2022年11月3日に御菓子御殿読谷本店へ行き、工場見学をしたり、職員さんから直接御菓子御殿の歴史やコロナ禍における紅芋タルト生産の現状についてお話を伺ったりしてきました。
まず最初に工場見学を行いました。店舗内からガラス越しに、お菓子の製造が見えるので、気軽に工場見学をすることができました。読谷本店では焼きあがった紅いもタルトを、一つ一つ個別に包装していくタルトラインと、アーモンドチョコレートサンドの製造工程を見学することができます。 見学できなかった工程についてもビデオを見ながら説明を聞くことができました。工場内にはほとんど人がおらず、すべて機械によってとんでもないスピードで大量の紅芋タルトが生産されていました。読谷店だけで2万個の紅芋タルトが生産されているそうです。また、紅芋タルトにはマーガリンではなくバターを使うこだわりがあるそうです。
また、沖縄の紅芋は基本的に春植えであるため秋に紅芋の仕入れが集中してしまい、倉庫の容量も限られているため、秋に倉庫が埋まってしまうため大変だそうです。沖縄では年中イモの生産ができるため、もっと植える時期をバラバラにして供給のペースも一定にすることができたらいいなとおっしゃっていました。また、見学後には、出来立ての温かい紅芋タルトをいただきました😊
次に、2名のお菓子御殿職員の方から直接お話を伺いました。 紅芋タルトの材料となる紅芋はちゅら恋紅という品種を使っており、一番大きな取引先は久米島だそうです。 また、イモ生産を本業にしている農家は少なく、主力の農家さんは10~20人ほどだそうです。 紅芋は収入源としてはいい作物ですが、サツマイモ基腐病のリスクを負ってまでイモを栽培したいと考える農家さんが減少していて、農家さんの高齢化が進んでおり、読谷には70歳以上の農家さんが多く、一番若い農家さんでも50歳だそうです。そこで、農業指導員による指導、新規農家さんの手助け、紅芋の買い取りなどによってイモ農家さんを増やしたいと考えているそうです。
コロナ禍での現状については、紅芋タルトだけの売り上げはコロナ禍で1/5に減少してしまったそうです。しかし、ちょうどコロナが流行する前あたりからサツマイモ基腐病の影響で紅芋の仕入れが減っていたともおっしゃっていました。紅芋タルトは観光客向けの商品であるためもっとコロナの影響を受けていると私たちは思っていたのですが、意外にもサツマイモ基腐病の影響で紅芋の仕入れが減っており、観光客が戻ってきた現在では逆に紅芋が足りなくなってきているそうです😲
それでもコロナ禍で紅芋ペーストが余り、倉庫が満杯になってしまったため、開発されたのが紅芋カレーです。紅芋カレーは「地域を元気に」をコンセプトに沖縄県の企業と共同開発を行ってできた商品で、沖縄県産紅いもと紅いもを飼料として育った紅豚肉が入っています。売れ行きは好調だそうです。コロナ禍での対策としてはその他に地元スーパーへの卸売りや、沖縄行事でのお菓子の消費を促進したそうです。
サツマイモ基腐病の被害は土壌と苗の消毒によって3割に抑えられつつあるそうです。また、抵抗性品種で対応できないか模索中だそうです。
御菓子御殿さんは私たちのような学生の見学やインタビューにも今回にように快く応じているそうです。とても興味深く、貴重なお話を聞くことができ、とても勉強になりました。お話をしてくださったお二方、本当にありがとうございました!
(編集者 中野)