現在、日本の家計部門の金融資産は約1700兆円ですが、一方で不動産がほとんどを占める非金融資産も約1000兆円に上ります。現在急速に進行中の少子高齢化に対処するためには、ストックとしての不動産の活用が欠かせません。しかし、不動産市場には可視化されていない情報が多く、資産の流動性の低さ、例えば「売りたいときに適切な価格で売るのが難しい」という問題があります。
不動産市場ではまだIT化は道半ばで、人手に頼る部分が非常に大きいのが現状です。しかし、最近は不動産市場の効率化を旗印に掲げた新たなプレイヤーが続々と参入しており、AI技術を活用しようという動きも非常に盛んになっています。売買双方にとって納得できる価格を推定するアルゴリズム、接客のチャットボットなどによる自動化、物件画像の深層学習による解析など、さまざまな取り組みが産学の双方で進められています。
2018年度人工知能学会全国大会(JSAI 2018) オーガナイズドセッション「不動産とAI」は、不動産分野でのAI技術の最新の取り組みや課題を共有することで、不動産分野のAI適用の研究・開発活動の活性化につなげることを目的に、昨年に引き続き開催します。
不動産分野に関わるAI適用の研究はもちろんのこと、ビジネス領域での適用の取り組みに関する発表も歓迎いたします。皆さまの積極的なご投稿、ご参加をお待ちしております。
開催の様子
お知らせ
2018年12月3日
JSAI 2019でのオーガナイズドセッション「不動産とAI」の提案が採択されました。詳しくは、こちらのページをご覧ください。
2018年6月6日
昨年に引き続き、本年も盛況のうちに開催することができました。ご発表、ご参加いただいたすべての方々に感謝申し上げます。開催の様子を掲載いたしました。
2018年5月15日
招待講演企画は諸事情により中止となりました。発表者、参加者の皆さまとの総合討論の時間に振り替えさせていただきますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
JSAI 2018への参加事前登録期間は5月22日(火)までとなっております。現地でのご登録も可能ですが、受付での混雑を避けるため、早めのご登録をお勧めします。
2018年4月19日
プログラムが確定いたしました。ご投稿ありがとうございました。
4月24日(火)までに申し込むと参加登録費が割引となります。JSAI 2018の聴講参加申込ページより、お早めにお申し込みください。
2018年3月9日
発表申込および原稿提出の締切が1週間延長され、3月16日(金)14:00となりました。奮ってご応募ください!
2018年3月1日
開催日時が6月6日(水)午後に確定いたしました。
2018年2月15日
発表募集を開始いたしました(締切 3月9日(金)14:00)。今年から発表申込と同時に原稿をご提出いただくことになりましたのでご注意ください。
また、今年初めての取り組みとして不動産テックに関する国際ワークショップMultimedia for Real Estate Tech 2018を、横浜で開催されるACM ICMR 2018の併設にて6月11日(月)に開催いたします(投稿締切 3月10日(土))。こちらもぜひご投稿をご検討ください。
2018年1月29日
ページを公開しました。発表申込期間は2月12日〜3月9日(金)となります。今年から申込と同時に論文投稿となりますのでご注意ください。
開催概要
開催日程
2018年6月6日(水)15:20-17:00
場所
城山観光ホテル(鹿児島県鹿児島市新照院町41番1号)
C会場(4階 オーキッド)
セッション趣旨
金融分野でのテクノロジー活用を意味する「FinTech」に続いて、不動産分野の「Real Estate Tech(ReTech)」というキーワードが注目を集めている。現在、不動産分野をビジネス領域とするテクノロジーを活用したユニコーン企業が世界中に数多く生まれており、日本でもAI関連技術を活用したスタートアップ企業群が立ち上がりつつある。大学でもAI分野の研究者が不動産分野の研究課題にもチャレンジを始めている。一方で、不動産の購買プロセスの複雑さ、実世界の不動産の情報をどのように収集・取得するか、さらには宅地建物取引業法などによる規制など、AI関連技術の適用にあたって壁となるさまざまな問題も存在する。
本オーガナイズドセッションでは、不動産分野でのAI関連技術の最新の取り組みや課題を俯瞰し、共有することによって、不動産分野のAI適用の研究・開発活動の活性化につなげることを狙う。
具体的には、以下に挙げるような(しかし以下に限定されない)テーマを扱う。
- 立地や建物の品質など、さまざまな要因によって左右される不動産の価格を適切に推定するAI。現時点で達成できている精度、不動産物件の売買双方をどのように納得させるか、ソーシャルメディア・クラウドソーシング・IoT(センサーデータ)の活用など。
- 不動産取引において大きなコストがかかっている「接客」を自動化するAI。適切なレコメンデーションやチャットボットなど。
- 不動産情報の品質の向上(不正な情報の検出や是正)や、個々の不動産物件特有の「魅力」のアピールにAI技術を適用する取り組み。不動産物件画像への深層学習(CNN)の適用など。
プログラム
〇加藤 尚輝、山崎 俊彦、相澤 清晴(東京大学) 大浜 毅美(株式会社ietty)
〇池上 顕真(株式会社リクルート住まいカンパニー) 伊藤 博典(京都大学) 野村 眞平(株式会社リクルート住まいカンパニー)
3. Web不動産データを用いた空物件が埋まる遷移に関する多変量解析
〇渡邊 隼史(統計数理研究所) 一藤 裕(長崎大学) 鈴木 雅人(UDアセットバリュエーション) 山下 智志(統計数理研究所)
〇豊原 優(東京理科大学) 門 洋一(アットホーム株式会社) 山崎 俊彦(東京大学) 藤森 進、太原 育夫(東京理科大学)
5. 総合討論
発表・参加募集
大会参加申込
2018年2月15日(木)〜5月22日(火)の受付期間中、JSAI 2018の聴講参加申込ページよりお申し込みください。現地での登録も可能ですが、受付の混雑を避けるため、事前参加お申し込みをお勧めします。
参加費については聴講参加申込ページをご覧ください。
発表申込・原稿提出
2018年2月12日(月)〜3月9日 3月16日(金)午後2時(〆切厳守)の受付期間中に、JSAI 2018 Webサイトの論文投稿募集ページよりお申し込みください。今回より、発表申込時に原稿もあわせてご提出いただくことになりました。ページ数は2ページ(約4,000字相当)で、希望により4ページまで執筆可能です。詳しくはJSAI 2018 Webサイトの執筆案内をご覧ください。
発表希望セッションとして「OS-17: 不動産とAI」を必ずご指定ください。発表申込は大会全体を通じて発表者お一人あたり1件のみとなります。
採択通知
2018年4月上旬を予定しています。発表申込件数が発表枠数を超過した場合は、オーガナイザの判断により一般セッションでのご発表となることがございます。
オーガナイザ
清田 陽司(株式会社LIFULL LIFULL Lab) KiyotaYoji (at) LIFULL.com
山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科) yamasaki (at) hal.t.u-tokyo.ac.jp