(井川に移住した遠藤さんのお話より)
二日間井川に滞在してみて、普段私が暮らしている地域とは大きく異なる住民同士のつながりを感じた。また、同じ静岡市内なのにもかかわらず市街地ではあまり見慣れない風景や自然が広がっていた。
2.井川の問題
井川では深刻な人口減少が問題になっており、特に子供が圧倒的に少ないと思った。二日間の散策を通しても、現地の子供にはほとんど会うことができなかった。井川に他の地域から移住してくる人もいるが、やはり最初は周りから“よそもの”と捉えられてしまう。しかし、一緒に時間を過ごしていくことで少しずつ距離が縮まっていくのだと伺い、移住後の問題も見えてきた。また、実際に井川へ移住した方は最初に地域の代表の方から「車ですれ違う時は必ず手を挙げて挨拶するように」と言われた、とおっしゃており確かに実際に車道で手を挙げ挨拶をしている人同士は住民なのだと分かった。
また、音楽祭の実施などを通し井川は魅力づくりを行っている。地域交流は他の地域の人が集まってきたりするので経済効果が期待できるのだと分かった。しかし、著しい人口減少に伴い伝統行事の存続が不可能になってきており、地域特有の技術なども継承する若者がいないことが問題視されていた。一方で、20年で400人もの人口が減少しているということをプラスに捉え、人が少ないことを魅力と考える見方もあり、とても驚いた。
3.地域における芸術とネットワークづくり
青森での経験を通した長谷川さんのアートのお話と、行政により確立されたSPACに所属する横山さんのお話はとても対照的だと感じた。芸術もそれぞれの地域に対応させ、形を変えていくものなのだと思った。公演に特色を出し、継続的に行うことの重要性を実感した。
4.二日間を通して
私は井川に行く前は、どのようにして魅力を発信し、移住者を増やすかしか考えていなかったが、実際に行ってみて、また井川支所の方や現地の方、様々な大人の方と話していくうちに考えが変化していった。できるだけ多くの人に訪問してもらうことよりも井川の静かさや自然、人とのつながりを大切にしてくれる人が定期的に訪問することのほうが重要なのではないかと考えるようになった。また、移住者を増やすことはその地域の人口は増えても、どこかの地域で減少しているということなので、それよりも交流人口を増やすことに重点を置くべきなのだと感じた。近いうちにまた井川を訪問したいと思う。
~返信~
萩原さん。まずは、おつかれさまです。1日目はかなり長い距離歩きましたね。笑
でも、何事もなく井川で2日間を過ごすことができて本当によかったです。
私も萩原さんと同じことを感じました。
私がこのワークショップを通して一本印象的に思ったことは地域に住んでいる方の想いを最後に改めて伺ったところ、交流人口を増やしたいというようなことをお話しくださったあと、「お友達が欲しい」という言葉を使ったことでした。「お友達」という言葉がとても強く残っています。地元の方々が求めていることは本当に大きなことではなくて、特に30代・40代くらいの方々は個人的に何か共通の話題で楽しめる同世代の相手が欲しいというささやかなものでした。
移住者のお話を聞くと移住のきっかけの多くは個人的なつながりや井川に対しての個人的な思い入れだということが分かりました。
まだ井川を知らない「井川に個人的な思い入れを持ってくれる方々」がつながるきっかけを作るということは活性化の一つの方法ではないかと思いました。私もまた行こうと思います。