フォアハンド

Classical vs Modern

1. Classic(al)

まずClassicの方は,体全体を1つのユニットと捉えて動かします。もちろん腕は身体の横から前へとスイングされますが,基本的に体のねじれ感はないかと思います。

2. Modern

Modernの場合は,ひねり・ねじれがあります。どこに起きるか。以下の3点挙げられていました。

1.下半身と上半身のねじれ

以下の黄色い線は腰骨の両端同士や肩の両端同士を結んだものですが,上半身と下半身が別の方向を向いていることがわかるでしょう。このねじれを活かすため,プロはオープンスタンス(両足を結ぶ線がベースラインと平行)で打つことが多いと言われます。

2. 上半身と肩のねじれ

上半身が前を向いても,まだ腕は出てこない状態です。(右のCGは,あとに紹介する動画に出てくるナダルのCG)

3. 前腕と手首(ラケット)

よく「グリップエンドからボールに向かう」と言われるやつですね。

以上観てきた3点は,奇しくも(当然のごとく?)以下の動画で説明されるナダルのフォアハンドの3つのカギに対応しているようにも思えます。

3. まとめ―どちらが良い悪いではなく

以上観てきましたが,最後にとても大事な点を2つ。

  1. どちらか一方が良くて,もう一方が悪いというわけではない
  2. スイング全体の流動性を意識する。場面場面を切り取って真似ても効果は薄い!

1.について。最初に示した動画の中でも言われていましたが,Modernの方はたしかにパワーは出るものの,習得には時間がかかるし,Classicalの方が安定しているとのことです。最近の若い生徒は,Modernの方がかっこいい,と考えてClassicalを軽視しがちに思えます。ですが,バンバン打ち込む若者をひょうひょうとクラシックなストロークでいなして打ち勝つ年配の人,みなさんみたことありますよね?笑 誰からのアドバイスも真摯に受けとめ,今回の記事を参考にしながら,そのアドバイスがどういう前提に立っているのかを意識した上で,自分の参考にするかどうかを決めるのがよいと思います。

2.について。たとえば「2. 上半身と肩のねじれ」でみたナダルのCG,なんかダサくないですか?笑 連続写真の一部を切り出してあの姿勢だけ真似ようとすると,硬く,ぎこちないスイングになってしまう可能性があります。しかしナダルのスイング動画をみてダサいと思う人は誰もいないはずです。全体としてバネのようにしなやかに打つ,その一部分を切り取っている姿勢であるということを忘れないでください。今は自分のフォームを動画に撮るのも簡単な時代です。瞬間瞬間に目が行くのはもっともですが,スイング全体の流動性に目を向けた改善も目指して欲しいと思います。