■検証すること
良秀が地獄変の絵の中で描けない箇所があると大殿に言った箇所は、女性が焚死する(燃え死ぬ)ところだとみなされることが多い。作品の中でそのように書かれているのか?
■作品は何といっているのか?
良秀が大殿に何が描けないかを説明する場面は十五節にあります。以下に抜粋します:
良秀が描こうとしていた女性を整理します:
良秀は、燃える車の炎の中で悶えて苦しむ姿を描きたいと言っているだけ。作品の中において、良秀が死を望む発言は全くありません。
さらに、上記5番に着目すると、まだ火の粉をはらうという段階です。つまり、服や女性そのものが燃え出す状態を想定していません。
■結論
良秀は、焚死を描こうとはしていない。