サンゴ研究部では、これまでシュノーケルや体験ダイビングを中心に活動を続けてきました。海に親しみながら、サンゴの移植や観察に関わってきたのです。
これらの活動は、サンゴ保全を身近に感じるきっかけとして大きな意味を持っています。実際に海へ入り、自分たちの目でサンゴの様子を確かめることは、学びや意識を深めるうえでも重要な経験です。
しかし一方で、このような方法だけでは到達できる範囲や活動内容に制約があります。継続的かつ主体的に研究と保全を進めるには、限界も見えてきました。
これまでの活動では、外部の指導者やサポートに大きく依存する場面が多くありました。そのため、部員たちが研究の現場で主体的に動ける範囲には限りがありました。
もちろん、その支援は安全面や技術面で欠かせないものでした。多くの学びを支えてきたことも間違いありません。
しかし、サンゴを「守る」活動としてさらに一歩先へ進むには、別の視点も必要でした。用意された体験に参加するだけでなく、部員自らが必要な技術を身につけること。そして、調査や観察の現場に自分たちの力で立つことが重要ではないか...
そうした思いが、移植班の中で次第に強くなっていきました。
そこでサンゴ研究部は、2025年に大きな転換点を迎えました。研修の中で本格的なダイビングに取り組み、部員自らが主体となってライセンス取得に挑戦する方針を打ち出したのです。
これは単なる活動の幅の拡大ではなく、移植班の在り方そのものを、一段階引き上げる試みでもありました。
海中での行動範囲が広がれば、これまで近距離や浅場に限られていた観察対象や作業内容を見直すことができます。その結果、より専門的で実践的な保全活動へつなげられる可能性が生まれました。
また、ダイビングという新たな活動に本格的に取り組むようになったことで、移植班は「潜水班」へと新しく生まれ変わりました。この名称の変化は、活動内容の変化だけでなく、部員たちの意識がより主体的で実践的なものへと変わっていったことを示すものでもあります。
この新しい挑戦を支えたのが、MIC21との協賛です。ダイビングライセンス取得に関する支援を受け、部員たちは安全面と技術面の基礎をしっかり学ぶことができました。
同時に、実際の海洋調査の現場に立つための準備も進められました。これまでであれば難しかったのが、部員自身がライセンスを取得し、研修先で実際に潜って観察や実験を行うことです。
その形を実現できたことは、潜水班にとって非常に大きな前進でした。受け身で参加するのではなく、自ら海の中へ入って研究の当事者となること。
この変化は、サンゴ研究部の今後を考えるうえで大きな意味を持っています。
実際に2025年度には、鹿児島県と千葉県東京湾の2か所でダイビングを実施しました。そして、サンゴの観察と実験に取り組みました。
地域によって、海の環境や生態系の特徴は異なります。その違いを自分たちの目で見て比較できることは、部室内の水槽だけでは得られない貴重な経験です。実際に海中へ潜ることで、サンゴの状態や周辺環境、水中での広がり方をより立体的に捉えられるようになります。さらに、保全活動を行ううえでの課題も見えやすくなります。
こうした現場での経験は、部員の理解を深めるだけではありません。今後の研究テーマや保全の方法を考えるうえでも、重要な土台になります。
過去の活動と比べても、現在のサンゴ研究部の取り組みは確実に広がりを見せています。
部員自らがダイビングを行えるようになったことで、これまで見ることのできなかった場所にも行けるようになりました。また、従来とは異なる視点から海中環境を捉えることも可能になりました。
これにより、観察の精度が高まることで、課題の発見の仕方も変わってきます。その結果、サンゴ保全を考える視野そのものが広がっていくのです。
現場に立つ当事者として海を見つめる経験は、部員一人ひとりの意識にも変化をもたらします。そして、研究と実践を結びつける力を育てていくのです。
そして2026年度には、シンガポール・ビンタン島でのダイビング実施など、より国際的な活動も行っていく予定です。
海外で得られた観察結果を、千葉県、東京湾での結果と比較する予定です。そうすることで、地域差や環境条件の違いがサンゴにどのような影響を与えるのかを、より多角的に考え、より深い研究を行うことが可能になります。
これは、サンゴ研究部ならではの新しい挑戦であり、今後の活動の可能性を、さらに大きく広げていくはずです。また、部員たちはより高いレベルのダイビングを実現するために、今年度もライセンス取得に向けて動いています。
これまでよりも,はるかに広く深い領域でのダイビングを可能にし、サンゴだけでなく海洋環境全体の保全へと活動の幅を広げようとしています。
私たちは、サンゴ保全を中心に据えながら、その他の海洋環境の保全活動にも積極的に取り組んでいるのです。
このように、サンゴ研究部の活動は、シュノーケルや体験ダイビングなどを通して海に親しみ、サンゴの移植や観察に取り組んできた歩みを土台としながら、そこに見えてきた限界や課題を一つずつ乗り越える中で、大きく発展してきました。
外部の支援に学びながらも、部員が主体となって現場に立つ必要性を見つめ直し、2025年度には本格的なダイビングとライセンス取得という新たな挑戦へと踏み出しました。
そして、その転換の中で、移植班は「潜水班」へと名称を改め、活動内容だけでなく、部員たちの意識もより主体的で実践的なものへと変化していきました。
さらに、MIC21との協賛によってその挑戦が具体的な形となり、鹿児島県や千葉県、東京湾での観察・実験を通して、海域ごとの違いやサンゴを取り巻く環境を自分たちの目で確かめる経験を積み重ねてきました。
そして2026年度には、シンガポール・ビンタン島での活動や東京湾との比較を通じて、国内外の海を多角的に見つめる研究へと歩みを進めようとしています。
加えて、より高いレベルのダイビングを目指した新たなライセンス取得にも取り組むことで、活動はサンゴ保全にとどまらず、海洋環境全体の保全へとさらに広がろうとしています。
海の現場で得た実感を研究へつなげ、その研究成果を再び保全活動へと還元していくこと...
その循環こそが、サンゴ研究部のこれからの大きな使命であり、未来の海を守るための確かな力になっていくのです。
担当: Webサイト総合管理職
2026/06/10