CNC保全

CNCフライスの設定や整備について

当記事の内容は保証致しかねます。自己責任でお願いします。

まずは部で使用しているCNCフライスの一覧

ORIGINAL MIND製 COBRA

使用方法

CNCを使うまでの流れとしては以下の通り。

Auto cadなどのCADでパーツ設計 → Cut 2DなどのCAMソフトで切削経路(G-code)を作る → Mech3などでCNCを操作

Cut2Dの使用方法はオリジナルマインドに記載されています。

以下 ロボ研資料 (CAD→Cut2Dまで)COBRAを使う場合はこれを参考にしてください。

但しこの資料はCOBRAと古いソフトの古い環境を前提としているためそれぞれの環境に合わせて参考にしてください。

Cut2Dの使い方_基礎マニュアル_湘南工科大学大野研究室製作.PDF

Mech3の使い方

詳しいことは以下のサイトを見れば良いと思う

http://www.senban.jp/target/cnc/mach_setsumei.html

http://www.y-yamamoto.com/index.php?CNC%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B9

http://yusa.c.ooco.jp/mini_cnc/ATC%206mach2.html


簡単に説明すると手順としては、以下の通りです。

G-Code読み込み→Resetで同期?を取る→エンドミル回転→原点合わせ→切削開始

なにかトラブルが起きた場合は、Feed Holdで移動を止めてから手動でエンドミルを動かし逃がす


そこそこ詳しく説明すると、

最初は、FileからLoad G-Codeで最初にCut2Dで作ったG-Codeを読み込みResetを押してからPCとCNCの同期?を取りましょう。

次に、Tabキーでコントローラを出してエンドミルを動かしXY原点合わせをしましょう。

原点合わせは、キーボードの矢印キーでX,Y軸の移動PdUp,PdDnでZ軸が動かせます。REF ALL HOME の それぞれの軸(Zero X,Zero Y,Zero Z)を押すと現在のエンドミルの位置を原点とすることができます。

Zの原点はスピンドルを回転させた状態でエンドミルを下げて音がなった所(切削部材にあたった所)を原点にしましょう。もしくはエンドミルを緩めた状態で回転させずにエンドミルを下げて切削部材にエンドミルがあたった所でエンドミルを締めましょう。締めたらそこがZの原点です。

Zの原点については他にも合わせ方があるみたいなのでググって見てください。

あとは、Cycle startで切削開始です。

途中で止めたい場合Feed Hold(エンドミルの回転は止まりません、再開ができます。)もしくはStop(緊急停止でエンドミルの回転も止まります。基本再開させることは難しいです。原点さえあってれば再開もしくは追加加工することは可能です。)で止めましょう。最悪Resetでも止まります。Resetの場合PCとCNCの同期?を切ることになるので最終手段もしくは不安で完璧に止めたくて再開を考えない場合は使うといいです。


途中で速度を変えたい場合はFeed Rateを矢印で弄ってください(リスクは高めなのであまりおすすめはしない)

座標を指定してエンドミルを動かしたい場合はREF ALL HOME のTo Goで動かせたはずです。


基本的になにかトラブルが起きた場合はFeed Holdでエンドミルの移動を止めてからエンドミルを回転させた状態でエンドミルを逃してください。

エンドミルの回転を止めた状態でエンドミルを移動させると削る機能が失われているため部材や治具などにエンドミルが当たるとエンドミル折れる可能性大です。よく確認しましょう。

あとは、エンドミルをつけてない状態で操作を練習するのとCut2Dでのエンドミルの設定をよく確認しましょう。

切削条件の設定方法

CAMソフトCut2Dに入力する項目は次の通り

① Pass Depth (切り込み z軸方向の一回あたりの送り量)

② Step over (ポケット加工時の重なり具合)

③ Spindle Speed(主軸の回転数)

④ Feed Rate(送り速度,切削速度)

⑤ Plung Rate(Z軸の送り速度)

※以下 あくまで参考程度に

ss-toolsで購入した超硬スクエアエンドミル2枚刃φ3(ZP-F2-03)のジュラルミンでの設定方法を紹介する。

エンドミル購入サイトに記載されている内容を元に条件を設定していく。無い場合は硬度や延性がほぼ同じ物を基準とする。ZPシリーズはφ3以下の条件やアルミについて記載されていないため、ASGシリーズの条件を上限に、設定していく。

部で使用しているようなフライスではサイトの記載通りに行かないので

サイト記載設定の40~50%程度の設定にする。“適当に設定している“とはこの割合の事で何も考えていない訳ではない。例えフライスの性能が上がったとしても、クーラントがかけられず、熱や切りくず排出などの問題が起きるため、やはりサイト記載よりかなり低めに設定するべき。

① Pass Depth (切り込み z軸方向の一回あたりの送り量)

切り込みが大きいほど早く終わるが、モータへの負荷は大きくなりトルクが必要。部のCNCフライスは主軸モータが貧弱なため低くめに設定する。

サイト記載値:D×0.5=1.5mm

上記の10%程度 0.2mmとした。

② Step over (ポケット加工時の重なり具合)

大きいほど早く終わる。最大50%なので早く終わらせたい場合は自分で軌跡を書いてしまう手もある。精度がそこまで必要でない物なら粗めに削って後で紙やすりで整えても良いが、フライスの平面出しをする際はこの値は小さめに。エンドミルの先の形状によって値は異なる。綺麗に仕上げるためには35~40%が良い。

③ Spindle Speed(主軸の回転数)

主軸の回転数をCNCから変更出来ないためCut2Dで設定しても意味は無い。ジュラルミンなどアルミ系を切るときは出来るだけ大きく、樹脂系を切削するときはその半分程度にする。

④ Feed Rate(送り速度)

回転数はカタログにある値を出せないためそのままの送り速度では使用できない。

被削材によって決まる定数は1刃送りであるため(刃数が増えれば切りくず排出の挙動が異なるため刃数によって少々変化することも)1刃送りを算出する。

算出方法は下記の通り。

上記の計算から566mm/minと算出されるがそれの40~50%ほど230mm/minとした。

⑤ Plung Rate(Z軸の送り速度)

Z軸は貧弱なため、以下の表の通りに単位は[mm/min]

1. 切削条件の模索方法

初めての素材はメーカー推奨の20%程度の設定でテストカットを行う。

加工時CNC側から送り速度を変更でき、微調整にはちょうど良い。しかし折れないから良い設定ではない。ギリギリな設定だとちょっとした人的ミスで折れる確率が高まり、エンドミルの寿命が短すぎて加工中に折れては元も子もない。部では初心者が使うことも考慮しよう。(ミルは確かに安いかもしれないが場合によっては高い板材を一枚無駄にするだけでなく、進捗ダメですってことになるのでゆっくりめで…)

2. 浅く速く送るって何?

切り込みを浅く(0.05くらいこれより浅いとミルが上手く入らない)速めに送る方法。

主軸がヘタってきたらこの設定方針に切り替えると良い。ただエンドミルが切削している部分が短くなり寿命低下に繋がるため、基本深くゆっくり送る方針にしている。

3. 大会前に調子悪くなってきた何で??急いでいるのに…

連続使用でモータがヘタっていると思われる。使用をやめる事は難しいだろう。結露しないような方法で冷やすなり、外気温なりを工夫する+切り込みを浅くして送り速度を早くすることで主軸の負荷を減らすのも良い。(慌てずにセットするのも大切ダヨ)

4. 樹脂系の設定ってどうすれば良い?

融点を超える切削条件で削ると溶けた樹脂がミルに張り付きミルが折れる。

そのため、回転数を抑え、切り込みを大きく、送り速度を遅くすると良い。

工具形状による切削温度の差は大きいので樹脂用ミルの購入もオススメ。

CNCフライスの整備

説明書を読み分解と組み立てを行えば良い。

説明書に書いていない追加整備方法は次の1点のみ。

スライドレールやゲート取り付け時ダイヤルゲージを使用して、平行度を確保。

このページは、中央大学精密機械工学研究部 https://seiken-chuo.jimdo.com/column/ のパクリスペクトです。

他にもいろいろ参考になるような団体、個人のサイト、ブログがあるのでよくチェックしましょう。