第𝟙𝟚期

定期公演「スニーカーをはいた猫

あらすじ

ここは山葉多村。与謝野家は引越しの準備をしていた。ダムの建設予定地になってしまい、民宿としてやっていけなくなってしまったのだ。

そんな折、見知らぬ少女が訪ねてきた。体が弱っているから、泊めてほしいと言う。人の良い一家は、出発を延期することに。

そこへ、土木業者の菱沼がやってきた。安く民宿を買い叩き、ダム工事をしやすくしようと画策してきた男だ。しかし、ネズミをくわえた少女を見ると泡をふいて倒れてしまう。

少女が森にやってきた。少女の呼びかけに樹の精たちが現れた。実は、この少女、与謝野家の飼い猫ミャーだった。森を守ることを条件に、樹の精にお願いして人間の姿にかえてもらっていたのだ。森を伐られると精たちが滅びる。そして、それは少女が猫に戻る時。そこへ、森の動物たちが現れる。人間が大嫌いな動物たちは少女に襲いかかった。しかし、間一髪、銃を構えたひげじい(五十里)が現れた。五十里は御神体としている大木を守り通すために、一人残ってダム建設に断固反対を貫く志を持った男だ。動物たちは、ひげじいが敵でないと知っていて、引き上げていった。

少女は人間になじんでいった。与謝野家も一人家族が増えた思いだった。

そんなある夜、少女の体に変調が起こった。菱沼が賭に出たのだ。部下に命じて樹を倒させたのだ。樹の精たちは滅んだ。阻止しようとしたひげじいは、倒れてきた樹の下敷きなってしまった。少女は猫に戻った。

そして、その少女の前に、牙をむき出した森の動物たちが…。