<戦争とニッカ その2>
「余市町でおこったこんな話」からご紹介
「余市町でおこったこんな話」から<戦争とニッカ>の続きをご紹介します。
その2年後、仙台にあった第四兵団司令部から 4人の米軍将校が、うちニ人は奥さんを伴って北海道へ熊撃ちにやってきました。
一行はリタさんの体調を心配してニッカへ立ち寄リ、薬やビタミン剤を届けてくれました。
竹鶴さんはウイスキーを2本、お礼の気持ちをこめて彼らへ渡しました。
心温まる交流は、これて終わリませんでした。平成16 (2004)年3月、一通の手紙が竹鶴さんの息子、威さんあてに届きました。
熊撃ちの一行は、竹鶴さんからもらったウイスキーボトルを空けることなく、本国に大事に持ち帰っていたのでした。医師でもあった将校のウォルターさんからの手紙の一部を紹介します。
「1997年、ロイド・モーゼズ司令官、そして私の妻とともにそのうちの一本をあけて、ニンカウヰスキーと余市に祝杯をあげました。残リの1本のウイスキーは私のもとにあリ、同封いたしましたのはそのボトルケースの写真です。
私たちは、このウイスキーをあなたに送りたいと思っております。あなたのお父上(竹鶴政孝さん)と、貴社の伝統が私たちにもたらしてくれたこの素晴らしい贈リ物をあなたと共に分かち合いたいのです。」(了)
・ウォルターさんから送られてきたボトルはニッカウヰスキー内のニッカミュージアムに展示されています。