○歎異抄を読み解く
春秋社発行 ISBN4-393-16303-6 初版1986.11.15 四六版312頁 2200円(税別) 送料500円
日頃尊敬する桜井和上の広く大乗仏教の根幹に立った深い真宗理解が本書一巻に集約されている。宗門の内外に強くお薦めしたいと思う。(真宗大谷派・元宗務総長訓覇信雄)
小見出し
はしがき
1.歎異抄と私 2.歎異抄の読み方
歎異抄賛歌(詩と楽譜)
第一講――読解準備の序説
1.日本人の書いた世界的宗教書 2.歎異抄の著者 3.歎異抄派と本典派 4.念仏は救済の本体
第二講――唯円の真意
1.三つの序文から読む 2.宗教的展開と師教随順 3.歎異の基本としての証文 4.本抄の中序
第三講――念仏観念化の歎異と証文
1.親鸞没後の異説 2.救済の構造 3.師訓の増幅 4.伝承と追体験
第四講――念仏律法化への歎異と証文
1.念仏の律法化 2.宗教的悪人像 3.二種深信の悪人
第五講――派生異説歎異の裏づけ証文
1.社会性の純化 2.恩愛の揚棄 3.教育の真髄 4.無碍の一道と人 5.道徳と宗教 6.喜ばぬ心、急がぬ心 7.思想と信仰
第六講――派生異説の主張と歎異
1.学問と念仏 2.念仏と争論 3.宿業と他力 4.念仏と滅罪 5.かの土のさとり 6.廻心と修善 7.方便の悲願 8.真仏と化仏
第七講――後序に見える直線的伝承
1.信心の一異 2.唯円房の立場 3.普遍の法と特殊の人 4.道徳より宗教への道 5.言葉の真実 6.一室の行者
第八講――承元の法難について
むすび――時代意識の転移に期待される歎異抄
『歎異抄を読み解く(春秋社)』の表紙