第22回モンゴル編②Mongolia
AZZAYA
2022.9.25(日)15:00~
AZZAYA
2022.9.25(日)15:00~
はじめに:
「モンゴル編」第2回は、モンゴルの音楽を中心にお届けします。講師アズザヤさんは、お仕事の関係で現在モンゴルに居ます。モンゴルはもう、雪が降り始めているそうです。大自然と共にたくましく生きる人々。そして、衣食住、移動、暮らしの糧として欠かすことのできない家畜たち。「草原の沼地は果てしなく広がっている。あなたの心も果てしなく、知ることができない」「ラクダは策綱で落ち着かせられるがわたしの高鳴る胸はどう落ち着かせたらよいだろう」モンゴルの歌詞にはこのような要素が詰まっています。今日は、太陽の歌、母の歌、石の歌などを聞きます。いっしょに歌うコーナーも設けました。
講師紹介:
Azzaya Tsevegjav (アズ)さん
「ウランバートル出身。名前はアズザヤ、30歳です。職場では「アズ」家では「ザヤ」と呼ばれています。趣味は、ランニング、ヨガ、水泳など」
高校生のとき日本に留学、当時全寮制だった静岡県国際開洋第一高等学校を卒業。モンゴルへ帰国し国立大学ビジネス学校広告経営学科を2015年に卒業。その後友人に誘われて来日、広島県で2年働き、2017年より現在までつくば市のモンゴル製品輸入販売の仕事をしています。
モンゴル語の復習です。「こんにちは」は、「煎餅の」と覚えるとよいかも?!今日は、母の歌を歌うので、「母」という単語も追加しました。「エージ」といいます。
モンゴル民謡は①オルティンドーと②ボグンドーのことをいう場合もあるし、ホーミー、トーリを入れる場合もあります。今日は「オルティンドー」と「ホーミー」を聴きます。
オルティンドー、ボグンドー、の「ドー」は「歌」の意味です。
モンゴルのオルティンドーといえばこのひと。この衣装はモンゴルハルハ族の伝統的衣装です。
👉すばらしい歌唱力!スタッフ絶賛!ナムジリーン・ノロブバンザドさんの歌は、大河ドラマ「北条時宗」のオープニングテーマで使われたそうです。最後のページにリンク貼っておきますので、ぜひお聴きください。はてしない草原の向こうまで、響き渡るような歌声は、モンゴルの国宝といえるでしょう。
「おだやかな世界の太陽」の歌詞は、内容の分類では、(1)の哲学的、思弁的内容、に分類されます。
オルティンドーは4分の歌が10語で構成されているということもあります。
👉「無半音5音音階」とは音階をつくる5つの音同士のなかに、半音が含まれていない音階ということです。
ハ長調でいえば「ドレミソラド」を使った音階。
モンゴルの詩は頭韻及び対句法が特徴。
ナイリーンドー「宴会の歌」のところのモンゴル語を見ると理解できます。
↓下の楽譜の「10」「12」番のところが、ショランハイ、裏声(聞かせどころ)となっています。楽譜を見ながら聞くと面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=ANd1V2X8jWU
モンゴル人なら子供でも知っている、有名なオルティンドー。
太陽に話しかける形の歌詞です。
日本在住でホーミーを教える有名なモンゴル人はボルドさん。
彼は、元横綱白鵬に、馬頭琴を教えています。
動画で口元をアップする場面があります。その人がホーミーを歌っていますので、よく聴いてください。
伝統楽器を若者たちが、かっこよく弾きこなしています。(メタリックロック)。今年、日本のフジロックにも出演しました。ここでもホーミーが聞こえます。
”祖先は偉大だ”と叫ぶだけでなく、狼の子孫モンゴル民族として、自分たちの国のことをしっかり考え行動をおこそう、と歌っています。
牛乳や馬乳酒の入ったお椀を受け取ったひとが歌を歌いだしそれにみんなが唱和します。
トルガ(3つの石)とは、写真のような調理に使う道具のこと。この中に動物の乾燥させた糞などを入れて火をおこします。1つが欠けても調理ができなくなることから、3つという数が調和を意味し、家族の繁栄や幸せを願う意味で歌われます。
モンゴル語の歌詞を見ると、頭韻と対句法の特徴がわかります。
モンゴル編①でモンゴルホームステイのお話をされた鬼木さんが、以前モンゴル語の勉強をしていたとき習った歌の資料です。
宴会でよく歌われる歌で、モンゴルではだれもが知っている歌。
アズザヤさんも、日本に留学していたときもこの歌を歌って(故郷を思い出し)涙を流したという歌です。
<モンゴル語の歌を歌ってみましょうコーナー>
鬼木さんの習った歌を、石井がyou tubeで何回か聴いて、サビの部分を楽譜にしました。アズさんに発音してもらったところ、「ル」の発音がとても難しく、同じようにはできませんでした。
これを歌えればモンゴルの宴会にも参加できる!
モンゴルには自然について歌うことが多いです。これは故郷の石についての歌。
関西にモンゴルの歌を調べているグループ(モン関西ネット”デフテル”)がありそのサイトから、読み仮名や日本語訳を見ることができます。
なんとなく日本的で、なつかしい気持ちにさせるメロディーでした。
https://www.youtube.com/watch?v=tukZr5UfliM
聴き比べてみましょう。歌詞の内容は違うけれど、曲は同じようです。
「夢のプリンセス」を歌ったグループ「トップライン」は、1995年位に歌われた「故郷の石」を、2018年に新しく歌いなおして若者に伝えました。4人の男子は内モンゴル出身。内モンゴル人にはふつうなまりがあるが、このグループは全くなまりがないモンゴル語で歌うので、話題になりました。
まとめ:
民謡や演歌のような曲もよく歌われるが、最近の若者はKポップが好き。日本のアニメのコスプレをする子も多いです。今日は「ノー車デイ」。ウランバートル中央通りの一部を通行止めにしますが、そこでコスプレをする子たちも多く見られます。
音楽教育については、自分の中学生当時は数学重視で音楽の授業をつぶして数学の授業をしたりしていました。日本留学中、6月に合唱祭があったが、各クラスが自分たちで作詞作曲をした曲を発表して、日本人学生の音楽の能力の高さに驚きました。留学生たちはそれができず、自分の国の曲に歌詞をつけたりしていましたが、今のモンゴルでは音楽教育もしっかりされているようです。
~本日使われた歌のリンク~
•オルティンドー:「おだやかな世界の太陽」 by Namjil Norovbanzad
https://www.youtube.com/watch?v=ANd1V2X8jWU
•ホーミー:「トロイバンディ」 by KHUSUGTSUN
https://www.youtube.com/watch?v=rl0HiFmts-4
•馬頭琴ロック:「ユーヴェーユーヴェ」ー by THE HU
https://www.youtube.com/watch?v=v4xZUr0BEfE
•宴会の歌(1):「永遠に一緒に生きていきたい」 by BAYARTSETSEG
https://www.youtube.com/watch?v=oMCyQuoyW98
•宴会の歌(2):「私の素敵なお母さん」 by SARANTUYA
https://www.youtube.com/watch?v=j4MJJYAgmTo
•題材が面白い歌:「故郷の石」 by Freezone
https://www.youtube.com/watch?v=tukZr5UfliM
•日本のポップスと同じメロディを使っている:「夢のプリンセス」
https://www.youtube.com/watch?v=3UKTsukGG9s
•そのオリジナル:「僕のそばに」 徳永英明
https://www.youtube.com/watch?v=30TzN7L-V0A
・参考:NHKの大河ドラマ「北条時宗」(ナムジリーン・ノロブバンザドの歌唱)
https://7net.omni7.jp/detail/1300213841
👉リニューアルした「Mon」に行ってきました。(2022.10.2)
アズさんの勤めるつくば市のモンゴルショップMonに友人のプレゼントを買いに行きました。あったか靴下は新色もいっぱい。珍しい「ヤク」のコートなど、あったか製品がたくさん並んでいました。リニューアルオープンのプレゼントで、ゲルがデザインされた、かわいいカード入れを頂きました。なんと、アズさんがモンゴルで見つけたものだそうです。
視聴者から:
「伝統的な音楽は、モンゴルの雄大な自然と結びついているんだなと感じました。オールティンドーも、歌詞だけでなく、歌声全体が自然と一体化するような感じがしました」
「モンゴル人は、日本人と顔も似ているし、相撲や文化に共通性あり、音楽も似ていますね。モンゴルの音楽が何故か懐かしい感じがして、詩にも共感でき、分かりあえると嬉しく思いました。」