講義「植物科学」で学生が撮影したキャンパスの植物の写真を紹介します。
ヤブカラシ(7月15日)
今学期最後の写真撮影は、庭の嫌われ者ヤブカラシ(ヤブガラシ)になりました。「植物科学」では、その週に咲いている花の解説をして、写真撮影をしますが、雨や猛暑で撮影に出れない週も多いです。最後の写真撮影がヤブガラシになってしまったのは、半分は偶然です。
嫌われ者の雑草ですが、東大と岐阜大のグループにより、興味深い研究が行われています。
「ヤブカラシの色は3度変わる」東京大学プレスリリース2022年12月1日(サイトはこちら)
花の成熟状態を昆虫に伝えるために、色素の量を変えることで3回色を変えるそうです。下の写真で色の違う花が含まれているのが、わかりますでしょうか?
なお、ヤブカラシなどのブドウの仲間の花は、花びらはすぐ落下してしまい、花の根元部分だけ残る小さい花をつけます。色の変わるのは、この根元部分になります。
(上 Y.Tさん撮影、下 S.U.さん撮影 ※部分拡大)
ツユクサ(6月24日)
雨が少なく元気がなかったツユクサが、梅雨に入って元気に咲き出しました。
神奈川工科大周辺に生えているツユクサは2色あります。左がツユクサ本来の色ですが、半分以上は右側の薄紫色です。みんなで写真を撮りましたが、中間型は見つかりませんでした。
ツユクサを青くするしくみは詳しく研究されています。薄紫色の個体は、デルフィニジンの紫を濃い青色に変換する遺伝子が壊れた突然変異体と思われます。
(左 S.N.さん、右 T.T.さん撮影)
ツユクサの花の寿命は短いです。1限目の授業ですが、すでに閉じはじめている花もありました。雄しべ、雌しべが丸まって自家受粉します。
左は丸まる前、右は丸まる途中。
(左 T.T.さん、右 W.E.さん撮影、部分拡大)
ネジバナ(6月10日)
ネジバナは小さくてもランの仲間の宿根草です。
みんながんばって撮影しました。よく撮れています。
(A.O.さん, J.I.さん, T.I.さん, W.E.さん, T.T.さん, R.M.さん, H.T.さん、Y.T.さん撮影)
背景をうまく選ぶと、こんな写真も撮れます。よく頑張りましたね。
(Kさん撮影)
ドクダミの花(5月27日)
KAIT工房の横にドクダミの群生地があります。雨が心配でしたが、辛うじて撮影できました。
ドクダミの花は、厳密には小さな花の集まりです。右側の写真を見ると、雄しべや雌しべがたくさんあるのがわかります。白い4枚の花びらのようなものは、苞と呼ばれる特殊な葉です。(T.I.さん, A.O.さん(部分拡大), S.K.さん, I.Tさん撮影)
クスノキの花(5月6日)
クスノキの花はとても小さいので、風が吹いて撮影に苦戦しましたが、スマホでここまで撮影することができました。(左 K.M.さん、右J.I.さん撮影)※部分拡大
ヒナウチワカエデの花と実(4月15日、4月22日)
カエデの仲間は、花びらがない花を作り、実は羽状です。
1週間で実が出てきました(T.T.さん(左)、T.T.さん(右)撮影)