統計的モデリング
statistical modelling

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現象の振る舞いを予測したり再現したり、現象が果たしている何らかの役割(機能)を表現したりするには、モデルは非常に有効です。ここでのモデルとは、ある規則に従い、様々な状態を数値で表現できる数式のことです。従来は、現象の基本原理に基づいたモデルが構築されていました。しかし、その基本原理が十分に解明されていない現象に対しては、従来のようなモデルを構築することが出来ません。一方で、現象を観測し、そのデータを得ることは比較的容易に出来ます。しかし、データを観測することが出来るとしても、その現象に関わっている要素が複数あったとしても、それら全てを観測できるとは限りません。観測できるデータが、その現象だけのときもあります。得られる情報が不完全で不十分なこのような困難な状況においても、データを用いて統計的なモデルを構築することができます。もし、作った統計モデルが元のデータと似た振る舞いを再現できたならば、その統計モデルはその現象にとって重要かつ必要な情報を持っていると考えられます。
定理や法則によって現象を解き明かすことは、誰もが認める科学的な手法です。しかし、現実に起こる現象は多様な要素が絡み合うため、因果関係について大まかに説明できても、その現象を理解するために必要な具体的な対処法を提供できないことが多くあります。統計モデルは現実的かつ具体的な方法であり、元データと似た振る舞いを再現できる統計モデル矛盾や問題が起きなければ、実用的なモデルとして扱っても良いと考えます。

オリジナルデータと、そのデータのみを用いて統計モデルを構築し、その統計モデルから生成されたシミュレーションデータ