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通事故・交通犯罪で大切な人を亡くした場合、加害者側の自賠責保険や任意保険、損害賠償とは別に、公的な給付や支援制度を利用できる場合があります。
例えば、
・労災保険
・遺族年金
・健康保険の埋葬料・埋葬費
・政府保障事業
・学校管理下の災害共済給付
・自治体の見舞金・貸付制度
・NASVAの交通遺児等貸付
・犯罪被害給付制度
などです。
ただし、制度によって対象となる事故、受給できる人、請求期限、他の給付や損害賠償との調整方法が異なります。
「交通事故だから使える」「犯罪として刑事事件になったから使える」とは限りません。
ご自身のケースで利用できる制度がないか、一つずつ確認してみることが大切です。
亡くなった方が仕事中や通勤途中に交通事故に遭った場合には、労災保険の対象になる可能性があります。
交通事故のように第三者である加害者がいる場合も、労災保険では「第三者行為災害」として扱われることがあります。
この場合、ご遺族には加害者側への損害賠償請求権と、労災保険への給付請求権の両方が生じることがありますが、同じ損害について二重に補償されないよう調整が行われます。 (Labor Bureau Locations)
死亡の場合には、要件を満たせば遺族(補償)等給付や葬祭料・葬祭給付などが関係します。
勤務先や所轄の労働基準監督署に確認してください。
亡くなった方が国民年金や厚生年金に加入していた場合、一定の要件を満たすご遺族は、遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取れる場合があります。
遺族基礎年金は、一定の要件を満たす場合、亡くなった方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」が対象です。
遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者等であった方が亡くなった場合に、要件を満たす遺族が受け取れる制度です。 (Nenkin)
亡くなった方の加入状況や、ご遺族が対象になるかどうかを、年金事務所や日本年金機構で確認してください。
国民年金には、遺族基礎年金とは別に、一定の要件を満たす場合の死亡一時金や寡婦年金があります。
死亡一時金は、第1号被保険者として一定期間保険料を納めた方が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなった場合などに、要件を満たす遺族へ支給されます。
死亡一時金は保険料納付月数に応じて12万円~32万円で、請求する権利の時効は死亡日の翌日から2年です。
遺族基礎年金を受けられる場合には死亡一時金は支給されず、寡婦年金を受けられる場合には、どちらか一方を選択します。 (Nenkin)
遺族年金の対象にならない場合でも、別の給付がないか確認してみてください。
亡くなった方が健康保険に加入していた場合には、埋葬料・埋葬費が支給されることがあります。
協会けんぽの場合、被保険者が業務外の事由で亡くなったとき、被保険者により生計を維持されていた方には埋葬料5万円が支給されます。
そのような方がいない場合には、実際に埋葬を行った方に、5万円の範囲内で実際に埋葬に要した費用が支給されます。
また、被扶養者が亡くなった場合には、被保険者に家族埋葬料5万円が支給されます。 (Kyoukai Kenpo)
加入していた健康保険によって手続等が異なる場合があるため、勤務先や加入していた健康保険へ確認してください。
※業務上・通勤中の死亡の場合には、労災保険の葬祭給付等が関係するため、そちらも確認してください。
ひき逃げで加害車両が特定できない場合や、加害車両が自賠責保険・共済に加入していなかった場合には、通常の自賠責保険から補償を受けられないことがあります。
そのような被害者を救済する制度が、国土交通省の「政府保障事業」です。
政府保障事業は、ひき逃げ事故や無保険事故について、健康保険・労災保険などの社会保険給付や加害者からの支払いを受けてもなお損害が残る場合に、一定の範囲で国が損害をてん補する制度です。 (MLIT)
自賠責保険とは別の制度ですので、ひき逃げや無保険車事故の場合には早めに確認してください。
子どもや学生が、学校や園の管理下で交通事故などに遭った場合には、日本スポーツ振興センター(JSC)の災害共済給付の対象となる場合があります。
対象となる学校等の管理下での災害について、
・医療費
・障害見舞金
・死亡見舞金
などが支給されます。 (Japan Sport Council)
登下校中などが学校管理下に当たる場合もあるため、事故が学校や通学と関係している場合には、まず学校へ確認してください。
都道府県や市区町村の中には、犯罪被害者やその遺族を対象に、
・遺族見舞金
・傷害見舞金
・無利子貸付
・転居費用等の支援
・生活支援
などを行っているところがあります。
ただし、制度の有無、対象となる犯罪や事故、支給要件、金額は自治体ごとに異なります。 (National Police Agency)
交通事故・交通犯罪が対象になるかどうかも制度によって異なるため、お住まいの都道府県や市区町村の犯罪被害者等支援窓口などへ確認してください。
自動車事故によって保護者が亡くなった場合などには、NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)の交通遺児等貸付を利用できる場合があります。
自動車事故により死亡または重度の後遺障害が残った方の中学校卒業までの子どもを対象に、一定の要件のもとで生活資金の無利子貸付を行っています。 (NHTSA)
利用には生活状況などの要件がありますので、対象になる可能性がある場合にはNASVAへ確認してください。
ここは、特に誤解しやすいところです。
犯罪被害給付制度は、故意の犯罪行為によって死亡、重傷病、障害などの重大な被害を受けた被害者や遺族を対象とする制度です。
過失犯は制度の対象から除かれているため、通常の過失による交通事故は対象になりません。 (National Police Agency)
したがって、「加害者が刑事裁判を受けた」「交通犯罪として処罰された」ということだけで、犯罪被害給付制度の対象になるわけではありません。
事故や事件の態様から対象になる可能性があるのか分からない場合には、警察の犯罪被害給付事務担当窓口へ確認してください。
公的な給付制度には、同じ損害について、
・自賠責保険
・任意保険
・加害者からの損害賠償
・労災保険
・その他の公的給付
との間で調整が行われるものがあります。
例えば、第三者行為による労災では、同じ損害について損害賠償と労災保険の双方から重複して補償されないよう、求償や控除による調整が行われます。 (Labor Bureau Locations)
犯罪被害給付制度でも、公的給付や加害者からの損害賠償を受けた場合には給付額との調整が行われる場合があります。 (National Police Agency)
そのため、「一つの制度からお金を受け取ったので、ほかの制度は確認しなくてよい」とは限りません。
まず利用できる制度を確認し、そのうえで他の給付との調整について窓口に確認してください。
公的な給付には、対象になっていても、ご遺族が申請しなければ支給されないものがあります。
事故後は、葬儀、警察・検察とのやり取り、保険会社への対応などが重なり、制度を調べる余裕がないこともあります。
落ち着いた段階で、
・亡くなった方の勤務状況
・年金の加入状況
・健康保険の加入先
・学校・通学との関係
・ひき逃げ・無保険車かどうか
・子どもの生活支援制度
・自治体独自の制度
を一度確認してみてください。
公的な制度にも、それぞれ請求期限があります。
制度によって期限の起算点も異なります。
例えば、国民年金の死亡一時金は死亡日の翌日から2年です。 (Nenkin)
制度の存在を知ったときには、「自分たちは対象になるのか」「いつまでに申請する必要があるのか」をあわせて確認してください。
交通死亡事故では、加害者側の保険や損害賠償だけでなく、
・労災保険
・遺族年金
・死亡一時金・寡婦年金
・健康保険の埋葬料・埋葬費
・政府保障事業
・学校の災害共済給付
・自治体独自の見舞金等
・NASVAの交通遺児等貸付
などが利用できる場合があります。
一方、犯罪被害給付制度は、過失による交通事故には適用されません。
制度によって、対象者、請求期限、他の給付との調整方法が異なります。
「自分たちは対象ではないだろう」と最初から決めつけず、利用できる可能性がある制度を一つずつ確認してみることが大切です。
■ 厚生労働省「第三者行為災害のしおり」
交通事故など第三者がいる労災と、民事損害賠償との調整について説明されています。
厚生労働省「第三者行為災害のしおり」
■ 日本年金機構「遺族年金」
遺族基礎年金・遺族厚生年金について案内されています。
日本年金機構「遺族年金」
■ 日本年金機構「死亡一時金」
死亡一時金の要件、金額、請求期限などについて案内されています。
日本年金機構「死亡一時金」
■ 協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」
健康保険の埋葬料・埋葬費・家族埋葬料について説明されています。
協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」
■ 国土交通省「政府保障事業」
ひき逃げ・無保険事故などの場合の救済制度について案内されています。
国土交通省「政府保障事業」
■ 日本スポーツ振興センター「災害共済給付」
学校等の管理下の災害に対する医療費・障害見舞金・死亡見舞金について案内されています。
日本スポーツ振興センター「災害共済給付」
■ 警察庁「地方公共団体における制度」
自治体の犯罪被害者等見舞金、貸付、住居・生活支援などが案内されています。
警察庁「地方公共団体における制度」
■ NASVA「交通遺児等貸付」
自動車事故で保護者を亡くした子どもなどを対象とする無利子貸付について案内されています。
NASVA「交通遺児等貸付」
■ 警察庁「犯罪被害給付制度」
制度の対象や手続について案内されています。
警察庁「犯罪被害給付制度」
確認日:2026年9月6日