社会学・観光学の研究者です。
観光について、①観光現象の人間学的な意義がどこにあるのか、②観光が歴史的にどのようなものであったのか、③観光をめぐる社会現象の問題をどう考えるのか、について考えている。
研究テーマ
①占領期日本の観光
1945-52年の占領期における観光事業・観光旅行について調査しながら、観光の社会的意味について考えてきた。あまり研究されてこなかったが、たくさん観光現象が起こっていた時期だったので、その現象は、あまり顧みられていない観光の社会的意味を表していると考えている。具体的には観光の秩序化という性質について考えている(後述)。
この研究テーマには、以下のようなトピックが含まれる。
◯第一次大戦世界時に端を発する、米軍のレクリエーション施策。米軍スペシャル・サービス 局の事業内容
◯スペシャル・サービス・ホテルや観光ツアー施策
◯米軍将兵・関係者の占領下日本での経験。彼らのオーラルヒストリーの検討(未着手)。当時日本に滞在していた米国人女性による日本滞在期(※下の書影のような本たち)の検討。
◯1945年8月〜9月、米軍進駐に関する日本の新聞報道。敗戦直後の日本の観光業・地方自治体(とくに京都府・市)による観光事業。ホテル、旅行会社、バス、土産物業者の動き。
◯占領期における観光事業、政策、行政。観光業界隈の「観光立国」をめぐる議論と事業。国会における観光事業の議論、政策、事業。当時の米国の観光産業の状況。
◯占領期におけるGHQ(経済科学局)と日本の国際観光事業との関係。1947年以降来日が許可された、商用客や一般の国際観光客に対する観光事業について。
◯GHQ経済科学局の観光事業関連の部局(観光サービス課、貿易サービス課)の事業。
◯日本の人々の観光旅行の状況、野田宇太郎の文学散歩。朝鮮戦争期、米軍の朝鮮半島から日本への帰休旅行(R&R)。当時の「基地の街」の状況。
これらについて、日本の国会図書館、国会図書館憲政資料室、米国立公文書館、議会図書館、メリーランド大学プランゲ文庫などや、全国各地の図書館・博物館資料、また写真・パンフレットといった実物資料の収集を通じて調査してきました。
これらの一部は、これまで刊行された論文に含まれます(Researchmapをご確認ください)。全体としては、2026年刊行予定の拙著で公表予定です。
②人文社会学的な観光学の理論研究
こうした事例の調査を通じて、観光には社会において「秩序化」の性質があると考えている。
それには、社会で「正常」とされる秩序を形成しようとする、改良主義的な狭義の秩序化と、一定のパターンを形成しようとするという、広義の秩序化の二つが含まれる。
その秩序は、決定された、完全なものではなく、非決定的で不完全な秩序「化」であると想定している。しかし一定のパターンを構成しようとする動きがない(「無秩序」)なのではなく、やはりそれはあるという立場をとっている。この立場自体、実証主義的にそう考えている面と、「社会における観光を考える」という観光社会学の議論の積み重ねを重視する立場であるという面と、二つの意味がある。
こうした視点から、観光学のパフォーマンス論、モビリティ論といった近年(といっても、25年来)の議論への問い直しを行なっている。そのために、ブーアスティン、マキャーネル、コーエンといった、(歴史の短い観光学においてはある種)「古典」で観光や他者との出会いがどう論じられていたのか、読み直しを行なっている。
③クリティカル・ツーリズム
観光の問題性と意義について人文社会学的に考えるため、欧米のクリティカル・ツーリズムの旗印で論じられてきた議論を勉強している。
④1960'-80'の日本人の韓国旅行
1960-80年代の韓国-日本の旅行文化についても研究中。韓国・米国・日本の戦後史とジェンダー・セクシュアリティが絡み合う移動現象であり、観光とそれを変えようとする動きにともに着目している。
教育
大学では観光文化論、観光史などを担当。
ゼミでは人文系書籍の輪読やフィールドワーク、同人誌を作ったり。大学院・学部ともに学生の研究テーマは、人文社会系ではありつつ、観光の歴史、観光地、観光スタイル、あるいはポップカルチャー、オタクカルチャーなど。
修論タイトル 2025年度(1期生)
神社観光における聖と俗の共存ーー明治期から現代の青島神社の変遷より
馬と編む観光というひとときーー馬を用いた観光における関係性と経験の形成
卒論タイトル 2025年度(1期生)
“かわいい”をめぐる観光についての考察--サンリオピューロランドにおける体験をパフォーマンス論の視点から
ショッピングモールにおけるコミュニティ生成--イオンモール和歌山を事例に
テーマ化された商業空間における「懐かしさ」の生成--運営・店舗・来訪者からみるKITTE大阪
「異文化体験」か「日常空間」か--語りと参与観察をともに考察する大阪市のベトナム系食空間における体験と日常の交差
西成における「まなざし」の変化に関する研究ーー新聞・雑誌・SNS・YouTubeの比較分析
観光によって媒介されるポリティクスーー戦間期ハンガリーにおける観光の政治性
直島における観光経験の「余白」ーーアート空間が生み出す時間と身体のリズム
趣味嗜好
観光の問題性について研究しつつ(とくに表象の政治性に着目していつつ)、自分自身は旅行好きで、エキゾチックなものが好きな傾向があることは否めない。日常的にも、エスニック系のレストランによく行く(中華レストラン日記を別のタブで記載)。
韓国語勉強中。
ロックとヒップホップが好き。たまにギター弾く(現在はクラシックギター1本)。ラップスタア誕生のファン。
帯広(北海道)→大阪→札幌→埼玉
→和歌山(勤務先)・大阪(縄張りはなんば周辺)。
サイトについて
サイトをつくった理由:①論文や学会発表には載らない資料が溜まってきたため。②それらの機会には表現する機会のない、作業プロセスや、ある研究成果の背景的なきっかけ、動機、調査旅行なども、実はかなり研究内容に絡んでくるものの発信する機会はあまりなく、そうした文章を置いておく場をつくりたかったため。
とはいえ、時間のある時に、さくっと投稿するかたちになります。また、リアクションを気にせず静かに書けるよう、自作HPにしてみました。デザイン・文章はつくりこみすぎないようにしています。
一部の記事(現状 観光史 資料紹介のページ)はアルバイトの学生に執筆をお願いしています。
I'm an academic in sociology and tourism studies. My research themes are ①Tourism in Occupied Japan (1945-52) and ②Tourism cultures of South Korea and Japan (1960'-80'). My interest is to think about worlds and histories which are created by contacts and communications between people who have different backgrounds.
I have classes such as "Tourism Culture," "History of Tourism." Besides I have seminers for undergrads and graduate (only master for now) students , where we read books of humanity and social sciences, conduct fieldwork and publish zine which students create it by themselves (link below).
https://www.wakayama-u.ac.jp/tourism/news/2025091100062/
I'm practicing Korean. Big fun of Rock and Hip hop (somehow prefer Japanese or Korean one). Play the guiter (gut, acoustic, electric and anything). Love travel and the world of cuisine. Born and raised in a city in Hokkaido. Now I work in Wakayama and hang out mainly south side of Osaka city🚶➡️