2017年度人工知能学会全国大会(JSAI 2017)
オーガナイズドセッション
OS-15「不動産とAI」
2017年5月23日(火) 15:50-19:30
ウインクあいち(愛知県産業労働センター、愛知県名古屋市)
現在、日本の家計部門の金融資産は約1700兆円ですが、一方で不動産がほとんどを占める非金融資産も約1000兆円に上ります。現在急速に進行中の少子高齢化に対処するためには、ストックとしての不動産の活用が欠かせません。しかし、不動産市場には可視化されていない情報が多く、資産の流動性の低さ、例えば「売りたいときに適切な価格で売るのが難しい」という問題があります。
不動産市場ではまだIT化は道半ばで、人手に頼る部分が非常に大きいのが現状です。しかし、最近は不動産市場の効率化を旗印に掲げた新たなプレイヤーが続々と参入しており、AI技術を活用しようという動きも非常に盛んになっています。売買双方にとって納得できる価格を推定するアルゴリズム、接客のチャットボットなどによる自動化、物件画像の深層学習による解析など、さまざまな取り組みが産学の双方で進められています。
2017年度人工知能学会全国大会(JSAI 2017) オーガナイズドセッション「不動産とAI」は、不動産分野でのAI技術の最新の取り組みや課題を共有することで、不動産分野のAI適用の研究・開発活動の活性化につなげることを目的に開催します。不動産物件価格推定の研究を長年続けていらっしゃる日本大学/MITの清水千弘先生による招待講演も行われます。
不動産分野に関わるAI適用の研究はもちろんのこと、ビジネス領域での適用の取り組みに関する発表も歓迎いたします。皆さまの積極的なご投稿、ご参加をお待ちしております。
お知らせ
2017年11月1日
本オーガナイズドセッションでの荒川周遊さんらのご発表「暗黙知センシングに基づいた飲食店向き不動産店舗の賃料推定」が、全国大会優秀賞【オーガナイズドセッション口頭発表部門】として表彰されました。おめでとうございます!
2017年5月23日
60名を超える方々にご参加いただき、盛況のうちにセッションを終えることができました。ご発表、ご参加いただいた方々に心よりお礼申し上げます。
2017年4月15日
聴講事前参加申込は締め切られました。当日参加の方は、現地にて参加費をお支払いください。
2017年3月22日
正式なプログラムが公表されました。開催日時は大会1日目の5月23日(火)15:50-19:30になりました。
セッションの参加にはJSAI 2017への聴講参加申込が必要です。4月14日(金)14:00までにお申し込みいただくと参加費割引が受けられますので、お早めにお申し込みください!
2017年1月10日
発表申込受付が締め切られました。多数のお申し込みありがとうございました。採択通知は2月上旬の予定です。
2016年12月20日
発表申込受付が開始されました。
2016年12月14日
ページを公開しました。
開催概要
開催日程
2017年5月23日(火)15:50-19:30
場所
ウインクあいち(愛知県産業労働センター)
9階 907会議室(H会場)
愛知県名古屋市中村区名駅4-4-38
セッション趣旨
金融分野でのテクノロジー活用を意味する「FinTech」に続いて、不動産分野の「Real Estate Tech(ReTech)」というキーワードが注目を集めている。現在、不動産分野をビジネス領域とするテクノロジーを活用したユニコーン企業が世界中に数多く生まれており、日本でもAI関連技術を活用したスタートアップ企業群が立ち上がりつつある。大学でもAI分野の研究者が不動産分野の研究課題にもチャレンジを始めている。一方で、不動産の購買プロセスの複雑さ、実世界の不動産の情報をどのように収集・取得するか、さらには宅地建物取引業法などによる規制など、AI関連技術の適用にあたって壁となるさまざまな問題も存在する。
本オーガナイズドセッションでは、不動産分野でのAI関連技術の最新の取り組みや課題を俯瞰し、共有することによって、不動産分野のAI適用の研究・開発活動の活性化につなげることを狙う。
具体的には、以下に挙げるような(しかし以下に限定されない)テーマを扱う。
- 立地や建物の品質など、さまざまな要因によって左右される不動産の価格を適切に推定するAI。現時点で達成できている精度、不動産物件の売買双方をどのように納得させるか、ソーシャルメディア・クラウドソーシング・IoT(センサーデータ)の活用など。
- 不動産取引において大きなコストがかかっている「接客」を自動化するAI。適切なレコメンデーションやチャットボットなど。
- 不動産情報の品質の向上(不正な情報の検出や是正)や、個々の不動産物件特有の「魅力」のアピールにAI技術を適用する取り組み。不動産物件画像への深層学習(CNN)の適用など。
招待講演
「不動産価格の決まり方 -AIは不動産鑑定士に勝つことができるのか?-」
(日本大学スポーツ科学部教授・マサチューセッツ工科大学不動産研究センター研究員)
不動産価格は、同質の財が存在しないという特性を持つため、最も測定が困難な対象の一つである。そのような中で、近年において再度注目される機械学習の一つである回帰木やNNが、統計学の分野で高い評価を受けるきっかけとなったのが、Harrison and Rubinfeld(1978)の「ボストンの不動産価格データ」を対象とした統計実験であることは有名な話である。本報告では、不動産価格の測定を取り巻く過去から現在における研究の流れを最新事例と併せて紹介する。
プログラム
15:50-16:30 招待講演「不動産価格の決まり方 -AIは不動産鑑定士に勝つことができるのか?-」
清水 千弘(日本大学/マサチューセッツ工科大学)
16:30-16:50 都市間比較を目的とした住宅価格指数の整備に関する研究
横山 貴央(株式会社LIFULL) 清水 千弘(日本大学/マサチューセッツ工科大学)
16:50-17:10 暗黙知センシングに基づいた飲食店向き不動産店舗の賃料推定
荒川 周造(NAIST) 諏訪 博彦(NAIST) 小川 祐樹(立命館大学) 荒川 豊(NAIST) 安本 慶一(NAIST) 太田 敏澄(所属なし)
17:10-17:30 IoTセンサを用いたマンション物件計測と快適度評価
大渕 友暉(東京大学) 山崎 俊彦(東京大学) 相澤 清晴(東京大学) 鳥海 哲史(株式会社フューチャースタンダード) 林 幹久(株式会社フューチャースタンダード)
17:30-17:50 休憩
17:50-18:10 広がり続ける100ninmap project 〜街歩きから不動産検索まで〜
北 雄介(京都大学) 荒牧 英治(NAIST) 若宮 翔子(NAIST) 宮部 真衣(和歌山大学) 河合 由起子(京都産業大学) 清田 陽司(株式会社LIFULL)
18:10-18:30 深層特徴量を用いた類似間取り図検索
高田 祐樹(東京大学) 井上 直人(東京大学) 山崎 俊彦(東京大学) 相澤 清晴(東京大学)
18:30-18:50 不動産仲介マーケティングのためのユーザ行動予測
大浜 毅美(株式会社ietty)
18:50-19:10 SUUMOでの不動産データ活用の取り組みと未来
杉浦 太樹(株式会社リクルート住まいカンパニー) 野村 眞平(株式会社リクルート住まいカンパニー)
19:10-19:30 総合討論
発表・参加募集
大会参加申込
2017年2月15日(水)〜4月14日(金)午後2時の受付期間中に、JSAI 2017の聴講参加申込ページよりお申し込みください。
事前聴講参加申込は締め切られましたが、当日参加も可能です。
参加費については聴講参加申込ページをご覧ください。
発表申込(締め切りました)
2016年12月20日(火)〜2017年1月10日(火)午後2時の受付期間中に、JSAI 2017 Webサイトに開設されている申込受付システムにてお申し込みください。発表申込時には以下の情報を記入していただく必要がございます。タイトル(サブタイトル)著者名および所属概要(200文字以内)
申込時点では発表原稿の提出は必要ございません。発表希望セッションとして「OS-15: 不動産とAI」をご指定ください。
採択通知
2017年2月上旬を予定しています。発表申込件数が発表枠数を超過した場合は、オーガナイザの判断により一般セッションへの移動をお願いすることがございます。
発表原稿提出(締め切りました)
2017年3月1日(水)~3月8日(火) 午後2時の受付期間中に、JSAI 2017 Webサイトの発表受付システムにてPDFファイルをご提出ください。ページ数は2ページ(約4,000字相当)で、希望により4ページまで執筆可能です。詳しくはJSAI 2017 Webサイトの執筆案内をご覧ください。
オーガナイザ
清田 陽司(株式会社LIFULL リッテルラボラトリー) KiyotaYoji (at) LIFULL.com
山崎 俊彦(東京大学 大学院情報理工学系研究科) yamasaki (at) hal.t.u-tokyo.ac.jp