2026.2.某日
金曜日の昼間、西成のカラオケスナックへ。ゼミ生3人と。
今回行ったのは日本人経営のスナック。この店は前のゼミでも行ったので、私は2回目ということになる。人々が面白かったので備忘録。
店員は2名、途中で1名増えて3名。以前は、何もできないし、それを公言している人もいたが笑、今回はベテランのよう。提供も早い。なかなか歌おうとしない常連さんに促したり、カラオケ中には合いの手や手拍子を入れたり、タバコばかり吸って料理に手をつけない客に、はよ食べと注意したり。それでこの店は金額も安く、お酒をおごる文化もない。4人で4,000円ちょい。このエリアでは圧倒的にいい店といえる。(以前一人で行った中国・ベトナム混成系の店では、一瞬で7,000円消し飛んだ。)
案内されたのは角の二人席。そこに四人で詰め込まれるかたち。すぐ近くのカウンターに、顔見知りの常連三人。女性二人と男性一人。男の人は盛り上げ上手で、誰が歌っても盛り上げようとしてくれている。女の人一人が、桃色の片思いを、ぶりぶりな声色で歌った。振り付けや客へのサービス?あり。この人たちは、我々のことが気になっていただろう。きっかけをつかもうとしていたように思う。大阪のこういう人たちは意外とシャイなことがある。夜だともっと色々と話すことになっていただろうけど。
奥側には3人くらいの顔見知りのおっちゃん(70代?)。みんな歌が上手い。初めは気づかなかったが、会津のなんとかという曲を、3度も4度も入れて歌っていた。たまに隣のおっちゃんにマイクを向けて歌わせるが、マイクが入っておらず、1コーラスまるまる、マイクなしの歌声が響く謎の時間があった。一人のおっちゃんは、ゼミ生が歌うと間奏で「いいね!!!」と合いの手を入れてくれる。私が悲しい色やねを歌ったあと、「まけてや!!!」と言って、どういうこと?と思うと、近くのおっちゃんが「うますぎて手加減してや!」と、翻訳してくれる感じでガヤった。そういう意味か、なんてハイコンテクストで高度なコミュニケーションなんだと思った。飲み屋に入り浸って、こういうコミュニケーションができるようになるのは少しあこがれる。
その手前側には、一人の男性の客。細身で薄味の顔、少しよれたチョッキ(タクシー運転手?)、少し伸びたパンチパーマ。タバコを吸う姿がとても決まっていて、ほれぼれした。しかしタバコばかり吸っていて、だし巻きタバコに手をつけないでお店の人に怒られていた。そして、ずっと誰かの声が聞こえると思っていたが、この人がずっとぶつぶつと何かを唱えている声だった。その後、トイレに行くとこの人が入っている。お店の人曰く、いつも長い、髪をセットしている、とのこと。
一番左側の席にも男性の一人客。なかなか歌わないので、店員さんに促されていた。歌うと渋くてすごく上手い。とても盛り上がった。おそらくとてもシャイな人。そしておそらく、われわれがうまいうまいと誉めていたのに気をよくして、二曲目も入れていた。しかしその際は、一曲目ほどは歓声はあがらず、おそらくそれを少し気にしていた。「調子乗ったわ」など言って、すぐにお会計。
学生から誘われて行ったわけだが、学生いわく「カラオケ居酒屋」は個室だと思っていたよう。初めは、恐る恐る、という感じがあった。とはいえ、ずっと引いている、というような様子はなかった。それはお店が、意外にも(というと失礼だが)一見さんにとてもオープンなことによるだろう。しかしみんな昭和・平成初期の曲を入れる(私もそうしてしまった)ので、選曲は、困っていたよう。一人が、負けないでを入れると、近くのお兄さんが「おっちゃんに合わしてくれてんねんな!」と声を発してくれた。こういう、誰にでもなく「声を発する」って、自分にはあまりないかもしれない感覚。ヨルシカを歌った学生もいたが、その歌がうまかったこともあるかもしれないが、それはそれで盛り上がっていた。
バンドをやっている歌うまの学生は、プラスチック・ラブ、Automatic、丸の内サディスティックを歌った。これに関しては、はっきりとうまいため、「うまい」というフレーミングで盛り上がる感じとなった。丸の内サディスティックは、3曲目ということもあり、やや日常化したかもしれない。しかし94点をとった。ちなみにこの店には点数によって景品があり、この子はその前に、お酒1杯サービスをとっていた。そして、93点はなにか景品があったが、94点は逆に景品なしだった。そこですかさず店員さんが、今日一番だったから、といって、アンパンマンのチョコをくれた。このあたりも、半ば純粋な気持ちや優しさ、半ば巧みなコミュニケーションだと思う。その巧みさを含めてホスピタリティを感じる。
一人の男性が入店して、近くの空いた席に座った。二曲続けて入れた。どうやら南アジア系?の方。スマホで動画を撮り出して、学生にも向けるのには少しいらっとした。そのあたりで退店。滞在時間は一時間半ほどだろうか。
2026.1.11
ホームページがgoogle 検索で表示されないのが気になっていた。色々調べたり、やってみたが、うまくいっていなかった。Search Consoleなるものの中にある、インデックス登録が必要とのことだが、Search Consoleに入るための認証がうまくいかない。
弟(SE)に聞いて、調べてみてもらった。Google Analyticsに登録し、それとこのホームページをリンクさせると、Search Consoleでの認証がうまくいくと教えてもらった。やってみるとうまくいった!
ホームページが表示されるようになる方法を調べている中で、Analyticsに登録する必要があるというような記事を読んで、アクセスしてはみていたが、なんか企業向けの感じがあり(あと、お金かかる感じもあり)、引き返してしまっていた。今回は突入していった結果、個人でも、無料で、登録することができた。
これで、しばらくすればウェブ検索で出てくるようになるはず。
調べるのはけっこう大変だったらしい。ありがとう弟
2025.12.31
友達と昼からはしご酒して一緒にスーパー銭湯、家で紅白を見ながらそばを食べて、仮眠してから授業資料をつくっている一日。
公開される場所で書ける範囲で、今年はどういう年だったかと考えると、研究関係で長らく堰き止まっていた石が外れて水が流れ出した年、という感じがする。第一に、論文を2本出せた。周りの生産的な研究者からすれば、最低限にも満たない本数かもしれないが、個人的には2本出せたのは2018年以来。来年・再来年も1本以上は出そうな気がする。論文を読んでくれた記者の方とお話しできたりしたのも面白かった。
第二に、長年独りで作業していた博論本の出版の見通しが立った。協力いただいた方々のおかげでしかない。編集者の方にもしっかり読んでいただき、的確にコメントをいただけるのがありがたい。来年上半期も、この作業が中心になると思われるが、これまでのような見通しの見えない重い気持ちがなくなった。
第三に、面白い研究テーマを見つけた。人に誘われる、学会があるから、など、外発的な動機でも研究はできなくはない。社会的に重要だから、というモチベーションでもできる。それらにも自分からは疎外された意義だけではなく、(うまくはまれば)関わりの中に滋養みたいなものもあるような気がする。しかし、自分の中でなぜかそそるテーマに取り組む作業は、やっぱり研究しているという実感がある。実感は大事。
それに付随して、資料や関連文献の読書も進んだ。読書が意欲的に進んだのも、7〜8年ぶりくらいのことのように思われる。
他にも色々と出会いや面白いこともあった一年だった。
2025.12.12
聴いたものこの頃は少し時間ができた。11月初めに出版社の方に完成稿をお送りして、デラを待つタイミングになったため。といっても、その間、ぎりぎりになっていた授業準備、授業、ゼミ、論文の査読結果を受けた修正、こちらでの査読審査もいくつかあった。ほか、企画展のパネルの制作など。
とはいえ比較的余裕があった中で読んでいたのがセクシュアリティ研究関係の本。はじめは、今年からもらっている科研の研究を進めるためだった。その研究テーマにはいくつかの主体が関わるが、そのうち一つの主体について、あまり掘り下げた研究がないように感じて事例を調べ始めた。いまだ、決定的な事例に出会っていない感がある。しかし、歴史性や、より短いスパンにおける経緯、その人たちのある種の複雑性はなんとなく見えてきた。
調査資料のジャンルの一つとして、歴史的なジェンダー研究、セクシュアリティ研究の本をいくつか集めて読む。これまで、クィアスタディーズのようなイメージがあったが、マジョリティ男性、マジョリティ女性のセクシュアリティについての研究も(たくさん)あったことに気付かされる。マジョリティのセクシュアリティについての話は、これまでほぼ触れてこなかったジャンルだが、これがふつうに読み物としてものすごく発見があった。そうして、授業やゼミの輪読に使えるかもと思って買って読んでいなかった恋愛社会学の本や、この分野の議論でよく出てくる小説(『蒲団』『痴人の愛』『驟雨』など)も読む。あまり歴史化・言語化のイメージがなかった領域が言語化される面白さを感じた。小説も、この手の小説をほぼ読んでこなかったが、人間の愚かさやオシャレさ、情けなさなどが凝縮されていて、そしてなんとなく、知っている範囲の、そういうテーマの現代文学よりも、非常に現代的な機敏に富んでいるようにも思われた。現代文学でも、面白いものがあるのだろうか。多分、あまり出会う環境にないだけだろう。
研究にどのくらい直結するのかはもはや半ば度外視されながら、セクシュアリティ、結婚、恋愛、花街、そのようなツーリズムについて俄か仕込みしたこの1ヶ月。ゲラが届くまではブームが続きそうな気がする。
2025.12.4
・展示パネルの推敲、主担当の先生に送る。近くのスタバで2時間ほど。一時は大変だったけど楽しい作業だった。
・論文修正 4ターン目
・『生活史の方法』実際的で、調査まわりの準備や心のもちようの解像度が上がる。倫理審査の話とか、調査者の属性の話など面白かった。調査者の属性については、逃れられない宿命を感じるとともに、誰にでもついて回るものだと分かり少し安心感があった。
2025.11.30
・展示パネルのファイル作成。wordで作っていく。おそらく作業2日目。3枚できあがったのと、途中のものが2枚。残りは、この途中のもの2枚と冒頭の解説文1枚。
2025.11.15
・他の論文修正 こちらも3ターン目
2025.11.14
・論文修正 3ターン目
・『観光経験の人類学』のガイドの章、『ひとから問うジェンダーの世界史』
・要旨も作成 英文校正のために校正サイトにアクセスすると、「論文執筆代行」のサービスが公然とあり、ぎょっとする(「フルサービス」60万円)
2025.11.10
3年ゼミでフィールドワーク(新今宮周辺)。あいりんセンターから南の通り、ホテルの並ぶ通り、観光客も多い大通り、商店街3本、飛田新地北側の結界、三角公園などを回る。近年の状況としての関帝廟や新築の民泊用物件、日中友好のポスターも見る。
その後カラオケスナック。前週にみんなで見たドキュメンタリーのお店。一人の学生が歌がうまくて、常連さんからお酒おごってもらっていた。お店の人の素人感もひとつの味になっていた。それでも料理はけっこう美味しかった。お店全体でゆっくり楽しもうとする雰囲気があり面白かった。いい選曲のヒップホップ(Longiness, Kawasaki Drift…)を選曲し続けるおじさんも面白かった。
2軒目は、絡んでくる系の客がだるかった。店員も仲裁してくれない。すぐ帰った。料金も謎に高かった。その場に残った飲兵衛の2人によると、その後はバックパッカーのアメリカ人、メキシコ人が来店してきて楽しかったらしい。
なかなかに余韻の残るフィールドワークだった。参加者から感想を聞けるのは再来週。