パニック障害 2025年11月23日 文責:漆原幸雄
息苦しさと、不安を生じる疾患です。息苦しいのは、のどの奥がむくんでいるからです。
*のどに何かひっかかる。咳、かぜが長引く。
*息の仕方が分からなくなり、過呼吸で救急搬送。
*ストレスで吐き気、めまい。職場・学校で倒れる。(起立性調節障害)
*引っ込み思案、思ったことを中々言えない性格。
生活の注意点
①コーヒー禁止 ②多飲水やめる
「コーヒー」 ★★★★ (体に与える悪影響、非常に多い)
一番悪いのが、コーヒーです。過呼吸を誘発。カフェインレスでも影響あり。
「カフェイン類」 ★★
紅茶、濃いお茶、ほうじ茶、ウーロン茶、エナジードリンクはカフェイン多く、ダメ。
水道水が一番と思います。普通のお茶、玄米茶(伊藤園500ml25㎎)は、たまにならOK。カフェインの害に無神経な会社は、カフェイン量未記載の場合が多く・必ず記載してあるものを選びましょう。
*許容量は、健常者1日200~400㎎、小学生45~85㎎。不安定な時期は禁止ですが、安定していれば1日15~30㎎(週105~210㎎という考え方もOK)です。
「多飲水」 ★★★
健康のためと思って、こまめに水分をとるのはダメです。胃を痛めます。適正な水分量は、食事どき以外に冬だと0.5L、夏だと1Lといった所です。特に、舌歯根といって舌がむくんでいる方は、胃が弱っている証拠なので水分を控え、胃を休めましょう。(*家族、医療従事者は飲水励行しないように!!) 水を飲んでいいのは喉が渇いた時だけです。
「舌歯痕」
むくんでいるのは、何も舌だけではありません。喉のあたりから頭のてっぺんまでむくんでいます。のどには、喉頭蓋といって、気管の入り口があります。頭には三半規管があります(平衡感覚)。ですから、舌歯痕の者は、①喉がつかえて息苦しい、②めまい・立ちくらみ、③天気が悪い時の頭痛の三大症状がでます。さらにアレルギー体質の人は、鼻水・鼻炎も出やすくなります。
治療薬 ◎◎◎◎ (治療効果、強力)
*「ランドセン+スルピリド」 …パニック障害の特効薬。薬に弱い人はランドセンに替えソラナックスやリーゼを使用。スルピリド、プレガバリンは過食・肥満の者には使用を避ける。
*ランドセン…半減期30時間。効きが長く、日中も効果。不眠、イライラにも効く。高齢者は転倒リスク、使用しない。
*ソラナックス…高齢者、ランドセンで眠気が残る者はソラナックスを使用。少し効果は落ちるが、十分強力。 リーゼはさらに弱く1Tだと弱いが、2Tだと結構効く。食欲抑制効果あり。
*デパス、レキソタン…半減期6、20時間。依存性・転倒リスクあり、あまり使用しない。
*スルピリド…性ホルモンを安定。特に更年期障害に効く。食欲、元気を出すので、やせ型・胃の虚弱に適する。 プレガバリンはより強力。高齢者だとねむけ・ふらつきに注意。
*レグナイト…不眠には、プレガバリンやレグナイトが効く。(スルピリドは力不足)
*SSRI…中高年のパニック障害には使うが、今の若い世代にはかえって悪い。衝動性、児童期PTSD(リストカット、大量内服、さみしい・見捨てられ不安など)を悪化。
心臓神経症の治療薬 ◎◎◎
インチュニブ
息苦しさではなく、動悸を主訴とするパニック障害を心臓神経症と言う。
インチュニブが特効薬で、血圧、脈拍を下げる。
漢方薬 ◎
*半夏厚朴湯:舌歯痕に加え、下痢する者に適合。消化管浮腫は改善するが、乾燥の症状(口の渇き、便秘、咳)は悪化させる。
*四逆散:緊張から手が汗ばむ者に適合。
*桂枝茯苓丸:腰から下の血流障害を治す。便秘、腰痛・足のむくみ、動脈硬化に適合。軟便に禁。
*加味逍遙散:首の熱(イライラ)をとる。便秘、手冷、三角舌の者に。軟便、統合失調症に禁。
*あくまで補助。漢方薬では治りません。
親子関係では自立が必要
診察にも親同伴、質問には母親が答える。困るとすぐ母親の方を見る。
親が子どもの人生に介入しすぎる性で、自立が進んでいない。社会でたくましく生きていく強さがない。
失敗させないよう、何事にも慎重に。親が全部、指示・監督。石があればどけて、すぐに体を支え、人生で一回も転んだことがない子が育つ。社会に出たら、敵はたくさんいる。でも、そもそも敵に遭うより前に、入社早々“ブラック企業”でつぶれる、ゲーム依存・不登校になる子の方が多いかも知れない。平坦な道、優しくしてくれる人の中でしか生きられない、ひ弱な人間になってしまっては子育ては失敗だ。
子育ては親の期待通りとはいかない。子どもが親の期待に添わなかったとしても、指示・命令はしない。「次はこう、その次はこう」「ダメ」「こうして」「ああして」「早くして」「お母さんの言うこと聞いて」「大人しくしなさい」「ほら、先生にこう言って」「ああ言って」「次はこうでしょ」…
3歳児でも3歳なりに自分のことは自分で決める。子どもが自分でこうしたい、と言ってくるのを何日でも待とう。親は、求められない限りアドバイス(指示)しない。ただ子どもが話をしてきたら、根気よく聞いてあげること。誘導したり、これじゃダメと決めつけてダメな所をあら探ししないこと。
「私、〇〇ちゃんのこと、あまりよく知らなかったみたい」「もっと詳しく教えて」「あなたの思ったこと、やりたいこと、いつでも言ってね」、親は何も言わなくていい。子どもの言うことをまずはよく聞こう。あなたは自分が思っているほど、子どもの話をちゃんと聞いたことがないはずだ。
のどにつっかえているのは、本当は言いたかった言葉が出なくてつっかえているだけなのかもしれない。パニック障害は、本当に言いたいことを言えずに大人になった人たちがなる病気だ。
だから親が困るようなことをして、聞きたくもないような話、これはまずいぞと思うことをバンバン言ってくるようになれば、治療は成功。治りかけていると思って喜んでください。パニック障害が治る時と言うのは、往々にして親がそういう心境になれた時です。この病気になる人は、ずっと親が困らないよう、機嫌が悪くならないよう、気をつけて生きてきた人ですから。それをやめるときが、治る時です。
社会生活の注意点
<悪化要因>
*うかつにコーヒーや紅茶飲まない。
*精神的ストレス、過労・睡眠不足、激しい運動、電車・バス、花火大会で身動き取れなくなる、等に注意。
<発作時の対処>
*財布に2錠ほど、頓服(予備の薬)を入れておく。 *出勤前、会議前など、1錠飲むのもアリ。
*ペーパーバッグNG。(無意味。死亡例出て禁止に。)
*彼氏など気を許している人、安心できる人を呼ぶ。付き添ってもらう。
*一人でゆっくりできる場所で30分ほど休む。
*休みの日だけでも、睡眠薬で深く寝る等、疲れをリセットしておく。
*食洗器、掃除ロボ、自動洗濯機、ヘルパー利用。両親の介護から手を放す等、抱え込んでいる仕事を整理。
<本人が理解しておくべき点>
*精神疾患の中では軽症。ただ、児童期PTSDの合併例が割に多く、その場合は重症。
*通院は1~2年で中断できる例から、一生続けなければいけない例まで様々。(自立の進捗、家庭環境による。)
*統合失調症やてんかんと違って、治療を中断したからといって、取り返しのつかないことにはならない。(治療やめることを推奨はしないが、「もう治りました」という人、精神科がどうしても嫌なら中断は可。)
*「自立支援医療」を申請すれば、通院費用が安くなる。社保3割→1割、国保3割→0円。
*面接で病気のことを言う・言わないは、自分で決める。言わなければ、ずっと「病気ではない」ふりをしなければいけない。言えば採用はかなり難しくなる。でも嘘はつかなくていい。
*カウンセリングは適する人が限られる。過去の振り返りでしんどくなる、全くうけつけないケースも。
<周囲の人が知っておくべき点>
*救急搬送の必要はない。
*車の運転など、危険作業の従事もOK。(経過が安定。病気のことも分かって、慌てず対処できる等。)
<本人に対するメッセージ>
*「大丈夫、何もないです。大丈夫です。」 →何もないふりをしない。 (*信頼に値する人なら、嘘やその場の取り繕いは、相手に失礼。誠実ではない。)
*「…分かりました。」 →全部自分で抱え込まない。大人を怖がるな。 (*へつらえば、なお悪し。嫌なら堂々と断ればいい。嫌々は、結局、誰も徳しない。)
*「…ハハハ」 むっとした時も簡単に愛想笑いで済まさない。そんな生き方は、かっこ悪い。 (*100人から好かれるよりも、自分らしく生きること、一人の真の友だちを作る方が大事だ。)
*のどがつかえるな、という感覚と友達になろう。 やっかいな「病気」ではない。「ストレスだ。やめておけ、今行動・今言わないと後悔する」、と大事なことを教えてくれている。頼れるエージェントだ。いつもあなたを見て、誰よりもあなたを分かってくれている。
*ニコニコ、愛想のいい人は卒業しよう。かわいらしいで通用するのは、子どもの時だけ。社会に出たら、自分のことは全部自分でしないといけない。まずは自分のために勇気を出そう。そして、人のために勇気を出せる立派な人間になろう。
推薦図書
*「キレる私をやめたい」「母がしんどい」 田房永子
*「よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話」 いしいさや
*「夫婦の関係を見て子は育つ」 信田さよ子
*「毒になる親」 スーザン・フォワード
*「ずっと「イヤ」って言いたかった」 心屋仁之助