裏表紙のヒミツ
裏表紙のヒミツ
一つ一つの音階は、別々に弾くと別の音に聞こえます。上の楽譜です。でも、下の楽譜のように一緒に弾くと和音となって、ハーモニーが生まれます。コード進行など、ご存じの方も多いでしょう。
それと同じで、アミノ酸もバラバラにあると、ただのアミノ酸ですが、一定の構造で並ぶと、とたんに驚きの働きを発揮します。ここでは書いたアミノ酸は、右から、アスパラギン酸、ヒスチジン、セリンです。この三つが下の絵のように近づくと、一番右のセリンがパワーアップし、化学反応を加速します。つまり、触媒として働きます。三つあるので「三組み触媒残基」といいます。
三組み触媒残基は、実は身の回りにたくさんあります。たとえば、みなさんの体の中で消化酵素として働いている「トリプシン」や、洗剤の「酵素パワー」でも同じような酵素が使われています。生物工学は、こんなふうに、いろんなところで役立っています。