六郷の歴史

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このページでは、「六郷」の成り立ちや、
歴史ある名所などをご紹介します。 

「六郷」の由来

- ORIGIN -

新区内町界町名整理案図
蒲田区其ノ三 第十四図 六郷町(部分)
昭和7年9月 

現在の六郷は、「南・東・仲・西」を
冠する地名となっていますが、
昔は広い範囲を「六郷」と称していたとされています。

さかのぼること約730年、

明徳2年(1391)のとある文書には、
「武蔵国六郷保大森郷」という記載がありました。


これがのちの「六郷領」と考えられています。


「六郷」という地名の由来には諸説ありますが、
最も有力なものが、江戸時代に記された

『新編武蔵風土記稿』の荏原郡に関する記述の中に見られます。


「八幡塚村」「雑色村」「高畑村」「古川村」「町屋村」「道塚村」
という六つの「郷」(=村の意味)からなる六郷領は、
明治22年(1889)の町村制施行に伴い、

荏原郡「六郷村」となりました。

(道塚村を除く5村の合併でした)


また、昭和3年(1928)の町制施行時に「六郷町」と改められ、
昭和7年(1932)には東京市との合併に伴い、
蒲田区の中の「六郷町」「雑色町」「高畑町」
「古川町」「町屋町」「出雲町」となりました。


現在の丁目地番が称されるようになったのは、
昭和12年(1937)になってからでした。


ちなみに「大田区」が誕生したのは、その10年後、
昭和22年(1947)のことで、

東京都各区が整理統合された際に、
「大森区」と「蒲田区」が合併し、

双方から1文字ずつ取って名付けられました。

六郷の名所(文化財や史跡など)

FAMOUS PLACE -

六郷神社 | 所在地:東六郷3-10-18

六郷神社は六郷一円の総鎮守で、祭神は誉陀和気命(応神天皇)です。

天喜5年(1057)、源頼義・義家父子が、この地の大杉に源氏の白旗を掲げて戦勝を祈ったところ、

前九年の役に勝利を収めたため、凱旋後、祈願成就に報いるために当社を創建したと伝えられています。

江戸時代には六郷八幡宮とも呼ばれていましたが、明治9年(1876)に六郷神社と称して今日に至っています。

毎年6月上旬に例大祭(式典は6月3日)が執り行われており、

地域の方々にとって欠かせない大切な行事となっています。

区の指定文化財となっている狛犬(写真右)は、区内で最も古い狛犬で、
阿吽ともにとても独特な面相・形状をしています。神社に訪れた際には、その違いを探してみてください。

北野天神 所在地:仲六郷4-29-8

江戸幕府8代将軍徳川吉宗を乗せた馬が暴走した際、北野天神の加護により落馬を止めたことから「落馬止め天神」と称されています。
「馬から落ちない」の意から、選挙候補者や受験生が絵馬を奉納したり、災いや痛みを「止める」と解され、信仰を集めてきました。

八幡神社所在地:南六郷3-3-6

八幡神社は、六郷領雑色村に祀られていた神社です。祭神は誉田別命。創建年代や由緒は不明ですが、江戸後期に編纂された、先述の『新編武蔵風土記稿』の項に、その名があり、「年々(中略)祭礼を行ふ、村内宝泉寺持。」と記されています。

東陽院 | 所在地:仲六郷4-6-2

院所有の弘法大師坐像や釈迦如来立像が共に寛永12年(1635)に造像されていることから、この時期に創建されたと考えられています。いずれの像も、区指定文化財となっています。本堂は、青銅色の屋根瓦が映えます。

安養寺 | 所在地:西六郷2-33-10

開山は行基ともいわれており、通称は「古川薬師」と呼ばれています。平安時代後期の製作と推定されている木造の薬師・阿弥陀・釈迦如来坐像は東京都の指定文化財に指定されています。

六郷用水と六郷水門 | 水門所在地:南六郷2-35

六郷用水は、灌漑を目的に江戸時代初期に開削された、南関東最古の農業用水でした。
現在の狛江市から世田谷区を通り、大田区に至る用水路です。
大正期から昭和初期にかけて、大田区低地の水田は大部分が畑となり、やがて市街地へと姿を変えました。
この変化に合わせて六郷用水も、都市の生活排水路として性格を変えることになりました。
昭和21年(1946)以降、用水路は埋め立てられ、一部区間は車道や歩道、緑道などに整備されています。
住宅化が著しく進んだ昭和期、各家庭や工場から排出される生活用水が激増し、
大雨の際に浸水する地域も拡大していました。
これは、六郷用水の排水機能が不十分だったことも一因として挙げられており、
加えて、六郷橋付近の舟による物資運搬の利便性向上を主な目的に、六郷水門が建設されました。
六郷ポンプ場や下水道の整備により、次第にその使命は終わりを告げますが、
今もなお、六郷の誇りある歴史的建造物としてそびえ立っています。
六郷水門の欄干には、六郷町の紋章がデザインされています(写真右)。
紋章は六郷地区自治会連合会の出版物などにも使用しており、六郷地区のシンボルとなっています。
カタカナの「ロ」が9個、つまり「ロク」が「郷」の字を囲んでいる、というデザインです。

六郷橋

もとは木橋だった六郷橋が鋼鉄橋となったのは、大正14年(1925)8月のことでした。
第一次世界大戦に伴う物価高騰や、関東大震災の影響も受け、工事が思うように進まない中、

ようやく初代鋼鉄製六郷橋が完成しました。
その後、戦火を免れ定年を迎えると、上流側に新架橋の架け替え工事が行われました。

架け替え工事中には、足場が崩壊し作業員5名の人命が奪われる痛ましい事故も発生しました。

昭和59年(1984)に上り車線、平成9年(1997)に下り車線が完成し、

地域の交通を支える重要な橋となっています。

六郷地区にはそのほかにも、歴史ある神社仏閣や建造物が数多く存在します。
まち歩きの際にぜひお立ち寄りください。 

六郷地区をもっと知りたい方へ

KNOW MORE -

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