おすすめの書籍についての情報です。
高校生~大学の学部1-2年生ぐらいにお勧めします。教養書としても良いでしょう。
実況・料理生物学:大阪大学出版会
https://www.osaka-up.or.jp/book.php?isbn=978-4-87259-313-6
身近なところに存在する生物学の知識をきっかけとして、学部レベルの生物学に繋げる良書。阪大で行われていた授業を書籍化したとのこと。こんな授業を受けたかった。
ちなみに著者はデルコミン ニューロンの生物学 訳者でもある小倉先生。今ではやや古い本になるものの、良書であり、お世話になりました。
数学はインドのロ-プ魔術を解く / アチソン,デイヴィッド【著】〈Acheson,David〉/伊藤 文英【訳】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784150502928
※ハヤワカ書房の公式サイトで紹介が見当たらなかったため紀伊国屋のページへリンク
実のところ私は数学があまり得意ではなかったのだが、拒否感はあまりなかった。その理由の一つがこの本にあると思っている。数字遊びやジョークの話題から始まっているのに、気が付くとサイクロイドやらカオス理論のような数学の話題にどっぷり漬かることになる。やや古いので入手は困難かも、図書館などを探してみるのはいかがでしょうか。
『海馬―脳は疲れない―』 池谷裕二、糸井重里 | 新潮社
https://www.shinchosha.co.jp/book/118314/
『進化しすぎた脳』(池谷 裕二)|講談社
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000194499
『単純な脳、複雑な「私」』(池谷 裕二)|講談社
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000194791
池谷先生(東大)が執筆された書籍で、一般の方や高校生に向けて書かれているため読みやすい。脳と行動の広範な話題を取り上げている。私自身、これらの本が脳と行動の研究に進むきっかけになった。
『私たちは学習している』内容紹介
https://chitosepress.com/books/978-4-908736-22-3/
澤先生(専修大)の手による入門書。学習の定義から始まり、古典的条件づけや道具的条件づけのような基本的な話題など、学習心理学の初歩を読みやすくまとめている。詳しい紹介が見たければ、松井先生(阪大)の書評を見ると良い。
澤幸祐(著)私たちは学習している―行動と環境の統一的理解に向けて―ちとせプレス,2021年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/psychono/41/1/41_41.3/_article/-char/ja/
英文解釈の技術 | 桐原書店
https://www.kirihara.co.jp/products_list/contents_type=89
私がまともに英語を読めているとすれば、この参考書のおかげ。それまでフィーリングで英文を読んでいた自分に、文法に則してきっちり読むための基礎を仕込んでくれた。
学部生向けに今さら英語の受験参考書を挙げるなんて、と思う方がいるかもしれない。しかし、英語の品詞と機能を分解して理解し、妥当な対応関係を持つ日本語に訳す技術は身に付けて損はないし、良くできた受験参考書はその助けになる。解析的に読む技術があれば、論文などを正確に理解しやすい。
学部1 - 3年生ぐらいにお勧めの書籍です。
基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第4版 - 羊土社
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758121088/
大学教養レベルの生物学を学ぶならこの1冊から始めればよいと思う。図表もカラーで見やすく、授業でも使いやすい。
著者の和田先生は東京医科歯科大・教養部にいらっしゃったそう。直接お会いしたことはないが、現所属の先生から彼の様々な伝説を聞く機会があった。
理系総合のための生命科学 第5版〜分子・細胞・個体から知る“生命”のしくみ - 羊土社
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758121026/
教養レベルの生物学を高水準でまとめてきた教科書。基礎から学ぶ生物学・細胞生物学より少し難しいが、これだけ学べばまずは十分ではないか。
より詳しく知りたい人はキャンベル生物学を読めばよいかと思われる。レーヴン・ジョンソン生物学も個人的には捨てがたい(が、少し古いかも)。スター生物学という選択肢もある。
基礎から学ぶ統計学 - 羊土社
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758121217/
北大農学部発の統計学の教科書。図表が豊富で、どのようなデータを扱っているのか、どのような操作をしているのかがわかりやすい。
羊土社の教科書を連続して並べているが、別に私は羊土社の回し者ではない。ほかにもお世話になっている本はいくつかあるので、全体的に水準が高いのだと推測している。
昆虫―驚異の微小脳 -水波誠 著|電子書籍|中央公論新社
https://www.chuko.co.jp/ebook/2024/02/518849.html
恩師・水波先生(北大)が昆虫の認知機能と脳についてまとめた書籍。精緻な書き口で、重要トピックがまとまっている。水波先生を知っている人ならば、この本の "らしさ" をわかってくれるはず。
メイザーの学習と行動(二瓶社ホームページ)
http://www.niheisha.co.jp/isbn978-4-86108-045-6.html
言わずと知れた学習心理学の古典的な教科書。わかりやすく、網羅的。なるべく数学を使わずに解説を試みているのかな? という印象があるので、数学アレルギーがある人でも大丈夫かも。
最近の本では ドムヤンの学習と行動の原理 もおすすめ。
学部3 - 4年生から大学院生にお勧めします。
(MEDSi)株式会社 メディカル・サイエンス・インターナショナル / スタンフォード神経生物学
https://www.medsi.co.jp/products/detail/3573
神経生物学の基本書。脊椎動物、とくにほ乳類の話題がほとんどとなる教科書は多い中で、無脊椎動物にもフォーカスを当てながら幅広く取り扱っている。比較的新しい技術的な話題まで網羅されている点も高評価。
カールソン神経科学テキスト ー脳と行動ー 原書13版 - 丸善出版 理工・医学・人文社会科学の専門書出版社
https://www.maruzen-publishing.co.jp/book/b10121868.html
カラー版 神経科学 -脳の探求-〈改訂版〉 ※重版出来(2023年10月) - 西村書店
https://www.nishimurashoten.shop/?pid=181962768
どちらも世界中で使われる定番の神経科学の教科書。研究室の教科書ゼミで輪読したことが懐かしい。やや医学寄りで、ほ乳類中心の記載である点であることに留意。基礎研究の人は上記のスタンフォード神経生物学などと組み合わせるとバランスが取れるかも。
データ解析のための統計モデリング入門 - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b257893.html
いわゆる久保先生の緑本(北大)。生物学的な例示を伴っており、感覚的にわかりやすい。私が統計モデリングに手を出せるようになったきっかけはこの本と、久保先生の授業のおかげ。
学習心理学における古典的条件づけの理論 / 今田 寛【監修】/中島 定彦【編】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784563056711
※培風館のページが見つからなかったため、紀伊国屋書店のページにリンク
学習理論について専門的に学ぶ日本語書籍と言ったら、この本になるのではないか。
ちなみに、編者の中島先生(関西学院大)は動物心理学会の会長をなさっている(2025年現在)。無脊椎動物の学習も含めて網羅しており、私のポスター発表にも的確なコメントをいただいた。レジェンドに生きて会える幸運。
(MEDSi)株式会社 メディカル・サイエンス・インターナショナル / 細胞の分子生物学 原書第7版
https://www.medsi.co.jp/products/detail/4021
いわゆる鈍器。泣く子も黙る、最強の専門書の一冊。分子生物学を体系立てて学ぶために是非。
他の先生によるおすすめ書籍の情報です。
研究を始めて10年が経つことだし、俺をここまで連れてきた90 + 10冊を選んでみよう。 - ダーウィンのみみずとスキナーのねずみ
https://heathrossie-blog.hatenablog.com/entry/2025/01/01/172233
大阪大学の松井先生による選書です。
脳科学・神経科学入門ガイド|Daichi Konno / 紺野 大地
https://note.com/daichi_konno/n/n08162c9c71bd#01d6c8bc-32ef-4709-a26b-5eeff1607085
東大・池谷研の紺野先生による紹介。
人工知能を学ぶためのロードマップ - 東京大学松尾・岩澤研究室(松尾研)- Matsuo Lab
https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/lecture/learning-roadmap/
東大・松尾・岩澤研究室による選書やサービスの紹介。
Open Syllabus Analytics
https://analytics.opensyllabus.org/
世界中の大学のシラバスを集めて、よく使われる教科書を教えてくれるページ。ここで各分野について挙げられている書籍を読むと必要な力がつくはず。