■検証すること
自分の娘が車と共に焼かれる場面で、良秀の表情は驚きから恍惚(こうこつ)に変わったとみなされる。この恍惚の表情のときに見ていたのは焼かれる自分の娘だったとされることが多い。では、作品の中で何を見ていると書かれているのか?
■作品は何といっているのか?
時間の順に「燃える車の様子」とその後の「良秀の様子」を引用します:
(1) 燃える車の様子
(2) 良秀の様子
ポイントを整理します:
■語り手が見る良秀
語り手「私」は良秀について以下のように説明しているがこれは単なる個人的な印象でしかないので注意して読む必要がある:
良秀の目に何が映っているかは本人のみが知ることで、はたから見ている語り手「私」には知りようがない。
状況から判断して物理的に良秀の目に何が映っていたかという点では、上記で分析して結論付けたように火の柱が映っていただけである。