大学院進学を検討中の皆様へ
生命はタンパク質によって支えられています。光合成、代謝、信号伝達、環境応答など、生命現象の根幹はタンパク質の立体構造と動きに依存しています。構造生命科学は、タンパク質を原子レベルで可視化し、その形と動作原理から生命の仕組みを理解する学問です。特に、光化学系Ⅱのような光合成巨大タンパク質複合体は、単に観察するだけではなく、時間とともに変化する動きを捉える必要があり、これまでの静的な手法だけでは解明が困難でした。構造生命科学を学ぶことは、「生命とは何か?」という根源的な問いに答えるだけでなく、エネルギー・環境・食糧の未来を創る力を身につけることでもあります。
菅研究室では、X線自由電子レーザー(XFEL)や放射光X線、クライオ電子顕微鏡など最先端の構造解析技術を用い、光合成の水分解反応を担う光化学系Ⅱの構造と動的変化や、植物の膜輸送体がどのように機能するかを原子レベルで解明しています。光化学系Ⅱは20を超えるサブユニットから成る巨大複合体であり、その瞬間的な構造変化を捉えるには、時間分解構造解析が不可欠です。これにより、酸素発生反応や光エネルギーの利用効率の仕組みを生きた反応として理解することが可能になっています。
本研究室で学ぶことで、自分の手で最先端の実験をデザインし、新しい知見を生み出す力を身につけることができます。放射光施設 SPring-8 や XFEL/SACLA など国内外の大型研究施設、岡山大学のクライオ電子顕微鏡やクライオFIB-SEMを駆使し、動的な生命反応の立体構造や細胞内のありのままのタンパク質の振る舞いを観察する技術は世界でも数少ない最前線の研究手法です。これらの技術を習得することで、生命科学、物理科学、化学、エネルギー科学など複数の分野を横断する研究キャリアを開くことができます。
構造生命科学は、「静止した形を見る」だけではなく、「生きた反応を動画のように捉える」学問へと進化しています。また、タンパク質の一過的な振る舞いはAIによる予測が苦手とするものであり、実験によってタンパク質の構造を決定することの意義がここにあります。この力は、人工光合成や新規触媒設計、薬剤標的の創出や全く新しいバイオテクノロジーの開発にも直結します。私たちと一緒に、動く生命・反応する分子の世界を探求し、世界にインパクトを与える研究者になりましょう。
他大学,他学部から大学院受験を希望される方はお気軽にお問い合わせください。
受け入れ実績:関西学院大学, Hue University (Vietnam), Katholieke Universiteit Leuven (Belgium), Ho Chi Minh City Open University (Vietnam)
連絡先:msuga "at" okayama-u.ac.jp
学部生の方
岡山大学理学部の生物学科の学生は卒業研究を行うことができます。
配属を希望する場合は菅に連絡し、研究室のセミナーに参加してください。
セミナーの参加は3年生時を想定していますが、それ以外の学年でも参加は可能です。
生物学科以外の学生の場合(GDP等)、ご相談ください。
博士前期課程の方
岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の生物科学専攻を受験してください。
筆記試験、面接試験、外部英語検定試験スコア、大学での成績などをもとに選考します。
博士後期課程の方
岡山大学大学院環境生命自然科学研究科の学際基礎科学専攻を受験してください。
面接試験をもとに選考します。
ポスドク・技術職員の方
随時募集しております。メールにて直接お問い合わせください。
2023.12 現在、助教(特別契約職員)を募集しております。直接お問い合わせください。
卒業・修了生の進路
株式会社コア、上海科技大学、AJS株式会社、株式会社Mizkan、シンプレクス株式会社、株式会社シノプス、大塚製薬工場、JFEシステムズ株式会社、株式会社野村総合研究所、昭和産業株式会社、プロメガ株式会社、農研機構、岡山大学、岡山大学自然科学研究科(修士)、岡山大学環境生命自然科学研究科(博士)、フエ農林大学
当研究室出身PI
Hongjie Li 上海科技大学, Tenure-track assistant professor 2024-