■学校名
栃木県立矢板東高等学校
■代表者名
清水映太 (高校2年)
■他メンバー
笹沼心美(高2)、本間咲(高2) 、佐藤青弦(高2)、渡辺倖生(高2) 、髙野双葉(高2)
■担当教員(指導者)
坂本 慶
■作品概要
地域活性化案として、各地域に点在する特徴ある馬頭観音にスポットをあて、地域を巡るツアー企画を考案した。この企画を通して、参加者は地域の歴史を知るきっかけを得ることができると同時に、それぞれの地域の共通点や異なる点を感じることができ、地域の持つ歴史の面白さを実感できる。私たちの住む栃木県北部は、かつては広い農村地帯であり、昔から馬と結びつきが強い生活をしてきた。そのため、地域には馬頭観音が多く残っている。この地域に残る馬頭観音を観光資源として活用するための手立てとして①全国馬頭観音のイラスト化、キャラクター化②全国馬頭観音イケメングランプリ③馬頭観音ラリーの3つの案を考案した。PRポイントとして、情報のQRコード化、デジタルイラスト化など、高校生の私たちでもできる情報発信方法を取り入れている点である。また3つの企画案は、全国どこの自治体でも同様の企画運営ができることも魅力である。
■探究の動機や目的
「馬探 2022」の作品募集があると知ったことで、今回本格的に探究を行った。本校の同好会は 2019 年に活動を開始し、最初の探究テーマが地域の馬頭観音に関する民俗学的調査であった。今回は 2019 年の調査記録に加え、新たに4市町村のフィールドワークを実施し作品を仕上げた。地域に点在する石碑石仏の中で、栃木県北部は馬頭観音が圧倒的に多く、昔の生活の中で馬との関わりが強かった地域といえる。しかし、そういった地域の歴史に興味を持つ友人はあまりおらず、何か対策をしなければいつか忘れられていくと危惧した。そのため、高校生である私たちが積極的に馬頭観音の魅力を発信し、地域経済の活性化につながるような企画案を提案したいと思い、今回の応募に至った。
■探究の方法や内容
探究の方法として、メンバーで協議し、「地域の中で馬との関わり」をテーマに様々な案を出すことから始めた。その結果、同好会の行っている研究の継続という観点から、馬頭観音について調査範囲を広めてフィールドワークを行った。また市が編纂している市史から、昔の生活の中で馬との関わりがどのような点から見ることができるかを調べた。地域を調査すると、一言で馬頭観音と言っても、様々な馬頭観音が点在していることがわかった。このそれぞれ趣が異なる点に着目し、地域活性化案として多くの人が地域を巡ることを楽しめるツアーになるような企画を考えた。また民俗学的な要素を地域活性化案の中に盛り込むことで、今まであまり知られてこなかった地域の歴史を文化財とともに紹介できるような内容とした。
■感想と今後の課題
過去の研究を発展させて、矢板市の馬頭観音と別の地域のものを比較することができたが、フィールドワークを行った地域が広いため、地図を活用した分析まで至っていないことが課題である。また、専門家の意見を踏まえた考察に至っていないことも課題である。今後の課題として、馬頭観音に関する各地に残る民話や伝承などを伝え広めていける企画を検討していきたい。地域文化は継承していく必要があるため、具体的な手立てとして地域の馬頭観音に関する民話や伝承などを紙芝居動画のようにデジタル化し、高校生が地域の人と協力して伝え広げていけるようなアクションを起こしていくことを検討したい。そのために、市の生涯学習課と連携して何ができるかを相談していく予定である。