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被害者参加制度は、一定の犯罪の被害者やご遺族等が、裁判所の許可を受けて刑事裁判に参加できる制度です。
交通事件では、過失運転致死傷、危険運転致死傷などが対象となります。
被害者参加制度を利用すると、公判期日に出席するだけでなく、一定の範囲で証人や被告人に質問したり、事実や法律の適用について意見を述べたりすることができます。
被害者本人のほか、被害者が亡くなった場合には、その配偶者、直系親族または兄弟姉妹が、被害者参加制度を利用できる場合があります。
実際に参加するためには、裁判所の許可が必要です。
被害者参加制度は、事件が起訴された後の刑事裁判に参加する制度です。
制度の利用を希望する場合は、担当検察官へ申し出ます。検察官は、ご遺族からの申出に意見を付けて裁判所へ通知し、裁判所が参加を許可するかどうかを判断します。
被害者参加制度の利用を考えている場合は、起訴前から担当検察官へその意向を伝えておくことができます。正式な申出の時期や必要な手続については、担当検察官へ確認してください。
裁判所の許可を受けた被害者参加人は、一定の要件の下で、次のことができます。
・公判期日に出席する
・検察官の訴訟活動について意見を述べ、必要に応じて対応理由の説明を受ける
・情状に関する事項について証人に質問する
・事件の事実や法律の適用、被告人に科す刑について意見を述べる
質問や意見陳述は、希望すれば必ずそのまま行えるものではありません。内容に応じて検察官への申出や裁判所の許可が必要になります。
意見陳述と証人尋問は、どちらも法廷でご遺族が話す機会ですが、その目的と法律上の扱いが異なります。
意見陳述では、被害によって受けた苦しみや生活への影響、被告人や処罰についての意見などを述べることができます。
被害者参加人は、これに加えて、証拠調べが終了した後、事件の事実や法律の適用、被告人に科す刑について意見を述べることができます。具体的な刑について意見を述べることもできますが、その意見自体が証拠になるものではなく、裁判所が意見どおりの刑を言い渡すとは限りません。
一方、証人尋問では、ご遺族が実際に見聞きしたことや、被害後の状況などについて、証人として証言します。裁判所が採用して取り調べた証言は、刑事裁判の証拠になります。証人は宣誓を行い、検察官からの質問だけでなく、弁護人から反対尋問を受ける場合があります。
証人尋問は、ご遺族が希望すれば必ず行われるものではありません。通常は、検察官などが証人尋問を請求し、裁判所が必要性を判断して採用します。
証人として話すことを希望する場合や、どの方法で意見や被害の実情を伝えるか迷う場合は、早めに担当検察官や被害者参加弁護士へ相談してください。
被害者参加制度を利用する場合には、担当検察官から、起訴された内容、裁判で提出される予定の証拠、争点、公判の日程などについて説明を受けます。
確認したいことや被告人などに質問したいことがある場合は、事前に整理して担当検察官へ伝えておくことが大切です。
ただし、検察官はご遺族の代理人ではなく、公益の代表者として刑事裁判に関わります。ご遺族自身の立場から法的な支援を受けたい場合は、被害者参加弁護士への依頼を検討することができます。
被害者参加人は、弁護士へ委託して、被害者参加に関する手続や公判への対応について援助を受けることができます。
被害者参加弁護士には、次のような支援を依頼できます。
・担当検察官との連絡や打合せ
・刑事裁判の流れや提出証拠についての説明
・証人や被告人へ質問する内容の整理
・法廷で述べる意見の整理
・公判期日への同行や法廷での援助
経済的に余裕のない被害者参加人は、国が弁護士の報酬や費用を負担する「国選被害者参加弁護士制度」を利用できる場合があります。
国選被害者参加弁護士の選定を希望する場合は、法テラスへ申し出ます。資力などの利用条件があるため、詳しくは法テラスへ確認してください。
被害者参加制度を利用するかどうかを検討するときは、担当検察官や弁護士へ、次の点を確認することが考えられます。
・どの公判期日に出席することになるか
・法廷内のどこに座るか
・どのような証拠が提出される予定か
・証人や被告人への質問ができるか
・意見を述べる機会と方法
・被告人やその家族と接触しないための配慮
・付き添いや遮蔽などの配慮を受けられるか
・被害者参加弁護士へ依頼できるか
・交通費などの支給を受けられるか
事件や裁判の状況によって対応が異なるため、具体的な手続は担当検察官、裁判所または被害者参加弁護士へ確認してください。
被害者参加制度を利用すると、裁判を身近で確認し、ご遺族の意見を直接伝えられる場合があります。
一方で、事故の状況や被害者の負傷状況、被告人の供述など、非常につらい内容に触れることがあります。被告人を間近で見ることや、長時間の公判へ出席することが大きな負担になる場合もあります。
被害者参加制度を利用しても、すべての公判期日に出席する義務があるわけではありません。また、証人や被告人への質問、意見陳述などのすべてを行わなければならないわけでもありません。
体調や希望を担当検察官や被害者参加弁護士へ伝え、どの公判期日に出席し、どの手続を希望するか相談してください。
▶︎ 刑事手続における犯罪被害者のための制度
https://www.courts.go.jp/about/hogosisaku/seido/Index.html
▶︎ 法務省「公判段階での被害者支援」
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-4.html
▶︎ 法テラス「被害者参加人のための国選弁護制度」
https://www.houterasu.or.jp/site/higaishashien/hanzaihigai-seido-4.html