個人情報
個人情報を渡さなければ受けられないサービスは.
私たちの生活では,個人情報を渡さなければ受けられないサービスはたくさんありますね.例えばCDをレンタルするとき,図書館で本を借りるとき,ポイントカードを作成するときなど..です..
このようなサービスを受けるために,個人情報を渡さなければいけない理由は,分かりますよね.このような情報がないと,万が一返却されなかったときなど,お店や図書館が困ってしまうからです。つまり「利用者が責任を持つ」ためですね。
個人情報は,渡すことが悪いんじゃなく「個人情報を渡さなければサービスを受けられないのはなぜか」「渡した個人情報はどのように利用される可能性があるのか」を意識しないで使うことが問題となるんです.
個人情報どのように使われる可能性があるのか.
さて,インターネット上には,無料で受けられるサービスがたくさんありますね.多くのアプリも無料で利用できます.
でもお金と時間をかけて開発したアプリがなぜ無料で使えるのでしょう?不思議に思いませんか?
物を買ったり使うには「対価」が必要です。普通の商品の場合は「お金」になります。では無料のアプリの対価は何でしょう?
無料アプリやサービスには「お金」ではなく「個人情報」を対価として支払っているのです。つまり,アプリやサービスを無料で使う引き換えとして,アプリやサービス提供会社に「あなたの情報を渡している」のです。
もちろん,引き換えの対価として,情報を渡すことに自分が納得していれば問題ありません。でも,「自分は単にタダで使えて得をしているだけ」というのは間違いであることは確認しておきましょう。アプリやサービスの利用は,その条件を知っていて,納得して,提供者と使用者の同意の下で使うものです。もし,渡すことに納得がいかない情報が利用規約に含まれているのであれば,そのアプリ,サービスは「自分は使わない」と判断するべきです。
多くのアプリはインストール時に,スマホなどの端末から,情報を取得する許可を得ようとします。その許可はあなたが同意して与えていることを意識していますか?
サービスを受けるときには,どのような権限を許可しているのかを意識してくださいね.許可する権限としては位置情報,ID,利用履歴,端末の画像,電話番号などがあります.その権限が,アプリの利用になぜ必要なのでしょう.考えてみてください.
例えば,地図アプリや位置情報を利用し遊ぶゲームであれば,位置情報の権限を許可する必要がありますよね.これは権限を許可してあげないと使えません。しかし,自分の居場所に全く関係のないアプリに位置情報の権限を求められたら....なぜ?って思いませんか.
実は,本来の目的とは関係のない権限の許可を求めるアプリや,あらゆる権限を要求するアプリは,その得られた情報を本来の目的とは関係のない用途に利用する可能性があるんです.
あるアプリの利用規約には,このような記述がありました.
「当社は,会員記述情報を無償で複製,その他あらゆる方法を使って利用し,第三者に渡すことができるものとします」
渡した個人情報や許可した権限により得られた情報は,関連会社等に提供または共有され,販売促進,サービス向上,新製品開発などの目的で利用され続けられる可能性があるんです.渡した情報は戻ってきません.どのような用途で使われたかを確かめることもできません.許可して渡したのだから訴えることもできません.
こういうリスクを考えて,アプリなどの利用時や無料のサービスを受けるときは,同意画面(権限の許可)をよく確かめましょう.リリースされたばかりのアプリの利用は慎重に,レビューなどを確かめましょう.
スマホの設定を見て,どんなアプリがどんな権限を持っているのか,もう一度見直して,必ず確かめましょう。
「個人情報を渡さなければサービスを受けられないのはなぜか」「渡した個人情報はどのように利用される可能性があるのか」を意識しながら,納得したうえで無料のアプリやサービスを上手に利用するようにしましょう!
アプリの権限は,インストール後も自分で設定・確認できます。
iPhoneの場合,「設定」アプリ→「プライバシー」の中にある,「位置情報サービス」や「連絡先」,「カメラ」などを,タップすると,その情報にアクセスできるアプリが表示され,オン・オフが設定できます。
不必要な機能にアクセスしているアプリがないか,すぐにチェックして設定を確認しておきましょう。