サッカーでマネジメントを学ぶ

【攻守の要】中村憲剛と考えるボランチ論

サッカーというスポーツを通じて企業のマネジメントが学べる理由

チームワークの重要性:サッカーは11人の選手で成り立っており、連携と協力が求められます。企業のマネジメントでも、部門間の連携やスタッフ間の協力が不可欠です。

リーダーシップ:キャプテンや監督がリーダーシップをとり、チームを牽引します。これは、企業のリーダーやマネージャーの役割に似ています。

戦略とタクティクス:試合ごとに相手の特性や弱点に応じて戦術を組む必要があります。これは、ビジネスの戦略計画に似ている点があります。

資源の最適な活用:サッカーでは、選手のポジションや交代戦術を適切に選ぶことが大切です。企業では、人材や資金、その他のリソースを適切に配置・活用する能力が求められます。

継続的な学習と改善:サッカー選手やチームは、試合や練習を通じて常に成長し続ける必要があります。これは、企業の絶え間ないイノベーションや改善活動と共通しています。

危機管理:試合中には突発的な事態や誤算が生じることも。それをどのようにカバーし、逆転するかが求められる。これは、ビジネスの危機管理と似ています。

コミュニケーションのスキル:選手同士、そして監督やコーチとのコミュニケーションは、試合の流れを良くするために非常に重要です。企業におけるコミュニケーションの重要性と同様です。

結果を出すプレッシャー:選手たちは勝利のためにプレイしますが、そのプレッシャーは企業の結果を求めるプレッシャーと似ています。

ステークホルダーとの関係:ファン、スポンサー、メディアなど、多くのステークホルダーとの関係を築く必要があります。企業も顧客、株主、メディアなどのステークホルダーとの関係を築く必要があります。

本動画は、鈴木啓太 / Keita SuzukiさんのYoutube動画です。この動画から私が、マネジメントに活かせると捉えた部分は以下の箇所です

Q.ボランチの仕事とは?

A.ボランチ(真ん中のポジション)は、人に伝えるのが仕事。だから言語化出来ることが求められる。試合中の短い時間・短いセンテンスで別の選手に伝えなければいけない。だから、自分の思ってること・考えてることを言葉にして、コーチや仲間に伝える練習を意識的に行うことが大事。特にボランチはチーム全体を動かす役目、だから自分の意思が伝わらないとチームは動かない。

Q.ボランチの仕事の具体例は?

A.FWにどう伝えたら、守備に参加してくれるか?単純に「下がって守備してくれ」と伝えても、FWは動いてくれない。ただ、「下がってディフェンスするといい形でボールが取れるから、その後のショートカウンターでゴールが奪えるよ」と伝えて一回でも成果があがると、その後は守備に参加してくれるようになった。FWという種族は、点が取れるという利益があれば、動くからね (笑)

この動画から何が学べるか?

コミュニケーション能力の重要性:

ボランチの役割が企業におけるリーダーやマネージャーの役割に喩えられることができます。彼らは、自分の考えを効果的にチームに伝え、全体を動かす役割を果たす必要があります。


目標の明確化:

「下がってディフェンスするといい形でボールが取れるから、その後のショートカウンターでゴールが奪えるよ」という具体的な説明は、企業での具体的な目標設定と直結します。目標が明確で利益が見える場合、チームメンバーはその方向へ動く意欲を高めることができる。


利益の共有: 

FWに対する指示の例から、企業における利益の共有の重要性が見て取れます。個人がその行動からどのような利益を得られるのかを明確にすることで、チームメンバーのモチベーションを向上させることが可能です。


戦略的な指導: 

単純な指示ではなく、なぜその行動が必要なのか、どのような結果が期待できるのかを説明する戦略的な指導は、企業のマネジメントにおいても有効です。それにより、チームメンバーは指示の背後にある目的を理解し、より意識的に行動することができます。


多様な価値観の理解: 

ボランチがFWという「種族」の動き方を理解しているように、企業のマネジメントでは、異なる背景や専門分野を持つメンバーの価値観を理解し、それぞれの動機を最大限に引き出す方法を探ることが重要です。


組織全体の協調: 

ボランチの役割から、組織全体が一体となり、共通の目標に向かって努力する重要性が学べます。リーダーやマネージャーが組織全体の流れを調整し、各部門やメンバーが連携して動くようにする必要があるという点で、企業のマネジメントと直接関連しています。

まとめ

サッカーのボランチの役割は、企業におけるマネジメントにおける多様な価値観の理解と密接に関連しています。ボランチがFWに対して、単純な指示ではなくゴールが奪える利点を具体的に説明することで、協力的な動きが生まれた例がこれを象徴しています。


この洞察から、マネージャーがメンバーの価値観を理解することは、組織内のコミュニケーションと協調の成功に不可欠であると言えます。価値観の理解は、目標の明確化、利益の共有、戦略的な指導、組織全体の協調といった先に挙げた要素と深く関連しており、企業のマネジメントにおいてもその重要性が顕著です。関連ページ:価値観を特定するための手順


マネージャーが各メンバーの個別の動機や価値観、そして彼らが何に反応するのかを理解することで、より効果的なコミュニケーションとチームワークが可能になります。具体的な利益を提供することでメンバーのモチベーションを高める方法や、個人の成功をチーム全体の成功に結びつけるなどの効果的なマネジメントの手法が派生します。関連ページ:価値観を共有する手順(チームビルディング)


まとめると、マネージャーがメンバーの価値観を理解することは、組織の効率、生産性、そして持続可能な成功を促進する中心的な役割を果たします。サッカーのボランチのように、各メンバーが何を重視し、どのように動機づけられるのかを理解することで、個人とチーム全体の最大の潜在能力を引き出すことができるのです。