(writer:石部)
6月22日宇津ノ谷地区の空き家の活用の現実的可能性についてを検討していく「宇津ノ谷KOMINKA活用検討研究会」が開催されました。この日の趣旨は、「例えば宇津ノ谷の3件の空き家の活用方法として出ている『民泊』としての利用方法を検討し、事業主体、資金調達の方法を探る」というものでした。
27年間様々な空き家の活用に携わってきた方からこの事業の詳細を説明していただけました。
確認しておきたいことが何点かあります。
まず、この事業の目的は「歴史的な宇津ノ谷の街並みの維持をしつつ、外国人観光客をとりいれること。」だそうです。
私はこの話を聞いたとき「外国人観光客」イメージが強く、それに伴う宇津ノ谷の活性化を図るものだばかり考えていましたが、
それももちろん結果的に持ち込みたいところではあるようですが、一番は宇津ノ谷の景観をよりベストな形でより多くの人に知ってもらうことなようです。
あくまで問題とする根底は景観であるのに、2020年に向けて国からのお金がおりるために観光という切り口からアプローチするのは矛盾しないかという終盤で議論も起こりました。何を目的にして事業を進めているのかはこれからブラッシュアップしていくうえで(仮に変更されるとしても)何度も見直すことになると思うので、論議するすべての人がきちんと正しく理解しておく必要があると思います。私たちもきちんと把握しておく必要があります。これがまず、一点。
また、この事業に至った理由として人に通過型ではなく滞在型として来てもらえること。
そして、宇津ノ谷地区の景観地域資源を活用、その良さを体感してもらえることを挙げていました。
この事業で見込まれるメリット
長崎県の佐世保港から高速1時間ほどかかる島の例も参考にしていきたいところだと思います。
隠れキリシタンの島。人口は3000人強だった→でも急激に減少。
7棟古民家、1棟のレストランを作る。3億くらいかかる→国の交付金と市の助成金+財団
20から30年くらい経った物件。→資産価値がない。7棟とも寄付。
「おじかアイランドツーリズム」
→簡単ではなかった。でも、観光においては賑わってきている。
重要ポイント→大阪のキーマン+移住キーマンの存在。(神奈川、熊本、福岡からの移住者)
二つ目に この方は宇津ノ谷の他に「丸子、蒲原、由比、オクシズ」など様々な地区でこのような活動をされました。
このような活動で欠かせないのはやはり地域の方の前向きな姿勢です。実際に運営していくうえで地域の方と無関係にはできないので、3,4回の意見交換会を通して、地域の方のご意向にできるだけ沿う形で進めて行ったようです。私の意見としては、本当は欲を言えばこのような提案は地域の方の強い想いから一丸となってアプローチを図る場合はそれぞれのベクトルが同じ方向を向いているため、一番近道ではあると考えます。この点に関して後ほど問われるのですが、地域の方々とのコミュニケーションはこの事業に関してはまだとれていない状況だそうです。地域の方の意見もきちんと取り入れていく必要があるという点が二つ目です。
今回は地域の方々とのコミュニケーションをスムーズに取り入れていくために私たち学生が協力できることもあるのではないかというのが私の考えです。
この後、資金調達のためのファンドのお話がありました。
お金に関しては学生が入るスペースはほとんどないと考えています。でも 一番興味深かったことを一点紹介します。
国からの交付金、市からの助成金はもらうことだけを考えればいいのですが、資本金には配当が生じることからどこからどうお金を借りるかが重要になります。そしてこれを考える上で、事業主体が一体誰になるかがとても重要になってきます。例えば、中には採算を優先しないファンドもあるようで、観光活性ファンドというものがあります。ですが、これは最初から採算を考えないことから、非営利法人には提供しません。資金調達をするといっても主体が誰になるのかが決まらなければ進まないという印象を持ちました。静岡版の地域活性化ファンドもあるようで、確実ではないかもしれないけれど余力はあるようなのでこの話は一番現実的なところなのではないかと率直には思いました。
運営資金はそこまで必要としないだろうと予想できるようですので、問題は最後までしっかり責任持って事業を執り行う事業主体の存在だと考えられます。
厳しい意見もありましたが、私たち学生にできることはあるという印象を持ちました。
地域・行政・民間を「学生」が結ぶことはできると思います。
その意味でも6月27日の宇津ノ谷訪問で学生から見た様々な視点と、これからは地域の方とのコミュニケーションを図る意味でも大きな意味があると考えます。