フィードバック制御について

フィードバック制御とは、制御したい量について、目標値と、計測器によって出力された現在の量とを比較し、目標値に近づけるように制御量を決定する制御である。

ここでは、フィードバック制御のうち、PID制御について触れることにする。

目標値と測定値

フィードバック制御をするには、主に以下の2つの値が必要になる。

・目標値

目標値は、制御したい量の目標となる値である。この値に近づけることがこの制御の目的である。

したがって、フィードバック制御をする上で、目標値は機械的に実現可能な値にすることが望ましい。

・測定値

測定値は、測定機器によって得られる値である。

例えば、機体角速度を測定したければ、ジャイロセンサを測定機器として用い、出力値を読み込むことで、測定値を得ることができる。

フィードバック制御では、適切な測定機器を用いることが、正確な制御をする上で重要だと考えられる。

P制御

P制御とは、目標値と測定値との差に、比例係数をかけて制御量に反映する制御である。

目標値と測定値との差の大きさが大きければ、P制御の制御量の大きさが大きくなる。

P制御の制御量をWP,目標値をG,測定値をO,比例係数をkとすると、制御量WPは、

WP =( G - O )*k (1)

と表すことができる。

この比例係数kの値をうまく設定することによって、目標値と現在量との差分をある程度少なくすることができる。

P制御の調整は、このkを変化させることで行う。

I制御

I制御とは、毎回の制御量計算時の目標値と測定値との差を積算していき、積算値に係数をかけて制御量に反映する制御である。

この制御により、P制御だけでは補えなかったオフセット(一定に現れてしまう偏差)を埋めることができる。

I制御の制御量をWI,目標値をG,測定値をO,係数をkIとすると、制御量WIは、

WI += (G - O) (2)

WI *= kI (3)

という計算で算出し、毎回の制御量計算時に(2),(3)式を計算させればよい。

P制御と同様、I制御の調整は、このkIを変化させることで行う。

D制御

D制御とは、PI制御で出てしまう発振成分を、制御量の急激な変化を抑える制御を加えることで、取り除く制御である。

D制御の制御量をWD,現在の目標値をGN,現在の測定値をON,前回の制御量計算時の目標値と測定値をそれぞれGP,OP、係数をkDとすると、制御量WDは、

WD = ( (GP - OP) - (GN - ON) )*kD (4)

と表すことができる。

PI制御と同様、D制御の調整は、このkDを変化させることで行う。