※「日本機械学会若手優秀講演フェロー賞 」を受賞した研究です.
自動車の研究で培った,振動現象のモデリング技術は,スポーツにも応用できます.これはランニングへの応用例です.
ヒトが走行するときの体幹の上下動を測定します.
測定データを再現する数理モデルを,なんとかして作ります!
我々が別用途で開発したモデル(ロボティクスの受動走行モデルとして2017年に提案)を採用します.
ヒト走行時の体幹の上下動を,高精度に再現するモデルを作成することに成功しました.
ちなみに,閉曲線状のグラフは,相軌道というグラフで,横軸が変位,縦軸が速度になっています.
AI技術によって割り出された,モデルの係数(パラメータ)を以下に示します.
Aは陸上競技者,Bは一般人です.この結果より,これまで不可能だった,次のような定量的評価が可能になりました.
アスリートAは,一般人Bに比べて,着地の剛性と減衰が低い.
すなわち,アスリートは,柔らかく,低損失で走行している?
今後は,この結果と足底圧の関係などを解明して,けがの少ないスポーツシューズの開発などに応用していこうと思います.