
*コタロー市販品
12柴胡加竜骨牡蛎湯 胸脇苦満証。もとは熱実証、疲弊した者。精神的緊張、動悸あり。
① 体格良く、実証のように見える者で、強めの胸脇苦満があり、精神的緊張・動悸を生じている場合に適応。 (*動悸には竜骨牡蛎か茯苓が適する。)
A.強めの胸脇苦満、腹力(+) 右がより圧痛 (*胸脇苦満はない場合多い。肥満とも限らない)
➡大柴胡湯(熱証、苦満強)>柴胡加竜骨(気虚、苦満強)≫補中益気湯(気虚+冷え、苦満弱)
B.体は健康、気は小さい。物事に驚きやすく、ストレスで耳鳴り・動悸・胸部苦悶。精神的緊張
持続し、もとほどの元気・食欲はない。動脈硬化・高血圧、バセドウ病・心臓弁膜など。もとは
勝気で躁病気質。 (*健康体の者が、ストレスで耳鳴り・動悸するようになった際に。)
C.紅舌。冷えはない。(*冷えまであれば、補中益気湯) 便秘(±)、舌歯痕(±)。
*便秘の場合は必要に応じて、桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯、大承気湯など併用。(*瘀血、気滞の有無で判断。)
*もとは大食、元気もある者が疲弊し、胸脇苦満、不食、臍上悸を認める場合。熱実証の者が弱るに従って、大柴胡湯、黄連解毒湯➡柴胡加竜骨牡蛎湯➡補中益気湯、と使用する製剤が変わる。
② パニック発作。(*臍上悸➡柴胡加竜骨、手汗➡四逆散、何かの柴胡剤が必要。)
③ 意識消失を伴うけいれん発作を繰り返す児童。未成年の場合は、臍上悸があるぐらいで、胸脇苦満や腹部膨満はないことが多い。ほか、小柴胡湯+桂枝加芍薬湯など使う。知的障害を合併する場合は難治である。
④ 脳出血後の麻痺・言語障害で、腹部や顔面・頚部の筋肉のひきつれ、動悸や不安を伴う例。体力は衰えていない。芍薬甘草釣藤羚羊角を加える。一年も用いて効果がなければ無効である。ほかにも、抑肝散加芍薬黄連羚羊角、四逆散加紅花棕櫚葉白僵蚕などを使う。
*竜骨牡蛎は、筋肉のけいれん、ひきつれに有効。
⑤ アルコール依存症で下痢がちの者。(*やせてくるなら、甘草瀉心湯を考慮)
●柴胡5黄芩2.5大黄1 :清熱
●半夏4人参2.5茯苓3大棗2.5生姜1、竜骨2.5牡蛎2.5 :六君子湯+竜骨牡蛎
●桂枝3
*クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2.5g、オースギ2.5g、ジュンコウ2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。クラシエ・コタロー・オースギ・ジュンコウは大黄1、ツムラ2.5gだけは大黄0。
*構成は六君子湯、補中益気湯に近い。冷えが出始めているなら補中益気湯。(*温めない補中益気湯。)
00続命湯
*顔面神経麻痺に。脳出血後遺症に。
●桂皮生姜、人参当帰川芎 :温、補気補血
●麻黄石膏杏仁甘草 :麻杏甘石湯
*動脈硬化疾患には、石膏が重要な役割を果たす。(釣藤散、木防已湯、防風通聖散)
35四逆散 自律神経の緊張が、手汗・腹直筋緊張を生じる者。
① 自律神経緊張、特に手汗・腹直筋緊張に。 (ストレス性、発熱時)
A.腹直筋の緊張と胸脇苦満もしくは心下痞あり、腹力があるように見える。紅舌・黄苔
B.緊張による手汗、手は冷たく湿っている。
C.一見して非常に真面目。ストレスが各種身体症状・自律神経症状となって現れやすい。
*基本的には腹力あり、弱っているとか、重症な患者ではなく、通院できるぐらいの体力はある者に適応する。治療に苦労し、スッキリ行かないという場合によく使う。
*ときにパニック発作に効果。
② 四逆散2~3包+香蘇散1~2包で胸部・脇腹の痛みに使う。前胸部の帯状疱疹後神経痛、進行肺癌による激しい胸痛。冷え・血行不良あれば四物湯を、瘀血あれば桂枝茯苓丸や治打撲一方を追加。あとは山梔子も考慮。
*芍薬甘草湯に近い処方。胸痛、長引く腰痛、腹直筋の緊張に効果あり。
*排膿散及湯にも近い。化膿に効果。
●柴胡5 :ストレス・自律神経の緊張を緩和
●芍薬4甘草1.5 :筋緊張を緩和
●枳実2 :便秘、のどのつかえに
47釣藤散 動脈硬化証。老齢・動脈硬化による早朝の頭痛、高血圧、めまい感に適応。
*水毒の傾向にあれば天麻を足す。陰虚の傾向にあれば六味丸などを足す。
① 釣藤散の頭痛は、あまり激しいものではなく、頭重である。老人などで、朝目が覚めた時に頭が痛み、起きて動いているといつの間にか頭痛を忘れるという場合。動脈硬化が原因で、頭痛が取れた後も長期服用する方が良い。効果は2~3週間で出はじめ、1~2か月で大体治る。
A.高齢者の高血圧 (*動脈硬化が関与)
B.早朝の頭痛、めまい感・浮動感。 (*動脈硬化が関与)
*顔面紅潮あれば黄連解毒湯を優先。釣藤散の場合、顔面紅潮はなく、目の充血がある。性格的には怒りっぽい、頑固。
*釣藤散は脳血管の痙攣を治し、毛細血管を拡張する。(➡木防已湯:心臓血管の痙攣を治す。)
●石膏5、麦門冬3 :心臓血管の攣縮を治す、潤す
●菊花2、釣藤鈎3 :目の充血、脳血管の攣縮を治す
●人参2半夏3陳皮3茯苓3生姜1 :胃弱、気虚を治す
●防風2、甘草1 :血行促進
*胃は決して丈夫ではない。『中年以後の神経症でやや虚状を呈し、頭痛・眩暈・肩こり・肩背拘急などを主訴とする者。』
*『抑肝散とは釣藤鈎が共通するが、釣藤散は六君子湯ベースで人参があり、抑肝散には柴胡、当帰が配されているところが相違する。釣藤散は補気、抑肝散は温・疎肝の効がある。』
25桂枝茯苓丸 利水駆瘀血剤。上熱下寒、便秘(軽)、固定痛に。
① 便秘で痔・生理不順(A)、便秘で固定痛(A+B)、便秘で上熱下寒(A+C)、いずれかを満たす場合で、ポイントは手の冷え。手冷なら桂枝茯苓丸、手温(陰虚)なら大黄牡丹皮湯が適合する。
A.便秘・痔、下腹部に圧痛、紫舌、生理不順 (*瘀血)
B.癌痛・骨折・打撲痛、手術痕など古傷の痛み (*固定痛)
C.上熱下寒(慢性微熱)、手先足先の冷え (*のぼせ・ほてりを手足の先に戻す)
*軟便の者は、胃痛・下痢して飲めない。あと、めったなことで加味逍遙散とは併用しないこと。
② 桂枝茯苓丸証だと、基本は水毒体質で、時に五苓散が適合する。(*水毒➡桂枝茯苓丸 *陰虚➡大黄牡丹皮湯) 妊婦・産後の浮腫。これは瘀血が関与し、桂枝茯苓丸で治る。単なる利水剤・利尿薬は効かない。妊娠中の不正出血、胎児の不安定にも効果。
③ パーキンソン患者に極めて有効。パ病は、頑固な便秘、固定痛など瘀血を必ず生じる。
④ 寝ているときに手がしびれる(手根管症候群)。昼に軽く夜に重くなる疼痛。(*瘀血が関与)
⑤ 肌のくすみ、にきび、指掌角皮症、結節性紅斑、慢性じんま疹など、皮膚病で瘀血が存在する場合。
●桂枝4・桃仁4牡丹皮4 :上逆した血と熱を手足先端、骨盤内に戻す。上熱下寒を治す。
●茯苓4芍薬4 :水の流れを良くし、疼痛を除く。牡丹皮の胃もたれを軽減。
*オースギ1.5gが圧倒的。効果は落ちるがクラシエ錠3T×6あり。
*瘀血治療には、桂枝茯苓丸と治打撲一方の併用、通導散、桃核承気湯は最強。桂枝茯苓丸と治打撲一方はよく併用するが、片方で事足りる例が多い。判別は手先の冷え、臍横の圧痛である。
*桂枝茯苓➡冬瓜子(+大黄芒硝)とすると、大黄牡丹皮湯になる。桂枝茯苓丸は利水駆瘀血剤、手冷・水毒・瘀血に使う、大黄牡丹皮湯は補水駆瘀血剤、手温・陰虚・瘀血に有効。(*実際の利水効果は弱く、めまいなど水毒が主の病態には五苓散が必要になるケースが多い。)
00当帰四逆湯
*子宮脱に使用。色が白く、冷え症で腹力のない者。冷えると腹痛、腰痛など悪化。
●当帰3桂枝3細辛2、芍薬3甘草2、木通3大棗3 :当帰芍薬散に近い。
125桂枝茯苓丸加よく苡仁 色素沈着・肝斑、関節痛に。
*肌色が黒い、頭のふけ、皮膚病全般 よく苡仁の適応
A.疣贅 (*疣贅には薏苡仁(ハトムギ)1日15—30gを粥にして食べると1か月で治る。)
B.関節痛(瘀血が関与)
C.肌荒れ、にきび、シミ・そばかす (*上熱や便秘あれば柴胡清肝湯、加味逍遙散を選択。)
D.軟便・水腫体質に適す。 (*便秘・乾燥がないこと)
●薏苡仁10 :下痢・水腫を治す、結核・虫垂炎など化膿を治す、疣贅の治療
●桂枝4桃仁4牡丹皮4茯苓4芍薬4 :桂枝茯苓丸
*薏苡仁がある分、関節痛・関節水腫、色素沈着には良い。四物湯のような皮膚を滑らかにする効果はない。
*ツムラ2.5g
ヨクイニン錠 コタロー9~18錠
●薏苡仁
*体の熱を冷ます。黄連解毒湯や加味逍遙散でも引けない熱が引ける場合あり。
*関節痛を治す。(*熱と湿が関与したものに限る)
*四物湯のように皮膚を滑らかにする効果はない。
➡よく苡仁湯、麻杏薏甘湯、桂枝茯苓丸加薏苡仁、腸よう湯
*寒がる者には禁!
89治打撲一方 瘀血体質(固定痛、打撲痛、痔)
① 臍横の圧痛 (*1—2横指右)
A.便秘・痔、紫舌、生理不順 (*瘀血)
B.癌痛・骨折・打撲痛、古傷の痛み (*固定痛)
*手冷あれば桂枝茯苓丸を優先。青年・児童など、もとは何もない健常者が、打撲・外傷で疼痛するなどは、治打撲一方が適する。
●川骨3樸樕3・大黄1甘草1.5 :駆瘀血・除痛
●桂皮3川芎3丁子1 :血行促進 (*丁子は辛熱性胃薬、桂皮や生姜に近い)
*ツムラ2.5g、他なし。痔・打撲痛に対し除痛、内出血を早く治す効果あり。
*構成は温熱に偏るが、熱証の悪化はない印象。
右下腹部の圧痛、便秘・乾燥の傾向
33大黄牡丹皮湯 熱実証、補水駆瘀血剤
① 瘀血を除く。便秘、慢性微熱など。
*桂枝茯苓丸より実証、桃核承気湯のような窮迫症状はない者。
*大黄牡丹皮湯を使って、腹痛やしぶり腹となる者は実証ではなく、虚証である。
A.右下腹部に限局した圧痛 (*腹部全体、複数カ所に圧痛がある例は除く)
B.便秘(弱~中)、腹力(3—5/5)
C.手は温かく、桂枝が適さない者。乾燥の咳・陰虚の熱、五苓散の飲み過ぎなど、乾燥の存在。
② 虫垂炎初期、卵巣嚢腫、赤痢菌、肛門周囲膿瘍、膀胱炎など、下焦の炎症に。(*竜胆瀉肝湯も候補) 大黄牡丹皮湯と竜胆瀉肝湯はよく併用する。
*虫垂炎で既に化膿し、熱発・頻脈となっている場合、大黄牡丹皮湯は禁。また、虫垂炎初期でも、虚弱者には桂枝茯苓丸、桂枝加芍薬湯が適する。絶食・点滴、抗生剤は必ず併用。
●大黄2芒硝1.8、桃仁4牡丹皮4 :下剤、駆瘀血
●冬瓜子6 :陰虚の熱を治す
*桂枝を含まないことが特徴。利水ではなく、冬瓜子による清熱・補水が主眼である。右下腹部痛に加え、乾燥・発熱の傾向、手の温とそろえば大黄牡丹皮湯で間違いない。(*固定痛、手の冷、水毒体質には桂枝茯苓丸。)
*ツムラ2.5g、コタロー2g、優劣未判定。
320腸よう湯 駆瘀血剤
*下痢しやすい者に使用する駆瘀血剤。
●桃仁5牡丹皮4 :
●冬瓜子6薏苡仁9 :
*コタロー2g。逆に便秘するということはなく、これでも下痢する場合あり。桂枝茯苓丸加薏苡仁も同じ。
上熱の治療、暑がる者に
101升麻葛根湯
① インフルエンザ脳症、スペイン風邪など、上熱治療に。
*常用すると升麻で便秘する。精神の熱には使えない。
② 麻疹など発熱性発疹の治療に。発赤の強い発疹。
*解毒証体質の吹き出物は治さない。
●葛根5升麻2 :肩首のこり、顔面の熱を治す
●芍薬3、甘草1.5生姜0.5 :除痛、胃腸虚弱に
*葛根湯から温性の麻黄・桂枝を除き、寒性の升麻を加えた。寒証の者が飲むと、寒くなる。
70香蘇散
① ウイルス感染症の初期に。悪寒や筋痛を呈しない軽症のかぜ、上気道炎に。
*『胸中心下痞塞し、黙々として飲食を欲せず』、気のうっ滞があり、胸中心窩につかえ感、胃の不調がある者に適する。
② 高齢者の軽症うつ病に。加味逍遙散証のように多愁訴ではなく、見た目は大人しくて気の弱そうな人。書く字も小さくて弱々しい。心下痞・上腹部鼓音が特徴。胃腸虚弱、ロキソニンや麻黄剤は飲めない。
●香附子4蘇葉2生姜1、陳皮2 :発汗を促し気を発散、行気健胃
●甘草1.5 :緩和
*全て気を発散させる生薬で構成されている。もとより発汗する者、陰虚には不適である。また著しい衰弱にも使用できない。 香附子・蘇葉は、血行を良くし、発汗を促し、軽く神経を興奮させる作用がある。(*うっ滞を疎通し、神経の働きを正常にする。) また、魚中毒によるじんま疹を治す作用もある。
③ 胸部・脇腹の神経痛・帯状疱疹に。
*桂枝加朮附湯(温めると良い場合)、四逆散、桂枝茯苓丸・治打撲一方など併用。
④ サバによるじんま疹に有効。
00反鼻交感丹料
*急激な気滞による呆然自失・健忘・抑鬱気分・判断力低下・放心する者。
●反鼻2.5、茯苓5香附子3乾姜1.5 :温・強壮、利水・行気 (*反鼻=マムシ)
67女神散 熱虚証、軟便の者に使う加味逍遙散
① 上熱が盛んでホットフラッシュ、興奮強く精神不穏・多弁多訴、加味逍遙散を使いたくなるような病状だが、腹力(-)・軟便の者。急性一過性精神病性障害・産後精神病など、急に発症した興奮・錯乱。長年の経過というわけではなく、数か月前まで仕事をしていた等。胸脇苦満はない。
●香附子3・黄芩2黄連1 :清熱
●人参2蒼朮3、桂皮2丁子1当帰3川芎3 :下痢を止める、温める
●木香1ビンロウジ1甘草1
*温める成分が多く、便秘・瘀血の者に間違って使うと上熱・不穏がかえって悪化する。
*さらに清熱したい場合は、梔子柏皮湯や黄連解毒湯を足す。あとは防己黄耆湯や猪苓湯も候補。
91竹じょ温胆湯 多痰の治療薬。首のこりにも効く。
*胆が悪くなると、物事に驚きやすく、夢が多く安眠できない。柴胡加竜骨牡蛎湯に似るが、違いは水湿・痰の存在である。基本的には多痰、水湿を治す処方と思ってよい。
① 肺炎が治った後にも、咳・痰が多い者。 咳・痰のために安眠できない者。
② 疲労倦怠、疲れた印象。首のこり、足先の冷え。舌歯痕、軟便の傾向。
③ 脳神経の興奮。臆病で決断がつかないのに気が高ぶって落ち着かない。びくびくした心境。
*胆系の流れが悪くなると、首のこり、水湿、精神興奮など生じる。背景には胃の悪さがある。
*①のケースでは便秘・軟便不問。②のケースは軟便に限る。
●柴胡3黄連1、竹筎3枳実2桔梗2香附子2 :清熱、首あたりの気の流れを良くする
●麦門冬3、半夏5人参1陳皮2茯苓3生姜1甘草1 :麦門冬湯、六君子湯に類似
*二陳湯がベース。乾燥・便秘には不適。痰が多い場合に適合。
*黄連、酸棗仁を加えると、さらに鎮静する。
*ツムラ2.5g、他メーカーなし。
9小柴胡湯 かぜをひき、口が苦い者。肝臓がはって食欲がない者。
① かぜで口が苦く、季肋部が張り、食欲がない者。発病から4~5日し悪寒がなくなり、熱だけとなり、胸脇苦満が現れ、舌に薄い白苔がある頃。ときに嘔気する。
*小柴胡湯が適応するもうひとつの状態は往来寒熱で、悪寒がして熱が出る、その熱が下がると、また悪寒し熱が出るという状態である。典型は午後になると37.5℃ほどの熱が出て、だるくなる。
*首のリンパ節が腫れて・往来寒熱する者。衰弱して疲労倦怠する場合、下痢をしてやせ衰える場合には逍遥散の方が良い。が、下痢もせずむしろ便秘で、まだ体力があるうちは小柴胡湯が適する。
*感冒の初期に嘔吐する者。幼児に多く、小柴胡湯もしくは五苓散が適応する。
② 円形脱毛症、ほとんど全部の毛が抜けた難治・重症例に半年から1年で効果。牡蛎を加える。
●柴胡7、黄芩3 :胸脇苦満を改善、解熱
●半夏5人参3 :胃気を調和、軟便・下痢に
●甘草2生姜1大棗3 :胃腸虚弱に
*オースギ錠6T×3、クラシエ錠3T×6、オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、コタロー2.5g、ツムラ2.5g、ジュンコウ2g、優劣未判定。
*小柴胡湯は慢性肝炎を主体に100万人に投与されていた。平成元年頃、間質性肺炎死亡例が10例報告された。(1)50~70歳の高齢者に多く、(2)投与1~5ヵ月後に発症しやすい、(3)最初の症状は発熱・乾性咳漱・息切れである。診断は,薬剤使用状況・症状・胸部レントゲンにより行うが、リンパ球刺激試験(DLST)が陽性となりやすい。このことから、この副作用は本剤(特に黄芩)によるアレルギー反応との見方が強い。治療は、薬剤の中止によりほぼ改善するが、ときに短期間のステロイド投与が必要である。いずれにせよこれらの措置によりほぼ全例が完治する。死亡例は診断を間違えた場合である。このことは、他の薬剤性間質性肺炎と本質的に変わりがない。
114柴苓湯 急性胃腸炎で下痢がひどい者。
A.急性胃腸炎による水様下痢、発熱。
B.小柴胡湯の適応に加え、浮腫、尿が出にくい者。
●柴胡7、黄芩3 :胸脇苦満を改善、解熱
●半夏5人参3 :胃気を調和、軟便・下痢に
●甘草2生姜1大棗3 :胃腸虚弱に
●桂枝3、茯苓4.5白朮4.5猪苓4.5沢瀉6 :手足の先を温め・水の循環を助ける。利尿剤。
*クラシエ2.7g・4.05gが優る。ツムラ3g(桂枝2茯苓3蒼朮3猪苓3沢瀉5)
*大棗は本来不要(水質助長する)。桂皮もなくてよい(発熱には不要)。
寒虚証
31呉茱萸湯 冷えからくるしゃっくり、頭痛に。
① 冷たい物、たとえばビールの飲み過ぎで出るしゃっくりに。(*竹筎・橘皮も有効) しつこいしゃっくりが1~2分で治まる。
●呉茱萸3、人参2大棗4生姜1.5 :温、すべて降性
*胃が冷えて気が下らなくなり、上に逆流するとしゃっくりや頭痛となる。呉茱萸湯は胃を温め、気を降ろすことでこれを治す。
*もともとの冷え症に加え、クーラーによる体の冷え、飲酒や冷飲食による胃の冷え、などで誘発。
*半夏黄芩黄柏、半夏白朮天麻湯・半夏瀉心湯などが胃にもたれて・かえって悪い者は、呉茱萸湯が適合する。
*ツムラ2.5g、コタロー2.5g、ジュンコウ2g、優劣未判定。
*降性のため、上熱を悪化させない。熱証患者にも使用できる。
② 月に数回、発作的で激しい頭痛。時に嘔吐。 前兆が特徴。
*発作時には足が冷え、肩から首がこってきて、心窩部が張って胃がつまる(胃部不快)。 呉茱萸湯の頭痛は、顔面頭部が熱をもっても冷やさない方が良い。(冷性頭痛) 発作は疲れた時、食べ過ぎた時、生理前などに起こる。
*嘔気も激しいが、嘔吐量は多くない。
*ロキソニンを常用するケースが多い。
③ 寒がって手がしっとり冷たい、胃(上腹部)も冷たい。寒がる者。
00橘皮竹筎湯
*しゃっくりの特効薬。
●橘皮竹筎、人参大棗生姜甘草 :呉茱萸湯と似る
*橘皮は苦味が強い。しゃっくりには、陳皮だと効果はない。
*呉茱萸湯、橘皮竹筎湯と効果がなければ、あとは柿の蔕が良い。
60(99)桂枝加芍薬湯(小建中湯) 過敏性大腸、腹直筋の緊張に
① 小建中湯は一種の強壮剤。虚証、腹直筋の緊張(+)。疲労倦怠を主訴とする者、腹痛を主訴とする者に適合する。 小児に対しては補腎、および膠飴で腸内細菌を整える効果。腹壁自体は薄く・虚弱だが、力んで固い。手足の冷えなど虚証の傾向。舌は淡紅(正常)。性格的には、まじめで緊張しやすい。
A.虚弱児童。冬は寒がり、夏は足をだるがり、すぐ疲れる。学校から帰ると疲れたと言ってゴロ
ゴロし、朝も起こさないと起きてこない。 適合すれば夜泣き、夜尿、喘息、不登校など治す。
B.体の弱い人がかぜを引いたり、ちょっと熱が出たとき、しきりに動悸を訴える場合がある。胸
が苦しいという場合もある。このような時、葛根湯や麻黄湯のような発汗剤で汗をかかすことは
してはいけない。悪寒、頭痛など表証があっても、動悸の激しいものは大体は虚証であるから、
発汗剤・下剤は避け、小建中湯や桂枝加竜骨牡蛎湯などで補うのが良い。
C.虚弱体質、あるいは疲労した場合の鼻出血に。腹直筋の緊張、四肢倦怠を目標にする。
② 虚証の者の腹痛・下痢、過敏性大腸に。
A.ストレスや緊張がお腹にくる者。お腹がスッキリしない。しぶり腹、トイレに篭る。
B.便秘だが下剤を使うと、腹痛・しぶり腹となる者。宿便がたまっているような膨れた腹ではな
く、体力不足・胃腸の不調和が原因と思う症例。これといった所見がないことが特徴。
C.下痢止めや抗コリン薬の使い過ぎで一時的に便秘となった例。これは弱っている訳で、大黄剤
より、桂枝加芍薬湯ぐらいの方が良い。
D.軽症の大腸炎で、しぶり腹がひどく、粘液・粘血ばかり出る者。
E.上腹部の進行癌で、痛くてたまらないという者。
③ 不登校児~統合失調症患者で、お腹の症状を訴える者。引きこもり、原因不明の腹痛。
●桂枝4 :温・気血水の流れを助ける
●芍薬6甘草2、大棗4生姜1 :腹痛を緩和、胃腸虚弱に
*芍薬甘草湯に近い処方。クラシエ錠3T×6、ツムラ2.5g、クラシエ2g3g、オースギ2.5g、コタロー2.5g、優劣未判定。膠飴10を足すと小建中湯となる。ツムラ2.5g×6、オースギ4.2g×6、コタロー3g×9、優劣未判定。
*味が飲みやすく、乳幼児や初めて漢方を飲む者に適する。
68芍薬甘草湯 筋肉の過剰な収縮を治す。
① こむら返り、ぎっくり腰に。(*津液の不足が背景) 空腹をこらえ肉体労働に従事した所、倒れて足が痙攣し苦しむ場合。高齢者・脳梗塞後、パーキンソン病、ウィルソン病など、わずかな刺激で筋肉が過剰に収縮・ひきつれる場合にも適応。
*『夜間は手足が温まるはずで、それが冷えて手足がこわばる者は、芍薬甘草湯に加え乾姜や附子で陽気を回復させると治る。桂枝湯の適応に似ているが、発汗し津液が不足している場合、桂枝湯はかえって悪いので注意すること。』 (*発汗・陰虚により、こむら返りが生じる。これは芍薬甘草湯で補うと治る。)
*尿路結石、腹痛・疝痛にも適応。
② 寝ている時に1mほどの高さから落下した感覚がして、びっくりして目が覚める者。
*睡眠中に起こる筋肉の攣縮を、脳が落下したと勘違いすることで生じる。寝る前に芍薬甘草湯を1包飲むと防げる。寝るのを怖がる、起きた時に怖がるなどする。こむら返りと合併する者も。
③ 下剤を用いた所、腹痛がひどくて困る者。腹直筋の緊張を認め、腹痛する者。 (*桂枝加芍薬湯と同じ適応。桂枝不要の場合に。)
④ 乳幼児の夜泣き (*甘麦大棗湯、抑肝散も候補)
●芍薬6甘草6 :筋肉のけいれん、痙攣の疼痛を緩和。
*わずかながら気や津液を補う。人参が熱のこもり・便秘で使えない場合にも使用できる補剤。
*ツムラ2.5g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、ジュンコウ2.5g、優劣未判定。
26桂枝加竜骨牡蛎湯
① パーキンソン病のレム睡眠行動異常症に有効。2包必要。睡眠時の大声、手足の動き。
② 小建中湯の証(虚弱と疲労倦怠)で、動悸がある者に適応。腹直筋の緊張は軽度。 神経過敏で、ちょっとしたことで興奮し、のぼせる者。頑丈ではなく、便秘、腹部膨満や胸脇苦満のない者に適応。
③ 知的障害、高齢者の性的問題、放尿など。逆にインポテンツ、性欲が出ない者にも有効。(*肝気の失調が関与) 柴胡剤、疎肝剤のなかで特に優れるというわけではない。
●桂皮4、芍薬4甘草2・竜骨3牡蛎3 :手足を温める、筋肉・精神の緊張を緩和
●大棗4生姜1.5 :胃腸虚弱に
*桂枝湯に竜骨牡蛎を加えた処方。精神的緊張と自律神経の緊張を緩和。
*オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、ツムラ2.5g、コタロー2.5g、優劣未判定。
45桂枝湯 寒虚証、手足の先を温める
① 手足の先が冷えて、寒がる者。冷えからくる鼻炎、疼痛。(*手の温かい者、暑がる者・のぼせやすい者には適さない。) 虚証、脈が弱い者に適応。
② かぜで発熱し、十分な飲食ができず体力が弱った状態。悪寒はさほどなく、虚弱・栄気の不足から多少、発汗する。脈が弱い場合は桂枝湯で発汗させると治る。(*無汗・実証:葛根湯、麻黄湯)(*便秘・脈は強い:大承気湯)
*多くは発熱時、気の上衝による激しい頭痛を伴う場合あり。これにも桂枝湯が良い。
③ 過敏性大腸、こむら返りに。 (*桂枝加芍薬湯、芍薬甘草湯の構成を含む)
●桂枝4 :手先足先を温める、発汗を促す
●大棗4生姜1、芍薬4甘草2 :胃腸虚弱に、頭痛・腹痛を緩和
*桂枝最大の特徴は、手足の先端を温めること。手の冷がないと適応しない。特に手の温、熱感、発汗には不適切。また、桂枝二つ目の特徴は、利水。陰虚、乾燥の咳・陰虚の熱には禁。
*桂枝剤の数は多い。便秘・瘀血の者には桂枝茯苓丸・治打撲一方、過敏性大腸の者は桂枝加芍薬湯、水毒の者は五苓散・苓桂朮甘湯、腎虚の者は炙甘草湯・八味地黄丸、胸脇苦満には柴胡桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯、軟便の者は桂枝人参湯・女神散がある。
*足元から冷える者は呉茱萸湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯。膝の冷痛あれば八味地黄丸や潤腸湯。全身の極度の冷えには真武湯や麻黄附子細辛湯。お腹の冷えには大建中湯を選択。
*オースギ2.5g、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
98黄耆建中湯・桂枝加黄耆湯
① 傷の治りが悪い者。褥瘡で肉芽形成が不良の者。痔瘻ができ、瘻孔から液が流れ出す者。結核でリンパ節が自壊し、その後瘻孔となり、体液が漏れ出す者。 (*体表の虚、および体力の不足・虚弱による漏出を治す処方)
要介護・寝たきり患者で、 (*小建中湯より虚)
A.発汗・体液の漏出、褥瘡・肉芽形成不良 (*体表の虚)
B.るいそう・栄養不良、疲労倦怠など極虚証。
C.腹直筋の緊張・腹痛 (*小建中湯の適応、疲労倦怠か腹痛)
乳幼児・虚弱児童で、 (*やせ型と、水太りとあり)
A.多汗に。食が細く、体力がない、かぜを引く、アトピー性皮膚炎など虚弱体質に。
B.水疱性の皮膚炎、虫に刺されると水疱ができる体質に。
C.夜になると皮膚がかゆくてたまらない。皮膚に著変なく、発汗で悪化。かゆい部位は感覚が違
い、皮膚が少し厚くなっているように感じる。
*血色不良、血虚には当帰建中湯を併用する。
② 尿路結石、癌による尿路閉塞など、排尿時に激痛する者。
●黄耆4 :補気・止汗、軟便を治す
●桂枝4、芍薬6甘草2、大棗4生姜1、膠飴10 :小建中湯
*小建中湯に黄耆を加えた。より虚証の者に適応。ツムラ3g×6。
*六君子湯(水湿)、防己黄耆湯(水太り)、補中益気湯(もとは熱実証)は近い処方。水毒には猪苓湯、ガス・腹部膨満には大建中湯を足す。
*00黄耆 :皮膚に栄養を与える生薬。体表に停滞する水を除く。『多汗。発汗で悪化する病態。』『皮膚色が白く、軟らかい。』『皮膚感覚の障害』などに使用。
00黄耆桂枝五物湯
*しびれを治す。患者によっては麻痺や半身不随を伴う場合あり。
*脚気による足のしびれ、知覚異常。着物が触れると何とも嫌な感じがする。ビタミン投与し、治らない者に。
●黄耆3桂皮3芍薬3生姜1.5大棗3 :黄耆建中湯に似る
123当帰建中湯 産後の下腹痛、貧血を治す方剤
①出産後、数年してから生理痛がひどい者。月経量は少ない。 授乳を長く続けた場合にも起きやすい。(*瘀血ではなく、桂枝茯苓丸は効かない) 桂枝茯苓丸の月経痛は前日または初日に強いが、当帰建中湯の月経痛は月経中ずっと続くか、終わる頃になって痛む。桂枝茯苓丸と比べると腹力もない。 いずれの場合も1~2か月飲んで、効果がないようなら無効と考えてよい。
*血虚の腹痛は、温めたり押さえると軽減する。下腹部痛により、体を後屈できない。前屈は可。ひどくなると腰や背部、あるいは股関節や坐骨神経痛にも痛みが波及する。疲労しやすく、血色が優れない(色白)。腹部は、基本的な腹力はなく、腹直筋の緊張が下腹部で目立つ場合と、ただ軟弱な場合とがある。
*経過の悪い褥瘡、痔出血・子宮出血による消耗にも使用する。
●当帰4芍薬5甘草2、桂皮4大棗4生姜1 :当帰芍薬散+桂枝加芍薬湯
*当帰芍薬散+桂枝加芍薬湯に近い。ただ利水成分はない。 水毒➡当帰芍薬散、腹痛➡当帰建中湯
*ツムラ2.5g、他メーカーなし。 膠飴の配合はない。
77芎帰膠艾湯 出血が大量で、寒証を呈する場合。
① 妊娠中に出血が多い者。出血が長引き、足が冷え・下腹が鈍痛する者。
*痔出血、腎臓出血など、出血の種類は問わず。胃腸は比較的丈夫で、地黄は飲める場合に適応。
*妊娠中、出血が少ない場合は温経湯。流産したあとに胎盤が残り出血する場合は、桂枝茯苓丸や桃核承気湯が適合する。
*痔の手術をしたが、術後も出血を繰り返し、経過が良くない者。駆瘀血剤の併用は必要。
●地黄5当帰4川芎3芍薬4 :四物湯
●艾葉3阿膠3、甘草3 :止血、緩和
*熱証の出血はかえって悪化する。
127麻黄附子細辛湯 極度の寒証、極度の冷え、疼痛
*寒冷じんま疹に。寒冷で拡張した血管を収縮させる。
*体が極端に冷たい。手足はもちろん、鼻も冷たい。いつも一人だけ寒がって、汗をかくということがない。冷えから、体の痛みや喘息、鼻炎を生じる。老人の場合は、動かすと痛がって激高する。胃腸は案外丈夫である。
*麻黄附子細辛湯の頭痛は、頭巾をかぶっていると良いが、頭が冷えると痛む。
*高齢者、虚人の咳・発熱を治す。脈が弱く、腹力もない。発熱していても冷えが強く、下痢が続く。
A.全身の強い冷え (*手足は冷たく、人一倍寒がる。無汗。)
B.神経痛 老人の場合は、介護で動かすと痛がって激怒する。(触らなければ怒らない)
C.気道の冷え(鼻が冷たい)、鼻炎や喘息
① 極度の冷えと、冷えからくる身体痛(A+B)
② 極度の冷えと、冷えからくる喘息(A+C)
*①か②なら、麻黄附子細辛湯が適合。
●麻黄4 :温・発汗、気管拡張、倦怠・疼痛を緩和
●附子1 :体を温める
●細辛3 :気道・鼻を温める
*ツムラ2.5g、三和1.5g、コタローカプセル1T×6あり。神経痛か気道の冷がなければ、附子末や真武湯でよい。
*頭部の冷痛が主であれば、防風・川芎を加味する。
*皮膚乾燥がある者は、四物湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯を併用する。
00烏頭湯
*関節痛がひどく、伸屈できない者。
●麻黄烏頭、芍薬甘草、蜂蜜 :烏頭は附子の母根である
*附子中毒 :少量だと悪寒がし、体や口がしびれてきて、吐きそうになる。多量だと脈が弱くなり・体が冷え、冷や汗をかき、嘔吐下痢する。軽い場合は2時間、重い場合は半日で自然に良くなる。慌てて他の薬を飲ませたり、火で温めたりしてはいけない。
*附子剤は体中が冷え、徐脈の者に適し、疼痛、麻痺を治す。頻脈の者には適さない。
30真武湯 寒虚証 老衰による低体温・慢性下痢
*真武湯の下痢は1日2-5回、腹痛はあっても軽く、腹部は軟弱である。しぶり腹はない。患者は虚弱体質で瘦せているが、体格の良い場合もあって、その場合でも疲労倦怠が強く、足が冷えるのを特徴とする。舌は浸潤し、舌苔はない。口渇はない。尿量は少ない。 急性・熱性の下痢(胃腸炎)ではなく、慢性の下痢に使う。高齢者、結核で体力低下した者など。 ただ、胃腸炎でも、手足が冷え、脈が弱く、浮腫が来るような者は、真武湯が適する。
*人参湯は胃、真武湯は腸に作用する。人参湯と真武湯の区別は、下痢が主なら真武湯、食欲不振や胃の不快が主なら人参湯である。
*生気に乏しく疲労倦怠、冷えて下痢する者。徐脈、低体温、浮腫・水毒の傾向。 (*生命力が衰え、熱の産生が低下している。)
*39℃を超える発熱でも顔色は赤くなく、かぜ症状らしきものが何もない。手足が冷え、下痢が続き、脈に力がなく、寒がって冷やすのを嫌がる。発汗(-)、食欲(-)口渇(-)、黄苔(+)。 真武湯で温めるべきで、氷枕で冷やしてはならない。麻黄湯や小柴胡湯も逆効果である。
*発熱悪寒する患者に麻黄湯を与え、発汗させたところ衰弱して死に瀕した。このような場合、真武湯を与えるべきである。発熱発汗口渇とそろっても、白虎加人参湯を与えると死ぬ。著しい虚弱に実証の薬は危険である。
*出産時の大量出血で、脈が弱くなり、冷や汗をかき、手足は冷える者。危篤状態の少し手前であり、これには真武湯に人参湯を加えたもの(四逆加人参湯)が良い。
A.寒がりで冷えて下痢する者。水毒の傾向 (*全身の冷えが強度で下痢が続く者。足がむくむ、めまいする者。)
B.産後・発熱性疾患の消耗による下痢 (熱の産生が低下)
C.冷えが原因の高血圧
D.若い者でも、もとより低体温・軟便の者。冷えや頻尿・軟便を治す。
E.冷たいビールを飲むと必ず下痢する者。
F.低体温、生気がない高齢者で、皮膚に異常がないのに痒がる者。発疹があっても微細で、隆起や発赤はほとんどない。
*大体は高齢者。陽気(生命力)が消えかかり、強度の冷えが全身に及ぶと同時に、新陳代謝も悪く水分の過剰・停滞から、下痢や水毒、動悸を生じている。冷湿により、手足は重だるく、痛みを生じやすい。 患者は衰弱しており、下痢や発汗を助長してはならない。
●附子1、芍薬3生姜1 :温める、腹痛を除去
●茯苓5白朮3 :利水剤
*三和1.5gが優秀。(ツムラ2.5g、コタロー2g) 真武湯の特徴は附子だが、お腹の症状(下痢)、水毒に特化している。陽気を回復し、水分代謝を良くする処方。 冷えと下痢に効く点で、人参湯に近い。
*実証の者が衰弱すれば補中益気湯だが、虚証の者が衰弱・下痢すれば真武湯。
00甘草附子湯
*関節リウマチに。
*湿を来しやすい体質の者が、かぜを引き、かぜと湿が相まって、ふしぶしが痛む場合。関節の伸屈が困難で、患者は痛むところに手を近づける。悪寒し・呼吸は速く窮迫し、汗が出て尿は少ない。体は湿がたまり、何となくむくむ。舌は湿潤、舌苔(-)。味覚異常なし。 (*水はむくんで押すとへこむが、湿はただ皮肉のしまりがなく、ぶよぶよと湿った感じで、押してへこむことはなく、わるぶとりという類のものである。これは気虚で、気の弱りに水気が乗じたのである。)
*通常、舌に苔があり、熱状がある者には附子が適応しない。 関節リウマチでは、舌に苔がない者、あるいは黑苔があっても味覚異常のない者は、附子の適応である。
●甘草3附子0.5桂皮3白朮3 :
00胃風湯
*真武湯のような慢性下痢で、炎症が直腸にあり、腹痛とともに粘血便を下し、しぶり腹がある者。 健常な人に突発した胃腸炎に使うのではなく、下痢が久しく続き、体力が弱ってきそうな患者に使う。炎症や腹痛、しぶり腹は激しくはない。飲食を控えると下痢は軽減する。
●人参3粟2、白朮3茯苓4桂皮2、当帰3川芎3芍薬3 :補気、利水、補血
*餅や粟で補気すると、下痢が改善する例がある。
118苓姜朮甘湯 寒虚証、腰から下の冷え+頻尿
① 30—40歳、若くて基本的な体力はありながら、 (*老齢による腎陽虚(老衰)ではない)
A.腰から下の強度の冷え、冷えが原因の多尿・頻尿
B.足の倦怠・むくみ、冷えによる腰痛。舌歯痕。 口渇はない。
*苓姜朮甘湯の使用目標は半端ではない下半身の冷えです。足の冷たさで一緒に寝ている人を起こす、お風呂の温度を低下させる、クーラーのあるところで座敷に上がると帰りには靴が入らない(むくんでしまうから)、会食の席はいつも一番端(頻尿でトイレに何度も行くから)…など気の毒なエピソードが満載。
② 濡れたままで冷えた後から具合が悪いとか、クーラーで下半身が冷えて腰痛・頻尿するとか、外的な冷えが原因で体調を崩した例にも適合。水湿の傾向がない者には、まるで効かない。
●乾姜3、茯苓6白朮3、甘草2 :温、利水、疼痛緩和
*桂枝→乾姜、五苓散の変形。五苓散は上半身・めまいに効く。苓桂朮甘湯は下半身の冷え・頻尿に効く。 あとは茯苓→人参とすると人参湯となる。(人参湯もある程度、下半身を温める)
*処方の頻度は決して高くない。(*大塚敬節も有効例経験なし)
腹壁の冷え、蠕動不良に。
100大建中湯 寒虚証
*便秘して腹満する者は、実証なら大承気湯(通導散)、虚証なら大建中湯が適する。胃腸の虚証とは、胃腸が凍えて(=腹壁の冷)、正常な活動が阻害された状態である。乾姜や附子で温めるべきである。大建中湯の場合は、腹部が冷え、蠕動は停滞、ガスが充満する。胸の苦しさも伴う。
*イレウス、ガス貯留・腹部膨満など、下部消化管の蠕動不良に。(*上部は六君子湯)
*便秘は悪化させない。ただ、高体温、熱実証は悪化。腹冷あっても湿疹・かゆみある者、血圧が高い者、熱性の不眠症ある者には禁。また、げっぷ・胃の不調は悪化するので注意。腹冷、やせ型の者に適する。
A.腹壁の冷え、お腹を温めると楽になる者。 (*手足・首・膝・腹壁のうち、腹壁が一番冷たい)
B.術後イレウスの予防・治療。ガスが多く腹部膨満する者(*ガスで膨満、腸が良く触れる。ムクムクとした腸が見てとれる。)
C.少量の酸化マグネシウムやセンノシドですぐ腹痛・下痢する者。(胃腸の虚弱)
D.長年のセンナ使用による粘膜の荒廃、あるいは潰瘍性大腸炎。
●乾姜5人参3山椒2 :お腹を温める
*腸管血流を増やす。(*量が多すぎると、浮腫(人参による水の貯留)、空咳、膀胱炎(乾姜山椒による熱の過剰、陰虚)など生じる。 熱証・陰虚、水毒には禁。)
*通常、便秘は悪化しない。ツムラ15g。5gで十分。
*極度の冷えによる腹痛・下痢には、真武湯を。過敏性大腸、腹壁の緊張強ければ桂枝加芍薬湯。
*上部消化管の虚弱には六君子湯や人参湯、下部消化管の虚弱には小建中湯や大建中湯とイメージする。
32人参湯 寒虚証、唾液がたまる・軟便(胃腸虚弱)
*げっぷが多い、胃が張る、多く食べられない。低体温、低血圧、手足が冷える、さむがる。体重減少、下血が続く。 大病によりやせ衰える者。胃の不調を訴え、手足が冷える者。低血圧・低体温の者。冷え、心下痞を治す。
*人参湯の腹痛は、上腹部から胸部にかけて痛むことが多く、下腹部が痛むことはまれである。
*下剤の連用で胃腸を痛め、かえって便秘する場合。人参湯や附子理中湯が良い。
*下痢には、温かい物が良い。冷飲食は避ける。
*人参湯の下痢は、腹部全体が軟弱な者と、腹壁が硬く板のようになっている者とがいる。心下痞・腹壁の緊張がある場合は、半夏瀉心湯とまぎらわしいが、下痢が続く割に体力がある者は半夏瀉心湯、基本的な体力・腹力がない者は人参湯とする。
① 口の中に唾液がたまって、たびたび吐き出す者。これは胃が弱って唾液を飲み込むと気持ち悪くなるからで、冷え症で手足が冷え・脈が遅い者は人参湯で温めると治る。 舌は湿潤し・苔がなく、軟便する。食欲はあるが多く食べると気分が悪くなり小食、腹力はない。ときに心下痞(+)。
*人参湯が適合すると、初めは少しむくむが、しばらくするとむくみはなくなる。(*2週間を超えて、どんどんむくむようなら、人参湯は不適。背景には心不全、腎不全がある。)
*夜、寝ている時によだれが多い者は、甘草乾姜湯か茯苓飲が適合する。
*乳幼児のよだれが多い者は、五苓散が適する。
*妊娠悪阻(つわり)には、通常は小半夏加茯苓湯だが、冷え症で脈が遅い者は人参湯が良い。
② 疲労倦怠・体力低下した者が、冷えを契機に嘔吐・下痢を繰り返す場合。 胃の差し込むような痛み、胸部の圧迫感などで、温めると楽になる例。 足が冷えて寝られない者。
③ 熱実証に不適。冷えがなく、便秘・顔面紅潮し、唾液も粘調で、口臭を覚え、血圧が高く・脈も速い者は黄連解毒湯・黄連湯が適する。口内炎で、粘液の分泌が多い例など。
*統合失調症、リスパダールの副作用で唾液が多い場合は、黄連解毒湯が有効。
●乾姜3 :腰から下・お腹を温める
●人参3白朮3甘草3 :気を補い・水を除き、胃機能を高める。
*人参湯が適応となるような胃腸虚弱に対しては、黄耆・升麻・柴胡などはかえって邪魔をして、人参の効を薄くするため、補中益気湯は適さない。胃腸虚弱よりも気虚が目立つ場合は補中益気湯だが、胃腸虚弱が目立つ場合は人参湯とする。
*頭痛伴うなら桂枝人参湯。
*甘草3と多く、長期投与では低カリウム血症に注意。
*オースギ2g、ツムラ2.5g、クラシエ2g3g、コタロー2g。オースギ・ツムラは辛くて温めすぎる。クラシエ・コタローが味がマイルドで温めすぎることもなく、優秀。
410附子理中湯
*人参湯に附子を加えた。
*23歳女性。体格が小さく、発育不良で月経がない者。
●乾姜3附子1 :
●人参3白朮3甘草3 :
*三和1.5g
82桂枝人参湯
*体表には熱があり、胃腸には寒がある者。
●桂皮4乾姜2 :手足を温める、腰から下・お腹を温める
●人参3白朮3甘草3 :気を補い・水を除き、胃機能を高める。
*クラシエ2g・3g、ツムラ2.5g。クラシエの方が味がマイルドで辛くない。ツムラは辛くて熱性。
レビー小体病、舌の提示不良、多怒・性急に
54抑肝散 寒虚証、肝気上亢
*肝気が高ぶり、精神的に興奮する者。腹直筋の緊張が強い初期は抑肝散、緊張は静まり腹部大動脈の拍動が目立つ後期には抑肝散加陳皮半夏を用いる。 抑肝散の頭痛は、午前より午後の方が強い。過労と気苦労からくる脳血管の痙攣で、しめつけられるように激しく痛む。腹直筋の緊張を伴う。腹直筋が軟弱無力の者には適しない。
*平素から体が弱く神経質で、癇が高ぶり、よく泣いたり、怒ったりする小児が、原因不明の高熱を時々出すことがある。また、すぐ痙攣を起こす。これは肝気の高ぶりであり、抑肝散はこのような患者を治す。 チックに良く効く。目をつむる。まぶたがピクピク痙攣する。
*脳卒中の後遺症で、手足が震える者・ひきつれる者、イライラする者に適する。
*癇癪もちの者。疼痛を訴えるが、場所がはっきりせず、圧痛もない場合。
*女性により有効。うつ病より不安障害に。不眠初心者で、もとよりの精神病質はない患者。対象は内科Drがついでに眠剤を処方しているような患者で、長年精神科にかかっている患者ではない。
*たとえば、ここ2か月の不眠。寝つきは良いが、中途覚醒し、睡眠時間が4—5時間と短い。日中の眠気はないが、イライラしやすく、おもしろくない。何かと考えること、ストレスは多いが、死にたい、消えたい等はない。
*手足の冷あり。水毒、のどのつかえ、便秘、口渇多尿はない。 一定、ストレスが引き金にはなっている。不眠不安症といっても、精神病ではなく単なる過覚せいの状態。酸棗仁湯との鑑別は、チックの有無である。
A.レビー小体病、舌の提示不良(細かく震え舌をあまり出せない)
B.不眠、よく怒り、せっかちな性格に。ほか、てんかん・熱性けいれんなど脳神経の興奮に。
*陰液や血の不足により、肝の気が亢進している。(*実熱ではなく虚熱) 老人には芍薬を加えるべき。
*はっきりと温める漢方で、熱がこもりイライラしている患者に使うとさらにイライラする。(*実熱の者には禁) 補気・補血に属する。(帰脾湯・補中益気湯・四物湯>抑肝散>加味逍遙散)
C.心下痞・上腹部の腹直筋の緊張、胸脇苦満、舌尖紅 (*拍動を触れる場合は抑肝散加陳皮半夏)
*近所の子どもの声がうるさくて仕方ない、など神経過敏な性質。頻脈、振戦、発汗など緊張が強い。(*もとは冷え症、肝気上亢による熱状)
D.口唇ジスキネジア (*振戦は改善しないが、ジスキネジアを軽減すると)
E.シャルルボネ症候群(低視力者の幻視)、難聴者の音楽幻聴に効果。
F.統合失調症患者の会話の流暢さを改善。
G.針で刺されるような目の奥の痛み、頭痛・不眠を伴う (*パソコン仕事による過労)
H.乳幼児の夜泣き (*あとは芍薬甘草湯、甘麦大棗湯)
●柴胡2釣藤鈎3甘草1.5 :痙攣・肝気を静める
●当帰3川芎3 :温める
●茯苓4蒼朮4 :利水
*ツムラ2.5gが良い。釣藤鈎は熱はなく、気だけが上逆している患者に使う。(*怒っても顔が赤くならない)
*高齢者に投与すると甘草含有量が少ない割に、低カリウム血症を起こす頻度が高い。(おそらく茯苓・蒼朮で利水し、尿量が不要に増えた例が低カリウム血症を起こす。)
*高齢者の不穏(認知症)には、セロクエル、リーマス、プロピタン、コントミン、リーゼ、ソラナックス、レキサルティ、アモバン、ルネスタなど駆使し、そのうえで漢方薬を考えること。(*漢方単独では限界がある)
*アリセプト・抑肝散は、レビー小体病の患者に著効する。しかし、それ以外には逆効果。
83抑肝散加陳皮半夏 二陳湯に近い
*抑肝散に二陳湯を加えたものと理解。抑肝散の証で食欲がない者に適合。
*柴胡加竜骨牡蛎湯➡柴胡桂枝乾姜湯➡抑肝散加陳皮半夏、となっていて、虚証の程度が増すに従って、胸脇苦満は消失し、腹部は軟弱となり、肥満型からるいそうし、動悸をより広い範囲で触れるようになる。
*青ざめた陰鬱な顔、やせた女性。付添人に手を引かれて診察室に入るが、病状を訴える段になると、長々と話し尽きることがない。主訴は、倦怠感、食欲不振、便秘とあるが、一番は腹の動悸であった。臍の左に棒のように動悸する物があり、これが胸にせめあげてきて、そのためか気分がイライラして落ち着かない。
A.抑肝散証に加え、臍上悸を認める場合。 軟便・水毒の場合。
*イライラ・頭痛、臍上悸、舌の提示不良
*抑肝散に二陳湯。動悸、痰湿を除く。
*肉体的・精神的被害を受けている者、受験生や不登校児、家庭や職場での過剰適応
●柴胡2、釣藤鈎3 :清熱、気の上逆を消す
●当帰3川芎3 :温める
●半夏5陳皮3茯苓4蒼朮4、甘草1.5 :水毒・軟便を治す。
*クラシエ2.5g・3.75g、コタロー3g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
*便秘は悪化。
11柴胡桂枝乾姜湯 寒虚証、膠原病+軟便・冷え、臍上悸、胸脇苦満(軽)
*『嘔せず』、嘔吐する者には適さない。味は悪く、嘔吐は助長する。
*柴胡加竜骨牡蛎湯の虚証に用いる。腹力は弱く・胸脇苦満も軽微で、手足の冷え、軟便・下痢を特徴とする。血色がすぐれず、体力がなく、急いで歩くと息切れし、胸部で動悸が亢進している。夜も寝苦しく、嫌な夢が多い。
*小柴胡湯のような急性・熱性の病状は去り、慢性化した例。血色は悪く、体力がなく、生気に乏しい者。 胸部外傷・打撲後に、胸膜炎となり、疲労倦怠する者。
A.もともと虚弱体質。もしくは、膠原病など炎症の存在で消耗し虚弱に。(CRP高値・慢性微熱)
B.腹力(-)・冷え(+)。レイノー・腹壁の冷えなど、ベースは寒虚証。しばしば軟便・下痢。
C.胸脇苦満は強くなく、狭い範囲に限局(心窩右)。臍上悸(+)
D.結核で熱が上下し、寝汗をかく者。(*黄耆・茯苓を加えると効果が強まる。小柴胡湯でも良いが、食欲・元気がなく虚弱な場合は柴胡桂枝乾姜湯とする。)
*発熱し顔面紅潮するが、手足や腹壁の冷えが目立つ例に。昔は慢性結核に使っていた。
●柴胡6黄芩3 :横隔膜周辺の清熱
●桂枝3乾姜2 :手足と胃腸を温める
●カロコン3・牡蛎3甘草2 :乾燥・動悸を治す
*コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
*寝汗がひどければ黄耆を、動悸が強ければ茯苓、呉茱萸を足す。
*瘀血・疼痛あれば、桂枝茯苓丸など併用。首の痛みには、桂枝加葛根湯を併用。
10柴胡桂枝湯
*症状自体は軽くて、桂枝湯の証(悪寒、関節痛。腹直筋緊張)と小柴胡湯の証(口が苦く、嘔気。胸脇苦満)がある者。小柴胡湯の証でまだ表証が残る場合に適応。(悪寒と頭痛がとれない等) 腹診が特徴で、胸脇苦満に腹直筋の緊張が合併する。
*(虚弱) 香蘇散➡桂枝湯➡柴胡桂枝湯➡小柴胡湯➡大柴胡湯 (実証)となる。
A.手足が冷え、寒がる者の感冒、胃痙攣に。
B.胸脇苦満、腹直筋の緊張
C.胃潰瘍、喘息、てんかん、胃痙攣。感冒のほか、ストレス性疾患に。
●柴胡5黄芩2 :清熱
●半夏4人参2大棗2生姜1 :下痢・軟便を治す
●桂皮2.5、芍薬2.5甘草1.5 :温、腹痛を緩和
*小柴胡湯と桂枝湯を合わせた処方。
*オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、ツムラ2.5g、コタロー2g、ジュンコウ2g、優劣未判定。
*寒熱・虚実のバランスは、半夏瀉心湯に近い。
38当帰四逆加呉茱萸生姜湯
*血色よく元気もあって、病人らしい感じがないにもかかわらず、ひどく調子が悪いと不定愁訴著しい者。 呉茱萸が効を発揮する場合あり。
*産後の足の冷えと頭痛で、当帰芍薬散や加味逍遙散が効かなかった者。
*手足はひどく冷えるのに、顔は上気してのぼせるという者に使う。腹痛、腰下肢痛を訴えることが多く、寒冷により増悪する。のぼせて頭痛する場合もある。
*冷え症で、右下腹部の圧痛・緊張を訴える者。疼痛は右下腹部に始まることが多く、ひどくなると胸背部、頭痛にまで発展する。
*夜明け近くに腹痛・下痢する者。
*効果を感じるまでに1—2か月と出足が遅い。
A.しもやけ、長年の冷え症(手足の冷)。
B.ASO(慢性閉塞性動脈硬化症)による下肢の冷痛に。
C.足元からの冷え、冷えによる下腹部痛。 (*母趾→大体内側→下腹部)
D.腹直筋、下腹部の筋緊張。
E.生理前の頭痛。冷え症で冬になるとしもやけができる体質。
*血行が途絶えて、冷えが顕著なことが特徴。
●桂枝3大棗5生姜1芍薬3甘草2 :桂枝加芍薬湯
●当帰3呉茱萸2細辛2木通3 :温、足元からの冷えに対応
*桂枝加芍薬湯に温熱の当帰・呉茱萸・細辛と足した。しもやけ、冷え症の特効薬。
*冷えもするが疼痛が目立つなら、麻黄附子細辛湯。 冷えにむくみが加わるなら当帰芍薬散。
00奔豚湯
*物に驚くか、恐ろしいことに遭うかして、そこから発病した者。何かが臍の下からつきあがってきて、のどをぱったりと塞いで息をつくこともできないように思うが、いざ鎮まってみるとなんのこともない。 パニック発作を治す。
●当帰2川芎2芍薬2、半夏4生姜1.5甘草2 :温・補血、咽喉頭浮腫を治す
●葛根5李根皮5黄芩2 :上焦の熱を除く (*李根皮≒桑白皮)
寒実証
疲労倦怠し、食べられなくなった者。冷えが出てきている者。
41補中益気湯 寒実証
*1232年、南宋の首都が蒙古軍に包囲、疫病も出て毎日1千人・2千人、50日間で90~100万人の死者が出たことがあった。この際、通常の瀉法(発汗・瀉下)を行うと患者は死に、補法を行うと助かった。飢餓・心労が原因の傷病に使用された補剤が、補中益気湯である。
*倦怠感が強い。食欲なく、言葉にも目にも力がない。汗をかきやすい体質で、疲れると寝汗をかく。
*老人、小児で、硬い糞便が肛門に詰まって、出ようとしても出ない者。これは気の衰えで、下剤に加え補気が必要である。
*脱肛には2種類あり、便秘して脱肛する実証の脱肛と、元気がなく脱肛する虚証の脱肛とある。
A.もとは熱実証、消耗し寒虚証に転じている例。 食欲・元気ともなく、冷えが出ている。
*患者は肥満・大食、暑がり・汗かき、もとは黄連解毒湯を使うような熱実証の者。過労・疾病・事故などで疲弊し、冷え体質にかわり、食べなくなっている。疲れた顔で、あまり話さない。腹力も軟のことが多く、腹力(+)とは言えない状態。
*かなり温める漢方。湿疹・かゆみなどある例には使えない。多訴的な患者にも合わない。温めてイライラ・ほてりなど生じてくる。(*多訴は熱虚証で、補中益気湯では上手く行かない。)
B.便秘は悪化。軟便ならそのまま使うが、便秘の例には必ず下剤・駆瘀血剤を併用。
C.大病の後の気虚、気虚の者の痔・子宮脱・内臓下垂、脳卒中による麻痺、多汗症
*Aなら補中益気湯。気虚の存在と、冷えが重要。
*食欲がない・寒実証➡補中益気湯 食欲あるが少し食べるともたれる・虚証➡六君子湯
D.皮膚乾燥は目立たない。(*血虚合併には、十全大補湯・人参養栄湯・大防風湯など。)
E.胸脇苦満はないか、あっても軽度。(*胸脇苦満には柴胡加竜骨牡蛎湯など)
F.耳管が緩い例、乳幼児が中耳炎を繰り返す場合。(*気虚下陥) *腹直筋の緊張、過敏性大腸あれば小建中湯が優る。
●柴胡2升麻1 :顔面の清熱
●黄耆4人参4白朮4陳皮2大棗2甘草1.5生姜0.5 :六君子湯(半夏→黄耆)、健胃・止汗
●当帰3 :温める
*清熱効果はなく、かなり温める処方。便秘も助長する。六君子湯や当帰湯に近く、なかでも温めて熱を取り戻す力が強い。上熱は確実に悪化させるので、もともと熱実証で熱を持っても大丈夫な患者・熱実証が本来の姿の者でないと使えない。
*ツムラ2.5g、クラシエ2.5g、ジュンコウ錠6T×3あり。優劣未判定。
*咳が多ければ、五味子・麦門冬を加える。
内出血・貧血、不眠・思考力低下
137加味帰脾湯 気虚・内出血
*心労が重なり吐血。そのあとから動悸しやすく、不眠症となった者。
*腎臓病で血尿が続き、食欲なく、疲労倦怠、動くと息切れ・動悸する者。
A.疲れた印象
*補中益気湯、人参養栄湯、十全大補湯、加味帰脾湯
B.眠れない、食べられない。
*「疲れて眠たいのに眠られない」あるいは「寝付いてもすぐ起きてしまう」(*心陰虚)
C.腹力(-)、軟便。(*脾胃虚)
D.考えがまとまらず、ぼーっとしてしまうことが増えた。(*心陰虚) 「料理をしようと思って冷蔵庫を開けるけれど、何をどう使うか思いつかない」とか「部屋の片付けができない」、教師の人なら「採点ができない」などと物事の段取りができない感じの発言
E.「打ってもないのに青あざが……」、皮下出血や貧血、立ちくらみ (*脾気虚)
F.出血(胃腸、子宮)が続き、貧血と衰弱(食欲不振・不眠)。抗がん剤による血小板減少。
G.悪性貧血、貧血が重度で発熱する者。
●人参3黄耆3茯苓3蒼朮3、大棗2甘草1生姜1 :軟便を治す、胃を丈夫に
●当帰2、柴胡3山梔子2、酸棗仁3竜眼肉3遠志2 :温、冷、安神安眠
●木香1 :胃腸虚弱に、気分を爽やかに
*帰脾湯に柴胡・山梔子を加えた。上熱なければ帰脾湯が優る。
*オースギ4g、クラシエ2.5g・3.75g、クラシエ錠3T×9、ツムラ2.5g、優劣未判定。
65帰脾湯 補気・補血
*老人か虚弱体質か、病後の衰弱に。脾胃虚弱で貧血、動悸、健忘、不眠、神経過敏の者に。(*虚証の程度は六君子湯、半夏白朮天麻湯などと同等。) 効くと安眠できるようになり、血色も良くなる。
*やせて顔色が悪く、神経質な女性。ここ数年不正出血がひどく、動悸・頭痛・耳鳴りなど不定愁訴あり。 芎帰膠艾湯など四物湯のたぐいで出血が悪化する例には、帰脾湯で気を補うと止血する。
*10歳になる息子を急病で亡くし、直後は何も思わなかったが、1か月ほどして食欲は全くなく、気分は常に悲しく憂鬱で、「かわいそうなことをした」と始終考えて、何事も手につかなくなった。仕事を休み、夜は全く眠れず、疲れやすく、希望や物事に対する興味が持てなくなった。酒を飲むと少し元気になるが、あとでかえって具合が悪くなる。心気的訴えと不安が目立ち、さえない感じではあるが、基本的な体力・腹力はある患者。
A.腹力(-)、疲れやすい。顔面蒼白、脈も弱い。
B.出血傾向、再生不良性貧血。原因不明の貧血で、輸血を繰り返す者。貧血で脾臓・肝臓が腫大する者。
C.軽度の脳卒中後。記憶障害があり、言葉がもつれる者。
●人参3黄耆3茯苓_3蒼朮3、大棗2甘草1生姜1 :軟便を治す、胃を丈夫に
●当帰2、酸棗仁3竜眼肉3遠志2 :温、安神安眠
●木香1 :気分を爽やかに
*貧血、体力を補うことで精神も安定させる。
*補中益気湯、十全大補湯が胃にさわる者。
*胸脇苦満、炎症・充血などがある場合には適さない。
*ツムラ2.5g、ジュンコウ2.5g、優劣未判定。
*フェリチンを測定。必要に応じて、フェロミア、エスポ注など併用。
102当帰湯
*真正の狭心症ではなく、仮性狭心症と言うべき胸背部痛。全く心臓病ではないが、心筋梗塞であるような胸背部痛に日々悩まされる者。 血色の優れない冷え症の患者。上腹部にガスが充満し、胸部が圧迫される。 心下痞(+)だが、疼痛は胸部に強く出る。
A.冷えて腹痛、心窩部の痛みが背部に達する者。白舌。 温めると楽になる。
B.気血両虚。皮膚の乾燥、疲れやすい。腹力(-)、腹直筋の緊張はない。
C.熱証・便秘には禁
D.胃痙攣・胃痛を繰り返す者。背中から寒気を感じる者。
*狭心症には無効だが、仮性狭心症とでも言うべき胸背部痛に良い。
●当帰5芍薬3甘草1、桂皮3 :
●半夏5厚朴3人参3黄耆1.5、山椒1.5乾姜1.5 :下痢を止める、お腹を温める
*かなり便秘させる処方。 大建中湯・当帰建中湯・桂枝加芍薬湯・安中散を含み、冷えによる腹痛を治す。また、全体としては補中益気湯に近い。
*ツムラ2.5g、他メーカーなし。
97大防風湯
*慢性関節リウマチに。桂枝芍薬知母湯より一段と虚弱で、四物湯も加えたいという例に使う。附子が入っているから、熱状の者には適しない。特に発病初期で熱性症状のある者には禁。つまり、熱が去り腫脹・疼痛だけが残り、筋肉がやせ細り歩行が困難となり、年を経ても治らない者に適応する。 ほか、気血両虚が関与する病態には適応の可能性がある。
*四物湯ベース。栄養・血行不良で片方の肉が落ちた者に。
A.片方の四肢の肉が落ちて、細くなっている者。(脳梗塞・動脈閉塞など、削痩。鶴膝。)
B.皮膚乾燥、冷え (*熱の病状がないこと) 栄養不良
C.末梢神経障害によるしびれ・疼痛
●地黄3当帰3川芎3芍薬3、乾姜1附子1 :補血・栄養状態を改善、血行を促進
●杜仲3牛膝1.5、防風3羗活1.5 :足腰の筋骨を強化、麻痺・関節の硬直を治す
●人参1.5黄耆3蒼朮3、大棗1.5甘草1.5 :下痢・軟便を治す、胃腸虚弱に
*ツムラ3.5g、三和3g、優劣未判定。
*栄養不良(るいそう、冷え・皮膚乾燥)がなければ効かない。 温めて血行・栄養状態を改善する。 病み上がり、老人の足腰の衰え、神経痛に。
D.生理が遅れる者、早くに閉経した者。冷え、肌の色つやが悪い者。
E.冷えが主体のアトピー。
*『慢性に経過して体力衰え、貧血性となり、熱状なく、栄養も障害されて削痩し、歩行困難となり、あるいは関節強直を起こして年月を経たものに用いる。本方を服用して食欲衰え、または下痢するものには桂枝芍薬知母湯を試みるがよい。』
*『補血強壮を主として四物湯に人参・白朮・黄耆を配し、血行をよくし、肌肉を強め、冷えを去る。防風・羌活は諸風を去り、骨関節の麻痺強直を治し、牛膝・杜仲は腰脚の筋骨を強壮にし、疼痛を緩解する。』
10桂芍知母湯
*歩くのも困難、虚弱で冷えが強い者の関節痛・関節浮腫、皮膚乾燥を治す。熱がある者には適さない。
●麻黄3桂皮3附子1、芍薬3甘草1.5 :関節痛を治す
●浜防風3知母3、白朮4生姜1 :皮膚乾燥を治す
*三和3g
00麻黄左経湯
*桂枝芍薬知母湯や大防風湯と比べ、関節リウマチの初期に使う。
●麻黄桂皮乾姜細辛、防風防已羗活、茯苓蒼朮、甘草 :発汗を促し、治す意図。
衰弱による痩せ、貧血、咳嗽・息切れに。
108人参養栄湯
長年の疾病で消耗、るいそうした者。貧血・皮膚乾燥するが、地黄を飲めるぐらいの胃腸はある場合には十全大補湯。さらに咳や息切れを伴うなら、人参養栄湯を選択する。
A.疲労倦怠・筋骨の鈍痛、臥床がち。 (消耗・衰弱)
B.生命力(火)が衰え、冷えて下痢・痩せてくる。 (消耗・衰弱)
C.皮膚乾燥がない場合は、地黄が胃に当たる。また、かなり便秘させる処方。
D.透析患者、腎性貧血に。
E.抗がん剤にて汎血球減少。日和見感染、重度の食欲不振に。
F.咳嗽・息切れ (肺の症状)
●地黄4当帰4芍薬4 :温、皮膚乾燥を治す
●人参3黄耆1.5陳皮2、桂皮2.5白朮4茯苓4 :六君子湯・五苓散、下痢を止める
●遠志2五味子1甘草1 :心火による発熱・発汗、咳嗽・息切れに効果。
*オースギ4g、クラシエ2.5g・3.75g、ツムラ3g、コタロー5g、優劣未判定。
*十全大補湯との比較では、息切れ・発汗発熱、下痢などあれば人参養栄湯が優る。
*大防風湯、帰脾湯と似る。
体力消耗に、血虚・腎虚が重なった者。
48十全大補湯 寒虚証、栄養不良
*長年の疾病で消耗。るいそうし、貧血・皮膚乾燥するが、地黄を飲めるぐらいの胃腸はある場合に適合する。(*さらに咳や不眠を伴うなら、人参養栄湯。)(*地黄が無理なら帰脾湯、四君子湯。)
*産後、流産後の体力低下。
*血色、栄養の悪い者。削痩に適応。 小児麻痺、脳卒中など。
*大病後、体力が回復しない者に適応。栄養を良くし、元気にする。 大病後の腰痛に。骨結核に。
A.慢性疾患で体力消耗、気虚と血虚(もしくは腎虚)を合併した者。
B.腎の陽気が不足し、手足が冷える者。軟便・下痢の傾向。
C.扁平苔癬、口腔扁平苔癬に効果。鱗屑、強いかゆみが特徴。
*血虚か腎虚がなければ、地黄が胃にもたれる。
●人参3黄耆3、地黄3当帰3川芎3芍薬3 :補気・補血
●桂皮3茯苓3蒼朮3、甘草1.5 :五苓散、薬効を緩和
*温めながら補う処方。はっきりと便秘させる。気虚と冷えなら補中益気湯、脾胃の虚なら六君子湯、気虚に加え血虚と腎虚なら十全大補湯。 投与し食欲不振、発熱、下痢する場合は中止する。
*気血両虚には、人参養栄湯、加味帰脾湯、大防風湯、当帰湯なども考慮。
*ツムラ2.5g、オースギ4g、クラシエ2.5g・3.75g、コタロー5g、ジュンコウ2.5g、優劣未判定。
72甘麦大棗湯
*頭部外傷後の患者。腹直筋が緊張、四肢も筋緊張あり。また、てんかん発作が治まるとしきりにあくびするという例。
*もっぱら婦人の癇、ヒステリーに使う。悲傷、部屋の隅に入っては泣いている者。たびたびあくびをする者。腹直筋の緊張を認める場合あり。甘いものが好きで、食べると腹の緊張が緩む。 胸脇苦満あれば柴胡剤が優先。体力・腹力など普通で、これといった所見がない場合は、甘麦大棗湯を考える。
*夢遊病にも有効。
情緒不安定、ヒステリー、痙攣発作に。
A.生あくび (*疲労、精神的緊張)
B.腹直筋の緊張が強く、胃痙攣など起こす者。脇の下の違和感。ボールがあるようだ、痛いとか。
C.ヒステリックな訴え、と言っても、わあわあ叫びまくることはなく、「どうしていいかわからない」といった切迫感。流涙。
D.手が付けられないぐらい暴れる幼稚園児、激しい夜泣き。(*柴胡清肝湯も候補)
E.咽頭異物感・パニック発作の屯用
F.水毒の兆候、鼻炎・舌歯痕がないこと。
G.乳幼児の夜泣き (*あとは芍薬甘草湯、抑肝散)
*もとは子どもの夜泣き、ひきつけに。感情が制御できない状態に使う。
●小麦20大棗6甘草5 :甘味で安心させる処方。
*ツムラ2.5gが美味。泣いている子に飴をあげる感覚。
*鼻炎・多痰、水毒悪化に注意。
18桂枝加朮附湯・桂枝加附子湯
*烏頭湯に桂枝湯を加えた処方、烏頭桂枝湯に近い。烏頭湯や烏頭桂枝湯より疼痛は激しくない者に適応。
外傷や脊柱管の変形など、神経の損傷がある者で、
A.温めると良くなる疼痛 (*陽気の不足による冷痛)
B.脳出血後の半身不随、神経痛
C.麻黄が胃に当たる者
D.ヘバーデン結節・ブシャール結節 (*指の変形性関節症) 特に血行不良、冷えがある例。
*高齢者で夜間頻尿の者は八味丸が適する。
●桂皮4附子0.5、蒼朮4、芍薬4甘草2 :温める、利水、除痛
●大棗4生姜1 :胃腸虚弱に
*附子で温め、芍薬甘草・蒼朮で除痛する処方。大棗甘草あり利水は弱い。(*茯苓4を追加➡18桂枝加苓朮附湯:オースギ3g、クラシエ2.5g・3.75g、クラシエ錠3T×6、優劣未判定。)
*ツムラ2.5g、コタロー3g、三和3g、優劣未判定。
53疎経活血湯 寒証
*大酒を飲んだ後、左の坐骨神経痛。足の先から腰まで痛む。脈、腹力あり。左の疼痛は瘀血に属し、酒によって損じ傷つけられ、その疼痛は昼に軽く夜は重い傾向がある。
四物湯にさらに温熱の生薬を足した。冷え、血行不良による疼痛を緩和。(特に下肢)
A.寒証、寒冷による疼痛 (*坐骨神経痛など)
B.血虚、皮膚乾燥
C.瘀血、夜間痛
D.坐骨神経痛、半身不随
●地黄2当帰2川芎2芍薬2.5 :温、補血
●白芷1威霊仙1.5羗活1.5防已1.5防風1.5生姜0.5 :温
●桃仁2、陳皮2茯苓2蒼朮2、竜胆1.5 :駆瘀血、利水、清熱
*熱証に不適。(上熱や鼻炎悪化する)
*駆瘀血効果のある生薬はほぼなく、効果のほとんどは温・血行促進による。 (*精神的に不安定な所や上熱のきざしがなく、純粋な寒虚証には駆瘀血剤より温熱剤が適合。)
*オースギ4g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
3乙字湯 寒虚証、女性の陰部搔痒に
① 女性の陰部搔痒に効果がある。 当帰が大量、のぼせがないこと。
② 軽症の痔で冷えが関与するものは治すだろうが、痔にはほとんど効果がないと思って間違いない。大黄牡丹皮湯や桂枝茯苓丸など駆瘀血剤が必要である。乙字湯で治したいなら、桃仁・魚腥草を加えること。桃仁は駆瘀血、魚腥草は止血・緩下作用あり。
●柴胡5黄芩3升麻1大黄0.5、当帰6 :清熱、温
●甘草2 :除痛
*下焦の湿熱を除去する意図がある。
*大量の当帰により、のぼせやすい。実熱、虚熱など、上熱の傾向がある者には禁。
*オースギ2.5g、クラシエ2g・3g、コタロー3g、ジュンコウ2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。ツムラだけ大黄0.5、他は大黄1。
歯の痛み、毛嚢炎に
122排膿散及湯
A.歯周病、虫歯の痛みに著効。(*副鼻腔炎には効かない。)
B.身体各部の毛包炎・毛嚢炎、ただし臀部を除く。化膿に使用。
C.乳腺炎 (*抗生剤と併用)
D.子宮筋腫・癌など腫瘍性病変に、桂枝茯苓丸と併用で。
*細菌感染、炎症・化膿に使用。歯周病、歯の痛み、背部の毛嚢炎には効くが、副鼻腔炎や臀部の毛嚢炎には無効である。
●桔梗4枳実3、芍薬3甘草3 :排膿、除痛
●大棗3生姜1 :胃腸虚弱に
*ツムラ2.5g、コタロー2.5g、優劣未判定。
141葛根加朮附湯
背景には、ストレートネックなど頸椎の損傷。
A.長年の肩首の痛み、頭痛に使用。駆瘀血剤を加える必要あり。
B.頭頚部の神経痛。頭頚部の帯状疱疹など。
C.臍上の圧痛
●葛根4、麻黄3桂皮2附子0.5蒼朮3 :首の血行を良くし、痛みを除く
●芍薬2甘草2、大棗3生姜1 :筋緊張を緩和、胃を保護
*三和2.5g。葛根湯に附子蒼朮を加えた処方。葛根湯、桂枝加朮附湯に類似。麻黄が適さない者は、桂枝加朮附湯あるいは桂枝加葛根湯とする。
*瘀血がある例には、+桂枝茯苓丸・治打撲一方。冷え・血行障害ある例には、+四物湯とする。胸脇苦満や自律神経の緊張があれば、+四逆散・加味逍遙散など。
27桂枝加葛根湯
*項部から肩甲間部にかけてこる者によい。少し発汗がある場合(虚証)は、葛根湯でなく桂枝加葛根湯とする。葛根湯は胃腸丈夫で、筋肉の緊張も良く、脈に力がある者に使う。(*胸脇苦満あれば柴胡剤、心下痞あれば半夏瀉心湯を選択。)
A.肩首の痛み、頭痛に使用。胃弱で葛根加朮附湯が飲めない者。
B.臍上の圧痛
●葛根6、桂皮4生姜4 :首の血行を良くする
●芍薬4甘草2、大棗4 :筋緊張を緩和、胃を保護
*東洋2g。葛根加朮附湯から、麻黄・附子を除いた。麻黄が適さない胃弱の者に。
インフルエンザ、節々の痛みに使用。
27麻黄湯 寒実証、インフルエンザ、節々の痛みに。
*発熱・悪寒し、関節痛する者。リウマチの初期。寒湿にあてられた者。
*麻黄湯、越婢加朮湯。妊娠末期の浮腫を治す。分娩を早める。
*発熱・悪寒、頭痛・身体痛あり、脈が強い者。発汗(-) (*発熱・悪寒、頭痛・身体痛を表証と言う。感冒の際に体表に現れる症状。) 一般に表証に伴う咳は軽く、患者は咳よりも頭痛や関節痛、鼻が詰まるといった症状に苦しむ。
*乳幼児がかぜを引き、咳をして・ぜいぜいと喘息のようになっている場合も麻黄湯が効く。ただ、虚弱な者は小建中湯や桂枝加厚朴杏仁湯を使う。 麻黄湯を飲んで、尿量が増えるとか、軽く汗ばむなら効いている証拠である。もし流れるほど汗をかき、ぐったりとして元気がなくなるなら麻黄湯はかえって悪い。黄耆建中湯を飲ますと良い。 麻黄湯は発熱・悪寒し、汗がない。咳もひどくない。麻杏甘石湯は呼吸が苦しく汗が出る。寒気や熱はなく、喘鳴がひどい。
*胃腸が弱く、食が進まず・体力が衰えた者は、麻黄湯や麻杏甘石湯はかえって悪い。華蓋散(麻黄・杏仁・紫蘇子・桑白皮・橘皮・茯苓・甘草)、小柴胡湯、小建中湯や桂枝加厚朴杏仁湯が良い。麻黄に杏仁を加えると、喘息・咳をよく治すが、長く使うと食欲を害する患者があるので注意を要する。
*発熱・悪寒し、脈が強い者(*発汗する体力がある者)。発汗がなく、ふしぶしが痛む者。 鼻閉を治す。
*越婢加朮湯、葛根湯など麻黄剤は妊婦に禁。流産する例がある。
A.かぜで発熱、さむけする者。無汗、ふしぶしの痛みが特徴。
*もとより虚弱で発汗する者には不適。
B.インフルエンザ
C.乳児の鼻閉、哺乳困難
D.関節リウマチ、喘息、鼻炎 (*よく苡仁湯、麻杏甘石湯、越婢加朮湯など他の麻黄剤を考慮)
●麻黄5桂枝4 :気管拡張、温・発汗
●杏仁5、甘草1.5 :咳を止める、薬効を緩和
*麻黄の副作用、動悸・頻脈、胃痛に注意。
*ツムラ2.5g、コタロー2g、クラシエ2g3g、ジュンコウ1.5g
1葛根湯 寒実証
*中耳炎、副鼻腔炎に使用。臍上の圧痛には葛根湯、口が苦ければ小柴胡湯。辛夷、桔梗石膏薏苡仁など加える場合がある。桔梗薏苡仁は排膿、石膏は消炎の意図。 一段と実証で腹部膨満、便秘する者には防風通聖散。心下痞あり、胃が悪い者には半夏瀉心湯。
*あごの筋肉がこわばり、口があかない者。顎関節症や破傷風が原因である。
*乳汁の分泌不良に。
*五十肩の初期。胃腸丈夫、筋緊張が良好、脈に力がある者。 項背部の痛みが一番強い者。
*葛根湯が適する下痢はしぶり腹で、下痢というほど便は下らず、主に粘液や粘血を下すが、一向にスッキリしない。このように便意が残るのは実痢で、葛根湯、大柴胡湯、桂枝加芍薬湯、大承気湯、大黄牡丹皮湯が適する。 虚痢には人参湯、真武湯、桂枝人参湯、啓脾湯、四逆湯が適する。 葛根湯を使うのは、赤痢や大腸炎の初め数日で、悪寒が去れば黄芩湯、大柴胡湯、桂枝加芍薬湯を使う。
*発熱・悪寒し、脈に力がある者。発汗はない。体がこわばり、首肩がこる者。
*湿疹には効かないが、蕁麻疹に効く場合がある。『皮膚には何も病変がないのに、全身がえらくかゆい。かくと発赤し、蕁麻疹のようになる。(*皮膚描記症) これには葛根湯加石膏が効く。』『寒いと悪化する皮疹(表面は乾燥)、じんま疹。基本的には健康体。』
寒気がし、肩首がこる者に。(*暑がる者、胃腸の弱い者や筋肉の弛緩した者には適さない。)
*感冒で発熱、悪寒した際の頭痛。副鼻腔炎で頭痛する者。三叉神経痛。項部の緊張、脈に力がある場合。(*胃腸虚弱、貧血、脈が弱い者には用いないこと。) よく苡仁には排膿・鎮痛作用があり、副鼻腔炎には葛根湯加よく苡仁とする。
*高齢者の感冒には、香蘇散が良い。麻黄剤は、狭心症など心疾患、不眠など精神疾患には使用しない。
A.かぜで発熱し、さむけがする者。無汗、上背部のこりが特徴。(発病初日~2日目)
*麻黄湯はふしぶしの痛みや倦怠感が目立つ場合に。葛根湯は肩首のこりが目立つ場合に使う。葛根湯に限れば、虚証の患者でも使えないことはない。(*参蘇飲の方が好ましい) 既に汗が出ていれば桂枝加葛根湯とする。下痢はあっても良いが、吐き気がある場合は半夏を加える。
*葛根湯は、主に足太陽膀胱経(背部~後頭部・頭頂部)、足陽明胃経(のど、鼻、眼、乳頭部)の付近の感染症を代表とする炎症性疾患の初期や痛みやこわばり、またそれに合併する消化器症状に使用する。
*上背部のこり以外には、頭痛・鼻づまり・目の痛み・下痢・乳房の発赤腫脹などありうる。
*急な腰痛、あるいは数か月たち少し慢性化した者。発熱なくとも、筋肉が緊張してこわばり、脈が浮いて力のある者に適合。圧痛はなく、瘀血ではない。
A.かぜで発熱し、さむけがする者。無汗、上背部のこりが特徴。(発病初日~2日目)
*麻黄湯はふしぶしの痛みや倦怠感が目立つ場合に。葛根湯は肩首のこりが目立つ場合に使う。葛根湯に限れば、虚証の患者でも使えないことはない。(*参蘇飲の方が好ましい) 既に汗が出ていれば桂枝加葛根湯とする。下痢はあっても良いが、吐き気がある場合は半夏を加える。
*葛根湯は、主に足太陽膀胱経(背部~後頭部・頭頂部)、足陽明胃経(のど、鼻、眼、乳頭部)の付近の感染症を代表とする炎症性疾患の初期や痛みやこわばり、またそれに合併する消化器症状に使用する。
*上背部のこり以外には、頭痛・鼻づまり・目の痛み・下痢・乳房の発赤腫脹などありうる。
B.臍上の圧痛、首肩のこり・慢性頭痛に。目や耳の痛み、鼻炎・副鼻腔炎に。
*葛根加朮附湯の方がより強力。さらに瘀血関与している例には桂枝茯苓丸や治打撲一方、自律神経の緊張関与している例には四逆散や加味逍遙散を加える。
C.天然痘や梅毒で、搔痒を伴う皮疹を生じる者
*かゆみは気の過剰運動であり、葛根湯で発散し、除くことができる。(外感風邪)
●葛根4 :熱を除き、津液を補う。気の発散・発汗を促す。 (*発散の必要がない➡桂枝湯)
●麻黄3桂枝2 :温、発汗を促す。
●芍薬2甘草2、大棗3生姜2 :除痛、胃腸虚弱に
*全体としては温だが、葛根と芍薬は冷である。多少の熱証の者であっても適応できる。
*動悸や頻脈、胃が弱く飲むと胃痛する者には禁。
*ツムラ2.5gが優秀。オースギ錠5T×3、オースギ2.5g、クラシエ錠3T×6、クラシエ2.5g3.75g、コタロー2.5gあり。他メーカーは胃にさわるし、熱証悪化する。
109小柴胡湯加桔梗石膏
*特に小柴胡湯加桔梗石膏は、頚部リンパ節炎、耳下腺炎に著効する。
A.かぜを引いた時ののどの痛みに。
*SPトローチ、カロナール、ロキソニンなども有効。
●石膏10、桔梗3 :のどの痛みを治す
●柴胡7、黄芩3 :胸脇苦満を改善、解熱
●半夏5人参3 :胃気を調和、軟便・下痢に
●甘草2生姜1大棗3 :胃腸虚弱に
*大量の石膏あり、むくみやすい者は多く飲むとむくむ。1日2~3包、1~2日で治る。
401甘草湯
*のどの痛みに使う。急性咽頭炎、急にのどに痛みを覚えた際に適し、のどが乾燥気味であればなおよく効く。甘草湯を口に含み、少しずつ飲むと良い。それで良くならない場合は、桔梗石膏を使う。
*腹痛に使う。手足が冷え、脈が弱く、生気に欠ける者に適合。(少陰病) 胃潰瘍。朝食べたものを夕に吐くなど、消化不良。やせて体力のない者。
●甘草8 :腹痛を緩和
*クラシエ2g。浮腫、高血圧、低K血症に注意。適合した場合、多少の浮腫が来る場合が多い。
138桔梗湯
*扁桃炎で喉が腫れて、膿がたまっている場合。嚥下困難を訴える者。
●桔梗2甘草3 :桔梗には排膿・催吐作用あり。大量だと嘔吐に注意
*扁桃炎に、半夏湯というのがあるが、悪くはないが大して効かない。 半夏は咽喉頭のむくみをとるが、細菌感染や膿の貯留になると桔梗が必要。
*ツムラ2.5g、他メーカーなし。
00駆風解毒湯
*扁桃炎、耳下腺炎、こじれたのどの痛みに効く。しかし、大抵は葛根湯加桔梗石膏でこと足りるので、出番はない。
●石膏10桔梗3、連翹5防風3荊芥1.5、甘草1.5牛蒡子3羗活1.5 :のどの痛みや扁桃炎には桔梗石膏が軸になる。
熱実証・熱虚証
① まずは熱をひく、便秘を解消する
② 冷えや乾燥が出てくるので、それに対処。
まずは上熱を消す。あとは、気滞、便秘、瘀血などあれば適宜潰す。冷えの是正は後回しの方が良い。
熱実証・熱虚証
③ まずは熱をひく、便秘を解消する
④ 冷えや乾燥が出てくるので、それに対処。
まずは上熱を消す。あとは、気滞、便秘、瘀血などあれば適宜潰す。冷えの是正は後回しの方が良い。
寒実証・寒虚証
① 温める
17五苓散 水湿証
*浮腫には、実腫と虚腫がある。実腫はしまりがあり、硬く、何となく勢いがあり、押すとへこむがすぐ元に戻る。 虚腫はふわふわと軟弱で、押すとへこんだままでしばらく戻らない。浮腫があるのに体はやせ細って脈が弱く、軟便である。実腫には五苓散・越婢加朮湯、虚腫には八味丸・補中益気湯・真武湯などを用いる。八味丸は高度の浮腫には無効だが、中高年で朝はむくみがなく、午後になるとむくむといった例にはよく効く。 実腫に喘鳴・咳嗽を伴うものには麻黄剤が適応。妊婦・産後、瘀血が関与するものは駆瘀血剤が適応。
*腎不全やネフローゼなど浮腫に関しては、食事を小豆だけにすると、治りが早い。
*五苓散の頭痛は、発作性の場合もあれば、慢性の頭重感の場合もある。水毒が関与。(*呉茱萸湯は冷えが関与。)
*乳幼児のかぜ、急性胃腸炎に。発熱し何となく元気がない。尿量が少なく、水を欲しがるが飲むと吐く。葛根湯で温めると不快がり、落ち着きがなくなる。小柴胡湯もダメ、吐いてしまう。このような場合、五苓散が適合する。
*消化吸収が悪く、朝に食べたものを夕に吐く、夕に食べたものを翌朝に吐く。患者は腹痛を伴わず、たやすく吐く。これには茯苓沢瀉湯(桂皮2茯苓4沢瀉4白朮3甘草1.5生姜1.5、五苓散や苓桂朮甘湯に近い)が効く。 あとはアルコール性胃炎にも有効。早朝空腹時の嘔吐が特徴。
*水毒:①めまい・立ちくらみ、車など乗り物酔い ②湿度で体が重だるく、頭重する。③舌歯痕 ④浮腫・胸水腹水 ⑤鼻炎・多痰、下痢・嘔吐 ⑥口渇・尿量が少ない
A.めまい、立ちくらみ
B.手足の冷え (*手足が温かく、陰虚の者には無効)
C.両下肢のむくみ、舌歯痕
D.大量飲酒、二日酔いの頭痛・嘔気 (*二日酔いは水毒。胃冷には呉茱萸湯も有効。)
E.高齢者心不全、浮腫・胸水腹水に使用。心不全、腎不全で出るべき尿が出ない者。
E.胃腸炎で発熱、下痢嘔吐する者。のどが渇き水を飲みたがるが、飲むとすぐ嘔吐する者。(*胸脇苦満あれば柴苓湯)
F.発熱するが汗がなく、尿も出ない者。五苓散で発汗・利尿し、解熱する。
*適合すれば、ただちに尿量急増、浮腫を治す。しかし、水毒には当帰芍薬散、半夏厚朴湯、六君子湯など候補は多く、必ず五苓散が適合するわけではない。たとえば皮膚乾燥があるなら潤腸湯や四物湯を併用するか当帰芍薬散でなければ効果がない。気虚があるなら六君子湯でなければ効果はない。
●桂枝2、茯苓3蒼朮3猪苓3沢瀉5 :手足の先を温め・水の循環を助ける。浮腫・水毒を治す。
*クラシエが圧倒的。クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、ツムラ2.5g、コタロー2g、ジュンコウ1.5g。
*常用を続けると乾燥・便秘する。最悪、口渇、陰虚の熱・乾燥の咳、精神不穏なども生じうる。
39苓桂朮甘湯 水湿・胃弱証
*立ちくらみに効く。静かに寝ていると何ともないが、起き上がるとめまいがするという者。水毒によるもので、五苓散や苓桂朮甘湯、当帰芍薬散、六君子湯などが効く。有効例だと尿量が増えて治る。 手足先端の冷→五苓散 朝礼・職場で倒れる→苓桂朮甘湯 血虚・水毒頭痛→当帰芍薬散 胃腸虚弱→六君子湯
*視力障害。目がかすむ、見え方がはっきりしない。(*水毒)
A.フクロウ型、朝が弱い
B.朝礼で倒れる、職場で倒れる (*気分不良、めまいで嘔気する。立ち上がろうにも立てない。)
C.胃弱・胃内停水、腹力は強くはない(1—3/5)、舌胖大
D.臍上悸
*腹痛あれば小建中湯、頭痛あれば葛根加朮附湯を足す。
●桂皮4、茯苓6甘草2、白朮3 :水の流れを助ける、動悸を治す、利尿
*ジュンコウ錠5T×3あり。クラシエ2g・3g、オースギ1.5g、ジュンコウ1.5g、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
*五苓散と比べ茯苓・桂皮が多い。動悸、臍上悸に。手の冷えに。発汗には不適。
*肩こりや上熱合併するなら加味逍遙散、血虚合併するなら四物湯、腎虚合併するなら地黄を併用。
*苓桂甘棗湯(桂皮茯苓甘草大棗)も類似。臍上悸、ヒステリーなどに使用。
舌・咽喉頭部のむくみを除去
16半夏厚朴湯 水湿(軟便・舌歯痕)
*舌歯痕のある患者の不安、パニック発作、のどのつかえ感を改善。ただし経過の長い者には全く効かない。(*長年の経過には、ランドセン・ドグマチール・リリカ・フルメジン・ベルソムラなど精神科薬が必要。その上で補剤、柴胡剤、駆瘀血剤、黄連など駆使する。) 特に上熱、胸脇苦満、便秘などあれば、黄連・柴胡・駆瘀血剤が優先される。
*不安のために一人で外を歩けないとか、家にいるときでも誰かそばに人がいないと動悸がして気分が悪くなるとか、あるいは一人で外出するときは、住所氏名を書いた札を帯の間に入れておく。これは重病とか死ぬという時に、すぐに自宅に知らせてもらうための用意である。この用意周到さが半夏厚朴湯証である。また、半夏厚朴湯の患者は、容態を話すに、こまごまと述べる。中には手帳に全て症状を箇条書きにして、それを見ながら述べる者もある。尿は近くて量も多い。体の方はあまり虚証とか虚弱というわけでもない。付き添いが必要なほどの重病人ではないのに、家人が同伴する。これもまた半夏厚朴湯の証である。
*めまいもあるが、それよりは不安の強さやのどのつかえ感が目立つ。
*厚朴のある処方は、筋肉の緊張度に注意する。ある程度腹力のある者に限って使用する。 たとえば高齢女性で腹部が軟弱無力の者に使うと、さらに脱力し、食欲が全くなくなってしまう。(大承気湯・通導散、半夏厚朴湯、潤腸湯・麻子仁丸、神秘湯、五積散)
*48歳男性、経営者。色黒で体力はある。この1年、のどに何かが出来て詰まる感じ、胸のあたりが狭くなっている感じが続き、「癌に違いない」と言う。人ごみに行くとめまいが強く、外出の際は杖を持って行くようになった。やや頻尿、便秘なし、舌には薄い白苔。臍上悸は軽度。 のどのつかえ、めまいに加え、この不安症・用心深さが半夏厚朴湯である。
*めまいと舌歯痕・薄い白苔、のどや胸の苦しさと不安感、多尿気味・軟便気味、というのが半夏厚朴湯の典型例である。基本的な体力や食欲はあり、血色もよく重病人の印象はない。
A.舌歯痕(+)、舌は湿っており、薄い白苔。舌根部の浮腫(*舌根部が喉頭蓋を圧排している。ファイバースコープで喉頭蓋谷が一望できない状態。) 水湿による鼻炎、水様痰。軟便。(*便秘・乾燥は悪化。陰虚・空咳には禁。)
E.筆圧強く、しっかりした字を書く。 (小さくて弱々しい字なら香蘇散)
●半夏6茯苓5 :舌・喉頭の水湿を除去
●厚朴3蘇葉2生姜1 :行気、うっ滞を発散 (*厚朴は筋の緊張を緩め、けいれん・腹部膨満を治す。)(*蘇葉は軽い興奮剤。)(*生姜は嘔吐を止める。)
*オースギ1g、オースギ錠4T×3が優秀。
*精神科の患者は多くが便秘・熱証の病状にあり、そのような場合、のどのつかえ感に半夏厚朴湯を投与してもかえって悪い。まずはランドセンや加味逍遙散が適合する。半夏厚朴湯は、便秘・熱証のカタが付いた後に投与すると効果を発揮する。経過の長い患者の治療においては、出番はずっと後の方である。
00七気湯・指迷七気湯
*嚥下困難に。食べ物が時々胸に詰まって、背中を叩かないと下らない者。 柴胡剤や駆瘀血剤ではなく、気剤の適応となる。ただ、手足の冷えはあっても基本的には健康体。さっぱりした・感じの良い明るい性格で、ねちねちくどくどと症状を述べるような者ではない。
●呉茱萸人参乾姜半夏甘草・桂皮地黄芍薬、黄芩・桔梗枳実橘皮(七気湯) :呉茱萸湯に虚熱を去る地黄、清熱・行気
●三稜1.5莪朮1.5青皮1陳皮1蕾香1桔梗1香附子1.5桂皮1.5益智1.5甘草1(指迷七気湯) :行気剤
00正気天香湯
*行気剤。気滞に伴う月経不順を治す。 血の不足、瘀血がないのに月経不順をきたす例に適応。
●香附子4陳皮1烏薬3.5紫蘇葉1.2乾姜0.6甘草0.5 :
116茯苓飲合半夏厚朴湯
A.水湿の傾向 (*口渇・便秘・乾燥の咳など、乾燥には禁。)
*人参陳皮枳実があり、補気・行気でつかえ感にはより強力。
●半夏6厚朴3茯苓5蘇葉2生姜1 :半夏厚朴湯
●人参3蒼朮4陳皮3枳実1.5 :茯苓飲(ダブっている茯苓5・生姜1は割愛)
*ツムラ2.5g
66参蘇飲 熱虚証、かぜ・発熱に、気滞に
気虚湿痰、香蘇散と並び虚証の感冒に使用。参蘇飲は気虚、水湿を除く。
A.虚証(胃腸が弱く、軟便)の者がかぜで熱発し、咳、痰を伴う場合。
B.水湿・気虚による多痰・のどのつかえに。
C.胃が弱く、葛根湯や桂枝湯が胸につかえると言う者。
D.実証・便秘の者にはまるで効かない。
E.普段は六君子湯が適合する者で、かぜが長引き咳、痰がある場合。
*初期には香蘇散、少し日が経ったものには参蘇飲。
*寒気やだるさなど体表の症状には香蘇散、咽頭痛や胃腸症状には参蘇飲。
●人参1.5半夏3茯苓3大棗1.5甘草1 :胃の具合を良くする、六君子湯
●葛根2桔梗2前胡2陳皮2枳実1蘇葉1生姜0.5 :のどのつかえを治す
*六君子湯に葛根を足した、と理解。 葛根・桔梗・前胡・陳皮、のどに作用する生薬が多いほか、人参で気を補い、枳実蘇葉で行気し、総合的にのどの症状・胸の苦しさを治す。
*のどのつかえ感(気滞)には、実証・便秘なら大承気湯、通導散が有効。虚証・軟便だと参蘇飲。「不通即通」、あとは四物湯のたぐいも効果あり。
*ツムラ2.5g。
88二朮湯
A.五十肩 (*水湿が関与)
*不快感からしばしば夜間不眠となる。 冷えが関与する例は桂枝加朮附湯、水湿が目立つ例には五苓散・苓桂朮甘湯、熱感がある場合はよく苡仁湯を追加・転方する。
●半夏4陳皮2.5、蒼朮3茯苓2.5白朮2.5 :利水
●威霊仙2.5香附子2.5黄芩2.5天南星2.5和羌活2.5 :
●甘草1生姜1 :胃腸虚弱に
*肩に限らず、筋肉や関節の倦怠・疼痛を治す。瘀血が関与する例には、駆瘀血剤を併用する。
20防已黄耆湯
*膝に水がたまり、歩くのはもちろん、手で押さえただけで痛む者。 麻黄を足すと効果強まる。
*色白で肥満し、体表に水がたまり、ぶよぶよとした体つき。多汗、浮腫、易疲労を特徴とする。月経は少ない。
*朝は顔がむくみ、晩は足がむくむといった者。重力に従ってむくむ場合。
色白で体表に水がたまり、ぶよぶよとした肉体。多汗、浮腫、易疲労を特徴とする。
A.水太り、体のどこを触ってもぶよぶよとして、しまりがない。腹力(-)。色白・白舌。
B.体表付近の気虚・水分代謝の悪さがあり、しっとりと発汗する。少し冷えて寒がる。
C.多汗のため、尿量・月経量は少ない。口渇(-)。
D.気虚により、疲労倦怠、軟便。
E.浮腫を伴う関節痛 (*炎症が軽度➡防已黄耆湯 *熱感・疼痛➡越婢加朮湯、よく苡仁湯)
F.浮腫を伴う皮膚炎。褥瘡で治癒不良、浸出液の多いもの。
G.便秘させる処方。便秘の者には不適。
*ダイエットには、防己黄耆湯+茯苓飲とすること。
●黄耆5 :体表の気を補う。皮膚に栄養を与え、発汗を止める。
●防已5白朮3 :利水
●大棗3甘草1.5生姜1 :胃腸虚弱に。
*肥満・多汗の者には、「腹力(-)・軟便➡防己黄耆湯」、「腹力(+)・便秘➡防風通聖散」である。 防己黄耆湯の人は、あおむけに寝るとお腹の肉がつきたての餅のように横に広がる。防風通聖散は横に垂れず上に力強く盛り上がる。
*クラシエ錠3T×6あり。クラシエ2.5g・3.75g、オースギ2.5g、コタロー2.5g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
69茯苓飲 げっぷ、食べ過ぎ
*食欲がないというよりも、胃部にガスが充満して食べられないという場合に適する。ひどい場合は苦しくてあおむけになれない。四君子湯や六君子湯より腹力があり、膨満している。げっぷが多い。胃酸が上がってくる。
A.ガスで胃が膨満、げっぷが多い者。便秘。
B.食べ過ぎで胃が苦しい者。
C.胃の膨満から、のどや胃のつかえを感じる例。
D.胃癌・肝臓癌で通過障害・浮腫のある者。(茯苓・枳実)
E.気虚で便秘症の者
F.老人の咳、百日咳で心下痞ある者
*AもしくはBもしくはC。胃・食道の蠕動不良(上部消化管)には、小半夏加茯苓湯・二陳湯・六君子湯・茯苓飲・半夏厚朴湯など使う。熱があれば半夏瀉心湯・柴陥湯を、冷えあれば人参湯を使う。四逆散・香蘇散などもよく併用する。
●人参3茯苓5白朮4、陳皮3枳実1.5生姜0.8 :胃の具合を整え、気をめぐらす(行気)
*半夏を除き、枳実を加えたことで、便秘の心配はない。
*コタロー2gが優秀? ツムラ2.5gはのどが渇く。 初期は尿量が増えるケースあり。適合すると、胃の膨満・苦しさがましになる。 気虚も多少改善する印象。
*気虚がない例、心不全・浮腫あり人参適さない例には、小半夏加茯苓湯や二陳湯が優る。
37半夏白朮天麻湯
脾胃の虚弱を補うことで、めまいを治す処方。 常日頃より胃腸虚弱で胃に水滞がある者が、外感、内傷により水毒となり上逆し、めまい・頭痛を引き起こす。
平素から胃腸虚弱で、血色が優れず、疲れやすく、食後に眠気を催し、手足が冷える者。頭痛やめまいを治す。 半夏白朮天麻湯の頭痛は、頭重に近く、持病という感じで長引く。激痛はなく、脈も弱い。(*まれに高血圧の者がいる) 多くはめまいを伴う。呉茱萸湯との鑑別が問題となる。
*呉茱萸湯➡上腹部が膨満・腹力(+)、発作的で激しい頭痛、ときに嘔吐。
*半夏白朮天麻湯➡腹力(-)、首を動かすとめまい、顔色不良・便秘気味。 (*大黄のない下剤:半硫岩が適応)
A.11歳前後の起立性低血圧児 (*めまい主訴の児童、虚弱体質が多い)
B.胃腸虚弱で食後に倦怠、眠たくなる者。 基本的に虚証。
C.頭重感、発作的な頭痛・めまい
*めまい:水毒➡五苓散、老衰➡真武湯、若年者の虚弱体質➡半夏白朮天麻湯
*若年者の虚弱:めまい➡半夏白朮天麻湯、胃腸症状➡小建中湯・六君子湯、気虚➡補中益気湯、多汗➡黄耆建中湯
●人参1.5黄耆1.5、半夏3陳皮3茯苓3白朮3沢瀉1.5天麻2 :補気、利水
●黄柏1、麦芽2乾姜1生姜0.5 :胃腸虚弱に。 (*麦芽は消化を助ける)
*六君子湯を含む構成。乾燥・便秘には禁。
*クラシエ2.5g・3.75g、ツムラ2.5g、コタロー3g、三和2.5g、優劣未判定。
106温経湯 寒虚証、進行性指掌角皮症の特効薬
A.進行性指掌角皮症 桂枝茯苓丸加よく苡仁や加味逍遙散よりずっと効く。2~3週間で好転、1~2か月で全治する。
*進行性指掌角皮症いわゆる手荒れは、特に主婦、美容師、飲食店員、銀行員やアトピー素因を持つ人などによくある。 水仕事をよくしたり、紙幣をよく扱ったりするために手指の皮脂が減るうえ、繰り返し指先に刺激が加わって起こるものである。主に利き手の指先から発症し、皮膚が乾燥してはがれ落ち(落屑)、さらに硬くなって(角化)ひび割れたり、指紋がなくなるなどの症状がみられます。そしてひどくなると両手のひら全体にまで広がってしまいます。冬にひどくなりますが、夏にはよくなることが多いようです。さらに進行すると、赤みやかゆみ、さらには小さな水ぶくれやひび割れもみられるようになり、手あれから手湿疹の状態にまで進んでいきます。
B—1.不妊症。腰から大腿にかけて冷え、月経量は少ない。手の指・掌・甲に指頭大の湿疹が数個。
B—2.もともと手に湿疹があったが、妊娠後に悪化。時々頭痛、下痢をしやすい。
B-3.不妊症。疲れやすく肩がこり、数年前から軽い耳鳴り。やや不眠。湿疹は胸部と背部に手掌大。
B-4.強皮症の皮膚硬化
*湿疹の性状は、いずれも擦りむいたあとのようで、少し乾燥し分泌物はない。あまり隆起せず、発赤を認めない。かゆみはあるがひどくない。 このように手の指、手の甲にできて、慢性・難治に経過する湿疹に効果がある。ただし、B-3のように精神症状伴う場合は、黄柏を合方するなど、熱が過剰とならないよう治療する必要がある。
以下、適合する者の特徴として、
A.冷え症で下痢しやすい。(*腰あたり、中心部の冷え) 食欲は普通、やや虚証でやせ型~標準体型。不妊体質。
B.手の湿疹、手掌煩熱、口唇乾燥 (*陰虚・乾燥)
C.月経不順、頭痛・下腹部痛 (*軽度の瘀血)
●麦門冬4・半夏4人参2 :補気・補水
●呉茱萸1桂皮2生姜1、当帰3川芎2芍薬2甘草2・阿膠2 :温、補血
●牡丹皮2 :駆瘀血
*四物湯ベース。温めて補血し、瘀血を除く。附子や人参湯を足すとさらに温める。芎帰膠艾湯に近い。(*地黄飲める者は芎帰膠艾湯) 桂枝茯苓丸を足すと駆瘀血が強化。
*コタロー4g、ツムラ2.5g。
111清心蓮子飲 寒虚証、虚熱・膀胱炎症状
『四君子湯をもとにした方剤であるから、平素より胃腸が弱く、地黄を飲めない者に適する。目標は尿意で、まだ尿が出そうで出なくて気持ちの悪い者。八味地黄丸と似るが、地黄がダメなら清心蓮子飲。患者は冷え症で足が冷えて、神経質である。顔は少し赤い。口が渇き、水分を欲しがる。排尿時の疼痛はないが、残尿感が強い。脈は弱く、腹も軟弱である。』
陰虚して虚熱を生じた者が膀胱炎症状を呈す場合。虚熱頻尿、気陰両虚。 体質は虚証、ストレスが膀胱に出る者。
A.精神的な頻尿・残尿感、口渇(+)・紅舌乾燥 (*無菌性膀胱炎)
B.胃腸虚弱、冷え症で神経質、疲労倦怠。軟便・下痢 (*便秘には不適)
*細菌性膀胱炎には適さない。(➡竜胆瀉肝湯、五淋散、猪苓湯を)
C.多訴・不定愁訴 (*思慮憂愁・精神過労、飲食の不養生により、虚熱を生じた者)
D.尿道の不快感から安眠できない者。
●麦門冬4地骨皮2甘草1.5、人参3黄耆2蓮肉4 :補水、下痢を止める、
●茯苓4車前子3 :利尿(*車前子は腎を冷ます)
●黄芩3 :清熱
*脾肺を補い、心腎の熱を冷ます。麦門冬蓮肉が心を、地骨皮車前子が腎を冷ます。また、人参黄耆地骨皮麦門冬は津液を生じ・利尿を良くし、黄芩は肺を冷ます。
*ツムラ2.5g、ジュンコウ2g、優劣未判定。
21小半夏加茯苓湯 妊娠(つわり・浮腫)に。
*五苓散は口渇し飲むと吐くが、小半夏加茯苓湯はもとより吐き気があり、頻繁に嘔吐する。つわりが典型。口渇は強くない。五苓散の嘔吐は大量で、吐くとスッキリするが、小半夏加茯苓湯は何回も少しずつで、吐いた後にも気分が悪い。薬剤性の胃障害にも小半夏加茯苓湯が適する。
*心窩部がつかえ、めまいと動悸する者は、小半夏加茯苓湯が効く。
A.妊娠、心不全・浮腫。 過剰な水が貯留し、悪心嘔吐する・めまいする・手足がだるい。
B.虚弱な者が、冷たいものを飲み過ぎて、胃に水が停滞。悪心嘔吐する際。
●半夏6茯苓5生姜1.5 :胃の水湿を除去、吐き気を鎮める
*胃内に水が貯留し、吐き気する者を治す。(口渇は少なく、吐き気が主)
*オースギ1g、ツムラ2.5g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、優劣未判定。
*便秘しやすい処方。陰虚・乾燥は悪化。
81二陳湯
胃内停水で悪心嘔吐する者、痰の多い者に。めまい、動悸などにも効果。
A.痰が多い者
*嘔気には小半夏加茯苓湯、胃腸機能不全には六君子湯が優る。従って、二陳湯は多痰に使う。
B.気虚、胃腸機能不全がない健康な者の、一時的な胃もたれ、食べ過ぎ、二日酔い、つわりに。
*六君子湯だと便秘して熱がこもり、かえって二陳湯ぐらいが良い場合がある。
●半夏5陳皮4茯苓5、生姜1甘草1 :痰を除く・利水、薬味を緩和
*小半夏加茯苓湯に陳皮甘草を加えた。胸部における水と気のうっ滞(痰飲)を治す。
*東洋2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
43六君子湯
*食後、だるくて眠いという者で、肩こりを訴える場合。胃腸虚弱でやせ型。
*『食事がすむと手足がだるくなって、眠気がして動くのが嫌になるのは、胃腸が弱い者で、六君子湯が適合する。腹力がなく、脈も弱く、夏になるとこの症状がひどくなる。飲水を少なくして、砂糖を控えると、手足の倦怠がとれ元気になる。』 (*その他にも、食後に頭が重い・頭痛するという症状があれば、半夏白朮天麻湯が適合。)
*脳梗塞、運動麻痺は回復させることができない。
A.上部消化管の機能不全に。食欲あるが、少し食べると胃がはってくる。やせ型で虚弱な印象。心下痞あるも腹直筋の緊張はなく、腹力(-)。胃もたれ、胃酸の逆流、げっぷ、胸やけ、胃の膨満に効果。(*六君子湯は胃酸分泌、胃内圧亢進を抑制。)
B.上腹部や手足は冷える傾向。飲水励行、冷飲水で症状悪化する。
C.疲労倦怠、過眠、疲れた外観 食後に眠くなる。甘いものを欲しがる。(*気虚)
D.軟便・下痢、水毒(鼻炎・水毒頭痛)の傾向
*胃の不快(膨満・逆流)には、胃の蠕動不良、内圧亢進が関与。茯苓で乾燥させるだけでは解決しない。脾気虚であり、これには人参が必要。また、多くは冷えも関与し、乾姜・生姜など、温める必要がある。低体温・低血圧、無苔、冷えが目立つなら人参湯。苔あり、軟便、舌歯痕目立つなど利水した方が良いなら六君子湯。
*本来は軟便・下痢を治す処方だが、胃酸の逆流・胃部の膨満に効果あり、短期間であれば便秘患者の胃の不調にも使用できる。(*長期に及ぶと便秘・熱証を悪化させ、良くない。) 便秘熱証患者には先に下剤や駆瘀血剤・清熱剤で便秘熱証解消のめどをつけ、そこから六君子湯を併用する。
*タケプロン、タケキャブなどPPIも有効である。ネキシウムは効果が悪い。
●半夏4人参4、茯苓4白朮4 :下痢・嘔吐、胃の水湿を除く
●大棗2甘草1陳皮2生姜0.5 :胃腸虚弱に
*利水剤に半夏・人参をのせた処方で、かなり乾燥させる。気虚・胃腸虚弱の例では、利水するのに六君子湯が必要。(*五苓散では利水できない。)
*精神の熱(不穏)、便秘・上熱の者に使うと、便秘も熱も悪化して大変なことになる。上熱・便秘の治療を先に行うべきである。(*加味逍遙散、駆瘀血剤など)
*クラシエ2g・3g、ツムラ2.5g、オースギ2.5g、コタロー3g、優劣未判定。
128啓脾湯 虚証の者の慢性の下痢
*慢性の下痢に。しぶり腹はなく、腹痛はあっても軽い。泡沫の多い下痢便が、1日に1—2回ぐらい続く。 真武湯、啓脾湯、参苓白朮散、胃風湯あたりは虚証の慢性下痢に使う点で近い。
A.六君子湯を使いたくなる例で、下痢が目立つ者。 腹力(-)、腹痛(+)。
B.気虚、神経質な人
C.腸結核、下痢が続き、やせ衰えて体力消耗。
D.高齢者、神経質・気虚、下痢が続く。消化不良便。
*慢性的な下痢に。
●人参3蓮肉3山薬3、山査子2陳皮2、茯苓4蒼朮4沢瀉2 :下痢を止める、消化剤、利水
●甘草1 :緩和
*六君子湯から半夏を除き、蓮肉・山査子・山薬・沢瀉を加えた。 嘔気ではなく下痢に対応。
*炎症を伴う下痢➡半夏瀉心湯、寒証の下痢➡人参湯・真武湯。 啓脾湯はどちらにも併用可。
*ツムラ2.5g、東洋2g、優劣未判定。
75四君子湯
*人参湯に茯苓大棗を加え、乾姜→生姜とした。適応は人参湯とほぼ同じである。『衰弱し脾胃虚弱で飲食が進まない者。顔色が白く、四肢倦怠し、言葉にも力がなく、脈も腹力も弱い者。特に、地黄当帰川芎芍薬などが飲めない程度の者に適合する。』 特に、小児・児童で食欲のない者には、四君子湯が適合する例が多い。 病弱・虚弱体質で食欲もなく、やせている児童。どこも悪い所がないが、哺乳量が少ない乳幼児。人参湯はむくむ場合・温めすぎる場合あり、胃の具合が悪いだけで冷えがなければ四君子湯の方が適しやすい。
*胃内停水が著明なら六君子湯とする。
*『痔・下血など少量の出血が慢性に続き、唇の色に血色がなく、顔色は黄色い者には四君子湯が適合する。』 実際の所は、四君子湯が適する場合と、四物湯が適する場合に分かれる。
A.胃腸虚弱、嘔吐、下痢、食欲不振に使用。
B.腹力(-)、四肢倦怠、言葉にも力がない。
*気滞や水毒、上部消化管の機能不全には六君子湯。四君子湯は効かない。
●人参4、茯苓4白朮4 :下痢・嘔吐、胃の水湿を除く。(*全身の水毒には効果乏しい。)
●甘草1生姜0.5大棗1.5 :胃腸虚弱に
*ツムラ2.5g(蒼朮、生姜1大棗1)、オースギ錠6T×3、優劣未判定。
*六君子湯から半夏・陳皮を除いた。四君子湯は気滞を助長、気滞には六君子湯や茯苓飲を選択。
*水毒にも効果乏しく、五苓散・六君子湯・当帰芍薬散など選択する。
水毒頭痛を治す。食が細く、血虚の傾向あれば、当帰芍薬散。
23当帰芍薬散
*やせ型、腹力(-)。冷え症・血色優れず、皮膚乾燥も少しある。腹痛は下腹部で、ときに腰痛や心下に波及する。 妊娠中の腹痛、妊娠・産後のめまいを治す。 血虚が著しい場合は十全大補湯を選択。
*頭重、肩こりも発生する。頭痛は朝起きた時から起こり、そのため起きるのが嫌で、仕事をする元気もない。頭痛は午後になると強くなる。 五苓散、半夏白朮天麻湯、加味逍遙散との鑑別が必要。
*当帰芍薬散のめまいは激しいものではない。不安感を伴うこともない。
*妊娠中の腰痛、産後の腰痛に。
頭痛は朝起きた時から起こり、そのため起きるのが嫌で、仕事をする元気もない。頭痛は午後になると強くなる。 五苓散、半夏白朮天麻湯、加味逍遙散との鑑別が必要。
A.水毒体質。特に天気の悪い日に頭痛する。(*水毒頭痛、頭に何か重い物をかぶっているような重たい感じ。頭重・頭冒。) 冷えには水の過剰が付いて回る。特に冷えるとむくみやすい。 舌はやや白、胖大。
B.血虚を合併、冷え症・乾燥肌。 血色が優れず色白、胃腸虚弱でやせ型。腹力(-)。普段は低血圧・低体温気味。 銚子崩すと、便秘、高血圧、不眠を合併。 (➡当帰芍薬散で通便する)
C.生理不順・月経困難、女性の腹痛 (*冷えで起こる腹痛、生理が遅れる。)
D.ただ冷えるだけで、顔面紅潮、上熱は全くない。
① A+B、A+B+C。水毒頭痛あり、手足に冷えと乾燥がある者。
② 四物湯を使いたいが、地黄で胃がもたれる者。虚証の者の駆瘀血剤。桃仁・牡丹皮などが胃にあたる虚弱な者の駆瘀血に。 桂枝茯苓丸の桂枝→当帰にかえた処方。
*当帰芍薬散を使うのは、①か②に該当するケース。
●当帰3川芎3芍薬6 :冷え・乾燥に効く
●茯苓4白朮4沢瀉4 :水毒に効く
*クラシエ2g・3gが優秀。証があえば生理不順・腹痛も治す。他、オースギ錠6T×3、オースギ2.5g、コタロー3g、ジュンコウ2g、ツムラ2.5g、ツムラは蒼朮で良くない。
*熱証の者に使ってしまうと、ほてり・胃熱(胃もたれ)を生じて悪化する。ほか、多尿、乾燥・便秘を生じて良くないケースもあり。
全身の皮膚がカサカサし、手足が冷える者
71四物湯 寒虚証、皮膚乾燥と冷えを治す
A.皮膚乾燥 (*肌の色つやが悪く、老人性の皮膚乾燥を思わせる。貨幣状湿疹の患者。)
B.手足の冷え、しもやけ (*膝の冷痛にも多少効果)
C.胃腸の虚弱、上熱がないこと。 (➡あれば温清飲類を優先)
D.昔は瘀血による不正出血・月経困難、外傷後の瘀血に使用
E.舌は乾燥し、赤黒くなる。通常は腹力(-)。
F.鼻炎は悪化しないが、充血・出血、皮膚の炎症・浸出液は悪化。(*黄連解毒湯を合方し、温清飲とすれば悪化しない。)
*熱証で四物湯や当帰芍薬散が胃にあたる場合は、柴胡清肝湯や竜胆瀉肝湯を選択する。
*食事でも、豚肉・牛肉など肉類、白ごま・ごま油などを摂取すること。
*皮膚乾燥の治療は、単に四物湯とすることは少ない。たとえば胃腸虚弱なら四君子湯を足した十全大補湯、熱証なら黄連解毒湯を足した温清飲類(竜胆瀉肝湯・柴胡清肝湯)とする。
●地黄3芍薬3 :潤す
●当帰3川芎3 :温
*クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2g、ジュンコウ2.5g、ツムラ2.5g。コタローが優れる。熱証でもまだ飲める。ツムラ、ジュンコウは熱をもちやすい。クラシエは未判定。
*血行を良くし温め、皮膚を潤す処方。
*血虚の者の冷え、倦怠・疼痛を改善する。「不通即通」
*皮膚を潤すのは地黄である。当帰・川芎には血行を良くし、体を温める性質がある。熱証の者だと、地黄以上に当帰川芎が胃もたれの原因になる。 (*地黄は、胃腸虚弱で食事が進まない者、嘔吐には禁忌。なお、茯苓蒼朮白朮・陳皮で多少軽減できるが、四物湯にはこれらがなく、地黄は少量だがあわない者はすぐ胃にあたる。)
50荊芥連翹湯 寒虚証、上半身の化膿疹
A.化膿しやすい上半身の湿疹に。ただし、熱証ではないこと。
B.皮膚の色素沈着、腹直筋の緊張
C.小児期に扁桃炎・中耳炎、副鼻腔炎
D.慢性、少し深い所の化膿に効く。初期、浅い所だと十味敗毒湯が優る。
●地黄1.5当帰1.5川芎1.5芍薬1.5 :四物湯
●黄連1.5黄芩1.5黄柏1.5山梔子1.5 :黄連解毒湯
●柴胡2薄荷1.5連翹1.5 :清熱
●白芷1.5防風1.5荊芥1.5 :温・血行促進
●桔梗1.5枳実1.5・甘草1.5 :排膿
*温性が強い。熱証の者は胃を悪くする。寒虚証の者に限定。
*オースギ4g、ツムラ2.5g
58清上防風湯 熱実証(健康体の男女青年)、顔面頭部のにきびに
上焦の熱気が強く、顔面・頭部のにきびを生じる者。青年男女のにきび治療に使用。実証の漢方であるが、防風通聖散ほど実証・肥満ではない場合に適応。 適合する皮疹の性状は、隆起著明・赤味が強い。先端は化膿。これは顔だけでなく頭にもできる。瘀血の関与はなく、桃仁加えると悪化する。 (*桂枝茯苓丸は不適)
*通常、3か月で8~9割方は良くなる。清上防風湯は2か月で効果なければ、他に変える。
A.思春期・元気な若者、顔面が脂っぽい人の化膿性の赤ニキビに。顔面も皮疹も赤い。
B.上焦の熱・湿疹だけで、他の問題はない。基本的に健康体。
C.紅舌、顔面紅潮、上背部の発赤・湿疹。
D.春になると頭がおかしくなりそう。顔が赤くほてって、吹き出物も出てくるという者。
E.全身が苔癬化した重症患者であるが、顔面・頭部のにきびが多数あり、のぼせ感がある場合。
*重症例はベピオゲル、ディフェリンゲル、エピデュオゲル、抗生剤内服も考慮。また、瘀血関与する例では駆瘀血剤が必要。
*『風熱上焦のみに盛んに、頭面に瘡癰毒腫などの症あれども、ただ上焦ばかりのことにて中下二焦の分まで壅滞することなければ、下へ向けてすかす理はなき故、上焦を清解発散する手段にて防風通聖散のごとき黄硝滑石の類は用いぬなり。』 便秘あれば防風通聖散や駆瘀血剤を選択。
*『上焦部とくに顔面に鬱滞した熱を発表清解させるもので、次のような疾患に用いる。面庖(にきび)強壮の青年男子に多く、女子の場合も壮実で顔色赤く、発疹も充血して赤いもの・頭部湿疹・眼充血・顔面充血・酒皶鼻などによい。 上焦の実熱が目標で、上部(顔面や頭部)に血熱が鬱滞し、瘡を発し、顔面赤く、上衝を訴える場合に用いる。上部に集まった熱の邪は、上部で発表し清解する。体質もそれほど虚弱でない場合で、面疱などは赤紫色になっているものが多い。 面疱に用いるとき、薏苡仁を5.0gぐらい加えるとよい。通じが少ないときは必ず大黄を0.5~2.0g加える。便秘の傾向あるものにそのまま用いると、一時発散の効によって発疹が増悪したようになることがある。』
ここで上部に集った熱邪は、上部で発表し清解するのがよいと指摘しているのは、上部の熱を解くには攻下する場合もあるからで、口訣に挙げた宗伯の言はそのあたりの機微を述べたものである。治頭瘡一方などは攻下して頭瘡の邪熱を除く手段である。
●黄連1黄芩2.5山梔子2.5、川芎2.5白芷2.5 :黄連解毒湯、四物湯
●浜防風2.5荊芥1薄荷1、連翹2.5桔梗2.5枳実1、甘草1 :上部の湿疹に、化膿に、緩和
*川芎白芷防風荊芥桔梗薄荷は上焦に作用、駆風解毒する。連翹桔梗枳実は排膿に働く。
*ツムラ2.5g、オースギ2.5g(防風2.5)、優劣未判定。
86当帰飲子 寒虚証、高齢者の貨幣状湿疹に
当帰飲子が適合する『発赤、隆起がない湿疹』とは『扁平、褐色』つまり『貨幣状湿疹』のこと。夏場には軽快、冬の乾燥で悪化する。熱の所見が一切ないことが条件で、適合は高齢者に限る。
A.高齢者、貨幣状湿疹に。 皮膚乾燥、乾燥による搔痒を治す。
B.熱や鼻炎が一切ないこと。 (*乾燥は治すが、炎症は悪化。発赤、隆起病変、浸出液には禁。)
●地黄4当帰5川芎3芍薬3・何首烏2 :四物湯+何首烏、肌を潤す
●シツリシ3防風3荊芥1.5 :温
●黄耆1.5、甘草1.5 :皮膚に栄養、緩和
*四物湯をさらに強化。温性・潤性が強く、皮膚乾燥があったにしても、熱や鼻炎、浸出液がある者には絶対に適さない。(*若年者、精神疾患の患者に使う機会は全くない処方。)
*ツムラ2.5g
63五積散 寒実証
*足が冷え、腹壁も冷える。冷えに重点があるが、上熱下寒で顔は赤ら顔か、少しほてる。主訴は冷えによる腹痛、腰痛。
*温、血行促進が特徴。熱証には禁。目標は下半身が冷えて痛む者。
A.冷え・水湿による腰痛、坐骨神経痛、変形性関節症に。(*寒冷で悪化)
B.小太り、食べるのが好き。腹力(-)。
C.足は冷えるが顔はほてりやすい。(赤ら顔) クーラーなんかはむしろ好きで、寒証とは言っても虚弱というより、防風通聖散の患者像に近い。
*実熱➡防風通聖散、実寒➡五積散 (*防風通聖散の逆処方)
*冷え症の場合、腰痛・坐骨神経痛には五積散だが、頭痛には呉茱萸湯。
D.甘いものを取りすぎないよう指導。 (*甘味で悪化)
●麻黄1桂皮1白芷1生姜1、当帰2川芎1芍薬1 :温、四物湯
●茯苓2蒼朮3、半夏2陳皮2厚朴1 :利水・乾燥(二陳湯や平胃散の意)
●桔梗1枳実1、大棗1甘草1 :排膿、胃腸虚弱に
*かなり温めて、乾燥させる処方。葛根湯+四物湯+二陳湯、葛根湯の葛根を省き、温熱の白芷当帰川芎を加え、二陳湯を加えたのが基本骨格。
*冷えで悪化する関節痛・神経痛 :桂枝加朮附湯(虚弱・寒証)、防己黄耆湯(水湿・多汗)、疎経活血湯(冷えに加え瘀血、夜間痛)、大防風湯(気血両虚、るいそう)
*コタロー3g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
5安中散
*急性・熱性の胃腸炎ではなく、慢性・寒性の胃痛に適合する。
A.寒証の胃薬。冷え症、やせ型・腹力(-)、心下痞(+)・腹直筋は弛緩。
B.胃痛を主とし、吐き気は目立たない。(*胸やけ・げっぷ、吐き気は多少。)生理痛にも効く。
C.冷え症の胃潰瘍、胃酸過多。
D.胃アトニー(胃下垂) 食欲はあっても胃もたれを恐れてあまり食べない。
*芍薬甘草湯を併用すると効果強まる。
*気虚を伴う場合は、六君子湯、人参湯を優先。
●桂皮4茴香1.5良姜0.5延胡索3縮砂1 :胃を温める、除痛
●牡蛎3、甘草1 :胃酸中和、緩和
*太田胃散、SM散(桂皮丁子生姜)と類似。 柴陥湯の逆処方。
*オースギ1g、オースギ錠3T×3、クラシエ2g・3g、コタローカプセル1T×6、ツムラ2.5g、優劣未判定。
79平胃散
A.胃もたれ (*胃内停水) 食欲はあり、食後の胃もたれ。
*安中散は胃痛、平胃散は胃もたれに使う。
B.熱実証、寒虚証いずれも不適。中間証に限る。(*寒虚証なら大建中湯、桂枝加芍薬湯)(*熱実証なら黄連解毒湯、柴陥湯)
C.急性胃腸炎後の食欲不振
D.食後腹鳴し、下痢すると楽になる者。 ➡胃苓湯(平胃散+五苓散)
E.食毒・水毒による頭痛
F.便秘はないが、ガスが多く腹部膨満する者。
●蒼朮4厚朴3陳皮3、大棗2甘草1生姜0.5 :利水、胃弱に
*オースギ2.5g、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
1.食欲がなく、少し食べても胃もたれするのは「六君子湯」
2.食欲はあり、普通の量を食べて胃もたれするのは「平胃散」
3.普通の食事ではもたれないが、冷たい物や甘い物で胃もたれするのは「二陳湯」
115胃苓湯
A.水毒体質の者がお腹を壊して下痢する場合。通常、腹痛は激しくない。
B.急性胃腸炎の下痢。
*ツムラ2.5g、他メーカーなし。
*『下痢の治療は陰陽を考える。陰証とは冷えが主体で、臭いが少なく水様性下痢である。腹痛や裏急後重(しぶり腹)を伴わない。代表方剤には真武湯や人参湯がある。一方、熱が主体となる陽証の下痢は、腹痛があり下痢の臭いも強い。さらに排便するときに肛門に灼熱感があり、排便後もスッキリしない。黄芩湯が代表である。』
35黄ごん湯
急性胃腸炎に使うが、ほとんど出番はない。
●黄芩4、芍薬3甘草3、大棗4 :熱証の下痢に
*三和2.5g、他メーカーなし。
36木防已湯 心不全末期(浮腫・息切れ・食欲低下) *五苓散、六君子湯や真武湯も考慮
*上腹部一体がベニヤ板でも張ったように固く(*心下痞堅、心不全による肝腫大が原因)、臥床すると息苦しく、物に寄りかかって座っていると楽だという場合。(*心不全、起坐呼吸の状態) 食欲はあるが食べると苦しいので、あまり食べない。(*肝腫大の症状) 浮腫は高度、尿は少ない。 これは心臓弁膜症、心内膜炎など心臓病であり、ジギタリスと併用すると良い。木防已湯の作用機序は末梢血管の拡張と、胸管リンパ流出の増大である。 心臓病以外、たとえばネフローゼによる浮腫・呼吸窮迫には五苓散が優る。
A.不安定狭心症 (*過剰な血管収縮を抑制)
B.ネフローゼ、妊娠中毒症。アジソン病。 (*腎臓病、浮腫)
C.心臓弁膜症・心臓喘息、不整脈・動悸。 (*心臓病、咳を伴う呼吸困難)
D.腹力・心下痞(+)
E.口渇、発熱
*木防已湯は、不安定狭心症・妊娠中毒症など、過剰な血管収縮を抑制する。
●石膏10人参3、防已4桂皮3 :補水、利尿
*石膏人参は補水し、浮腫を悪化させる。心不全や胸水貯留には五苓散が適する例の方が多いように思う。
*コタロー2g、ツムラ2.5g、三和1.5g、優劣未判定。
00変製心気飲
*心臓喘息、心不全による咳を治す。 木防已湯がダメなら変製心気飲、変製心気飲がダメなら木防已湯が良い。 変製心気飲はより虚証で、心下痞堅がない。さらに虚証なら茯苓杏仁甘草湯とする。
●桂枝2.5茯苓5木通3半夏5 :利水
●桑白皮1蘇子2 :咳を止める
●別甲2枳実2 :心下痞を除く
●呉茱萸1、甘草1 :温、緩和
00栝楼薤白白酒湯・栝楼薤白半夏湯
*心臓喘息や狭心症で、胸から背にかけて痛む者。(心臓痛)
●栝楼実2・薤白6・清酒250ml・半夏6 :半夏を加えると効果強まる
*現代医学では、ニトロやCaブロッカーを使う方が現実的である。
59治頭瘡一方 実証・便秘、新生児の頭部湿疹に
解毒を主とし、清熱に欠ける。新生児頭部湿疹に使用。(*体力があり、便秘の者に適。)
① 新生児・小児の頭部湿疹。顔は炎症で真っ赤である。浸出液が多く、痂皮・落屑・びらんを認める。搔痒は強い。実証・便秘がちの者。
② 大人でも、頭部の脂漏性湿疹で浸出液が多く、痂皮が頭全体を覆う者。化膿・悪臭(+)。ひどく痒がる。 病状が悪化すると、腎機能にも影響する。
●川芎3防風2 :血行促進(顔面頭部)
●荊芥2連翹3忍冬2 :湿疹・化膿を治す
●紅花1大黄0.5、蒼朮3、甘草1 :駆瘀血、利水、緩和
*血行を良くして、乾燥・かゆみを治す。上熱を治すものではない。
*『清上防風湯は清熱を主とし、治頭瘡一方は解毒を主とする。』
*口渇あれば桔梗石膏、瘀血あれば桃仁を合方する。ほか、十味敗毒湯、黄連解毒湯も併用可。
*浸出液が治まり、乾燥が目立つようになれば温経湯が適合する。
寒実証
51潤腸湯 寒実証、皮膚乾燥+便秘(弱)
高齢者の便秘(コロコロ便)に加え、皮膚乾燥する者。
① 大食、元気な高齢者で、皮膚乾燥と便秘(弱)がある者。 (*しばしば糖尿病、肥満)
② 膝の冷痛・皮膚乾燥など、地黄を使いたい例で寒証・便秘する者。
③ 便秘、皮膚乾燥がある患者の多少の気滞(のどのつかえ)。
*胃弱・虚証、熱虚証ではないこと。胃が丈夫、高齢者で腸内・皮膚と乾燥する者に適合。
●大黄2枳実2甘草1.5、杏仁2桃仁2麻子仁2 :下剤、腸内を潤す。
●地黄6当帰3 :皮膚を潤す
●黄芩2、厚朴2 :温めすぎないよう黄芩、下しすぎないよう厚朴を配合
*ツムラ2.5gを使用。
*腸内・皮膚を潤す成分が配合。高齢者で腸も皮膚も乾燥する者に使う。また、温めすぎないよう黄芩、下しすぎないよう厚朴を配合し、飲みやすくしてある。(*その分、強度の便秘には無効) 枳実あり、多少の気滞にも効果。
126麻子仁丸 高齢者の便秘
*高齢者で皮膚も便も乾燥するという場合。本来は潤腸湯の適応だが、熱証で温めない方が良い者には麻子仁丸を使用する。また、酸化マグネシウムやセンノシドを併用する頑固な便秘には潤腸湯ぐらいでは効かないので、これも麻子仁丸を選択する。 (*便秘が主なら麻子仁丸、皮膚乾燥が主なら潤腸湯とする。)
*尿の回数も量も多く(特に夜間)、便秘する者。
A.高齢者の便秘。便が乾燥し、コロコロと固いもの。(*腸管内の乾燥)
*酸化マグネシウム1~2g、センノシド2~4Tと併用するような重症の便秘をあっさりと治す。
B.皮膚乾燥は軽度。 (*強力な下剤で便秘は治すが、皮膚乾燥には無効)
●大黄4枳実2、麻子仁5杏仁2 :蠕動促進、腸を潤す
●厚朴2芍薬2 :下剤による腹痛を緩和
*かなり強力な下剤で、最初から使うものではない。 また、若年者は瘀血による便秘が多く、麻子仁丸の適応になる場合はほぼない。
*大量の酸化マグネシウム・センノシドをやめて、麻子仁丸2~3包に変えると、腹痛がなくなり、ダラダラと出すぎたり・逆に全く出ずに浣腸することもなくなって、排便が安定する。
*オースギ2g、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
膝の冷痛、軟便に
7八味地黄丸 寒実証、膝の冷・臍下不仁
*老人性の難聴には、八味地黄丸や滋腎通耳湯があるが、性欲などは回復しても難聴は治らない。
*下肢筋力が低下し、歩行困難となる者。小腹不仁(+)、食指は良好。
*脊髄炎など脊髄の疾患で、手足のしびれから初発、歩行困難に至る者。排尿困難(+)あるいは便秘(+)。
*高齢で口渇する場合。特に、夜中5—6回の頻尿があり、目が覚めると口が渇いており、毎度水を飲むという者。八味丸・滋陰降火湯・炙甘草湯など地黄剤の適応である。
*また、産褥や結核などで体温が高く、口が乾燥し、手足に煩熱がある場合。背景に貧血、血熱があり、三物黄ごん湯・小柴胡湯加地黄・炙甘草湯など地黄剤、あるいは山梔子の適応である。熱が優勢であれば、必ず布団から手足を出したがる。
*舌や口が渇いて、水をガブガブ飲む者には、石膏剤が良い。ただし舌苔が薄い者に限る。舌苔が厚ければ、半夏瀉心湯や黄連解毒湯が適応する。舌苔の厚い者に石膏剤を使うと悪心・食欲不振を生じる。
*中高年で1週間前から腰痛し、腹直筋下部が棒のように硬直する。動くと痛むので、じっとしている。八味丸1か月で軽快。
*ヘルニアで腰痛し、コルセットをつけると楽だが、外すと痛む。八味丸を飲んで、立ち仕事を控えると2か月で軽快。
若年の場合
A.膝の冷痛、冷え症 (白舌) (*上熱で暑がる者には適さない。)
B.性欲減退、下半身の衰え
C.皮膚乾燥 (*四物湯が優る)
D.軟便 (*便秘は悪化。潤腸湯を選択。)
E.手足は冷えることが多いが、煩熱する場合もある。
F.小腹不仁(下腹が軟弱)
F.昔は八味丸で、糖尿病による口渇・多尿、前立腺肥大による尿閉、腎障害・下腿浮腫・高血圧、腰痛、陰虚の火、老化による陽熱の喪失などを治療した。
G.腎障害、夜になり温まると痒くて仕方ない。かくと白色の膨隆。 足の煩熱、臍下不仁。
H.黒色丘疹、乾燥・搔痒(+)。口渇・尿不利。
*40歳を過ぎると、膝の冷、性欲減退、皮膚乾燥など出てくる。熱の産生が落ち、冬などは冷えて、寒がるようになる。(老化現象) 食欲の不振がない場合、八味丸が適合する。
高齢者の場合
A.トボトボした歩き方で、一見して老いを感じる者。(*臍下不仁、腰から下の力がない。老衰。) ただ、胃腸は頑丈で、胃腸症状や食の衰えはない。
B.顔の中心がぽーっと赤く(特に頬と鼻)、舌は紅舌で乾燥している。八味地黄丸の頻尿は、夜中何度もトイレに行くが、そのたび舌が渇いて水を飲む。
C.足首から先の冷え、腎障害により、昼間の尿は少ないが、夜間に多尿となる場合。臍上悸(+)。
*八味丸は地黄剤の代表で、高齢者の腎虚、小児の体質改善(虚弱体質、特に低身長)に使う。
*地黄剤の比較検討。 軟便なら八味地黄丸、便秘なら潤腸湯、皮膚乾燥が目立つなら四物湯。若く熱証の者には柴胡清肝湯。膀胱炎繰り返す者には竜胆瀉肝湯。
*頻尿に関して、尿量が少なくむくむ者、地黄が胃にさわる者は、五苓散が良い。
●地黄5、山茱萸3山薬3 :膝の冷、軟便を改善。 ほか性欲減退・皮膚乾燥にも効果。
●山梔子3、沢瀉3茯苓3 :清熱、利水 *地黄による熱のこもり・胃もたれを緩和
●桂枝1附子1 :温
*地黄の胃もたれを茯苓沢瀉で、温性を山梔子沢瀉で緩和する構成。大体は、40歳を過ぎて年齢を感じはじめた者、高齢者で大食、糖尿病や肥満ある者が対象となる。膝の冷痛、冷え・軟便の傾向が目安。(*温性の桂枝附子を除くと六味丸、利水(牛膝3車前子3)を加えると牛車腎気丸。はっきり言って八味丸と大差ない。)
*八味丸にはクラシエ錠3T×6、オースギ錠6T×3あり。ツムラ2.5g、クラシエ2g3g、オースギ2.5g、コタロー3g、優劣未判定。地黄は胃もたれしやすく、食事量の減少に注意。精神疾患、便秘・上熱の者には適合しない。
00痿証方
*麻痺・歩行困難の初期に。八味丸より実証で腹力(+)、臍下不仁(-)。脚気(ビタミン欠乏)ではない者に適応。
●黄耆・地黄当帰芍薬、知母黄柏、杜仲、白朮蒼朮牛膝 :補気・補血、止汗、筋骨強化、利水
121三物黄ごん湯 熱虚証、不快な手掌の熱(煩熱)
*大量出血、陰虚から手掌の煩熱に。産褥など。 特に夜中は煩熱し、眠りにくい。(*夏になると足が煩熱する者は、清暑益気湯。これは三物黄ごん湯より虚証である。)
*産後の発熱、手足の煩熱。
A.手掌・足底のほてり、煩熱浅眠(煩わしく、眠りが妨げられる)。(*陰虚の熱、紅舌・口渇)
B.掌蹠膿疱症、主婦湿疹 (*手掌の発赤・搔痒、発汗・水疱。)
C.皮膚乾燥(血虚)。 膝の冷痛、臍下不仁(腎虚)。
D.大量出血(分娩、吐血下血)で、手掌足底がほてる者。
E.頬がほてって熱を持つ者
F.四肢の煩熱に苦しんで頭痛を訴える者
*手掌・足底に限局する煩熱は、他覚的には冷、熱がない場合も多い。 全身の実熱あるいは、他覚的に熱が明らかなら黄連解毒湯がまさる。
*熱実証タイプの手掌煩熱には黄連解毒湯や加味逍遙散。三物黄ごん湯は、血虚・失血による煩熱を治す。 手掌足底の煩熱➡黄連解毒湯・三物黄ごん湯 上背部の煩熱➡加味逍遙散
●地黄6 :補血、陰虚の熱を清す
●黄芩3苦参3 :清熱(手掌)
*地黄の温性を黄芩苦参で緩和してある。しかし、大量の地黄がもたれやすく、胃弱の者には使えない。そのような場合、患部を漢方溶解液で湿布すると良い。
*00苦参:とても苦く清熱に加え、寄生虫・白癬菌など駆虫・殺菌効果がある。あせもにも効く。
46七物降下湯 寒実証、血虚+高血圧
*腎動脈硬化による高血圧に適応。高血圧による眼底出血に。体力はなくなってきて疲れやすいが、胃腸は丈夫。最低血圧が高い者。
血虚、肝陽上亢の証
A.手足は冷、皮膚乾燥。(*血虚) 白舌
B.目がかすむ・乾燥、まぶしい。頭痛、頭のふらつき。のぼせ、耳鳴り、腎障害、高血圧。眼出血、結膜充血。(*肝陽上亢)
●地黄3当帰4川芎3芍薬4 :四物湯(止血を意図)
●釣藤鈎3、黄耆3、黄柏2 :脳血管の痙攣を予防、毛細血管拡張、地黄の胃もたれを緩和
*オースギ2.5g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
*高血圧には、黄連解毒湯・大柴胡湯・防風通聖散・釣藤散・八味地黄丸なども適応するので、証を見て選択する。
手足の煩熱、皮膚乾燥など陰虚・血虚証の者で、動悸を主訴とする場合。
64炙甘草湯 陰虚・血虚証、不整脈による動悸
動悸して激しく胸がゆらぐようだ、と訴える者。バセドウ病、致死性不整脈で急死する者。頻脈があっても、動悸の自覚がない者には適合しない。
大量出血など栄養状態が悪く、皮膚乾燥、手足煩熱、易疲労、動悸・脈の結滞を生じた者。(*三物黄ごん湯は手足煩熱が主、炙甘草湯は動悸不整脈が主。十全大補湯はるいそうが主、人参養栄湯は咳・息切れが主。地黄が無理なら帰脾湯を選択。)
A.手足の煩熱、皮膚乾燥・便秘 (*陰虚の熱、舌やや紅・乾燥)
B.不整脈、動悸・臍上悸、腹直筋の痙攣 (*腹部の動悸・緊張)
C.肥満で元気な老人が過労により疲弊、動悸する例
D.慢性疾患、大量出血による疲弊 (D~I)
E.肺気腫・心臓弁膜症の動悸・息切れ
F.バセドウ病・高血圧患者の動悸、発汗、すぐ疲れる。
G.高熱・感染症の動悸
H.精神的緊張で動悸・発汗、陰虚(乾燥)・気虚に至る例。
I.出産、喀血・吐血など大量出血による動悸
*胸脇苦満あれば柴胡剤を優先。(柴胡加竜骨牡蛎湯など)
*動悸に対しては、高血圧・顔面紅潮などあれば黄連解毒湯を選択。
●地黄6麦門冬6麻子仁3阿膠2 :潤す
●人参3大棗3炙甘草3生姜1 :補気
●桂皮3 :
*麦門冬湯に地黄を足した処方。半夏を抜いて麻子仁を足してあるので、便秘しにくくしてある。
*気虚・乾燥する者の動悸・息切れに炙甘草湯。 ➡桂枝加竜骨牡蛎湯も近い処方。
*めまい・立ちくらみあれば、苓桂朮甘湯を選択。
85神秘湯 朝方の鼻炎
温めて気の流れを良くし、朝方の鼻炎・喘息を治す。
A.朝方に寒さを感じて鼻炎、咳・喘息する者。朝のアレルギーは冷えと気滞が原因である。
C.乾燥、便秘は悪化。
●麻黄5、杏仁4 :温・気管拡張、温潤・通便
●蘇葉1.5厚朴3陳皮2.5、柴胡2 :温・行気・乾燥、微寒・行気
●甘草2 :脾胃・気を補う
*麻杏甘石湯と半夏厚朴湯(半夏茯苓生姜➡陳皮柴胡)を足し、冷やす石膏を抜いた。
*かなり乾燥させる処方で、陰虚の熱・乾燥の咳、便秘など生じてくる場合あり。乾燥してきそうな者は、屯用か2週間程度の処方にとどめること。
*オースギ2g、クラシエ2g・3g、コタロー2g、ツムラ2.5g、優劣未判定。 起床時1包で事足りる。あまり増やさない方が良い。
96柴朴湯
A.喘息、舌は湿潤。のどに痰が絡んでいる。
B.のどのつかえ、不安・動悸。発作が起きないかと気にしすぎる者。
C.小児喘息だった者の不安・動悸に使用。
D.喘息患者で、のどのつかえを訴える場合。
E.「痰がでる、切れは悪くない」という患者。アルダクトンの副作用、女性化乳房に効果。
E.舌の乾燥、乾燥による咳、粘調な痰には禁。
●柴胡7黄芩3、人参3半夏5茯苓5大棗3甘草2生姜1、厚朴3蘇葉2 :
*六君子湯の陳皮→厚朴蘇葉とし、柴胡黄芩を足した処方。温めない神秘湯といった感じ。
*かなり乾燥させる処方。便秘・乾燥には禁。(*便秘・瘀血には、大承気湯・通導散を選択)
*ツムラ2.5g、クラシエ2.5g・3.75g、優劣未判定。
55麻杏甘石湯 喘息、肺熱の咳・呼吸困難に
*石膏が主薬。(*麻黄で石膏の冷・浮腫を軽減してある。)
*喘息発作の屯用。乳幼児の喘鳴に。発作時に汗の流れる者に良い。 ただ、長期間の服用には適しない。特に、平素から胃腸の弱い者は食欲が減退したり、悪心したりするので注意すること。
*また、発作の前になると食が進んで禁じ難く、大食すると発作が起きるという場合は、麻杏甘石湯加蘇子白芥子が良い。
*痔痛の屯用。外痔核が赤く腫れて、指でちょっと触れても痛む場合。1—2日で腫脹・疼痛が緩和。甘草湯の湿布を併用するとなお良い。
A.喘息の空咳、間質性肺炎の咳・痰。 咳のひどい者。
*外邪(細菌・ウイルス)による肺炎ではなく、内因性で激しい発熱がない場合(=喘息)には、麻杏甘石湯を使う。
B.口渇、発汗を治すが、浮腫・多痰には、二陳湯を足す必要あり。(あるいは越婢加朮湯)
C.乳幼児の感冒、百日咳、痔核の疼痛、睾丸炎に。
●石膏10、麻黄4、杏仁4甘草2 :気道の熱をひく、気管拡張、痛んだ粘膜を修復
*気道の炎症を鎮めると同時に、気管拡張する。また、痛んだ粘膜を潤し・修復する。
*麻黄は発汗・利水するが、石膏が大量で補水が上回る。心不全・浮腫は悪化。(*白虎加人参湯ほどではない)
*温冷に関しては、石膏の冷を麻黄の熱が打ち消しており、やや冷やす程度にとどまる。熱証あれば、桑白皮を加えた五虎湯が優るが、単純な鎮咳力は麻杏甘石湯の方が強い。
*オースギ1.5g、コタロー2g、ジュンコウ1.5g、ツムラ2.5g、優劣未判定。味が淡泊で、小児に適する。
95五虎湯
A.小児、気管支の炎症がある場合に適合。痰の絡む咳が続く、喘息に。
*痰が多い時は二陳湯を足すと効果高まる。不眠あるなら竹じょ温胆湯も候補。
B.アレルギー性鼻炎に (*越婢加朮湯・神秘湯なども候補。)
●石膏10桑白皮3、麻黄4、杏仁4甘草2 :気道の炎症をひく、気管拡張、痛んだ粘膜を修復
*麻杏甘石湯に、気道の炎症をひく桑白皮を加えた。
*オースギ錠3T×3、クラシエ2g・3g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
肺の乾燥
93滋陰降火湯 寒実証
92滋陰至宝湯 寒虚証
51潤腸湯はどうか?
肺の炎症
90清肺湯 肺熱陰虚証
104辛夷清肺湯 肺熱証
*乾燥が主体か、炎症が主体かで漢方を選択。
加湿器の使用、濡れたタオル
除湿、エアコンの使い過ぎ
喫煙
副鼻腔炎、鼻づまりに。 乾燥・咳と、鼻炎が同時にある例に。
104辛夷清肺湯 肺熱証 副鼻腔炎に
① 副鼻腔炎 (*副鼻腔の炎症により、顔面の疼痛を来している場合)
*乳幼児の鼻炎には、辛夷清肺湯か葛根湯が適する。
●石膏5黄芩3山梔子3、升麻1 :肺、顔面の炎症・熱をひく
●麦門冬5百合3枇杷葉2、知母3 :肺を潤し、陰虚の熱を冷ます
●辛夷2 :鼻の通りを良くする
*顔面気道の炎症を鎮めると同時に、粘膜の荒れ・乾燥を修復する。
*潤す成分がありながら、鼻閉・鼻炎を悪化させないことが最大の特徴。(*潤性が強すぎる天門冬は不使用) また、副鼻腔の熱はひくが、体はむしろ温める。(*辛夷が温めるが、升麻で上熱をひく) また、石膏は5と少量で、むくみは生じない。
*慢性副鼻腔炎に使用した場合、全治には1年前後を要する。
*ツムラ2.5g、オースギ4g、クラシエ2.5g3.75g、コタロー4g、優劣未判定。
90清肺湯 高齢者の肺熱+陰虚証 COPD
*慢性的な気道の炎症により多痰。陰虚により切れにくい粘調痰となっている。
*長期療養の患者にしては、食欲は普通、下痢もない。体力は残っている。すぐに著効はないが、半年1年と飲んでいると体力がついてくる。
A.COPD、切れにくい多量の粘調痰。喫煙歴ありの高齢者。
B.陰虚により、手足のほてり、口渇、嗄声など伴う。
*麻杏甘石湯など、麻黄剤を合わせた方が効果が強まる場合あり。小青竜湯は不適切。
C.るいそう・息切れ、体力なく臥床がち。痩せてはいるが、食欲はある。
*清肺湯はこのような慢性期に、麦門冬湯は急性期の肺陰虚に適する。
●桑白皮2黄芩2山梔子2桔梗2 :肺の炎症をひく
●天門冬2麦門冬3五味子1貝母2杏仁2、当帰3 :気道を潤す
●茯苓3陳皮2大棗2甘草1生姜1 :脾胃、気を補う
*ツムラ3g。他メーカーなし。
*慢性化した気管支炎で、炎症はそこまで強くない(石膏の配合なし)が、乾燥が相当に関与している。 (*辛夷清肺湯は、急性炎症があり、体力の消耗がない者に適合。)
*清肺湯の陰虚は肺にとどまらず、全身に及ぶ。
*COPDには、スピリーバやウルティブロを必ず併用する。大体は、吸入の方が効果を感じる。清肺湯は適合者でも、効果が感じられるのに1年前後かかる。
92滋陰至宝湯 寒虚証+乾燥 乾燥による咳
*結核で咳や微熱が長年続き、衰弱しやせて、寝汗が出る・下痢が続く、終日臥床しているという患者。すぐに著効はしないが、何となく気分が良いという場合は、半年1年と続けてみると体力がついてくる。
A.衰弱し痩せている患者で、慢性の咳、あるいは微熱が続く場合 (夜、布団に入ると空咳が出る)
B.鼻炎がないこと。 (*鼻炎悪化する)
C.胃弱・軟便、地黄が飲めない。手足は冷、皮膚乾燥。 (地黄が飲めるなら、滋陰降火湯が優る)
*気道の乾燥による咳は、麦門冬湯、滋陰降火湯、滋陰至宝湯、いずれも有力。実証・胃が丈夫で皮膚乾燥も目立つなら滋陰降火湯。衰弱し、地黄が飲めない例は滋陰至宝湯。軟便で半夏人参OKなら麦門冬湯を選択。
*ほか、高齢者・喫煙者の気道の乾燥には清肺湯。鼻づまり・副鼻腔炎には辛夷清肺湯。気道の炎症が存在する例には清肺湯類を使う。
●柴胡3薄荷1当帰3芍薬3甘草1茯苓3 :逍遥散
●麦門冬3貝母2、知母3地骨皮3 :肺を潤す、陰虚による熱を冷ます
●香附子3陳皮3 :行気
*加味逍遙散と類似。違いは、清熱の牡丹皮山梔子ではなく、潤性の麦門冬貝母知母地骨皮を加えた点。気道を潤す分、鼻炎は悪化させやすい。また清熱は弱く、はっきりと温める処方である。
*地黄・天門冬がない分、滋陰降火湯と比べ効果は弱い。鼻炎もまだ悪化させにくい。
*ツムラ3g、他メーカーなし。
布団に入ると咳(乾燥の咳)。乾燥肌も目立つ。胃腸は丈夫。
93滋陰降火湯 寒実証
*シェーグレン病、唾液の出が悪く口腔乾燥する高齢者など。粘膜に潤いを与える。
A.乾燥による咳、喉の乾燥・違和感 (夜、布団に入ると空咳が出る)
B.鼻炎がないこと。 (*必ず鼻炎悪化する) 多痰にも禁。浸出液も悪化。
C.胃腸丈夫で大食の傾向。しかし、冷え・乾燥肌。 (寒実証)
*①A+B+C、3つそろう必要あり。
*鼻炎は必ず悪化させる。天門冬が特に強力。乾燥もあるが鼻炎あるケースでは使っても単発。
*食品、ゆり根も有効。ただ、鼻炎はやはり悪化させる。
●天門冬2.5麦門冬2.5、地黄2.5当帰2.5芍薬2.5 :気道を潤す、皮膚を潤す
●知母1.5黄柏1.5 :陰虚の火を冷ます
●陳皮2.5蒼朮3甘草1.5 :胃を保護 (*地黄・天門冬が胃に負担)
*天門冬地黄で、肺と皮膚を潤す。強力。口渇も治す。
*地黄が多く、胃にもたれやすい。また天門冬あり、咳は鎮めるが鼻炎悪化する。
*ツムラ2.5g、他メーカーなし。
19小青竜湯
*体内にある水毒が、外邪に誘発されて溢れ出す。寒冷刺激で誘発されるアレルギー性鼻炎に適応。
*咳込んで顔に軽い浮腫がある者。泡沫状の痰。発熱はしているが、冷え症で胃腸が弱く腹痛・下痢する者。 裏寒による水滞を治す処方である。
*喘息には麻杏甘石湯・小青竜湯など麻黄剤が適する者が多いが、痩せて腹力(-)、食欲不振の者には適さない。六君子湯がよい。(*喘息・呼吸困難の者は上腹部の腹筋が発達し・腹力があるのが常で、腹力(-)と感じる者はかなりの虚証である。また、発作の前に水様性の鼻水、しきりにくしゃみをするなどは、全て心下水気の証であり、小青竜湯・六君子湯などで水を除く必要がある。) 腹力があり・胸脇苦満の者には、大柴胡湯+半夏厚朴湯、あるいは小柴胡湯+半夏厚朴湯とする。
*毎年、10月から3月、寒い時期になると喘息がでる61歳男性。やせ型だが筋肉質で、腹直筋の緊張が強い。発作がないときでも水ばなが出て困る。また、皮膚に粟粒大の発疹ができてかゆいことがある。小青竜湯4年で全治。
*15歳の少年。くしゃみと鼻水が止まらなくなり、その後に喘息の発作を起こす。9—10月、3—4月など季節の変わり目が悪い。発作になると4—5日は学校を休む。ほか、これといった所見はない。小青竜湯2年にて全治。
*8歳の少年。体格・発育は良いが、年がら年中、かぜを引いては喘息・呼吸困難となり、学校にも行けない。じんま疹もよく同時に出る。口渇が強い。小青竜湯加石膏、葛根湯加石膏など使用。3年で全治。
*地黄や麦門冬を使うべき例に、小青竜湯を使うと、乾燥の咳が悪化し、かえって悪い。
A.冷えが強い者のアレルギー性鼻炎、喘息に。水様の痰、水様鼻汁、鼻閉、くしゃみを治す。
B.腎臓病で浮腫・発熱し、悪寒する者。
C.生つばや胃液が多い者。
*適応は発病初期の浮腫・水毒に限る。慢性化したものにはかえって悪い。
●麻黄3細辛3桂皮3乾姜3、半夏6 :温、水を除く(麻黄桂皮半夏)
●五味子3、芍薬3甘草3 :咳を治す、発作を緩和
*温めて、発作・咳を鎮める。 熱証には禁。
*オースギ2.5g、オースギ錠6T×3、クラシエ2g・3g、クラシエ錠3T×6、コタロー2.5g、ツムラ3g、優劣未判定。
119苓甘姜味辛夏仁湯
*咳をするたびに尿漏れする者。妊婦や高齢者に多い。
*冷え症、脈・腹力とも弱く、麻黄が適さない者で、水毒の兆候がある場合。鼻水・くしゃみが続いた後、喘息が出る者。喘息患者で、尿が少なく・むくみやすい者。 苓甘姜味辛夏仁湯は、虚弱者の喘息・浮腫を、発汗・利尿にて治す。(*虚弱なければ、小青竜湯を。)
胃腸虚弱がなければ、小青竜湯を。
A.冷えて、咳・痰がある者。冷えて喘息する者。腹力(-)。
B.かぜが治った後に咳と薄い痰、動悸が続き、衰弱し食欲もなく、寒虚証となった者。
C.麻黄桂枝が飲めない者。すでに発汗する者。
●細辛2乾姜2、杏仁4五味子3 :温、咳を治す
●半夏4茯苓4、甘草2 :水を除く、緩和
*咳・水様痰、動悸・息切れを改善。
*小青竜湯から麻黄桂枝を除き弱くした。かわりに茯苓杏仁を足してある。虚弱者に適。
*神秘湯を合わせると作用強まる。
*コタロー2.5g、ツムラ2.5g、優劣未判定。
00蘇子降気湯
*足が冷え、呼吸が苦しい者。(*真の喘息には無効。慢性気管支炎による喘鳴・呼吸苦に適応)
●紫蘇子3当帰2.5桂皮2.5 :温
●半夏4陳皮2.5厚朴2.5前胡2.5 :乾燥
●甘草1大棗1.5生姜0.5 :健胃
*呼吸苦には、これに柴胡3・桑白皮3と加える。
紫雲膏(時代遅れ、ゲーベン が優る)
*やけどに外用する。
滋腎明目湯 :急性期は過ぎ去り、盲目・重度の視力障害に。(あまり効果はない)
洗肝明目湯 :急性・炎症による視力障害に。(あまり効果はない)