ここは「良い大人の町」。 この町の一角に「大人計画研究所」があり、その一室に7人に男女が
閉じ込められて検査を受けていた。
この7人、実は一、多重人格者だった。
この町では、子どもたちはすべからく、
目立たないさしさわりのない大人しい大人に
なるべく教育されてきたのだったが、
突然変異のようにこの多重人格が生まれた。
これは、「良い大人の町」にとって由々しきことだった。
市長は決断した。
市の予算を大幅に横滑りさせて、研究所の所長である教授に
「多重人格抹殺マシーン」を開発させたのだ。
一方、子どもたちは、自分が分裂してしまった場所、
「よろず屋さん」に行って、原因を調べ、
一人の人間に戻ろうと考え、研究所を脱出した。
「よろず屋さん」は町の鼻つまみ者で
古き良き物がたくさん置いてある店。
子どもたちは、その店で読んだ絵本を取り上げた。
「ファンタスティック列車」という題名。
汽笛が聞こえてきた。
汽車に乗った子どもたちは、自分が生まれた町や国を旅するのであった。