中村研究室(兵庫県立大学大学院 情報科学研究科)
非線形データ解析 ~データから読み解く現象の内面の姿(見えている、知っている世界が全てじゃない)~
非線形データ解析 ~データから読み解く現象の内面の姿(見えている、知っている世界が全てじゃない)~
この世界はデータであふれています。しかし、データそのものは意味のない数字の羅列であり、それ自体では何も語りません。データに意味を持たせるには解釈が必要であり、その解釈には枠組みが必要となります。枠組みとは、どのような前提や構造のもとでデータを理解するかを定める考え方であり、状況や背景を踏まえてデータの意味を読み取るための文脈を与えるものです。枠組みが変われば、データの意味も変わります。私は、このようにデータの解釈のために用いられるさまざまな枠組みを「データ解析」と呼んでいます。データは、データ解析という枠組みを通して初めて意味を持ちます。
私の研究は、数学とコンピュータの力を借りて行う「データ解析」です。私にとってデータ解析とは、経験と知識、そしてデータとコンピュータを活用して、問題の発見や解決に取り組むことです。私は、時間や場所によって状態を変えるデータを扱うことが多くあります。データはどれも同じように見えるかもしれませんが、実際には千差万別です。そうしたデータの中でも、時間遅れや非線形が関わり、複雑な振る舞いを見せる現象に特に興味を持っています。
可能であれば、見本や手本のない研究をしたいと思っています。それは、誰も気付いていないドアを見つけ、そのドアを開けるような研究です。私は、考え方を考えたり作ったりすることが好きです。人と違う考え方をすれば人と違うものが生まれ、新しい考え方をすれば新しいものが生まれると考えています。ですから、私の行っている「データ解析」は、数学とコンピュータとデータを使った哲学のようなものかもしれません。少し堅苦しい言い方をしましたが、大人になった今でも子供心を失わず、素直で、やんちゃな研究をしたいと思っています。
私が考えるデータ解析やデータサイエンスについてより詳しい内容は、下記の『自分の研究であるデータ解析について思っていること』をご覧ください。
私に興味を持ってくれたり一緒に研究をしてみたいと思ってくれた方は、下記の『私と研究をしてみたいと(ちょっとでも)思ってくれた学生の皆さんへ』をご覧ください。
データ解析は、現実世界で起こる様々な現象の膨大なデータを、コンピュータを使って数学的な処理や統計的な処理をする応用数学の研究分野です。多くの人がイメージする、紙と鉛筆を使って数学の中にあるパターンや構造を解明しようとする数学は、『純粋数学』と呼ばれます。私はデータ解析を通じて、生体、社会、気象、経済、地震といった幅広い複雑な現象を扱い、それらの現象をシステムとして理解したり、様々な問題を発見したり解決したりすることを目指しています。
現象が現れるということは、その現象を生み出す何かしらの仕組みや原理があると考えられます。しかし、その仕組みが常に分かっているわけではありませんし、その対象を直接手に取って詳しく調べることが難しいことも珍しくありません。数学や物理の数式になっていない現象が今も多くあります。しかし、現象を観測して、データを測定することは、多くの場合可能です。そのようなデータは、しばしば現象を理解するための唯一の手掛かりになります。私の研究は、この現状を踏まえ、数学とコンピュータの力を借りて、現象の奥に潜む仕組みや原理などについて様々な考えを巡らせながら、データの特徴を統計的に調べたり、データのみを用いて現象の振る舞いを再現したり将来の動向を予測できるモデルを構築したりするものです。さらに、データの特徴を調べる新手法を提案したり、データに含まれる現象の特徴をより反映したモデルを構築するための新しい手法を開発したりしています。そのような作業の中で、これまで誰も気付いていなかったことを発見することもあります。
このようにして、私は数学とコンピュータの力を借りて、データを使って世の中で見られる現象の理解や問題解決に取り組んでいます。
私が取るアプローチは、主に以下の4つです。
研究分野を表すキーワード:時系列解析、統計的モデリング、力学系・動的システム、非線形現象、最適化問題、ネットワーク理論