Methods
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当研究室ではユニークな装置を作っており、世界一や世界初がたくさんあります。それを使って新しい物性実験をしたりしています。組み合わせは自由自在です。なにができるかな・・・?
池田研ではポータブル機として世界最強磁場を発生できるポータブル100テスラ装置を開発しました。(Portable INtense KyokugenjibaでPINKシリーズと呼んでいます)。77テスラまでのPINK-01(2021年完成)と、110テスラを発生できるPINK-02(2024年完成@SACLA)とPINK-03(立ち上げ中@電通大)があります。PINK-02をX線自由電子レーザーSACLAと組み合わせることで、100テスラにおけるX線実験を世界に先駆けて達成しました(2024年6月)。これから、超100テスラ領域にいたる多彩な物質のミクロな格子変形を解明していきます。
池田研では完全自作でポータブルパルス磁場装置を作っています。本装置は研究室での多彩なテーマ開拓に利用するだけでなく、共用装置として活用します。すでにSACLA・島根大・京都大・関西光科学研究所・東大物性研を始めとした国内各所に設置し始めています。Rapsberry PiやPython、たくさんの汎用品を組み合わせています(PiMagとよぶことにしました)。1年の間に11台を完成させました(2023年製作開始、2024年完成)。これにより簡便な40テスラまでの物性研究や、ハイパワーレーザーと組み合わせた磁場とプラズマの研究、さらに、ユニークなパルス磁場実験の開拓が可能となりました。
A. Ikeda, et al., J. Appl. Phys. 136, 175902 (2024) (Open Access)
池田暁彦、固体物理, Vol 59, No. 6, 303 (2024)
池田研ではパルスマグネットとベクトルマグネットを組み合わせた、ベクトルパルスマグネット(VPM)を試作しています。パルスマグネットは通常では得られない強い磁場を作るのに利用されます。一方で、磁場の方向を自由に制御するためはベクトルマグネットが利用されています。
ベクトルパルスマグネットの特徴は、5テスラ以上の磁場をミリ秒で高速回転できることです。従来に比べて100万倍早くデータを取得できます。これを利用して、異方性を有する単結晶に対して、すべての方向に磁場をかけ、物質の異方性に関する情報をす3次元可視化することを目指しています。トポロジカル物質や、非自明な対称性を有する磁性体の物性解明に威力を発揮すると期待しています。
K. Noda, A. Ikeda et al., arXiv:2504.14896
パルス磁場中で4端子磁気抵抗測定をしています。1mA、1 MHz程度の振動電流と数値ロックイン法を利用して、サンプルの磁気抵抗を測定します。
A. Ikeda et al J. Appl. Phys. 136, 175902 (2024)
光ファイバ型のひずみゲージであるファイバーブラッググレーティング(FBG)に着目し、独自に光フィルター法を実装することで、超高速磁歪計測を実現しました。
A. Ikeda et al., Rev. Sci. Instrum. (2017)
A. Ikeda et al., Rev. Sci. Instrum. (2018)
池田暁彦他、固体物理(2019)
ピックアップコイルを使って磁化測定をしています。
A. Ikeda et al J. Appl. Phys. 136, 175902 (2024)
キーエンスの250 Hz高速カメラ付き顕微鏡と20msロングパルスマグネットを組み合わせて、磁場中の逐次イメージングを企画しています。
0.1mmと省スペースで、偏光保持など保持特性を有するシングルモードファイバーを活かして、磁場計測、物性計測に応用しようとしています。
電磁濃縮法を利用して1000テスラに至る超強磁場領域まで、いろんなマクロ物性計測が出来ます。磁場発生の原理は、高速に収縮する金属筒(ライナー)が初期磁束を濃縮するものです。ここ15年で、磁場発生技術と物性計測技術が大きく進展しました。 物性研にあります。
D. Nakamura, A. Ikeda et al., Rev. Sci. Instrum (2018)
一巻きコイル法では、300テスラまでの磁場を比較的簡便に発生することができます。 いろんなマクロ物性計測が出来ます。物性研にあります。