そもそもこの大脱走の記録をつけるにあたって一番重要なのは、東京から三県隣の私の地元の話である。車に乗る事が好きなのは、ここでの生活が始まりだったのだ。
都心外では基本的に車がないと生活できない。私の地元もそういう生活だ。電車の最寄駅も、一番近いコンビニに行くにも、まず徒歩では30分以上かかる。出かけるときはカーナビのテレビを見るか、音楽を聴いていて、運転しない身としては移動時間は楽しい。私の両親、特に父ときたら、相当な距離を走る。幼少期に毎年盆休みで旅行に行っていたが、必ず、前日の夜に出発して次の日の昼ごろに着く。夜行バスと同じだ。私が中学生の頃には遂に長崎まで行った。道路が繋がる範囲で言えば日本の最西端である。一昨年頃だか、母が東京に遊びに来た時に北海道土産を持ってきた。まさかと思ったが、お気に入りの新車でフェリーに乗って最北端まで行っていたようだ。歳をとるほど運転を控えていくものかと思っていたが、私の家族はどんどん走行距離を伸ばしていくようだ。