ノートル=ダム再建工事年表(2019-2024)
画像:ノートル=ダム・ド・パリ(2023年5月、撮影:嶋﨑礼)
2024年
12月8日
再建されたノートル=ダムで礼拝が再開される(公式予定)。
※当初の予定は2024年4月16日
5月
交差部のヴォールトが再建完了する。
4月
身廊部分への鉛の屋根葺作業が始まる。
3月
外陣の小屋組が完成する。
2月
尖塔への鉛の屋根葺作業が始まる。
1月
内陣の小屋組が完成する。
2023年
(※主にRebâtir Notre-Dame de Parisの公式サイト・Facebookページ、および本プロジェクトの公式Facebookページより引用、加筆)
12月
トランセプトの小屋組が完成する。
外陣西端の切妻壁が再建完了する。
尖塔が完成する。
10月
身廊の小屋組が載る壁体の笠石部分(mur bahut)が再建完了する。
ステンドグラスの修復が完了する。
尖塔の木製彫刻の設置が開始される。
7月
内陣の小屋組の再建が始まる。
6月
外陣の小屋組の試験組立が行われる。
交差部四辺の小屋組トラスが設置される。
5月
内陣の小屋組の試験組立が行われる。
トランセプト南側のファサード上部の切妻壁が再建完了する。
ファサードの彫刻(キメラ像、天使像)の修復作業が始まる。
4月
火災により崩落していた外陣東側のヴォールトの再建工事が完了する。
尖塔の基台部分(tabouret)の部材が現場に運ばれ、その交差部への設置が完了する。
トランセプトのファサード上部の切妻壁の再建工事が開始される。
3月
尖塔の基台部分(tabouret)の試験組み立てが始まる。
2月
トランセプト交差部のヴォールトがリブのみ再建完了する。
小屋組再建に必要なナラ材の最後の一本の伐採が完了する。
2022年
(※資料ダウンロードページ中の資料1と資料2より引用、一部加筆)
12月
トランセプト交差部にヴォールト再建用の木製の仮枠が置かれる。
11月
北袖廊のヴォールトの再建が完了する。
大聖堂前広場に彫刻家の作業場が設置される。
10月
交差部にて石造部分の工事が始まる。
外陣及び内陣の小屋組に用いるナラ材の伐採開始。
9月
交差部の足場設置が完了、尖塔の再建作業が開始される。
6月
壁やヴォールト表面のラテックスを用いたクリーニング作業が開始される。
3月
石材の切り出し作業を開始。
2月
ヴォールトのエフロレッセンス(白華)の撤去作業開始。
交差部の足場設置に先立ち、交差部床下の発掘作業が開始される(~4月まで)。かつてのジュベ(内陣と外陣を区切る障壁)の一部や、中世のものを含む棺などが発見される。
2021年
(※資料ダウンロードページ中の資料1と資料2より引用、一部加筆)
11月
大オルガンの修復作業が開始される。修復は3つのアトリエで分担して取り組まれ、2023年秋まで続く。
10月
堂内の大清掃作業が開始される。これ以降の各作業を左右するため重要な工程。工事は2022年の春まで継続される。これと並行してステンドグラスの調査も行われる(3つの大バラ窓を含む)。
9月
建物の安全確保のための点検作業・強化工事が完了、本格的な修復工事着手が可能となる。尖塔と石造ヴォールトの修復作業が工事の第一段階を成す。
夏期
保管されていた小屋組木片の整理作業が終了する。
6月
尖塔の基部を飾る16体の使徒像の修復が完了する。これらの彫像は火災の5日前に修復のため取り外されていた。尖塔の再建を待つ間、彫像はパリの建築・文化遺産博物館(Cité de l'architecture et du patrimoine)に展示される。
春期
大聖堂前広場の仮設テントに保管されていた遺物が、大聖堂敷地外の収蔵庫に移動される。
3月
ヴォールト天井の上に積み重なっていた瓦礫の撤去作業が完了する。
尖塔の再建に用いるための木材(ナラ)の第1回目の伐採が行われる。伐採後は木材の含水率が3割以下になるまで12か月から18か月の間乾燥される。
CNPAで小屋組の木造復元案が承認される。製材は機械鋸で行われることが決定。
※2023年5月時点で、内陣と外陣の小屋組は中世の大工がやったように手斧で製材されると報じている記事があるが、関係筋によるとこれは誤り。実際は機械鋸で製材し、表面のみを手斧で仕上げている。
2月
弱体化した石造ヴォールトを支えるための木製の仮枠が設置される。
2020年
(※資料ダウンロードページ中の資料1より引用、一部加筆)
12月
大オルガンとその8000本にも及ぶパイプが修復のために取り外される。
11月
尖塔周りの足場の撤去作業が終了。
10月
高さ25m(石造ヴォールトの下)に達する金属製の足場が堂内の隅々まで張り巡らされる。
9月
修復工事第一弾開始。ノートル=ダム内の二つの礼拝室(Chapelle de Saint-Ferdinand, Chapelle de Notre-Dame de Guadalupe)で壁や天井の彩色を洗浄するための二種類の技法が試される(機械による研磨とレーザー)(~翌年4月)。
7月
建築・文化遺産国内委員会(Commission nationale du patrimoine et de l’architecture, CNPA)の全会一致により、焼失した尖塔を忠実に復元することが決定。
6月
尖塔の修復のため火災直前に設置され被災した足場の撤去を開始(~同年11月)。
5月
鉛の除去が完了した大聖堂前広場の一部が公衆に開放される。
3月
新型コロナウイルス対策のためのロックダウンにより工事一時中断。4月27日より再開。
2019年
(※資料ダウンロードページ中の資料1より引用、一部加筆・修正)
8月
補強工事再開。フライングバットレスの下に木製の仮枠が設置される。ヴォールト上面に残る瓦礫の撤去・清掃のためにヴォールトの上方に仮の作業用床が設けられる。
鉛による汚染防止のための被覆工事が大聖堂前広場ならびに周辺の道路に施される。
7月
火災時に大屋根と尖塔から流れ出した合計400トン以上の鉛が引き起こし得る修復現場および近隣への汚染リスクが問題となる。汚染からの保護対策をとるために工事は一時中断される。
4月
火災発生から48時間後、建物の安全確保のための点検作業・強化工事開始。屋根を失い堂内側に押される壁を支持するための工事が急務となる。炭化した木片や石造ヴォールトの残骸などが外へ運ばれる。
4月15日
ノートル=ダムの屋根裏で火災発生。13世紀の小屋組と19世紀に建築家ヴィオレ=ル=デュクの指揮下で建設された木造尖塔が焼失する。トランセプト交差部等の石造ヴォールトが崩落したほか、バラ窓なども部分的に被災。所蔵の美術品や聖遺物の避難。