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民事裁判を考えるとき、「弁護士費用はいくらかかるのか」「裁判所に払う費用はどのくらいか」等と不安になる方も多いと思います。
民事裁判にかかる費用は、主に、
・裁判所に納める申立手数料
・弁護士費用
・証拠収集や鑑定などにかかる費用
・交通費などの実費
に分けて考えると分かりやすくなります。
費用の仕組みを知らずに裁判をあきらめる必要はありません。利用できる制度や保険がないかも含めて、事前に確認することが大切です。
民事訴訟を起こす際には、裁判所に申立手数料を納めます。
申立手数料は、原則として請求する金額(訴額)によって変わります。請求額が大きくなるほど、手数料も高くなります。
2026年5月21日から民事裁判手続のデジタル化が進み、新しい制度が適用される事件では、申立手数料は原則としてペイジーを利用して納付します。また、電子申立てを利用した場合には、書面による申立てより申立手数料が1,100円安くなります。
そのため、「とりあえずできるだけ高い金額で請求する」のではなく、何をどの根拠で請求するのかを弁護士と確認しておくことも大切です。
弁護士費用は全国一律ではありません。
一般に、
・法律相談料
・着手金
・報酬金
・実費
・日当
などが発生する場合があります。
着手金や報酬金の計算方法も法律事務所によって異なり、請求する金額や最終的に得られた金額などを基準に計算する契約もあります。
そのため、依頼する前に、
「最初にいくら必要なのか」
「途中で追加費用が発生するのか」
「報酬金は何を基準に計算するのか」
「控訴・上告に進んだ場合には別途費用が必要なのか」
などを確認しておくことが大切です。
交通事故のような不法行為に基づく損害賠償請求では、訴訟を行った場合、一定の範囲で弁護士費用相当額が損害として認められることがあります。
しかし、これは、実際に依頼した弁護士へ支払う着手金や報酬金の全額を、相手方が負担してくれるという意味ではありません。
また、裁判所がいう「訴訟費用」にも、通常、弁護士費用は含まれません。
訴訟費用は、基本的には敗訴した側が負担します。
ただし、請求の一部だけが認められた場合には、一部勝訴・一部敗訴となり、訴訟費用をどのように負担するかは裁判所が定めます。
したがって、「弁護士費用」と「訴訟費用」は、分けて考える必要があります。
自動車保険などには、交通事故の法律相談費用や弁護士費用を補償する「弁護士費用特約」が付いている場合があります。
本人が契約している保険だけでなく、契約内容によっては家族の保険などが利用できる場合もあります。
そのため、事故後は、自分や家族が加入している自動車保険、火災保険、その他の保険に弁護士費用特約が付いていないか確認してみることをおすすめします。
利用できる範囲や限度額は契約によって異なるため、保険会社や代理店に確認してください。
経済的に余裕がない場合には、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる場合があります。
法テラスでは、一定の収入・資産基準を満たす方を対象に、
・無料法律相談
・弁護士費用等の立替え
を行っています。交通事故の損害賠償請求などの民事事件も対象です。
費用の立替えを利用するためには、原則として、
収入・資産が一定基準以下であること
勝訴の見込みがないとはいえないこと
民事法律扶助の趣旨に適すること
という条件があります。
立替えられた費用は、原則として法テラスへ分割で返済します。利息はありません。 経済状況などによって、返済の猶予や免除が認められる場合もあります。
裁判所に納める訴訟費用を支払うことが難しい場合には、**「訴訟上の救助」**という制度があります。
これは、資力が乏しい方について、裁判所に納める訴訟費用の支払いを猶予する制度です。
原則として、費用そのものを免除する制度ではありません。
また、申立ての内容から勝訴の見込みがないことが明らかな場合には認められないことがあります。
法テラスの民事法律扶助とは別の制度なので、費用面で困っている場合には両方を確認するとよいでしょう。
民事裁判では、裁判所と弁護士に支払う費用だけでなく、証拠を集めるための費用がかかることもあります。
例えば、
・刑事記録等の謄写費用
・医療記録の開示費用
・写真・映像等の取得費用
・専門家への意見書や鑑定の依頼費用
・遠方への交通費
などです。
事件によっては、こうした費用が決して小さくありません。
「裁判をするための総費用として、どこまで必要になりそうか」を弁護士と相談しておくことも大切です。
弁護士に依頼した場合、相手方から支払われる賠償金を、弁護士の預り金口座で受領することがあります。
その場合には、
・賠償金がどの口座に振り込まれるのか
・入金後、いつ依頼者へ送金されるのか
・着手金、報酬金、実費等として何が差し引かれるのか
・精算内容をどのような形で確認できるのか
について、依頼時や解決前に確認しておくと安心です。
弁護士が賠償金を受領すること自体は珍しいことではありません。
大切なのは、受領方法と精算方法を依頼者自身も把握しておくことです。
弁護士へ依頼するときには、説明を聞くだけでなく、委任契約書や報酬についての書面を確認しておくことが大切です。
特に、
・着手金はいくらか
・報酬金の計算方法
・実費は別途必要か
・請求額を変更すると費用も変わるか
・控訴・上告の場合は別契約になるか
・途中で依頼を終了した場合の精算方法
・賠償金を誰が受領し、いつ精算するか
について確認しておくと、後からの行き違いを減らすことができます。
分からないところがあれば、契約前に質問して構いません。
費用が心配だからといって、最初から民事裁判をあきらめる必要はありません。
弁護士費用特約
法テラスの民事法律扶助
訴訟上の救助
など、利用できる可能性のある制度があります。
一方で、民事裁判には裁判所への手数料だけでなく、弁護士費用や証拠収集費用などもかかります。
そのため、
「裁判をした場合に、どのくらいの費用が必要になる可能性があるのか」
「利用できる制度や保険はないか」
「弁護士費用はどのように計算されるのか」
を事前に確認し、無理のない方法を選ぶことが大切です。
■ 裁判所「手数料」
民事訴訟などの申立手数料や手数料早見表が掲載されています。
裁判所「手数料」
■ 裁判所「訴訟費用について」
訴訟費用に含まれるものや、訴訟上の救助について説明されています。
裁判所「訴訟費用について」
■ 法テラス「民事法律扶助業務」
無料法律相談や弁護士費用等の立替制度について案内されています。
法テラス「民事法律扶助業務」
■ 法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」
利用条件、費用の立替え、返済方法などが掲載されています。
法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」
確認日:2026年9月5日