第3回ベネズエラ編②Venezuela
「エル・システマ」/南米でも大ヒット「島唄」
高島江位子
2021.2.28(日)14:00~15:00 (ラインライブ配信)
「エル・システマ」/南米でも大ヒット「島唄」
高島江位子
2021.2.28(日)14:00~15:00 (ラインライブ配信)
ベネズエラ音楽
地球上でもっとも音楽にあふれている国のひとつです。
ベネズエラ音楽は、インディヘナ(先住民)、ヨーロッパ人(1498~)、アフリカ人(16世紀~)の習慣や文化が融合して、他のどの国とも異なるベネズエラ音楽固有のメロディーやリズムができました。
ベネズエラの無償音楽教育システム「エルシステマ」については、前回に紹介されましたが、このページのトップに掲載しました。
内容:
1)無償音楽教育「エルシステマ」
2)「北はキメラ」メレンゲ(8/5拍子)/ラテン楽器
3)島唄~ラテンアメリカでの流行
講師:高島江位子
東海村在住。現在中学校で理科を教えています。趣味は山登り。夫の仕事の関係でベネズエラその他南米各地を転々とし2年近く住んでいました。
無償音楽教育「エル・システマ」
ベネズエラから世界へ
エル・システマは、音楽を通じた青少年育成、犯罪防止プログラムとして南米ベネズエラでホセ・アントニオ・アブレウ博士によって始められました。家庭の経済状況にかかわらず、すべての子が無償で集団での音楽教育が受けられる仕組みが原点です。子どもたちが、自ら協調性や規律を学びながら、目標に積極的に取り組んでいく姿勢を育んでいくことによって、希望や誇りをもつことを目的としています。
この活動は、多くの一流音楽家を輩出しているだけではありません。子どもたちを犯罪や暴力から守り、学業面も含めてポジティブな影響を与えてきていることで、ユネスコ、米州開発銀行等の外部機関からも評価されています。今や世界70以上の国・地域で展開しています。
エル・システマジャパンは、コンサートでやイベントでの共演や、映像を送り合うなどして、世界各地のエル・システマ関連団体と交流を重ねてきました。
(エルシステマ・ジャパン ホームページより)
(在日ベネズエラ大使館HPより)
エル・システマは、無償で受けられる革新的な育成の場。1975年、ホセ・アンントニオ・アブレウ博士によって創設され、当時は彼の家で学生たちに教えるという少人数のグループ活動でした。現在では、シモン・ボリバル音楽財団に属し、60万人の子供たちが参加する大プロジェクトで、そこからシモン・ボリバル、テレサ・カレーニョ、カラカス、フランシスコ・デ・ミランダなど名だたる多くのユース・オーケストラや子ども合唱団が輩出されました。この他にもクラシック、ポップ、民族音楽、ジャズ等の数多くの音楽ジャンルの楽団が生まれています。エル・システマのオーケストラ、合唱団等の子どもたちは、仲間という大きな「家族」に属することで自分の存在を再認識し、そこで将来プロの音楽家になるという夢を実現したり、それぞれの住む地域社会で社会的な階段を登っていくのです。彼らはベネズエラそして世界中の若者たちに、規律を守ること、専心すること、約束を果たすということを通して目標は達成できるのだという素晴らしい見本を示しています。
ベネズエラ音楽のリズム
「北はキメラ」
Merengue (メレンゲ) とても珍しい8分の5拍子のダンス音楽。かつてベネズエラでは国中がこのリズムで踊っていたと言われる。
南米の楽器
楽器の名前/クラベス、クワトロ、アルパ、ギロ、マンドリン、 コンガ、マラカス、アゴゴベル
「アルパ」は、スペイン語で「ハープ」 ウーゴブランコの演奏で世界的に有名になった。
南米で大ヒットした「島唄」
うちなーぐち、オリジナル、スペイン語、で聴きましょう
デイゴの花
「島唄」について
1991年 宮沢和史がひめゆり平和祈念資料館にて学徒動員された女性の話を聞いて衝撃をうけ曲をつくる
1992年 うちなーぐち「島唄」発表 / 1993年 The Boom オリジナル版「島唄」発表
2001年 アルゼンチンのアルフレッドカセーロが、歌詞の意味わからぬまま「島唄」を宮沢の許可なく日本語のままカバー、地元で大ヒット。その後宮沢は快く許可しカセーロとの交流が始まる。
2002年 日韓ワールドカップアルゼンチン代表応援歌となる。アルベルト城間がスペイン語に翻訳。「島唄 Simauta」としてリリース。南米で大流行となる。
〇アルフレッドカセーロ/1962年生、アルゼンチンのコメディアン、俳優、歌手
〇アルベルト城間/1966年生、ペルー日系3世、沖縄市ゴザを基点に音楽活動
視聴者から:
エルシステマ、素晴らしい(多数)/エルシステマから育った指揮者、ドゥダメルの来日(2020年春)がコロナでキャンセルになって残念です。いつか聴きに行きたいです。
👉2022.7.27 追記
The Boomは2014年に解散、宮沢和史は、2016年歌手無期限休養宣言、しかし2017年東日本大震災チャリティーライブで復帰。「島唄」にこめられた真の意味については、リリース後10年余りしてから語り始め、「この歌を沖縄に縁もゆかりもない戦後生まれのヤマトの人間が作ってよかったのか」という葛藤や多くの批判も多くあったが、「一生沖縄とかかわっていく」と決め、「島唄」とともに沖縄と真剣に向き合い続け、(1992年生まれの「島唄」は)今年30年になる。
2022.5月「『沖縄のことを聞かせてください』/沖縄戦の鎮魂歌『島唄』から三十年」という本が双葉社から発刊される。具志堅用高氏、又吉直樹氏、八重山民謡歌手・大工哲弘氏等との対話と、「島唄」の30年を綴っています。