東洋医学と西洋医学からみた不眠症
不眠症とは、何らかの要因で睡眠の質が悪化、体の自然な治癒力・回復力が阻害された状態を指します。疲れても、体が痛くとも、寝ると翌朝には回復。それが不眠症になると、寝ても疲れが取れない、常に体調が悪いという状態に陥ります。
あるのが、肩こり・頭痛、息苦しさ、めまいや吐き気です。初期だと少し休養をとれば回復しますが、こじれると体のバランスが崩れ、簡単には治らなくなります。
重症(たとえばうつ病)になると、涙もろさや自責感、表情が硬く、消えたい・死にたいといった自殺願望など、精神症状が目立ってきます。
東洋医学でみた不眠症 (肝の障害)
東洋医学の考えでは、感情が高ぶって、度が過ぎると心身に悪影響を及ぼします。
「肝鬱(かんうつ)」―のぼせてイライラしやすく、また、背中(左右の肩甲骨の間)にだるさを感じるようになります。上半身に熱がこもり、逆に下半身は冷えます。
全身の(熱の)めぐりを良くするのが「肝臓」です。熱のバランスが崩れると、ほかの臓器、「腎臓」、「心臓」、「脾臓」にも影響が及びます。
「腎」は気力・体力に関係し、消耗すると意欲が欠落、表情の硬さ・反応の鈍さ・会話量の減少などに現れます。
「心」はイメージ的に心臓で、動悸や胸部苦悶、息苦しさ、不安感が出ます。「脾」は消化機能(胃のこと)で、食欲がない、吐き気、胃潰瘍など生じます。
西洋医学でみた不眠症
西洋医学では、「ドーパミン仮説」で不眠症(うつ病)を説明します。ドーパミンは主に筋肉に分布、脳神経にも少し分布します。ドーパミンは筋肉の疲れをとり、動きを良くする作用があり、ドーパミンがたくさんあると、どこにも疲れや痛みがなく、元気で意欲的な状態となります。
ドーパミンが減ってくると、だるさや痛みを感じて、疲れから動きも鈍く、眠たくなってきます。
朝はドーパミンが大量に分泌され、夕方には減ってきます。日中は元気に、夜は眠るようにできています。
「不眠症(うつ病)患者の体内バランス」
ところが不眠症になると、朝にドーパミンが少なく、体が全く動かない。ひどい場合、トイレにも行けません。
ただ、少しするとドーパミンが少量は出てくるので(早ければ数分、遅くとも昼過ぎ)、夕方4~5時にもなると、ましになってきます。夜中1時2時にかけてドーパミンが増えるせいで、自然な眠気というのがありません。頭がほてったり、手足が冷えたり、そういうのも睡眠を妨げます。(←肝鬱による熱バランスの悪化) ドーパミンが減少に転じるのは明け方4~5時で、その頃にやっと寝付きます。
ドーパミン・セロトニンの相互作用
ドーパミンやセロトニンは、相互に影響します。
「セロトニンの特徴」
セロトニンは胃腸にあって、胃と腸の動きを活発にします。ほか、脳神経にも分布。過剰だと吐き気と頭痛、欠乏すると喉のつかえと息苦しさを生じます。(←消化管の動きが停止、喉がつかえて息苦しさを感じる)
パニック障害は、喉がつかえて息苦しくなり、不安で居ても立ってもおれなくなる精神疾患です。患者は心配・取り越し苦労が増え、多訴、落ち着きがなくなります。ドーパミンが欠乏するうつ病(動けない、しゃべれない)とは違って、多弁・多動、エネルギッシュに動き回りますが、不安の強さから判断が悪く、とかく余計なことをしてしまいがちです。
→ランドセン、ドグマチールが特効薬。リリカ、場合によってSSRIも使用。 (*SSRIは、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、デプロメール等のこと。リストカット、さみしい・希死念慮は悪化させる為、注意が必要。)
「インスリンの特徴」
インスリンは食欲を出すホルモンで、欠乏するとそもそもお腹が空かない、無理して食べても砂を噛んでいるようで、食行動が抑制されます。過剰だといつも空腹、食べることばかり考えるようになります。
→早食い禁止、砂糖禁止。腹7~8分、糖質はでんぷん・穀物でとる。食後に運動・家事。トピナ、オゼンピック注。
「エストロゲンの特徴」
エストロゲンは女性ホルモンで、欠乏すると月経前症候群、更年期障害を生じます。
→ドグマチール、加味逍遙散が特効薬。
「パニック障害」と「うつ病」
パニック障害の患者は、愚痴とも不満ともつかない些細な訴えを一方的によくしゃべり、相手をする側の人間が、逆に疲れてしまうぐらいです。これは、うつ病の患者が、口数も少なく、反応も鈍く、見るからに疲れて見えるのとは真逆です。
療養上の注意点
まず、お酒とコーヒーをやめましょう。これだけでも随分、違います。
「お酒」 ★★★(非常に有害)
お酒は睡眠の質を悪化させます。睡眠薬で寝るようにしましょう。
「アルコール依存症」
1日4~5合を飲んでしまうアルコール依存症。アルコールのパフォーマンスを高める飲み方があって、初めの1杯(缶ビール500ml)を30分かけて飲むようにします。2杯目以降は好きに飲んで構いません。アルコールは胃から吸収されますが、いい感じに酔うのに最低でも30分かかります。早く酔いたいと思って、2本・3本とゴクゴク飲んでも、酔い方は早くなりません。(胃の吸収を超えて早飲みしても、無駄打ちとなり、非常に効率の悪い飲み方になってしまう。)
自分で制御できない場合、レグテクト、セリンクロなど脳の飲酒要求を抑える薬を使います。
「コーヒー」 ★★★
お酒と並んで悪いのが、コーヒーです。過呼吸・不安発作を誘発します。カフェインレスでも有害で、量を1日1~2杯に減らしましょう。
「カフェイン類」 ★
紅茶、濃いお茶、ほうじ茶、ウーロン茶、エナジードリンクはカフェイン含有量が多く、やめておきましょう。
普通のお茶、玄米茶、コーラなどはましです。コーン茶、麦茶、杜仲茶はカフェインが入っていません。水道水が一番と思いますが、とにかく、お酒とコーヒーをやめることを最優先で考えます。
*カフェイン許容量は、健常者1日200~400㎎、小学生45~85㎎。不眠症患者の許容量は1日15~30㎎(週105~210㎎という考え方でもOK)です。病状が悪い時期は禁止と思った方が無難です。
食事の注意点
① 過剰な熱(熱毒)は、不眠症・精神不安定を悪化させる。
「油もの、辛い物」「過食」 ★(一定の害、注意)
揚げ物、脂肪(特にバター)、スナック菓子など油ものは、「肝臓」と「胃」を疲弊させます。特に、体力が落ちたときは、だるさや胃もたれがすぐ出ます。さらに悪いのが辛い物です。熱をこもらせ、不眠を悪化させるので、週1~2回に控えましょう。
*デニッシュなどパン類の脂質がけっこうヤバイ。バターが原因。クッキー32g、オムライス31g、シチュー30g、グラタン20gもバターを使っており、凶悪。他、マヨネーズ、焼き肉70g、ピザ50g、ミックスフライ定食40g、カレー・餃子(2人前)・チャーハン・メンチカツ35g、牛肉・鶏の皮、生クリーム、ナッツ類、チョコレート、菓子類(ポテトチップス・パイの実25g)も高脂質。 *1日の脂質量は70gが標準。1日100gは超えないこと。(いずれ健康を害する)
*脂質少ない物 →うどん・そば・刺身・ちくわ・果物・シスコーン0g、おにぎり・食パン・寿司5g、焼き魚・親子丼・しょうゆラーメン10g
*どちらとも言えない →豚肉・たこ焼き・焼きそば・野菜炒め・天津飯・八宝菜・サンドイッチ・肉じゃが・スパゲティ・フィッシュバーガー20g、豆腐・枝豆・プリン・卵焼き・ハヤシライス・チキンカレー・サラダ類15g (*店や作り方で倍ぐらい違うので、各自確認してください。)
東洋医学では、熱がこもり、暑がる人のことを「熱証」と言います。どこを触っても温かく、特に首などは汗ばんでいます。肥満・過食、辛い物を好む者の体質で、血色がよく・顔や舌は赤らんで見えます。熱は元気・エネルギーの源で、多少は必要ですが、過剰になると、体温が上昇(36.6~7℃超)、上半身のかゆみ・湿疹、イライラ・不眠、顔や手足がほてる、など問題を生じます。
辛い物を避け、過食に気を付けましょう。お酒とコーヒーも熱性が非常に強く、避ける必要があります。 治療には、黄連解毒湯を使います。食欲の制御に、トピナ、オゼンピック注を使う場合もあります。(精神疾患では、統合失調症と躁病は熱証です。)
*次から次へ一気につめこむように食べない。よく噛んで1回の食事に20—30分かける。お腹もすいていないのに食べない。満腹ではなく腹7~8分。食べ物をもったいない・残さないでおこうと思わないこと。暇だからとりあえず何か食べるというのもやめる。何かやりたいこと、社会との接点、勉強することを見つけること。(*自分が打ち込めること、自然とのふれあい、庭仕事、塗り絵、職業訓練、デイケア、読書、スポーツ、ジム、友人との交流、ボランティアなど)
手足は冷たく、首は熱い。熱が上によっている状態。熱をめぐらす力が弱く、上によった熱を、手足の先に戻してやる必要がある。 治療には、ランドセン+スルピリド、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、コニール、生姜など使う。(上熱下寒は、精神疾患では不安神経症、児童期PTSDに該当。)
患者は、さっきまで暑がっていたのに、今度は寒がるなど、体温調整が上手く行かない。温めると首に熱をもちイライラ・うっとうしい感じになり、冷やすと足(下半身)が冷えつらい。どうやっても上手く行かないので、よく部屋を換気したがり、外の空気を吸いたがったり、冷暖房を使いすぎたりする。
体温は高め(36.6~7℃超)で、「熱証」と同じく油もの、辛い物、お酒とコーヒーを控える。冷えが強くなる冬場に限っては、生姜は少しとった方がいい。が、足の冷えよりも、首にたまる熱の方が悪いので気を付ける。首はネッククーラー(首に巻く保冷剤)で冷やした方が良い。床暖房、電気スリッパで下半身を温めるのも有効。上は冷やし、下は温めるということを同時にしないといけない。
→駆瘀血剤が有効。便秘で悪化するので、便秘させないこと。 (*駆瘀血剤=加味逍遙散、桂枝茯苓丸、治打撲一方、通導散など、血流を良くする漢方。)
① 過剰な水分は、胃を弱らせて、上半身をむくませる。水毒(すいどく)と言う。
「多飲水」 ★★
健康のためと思って、こまめに水分をとるのはダメです。胃を痛めます。 喉が渇いた時は十分にとって頂いて構いませんが、喉の渇きもないのに「健康のため」と思って多くとるのは、逆効果です。適正な水分量は、食事どき以外に冬だと0.5L、夏だと1Lといった所です。特に、パニック障害の患者、舌歯根といって舌がむくんでいる方は、胃が弱っている証拠なので水分を控え、胃を休める必要があります。 (*家族、医療従事者は飲水励行しないように!!)
「舌歯痕」
むくんでいるのは、何も舌だけではありません。喉のあたりから頭のてっぺんまでむくんでいます。のどには、喉頭蓋といって、気管の入り口があります。頭には三半規管といって、平衡感覚をつかさどる所があります。ですから、舌歯痕の者は、①喉がつかえて息苦しい、②めまい・立ちくらみ、③頭痛・頭重の三大症状がでます。ひどくなると過呼吸発作もよく起こし、パニック障害とも呼ばれます。さらにアレルギー体質の人は、鼻水・鼻炎も出やすくなります。
これらは多飲水が原因で、まずは飲水を控えましょう。また、油ものや辛い物、お酒やコーヒーを控える必要があります。治療はランドセン+スルピリドが適合します。
漢方薬は、軟便の者は半夏厚朴湯が、便秘の者は桂枝茯苓丸が適合します。半夏厚朴湯はむくみは改善しますが、乾燥させるので、乾燥の症状(口の渇き、便秘、咳)が出てきたら中止します。
② 特定の食物が消化不良を起こしていることも考えます。
「消化不良(FODMAP食)」 ★
消化不良を起こすのは、主に乳製品、アイス・炭酸、ジュース・菓子です。腸内細菌が過剰に増殖し、腸内環境が悪化。げっぷ・ガスが多い(1日10~20回超)、便やおならのにおいがきつい、腹痛・お腹を下すなどします。鼻炎、にきび、関節炎にもつながります。
*乳製品 →乳糖と乳脂肪、ラクトグロブリンが原因。白人・酪農民族と異なり、日本人の半数は、乳製品で消化不良を起こします。牛乳、バター、ヨーグルト、チーズ、シチュー、グラタン、バニラ、カスタードなど。乳製品で便がゆるくなる人は、要注意。体調を悪化させている可能性がある。 (*牛乳・牛肉など食の欧米化は、潰瘍性大腸炎、鼻炎、心筋梗塞、大腸癌を数倍~数十倍に増やした。)
*アイス・炭酸 →もともと冷え症・虚弱の人は、胃腸が強くない。アイスや冷たい物でお腹を冷やすと、具合が悪くなる。炭酸でガスがたまるのも良くない。
*ジュース・菓子 →砂糖に注意。腸内細菌の過剰増殖から、げっぷ・ガスを増やす、便のにおいがきつくなる、にきび・鼻炎など悪化。
*小麦、大豆、果物や野菜の一部(例えば、たまねぎ)、食物繊維(ごぼうやタケノコ)が合わない人もいる。どの食物でどうなるかは、個人差が大きい。好きでよく食べるもの、健康によかれと取り続けてきたものに原因があることが多く、検証した方が良い。
③ 「口腔内の衛生、歯列矯正」「ピロリ菌の除菌」 ★
半年に1回は歯科を受診、口腔内のクリーニング(歯石除去)を受けましょう。また、普段から電動歯ブラシも使用し1日2回の歯磨きを(1日1回では不足)。不整咬合の矯正、親知らずの抜歯も必要です。 (*親知らずは口腔内の炎症を助長。)
口腔内の雑菌やピロリ菌が、思った以上に悪影響。糖尿病、掌蹠膿疱症、胃潰瘍、胃癌に加え、不眠症や大腸炎にも関与します。(*歯周ポケット4㎜以上の方は注意!)
<歯垢(プラーク)の電子顕微鏡写真>
*嫌気性菌の増殖は、歯の根元、歯肉と歯の境目から生じる。コケのように張り付いて、ブラッシングしないと取れない。時間とともに分厚く、出血するようになり、赤血球の鉄分でさらに増殖が加速する。(排水溝のヌルヌルと同じです)
*食後はうがい、1日2回×1回3分のブラッシングを。
一度、胃カメラを受け、ピロリ菌は必ず除菌しましょう。顎関節の異常、睡眠時無呼吸症候群のある方は、マウスピースやCPAP(シーパップ)も必要です。
塩分、糖分のとり方、食後運動 (動脈硬化を予防)
血圧、体温、体重の測定。週1,2回。問題がなければ月1、2回でも。
*血圧130超、朝方の高血圧、浮腫 →1日の塩分量を6~8g以下に。①「梅干し、漬物、ふりかけ」禁止。②「ラーメンやうどん、お吸い物など汁物の汁を残す」ように。あと、食パンを主食にしない。サンドイッチやご飯、おかずに塩をふる、しょうゆ・ドレッシングなど調味料も確認。朝だけ高いのか、一貫して高いのかも知りたい所。 (*高血圧や脳出血の患者は、塩辛い味に慣れてしまっているので、薄味に。)
*脈拍 →精神的緊張を反映。児童期PTSD(母親が過干渉、父親が威圧的など)を示唆。インチュニブ、メインテートで治療。(脈拍は軽視されがちだが、精神疾患では非常に重要)
*体温36.6~7℃超 →①暑がる、②首に熱・汗ばむ、③イライラ・不眠、悪夢、④お風呂あがり・布団に入った時に上半身の湿疹・かゆみ。熱の症状(①~④)に注意。
*体重 →精神疾患では何かと肥満しやすい。食欲がなければ、無理に食べないように。体重は増える時は増えるので、減る時に思い切って減らさないと増える一方になる。(*丸2日までは絶食可。インスリン、SU剤は絶食時中止。)
●糖分の摂取方法● 砂糖より、でんぷん・穀物の方が体に良い。
〇→米、小麦、そば、ジャガイモ、トウモロコシ、豆など。
×→砂糖、ジュース、菓子、あんこ、ジャム、はちみつ、果物、ケーキ、チョコレート。
*1日25g以下。虫歯の減少、腸内環境の改善、動脈硬化の抑制。過食、熱証の直接的原因に。ジュース500ml・50g、アクエリアス25g、缶コーヒー13g。ケチャップ15ml・5g、みりん15ml・8g
*砂糖は、急激に血糖値、体温を上げる。動脈硬化、糖尿病、過食・肥満の人は、砂糖厳禁。
*悪夢、夜中にうなされる人も、寝る前の過食(特に砂糖)が関係している。食後運動を併用し、食事量を抑えること。
*糖分は胃では吸収されず、小腸に到達する食後20~30分まで血糖値は上がらない。アルコールと同じで、初めにガツガツ食べても、早くに満腹感が得られる訳ではない。(コスパが悪い食べ方)
*常識的な1食分(500~700kcal)を食べ切った後、空腹でも皿洗いなど家事、軽い運動をする。時間をつぶしているうちに腹が膨れてくるし、血糖の上昇も「健常者」と「食後高血糖の人」の間ぐらいで済む。
*過食対策 →①ガツガツ早食いしない、②糖分は砂糖ではなく、でんぷん・穀物で。③食直後に家事、運動。 *あとは、腹7~8分。
運動、その他の生活習慣
「適度な運動、食後15~30分に」 ★
膝を15~30度だけ曲げる軽めの屈伸、2~3分の階段上り下り、その場で足踏み、室内での筋トレなど、軽い運動でも案外・深く寝られます。
特に、日常生活の強度が低すぎる場合は、運動して少し疲れないと、全然寝られません。療養中でも最低限の運動は必要です。
運動は必ず食後で行います。(血糖値を下げ、動脈硬化を予防) 食前だと、お腹がすいて過食の原因になります。
ゆる屈伸(下半身の運動)がオススメ。室内で簡単にでき、上にたまった血流が下に逃げるので、体のバランスがとれて寝やすくなる。1日2~3回、1回2~3分で効果あり。
ポイントは膝の痛みが出ないよう、少し曲げるだけで。速度は、1回6秒(曲げるの3秒、伸ばすの3秒)、少しゆっくりめで。(階段の上り下り、皿洗い・掃除や片付け、椅子に座ったままその場で足踏み等でもOK。元気があれば、なわとび、散歩でもOK。)
逆に、上半身のハードな筋トレは、首に熱が溜まり、悪夢や不眠の原因となる場合も。ほどほどに。
「お風呂の時間」「部屋の加湿」 ★
人は、寝る時に手足が温まり・逆に中心の体温が下がってこないと寝つけません。お風呂に入る、激しい運動、過食(特に辛い物・砂糖)など体温の上がることは、入眠直前は避けましょう。(2時間前に済ませる) また、手足が冷える人は、電気毛布で腰から下を温めると寝やすいでしょう。 *中心(上背部から首)は温めないこと。
夕食後以降、特に夜中トイレに起きた時の飲水は控えるようにしましょう。夜間頻尿は不眠の主な原因になります。夜中に喉が渇く人は、乾燥が原因です。加湿器を購入し部屋の加湿に努めましょう。(*飲水は理にかなっていない。)
また、45~60歳以降で生じる老齢性の夜間頻尿に対しては、市販サプリのノコギリヤシが有効です。男性にも女性にも効果あり。ベシケア(医薬品)も有力。
ディアナチュラ ノコギリヤシ 60粒 (30日) ¥945
健康食品。Amazonで買うしかないが、効く人だと早ければ即日、遅くとも1週間で効果あり。飲み続けたら効いてくるというものでもなく、1週間で効果がなければあきらめて中止する。副作用は、同種の八味地黄丸がえらく副作用が多い(不眠症、胃もたれ、便秘、熱証を悪化)のに比べ、ほとんど副作用はない。(わずかに熱証の悪化があるぐらい)効果があった場合、夜間尿が1回減ります。(例えば4~5回→3~4回に) 効いたら一旦やめるで良い。またぶり返すならそのたび、数日から1週間程度飲めばよい。(もとより完治とは行かない。)
*八味地黄丸は「胃が丈夫」、「冷えて皮膚乾燥」し、「便秘や不眠症と無縁の方」に適合する漢方です。精神科で処方することはまずありません。
「寝室の環境」 ★
騒音、光、温度・湿度の管理。人が通る気配、振動。 →夜間の巡回を控える、生活の時間帯を合わせる。
布団、枕。ベッドの硬さ(特に褥瘡、腰痛。るいそう、ASO)
「身体疾患の治療」
鼻炎、アトピー、喘息の治療。いびき(肥満、睡眠時無呼吸)。浮腫、咳
IgE、アレグラ、舌下免疫(花粉症の時期を避け導入、口の中がかゆくなる・鼻炎を誘発)、吸入
胃痛、胃潰瘍→ビタミンC 便秘、嘔気、弄便→鉄剤
タバコはアイコスに。
その他、観察のポイント
●便通 ①週に何回、②出た時の硬さ、③腹部膨満を確認。
*2~3日に1回、週2回で十分。排便時に固くなければ、下剤は増やさない。腹部膨満あれば話は別。
*高齢者では、毎日出ないとと思って、勝手に不安がっている場合あり。(食べていない・あまり動かない、下痢した直後数日は出なくて当たり前)
*加齢・糖尿病(動脈硬化)、パーキンソン類縁疾患(シヌクレイン蓄積による自律神経障害)では、腸が動かなくなっている。平たく言えば年のせい、治療法がない。便が硬ければ下剤を増やし、それでも出なければ浣腸・摘便するしかない。(*上記、塩分、糖分には注意)
*便潜血は年1回、大腸癌の検査(大腸カメラ)は5~10年に1回必ず受ける。
「便秘の治療」
× アロエ・センナ・大黄 →大腸メラノーシスといって、大腸が黒色化する。できれば使いたくない。
〇 ラキソベロン、モビコール、酸化マグネシウム、桂枝茯苓丸、加味逍遙散 →黒色化しない。まずはこちらを考慮。
〇 難消化性デキストリン、シスコーン、ファイブミニ →食物繊維。
△ アミティーザ、グーフィス、リンゼス →新薬。高額な割に効き目がない。
× 鉄剤(フェロミア) →便秘を助長。高齢者では弄便も。フェジン注を使用。
△ 大建中湯 →腹部術後、イレウスに使用。温剤(人参・山椒・乾姜)で、熱証・不眠症は悪化。(*腹部が冷たい者、血行不良に適合)
〇 三黄瀉心湯、通導散、麻子仁丸 →最強の下剤。上記でどうにもならない場合、使う。
「軟便の治療」
*大腸憩室、大腸術後の下痢 →胆汁が悪さをしている。吸着剤のコレバイン(500)2Tが適合。(*ロペミン、フェロベリンは筋が悪い。)
*漢方薬では、半夏厚朴湯を使う。やせ型で冷え症(首に熱がたまらない体質)なら、六君子湯も考慮。いずれも乾燥の症状(喉の渇き、咳、便秘)に注意。(*腸の乾燥→便秘、口の乾燥→口渇、気道の乾燥→咳) 皮膚乾燥は起こさない。
●妄想的発言 →精神科医に報告
*注察気分(見張られている)、盗聴・盗撮、悪口・いじめ、声や音が聞こえる、警察に被害を相談 →統合失調症
*お金がない、入れ歯が合わない・口腔内の不快感 →老年期うつ病
*もの盗られ、数分前のことを覚えていない →認知症
*「死にたい、消えたい」 →うつ病、児童期PTSD
*「必要とされていない」、見捨てられ不安、自傷・リストカット、大量内服 →児童期PTSD
*キレやすい、暴力的 →高次脳機能障害
●1日の飲水(L)、食事(kcal)、塩分量(g)の概算。
*一度は一日の飲水・食事・塩分量を概算する。あわせて極端な偏食がないか(菜食主義、特定の嗜好品)も、必ずチェックする。 お酒・コーヒー、キムチ・生姜、梅干し・漬物、要注意。
*施設入所者、グループホームの患者、など食事管理されている場合は、算出容易。
●長谷川式
*認知機能も、年1~2回はチェックする。
不眠症患者の生活、配慮すべき注意点
「生活リズム」 ★
*重症(体調不良、不安定さが残る時期) →あえて昼夜逆転で生活。昼間の喧騒で疲れてしまう。
*軽症(これといった不調はないが、意欲がない時期) →通常の生活リズムに近い形で。ただ、午前中の予定は避け、動くのはできれば午後から。
「日中の過ごし方」
*重症 →自室に引きこもり。テレビ、会話がうるさいと感じるケースも(イライラする)。逆に、さみしがって誰かいないと無理な場合も。外出はそもそも難しいか、家族や安心できる人の同伴が必要。ゲームやSNSの世界に没入しがち。(時期が来ればやめるので、あまり気にしないこと)
*軽症 →気分が良い時は、一人で外出したり、遊びに行ったりもする。人込み、緊張する場面では疲れやすく、数日は反動で寝込む場合も。
*治癒 →いよいよ復帰できそうなら、復職・復学に向けリハビリ出勤、作業所・デイケア・職業訓練や、自分で興味を持ったことを勉強など。
「家族に」
*生活リズムのずれが、お互いのストレスに。
Q.生活音、歩く気配で起きてしまう。 A.寝る部屋は別に。家族も睡眠薬を使用。
Q.夜中のテレビ A.リビング以外でもテレビ見れるように。音は小さめで。
Q.洗濯・掃除機問題。 A.静音、頻度減らす。お互いが起きている時、チャンスを逃さない。逆に熟睡時。相手の生活・様子をよく知った上で。
Q.交流が欠落。 A.週末などはリズムを合わせ、一緒になる時間を少しでも作る。
*さみしがって(正確には怖がって)、そばを離れるのを嫌がる。(ひどい場合は、仕事に行くのも一苦労。職場にも何十回と電話がかかってくる。)
*父親→お金(家のローン)・妻の不安 *母親→子どもへの影響 *子ども→(親の)世間体
傷病手当、障害年金。そう簡単には払拭できない。 ヘルパー手配、入院 多少の批判は覚悟、親が障害の偏見持たない
「友人、職場の方に」
*職場と定期連絡、復帰をせかされるようなことはNG。いつまでにとか、どうやったら回復するか一緒に考えたり、段階的計画を立てたりとか、そういうのはダメ。
*長めの夏休みをもらったと思って、しばらく仕事のことは忘れてゆっくりすること。(その方が回復は早い)
*LINE、メールは無理に返そうとしない。(友人側は)電話やLINEで、調子をちくいち聞き出そうとしない。 「返事が返ってこない」のも返事のうち。立て続けに「心配」「大丈夫?」「様子気になってます」「連絡ちょうだい」とかしないこと。自然に連絡が来るのを待ちましょう。
利用できる制度
自立支援医療、精神障害者手帳、傷病手当、障害年金、高額療養費、生活保護
入院 →本人だけでなく、家族の休養も必要。
「自立支援医療」 通院、訪問看護が安くなる。(*重度障害、母子、後期高齢の人は不要)
「精神科訪問看護」 週3回、1回30分。簡単な相談、社会的手続きの代行も可。
「訪問薬剤管理指導」 薬剤師が訪問し配薬、指導を行う。(大量内服、認知症の患者)
「精神障害者手帳」 初診から半年以上。ヘルパー利用に必要。
「ヘルパー」 独居、障害・虐待家庭など、支援力が弱い場合、ヘルパーを利用できる。
「傷病手当」 当初1年6か月に限り、給与の6割を保証。
① 勤続1年以上 (*パート、試用期間は算定せず)
② 病気かケガで休職、欠勤4日以上
③ 自己判断で休んだ場合は対象外。休職直後、その後も月1回の通院が必要。
*健康保険を解約した場合(退職時に任意継続しなかった等)、時効(2年が経過)、有給などで給与が発生・年金が受給できる者、同一病名で受給したことがある場合は支給されません。
「障害年金」 初診から1年6カ月以上
① 治療を受け、1年6カ月が経過しても治らない場合。
② 就労能力がないこと。
*唯一、知的障害は治療法がないので通院の必要なし。作業所で月1~2万の収入、一般就労で月4~5万の収入などは、就労能力なしと考える。
「生活保護」
① 独居。就労能力がなく、生活に困窮。
② 扶養の意思表示をする親族がいないこと。
*貯金、家や車など財産がほとんどないこと。
うつ病の薬物治療
①睡眠薬
「ゾルピデム」
ごく一般的な睡眠薬。軽症だと、これぐらいで治ってしまう。「飲んで15分で眠たくなり、30分~1時間で寝つく」なら適量。眠気が残る、ふらつくなどは薬を減らす。
*アモバン(7.5)1Tと同程度。ハルシオン、フルニトラゼパムは強力で重症患者に限定。
「トラゾドン」
抗うつ作用のある睡眠薬。イライラする場合はダメ。
②抗うつ薬ではないが、抗うつ作用のある薬剤
「スルピリド」
食欲を出す。息苦しさも緩和。プロラクチンを増やし、月経を安定。月経前症候群・更年期障害、高齢者の口唇ジスキネジア(口腔内の違和感)の特効薬。
「リリカ」
もとは神経痛の薬。食欲を出す。息苦しさも緩和。2~3日で効いてくる。似た薬にガバペン、レグナイト、タリージェがある。 *ちょい眠たくなるので、睡眠薬としても使用。
「レキサルティ」
意欲を出す薬。体が動きやすくなって、こまごまとした用事ができるように。翌日には効いてくる。合わない人は、イライラしてくる。(←意欲が悪い方に出る。)
③ 抗うつ薬 (ドーパミンを増やす)
「アンプリット、プロチアデン」「トフラニール」
三環系。意欲の回復。見た目に疲れている者に。口の渇きと便秘は出るが、それ以外の副作用は少ない。合っている場合、以前より深く眠る。
*イライラしやすい者はリリカが限界。それ以上、薬を強めないこと。
「ミルタザピン、ルジオミール」
四環系。割と眠気がくる薬。ミルタザピンは食欲増進に注意。高齢者・女性に適合。(若年と相性が悪く、むずむず足、過食・過眠が出る) ルジオミールは添付文書上、緑内障に禁忌。けいれんに注意。初期用量(ミルタザピン(15)0.5T)でも眠気やだるさが残るなら四環系はダメ。
「トリプタノール」
三環系。割と眠気がくる薬。食欲の増進に注意。
パニック障害の薬物治療
① 抗不安薬+スルピリド
「ランドセン」
息苦しさと不安を緩和。アカシジア、精神的緊張による高血圧・手のふるえ、薬物離脱症状にも効く。強力だが、半減期30時間と長く、依存性が少ない。
*筋弛緩作用あり、高齢者は転倒する。デパス、レキソタンも強い。 少し効果は落ちるが、ソラナックス、リーゼは高齢者にも使える。
*必ずスルピリド、リリカ、レグナイトのいずれかを併用。
②抗うつ薬 (セロトニンを増やす)
「パロキセチン」
息苦しさを改善。副作用は吐き気と頭痛、体重増加。リストカットや孤独感のある者に悪く、衝動性(リストカット、情緒不安定や自殺未遂)を悪化させる。過食・肥満の者には使えない。(+20㎏以上もザラ)
*SSRIには、レクサプロ、ジェイゾロフト、フルボキサミンがある。なんやかんやでパキシルが最強。ただ、レクサプロが副作用少ない割によく効く。体重増加もないので主流に。その次がジェイゾロフト、フルボキサミン。効き目は少し弱い。副作用にジェイゾロフトは下痢、フルボキサミンは嘔気あり。
「サインバルタ」
躁転、幻聴悪化に注意。統合失調症には使えない。 *トレドミンは効果が弱く、使う価値がない。
喘息、アトピー、ぶどう膜炎、中心性、潰瘍性大腸炎、ストレス性蕁麻疹、花粉症との関連。
断酒会の参加
社会とのつながり、生きがいが必要。
植物・庭の手入れ、孫など子どもと接する機会。(*犬・猫の飼育は、老人の場合、最後に養育放棄、保健所で殺処分という社会問題があり、不適切。)
作品、物作り。出来たものを見てもらえる。感想をもらえる。
運動能力・身体能力の向上。(握力、歩行速度)筋トレ、ダイエット、血圧・血糖値の改善。目標を達成。デイケアに来た日数。何人とお話ししたか、あいさつしたか。
若い人、仕事・社会貢献、資格取るための勉強。リハビリ、図書館、ジム。ボランティア、農作業。動物の世話。(多頭飼いに注意!) 料理、技能の習得・人に喜んでもらう。(食べるのが好き、振舞いたい人がいる) 韓国語、旅行。