令和6年度の最後の活動として、ミヤマシジミ生息地で春の草刈りを実施しました。この時期は各地で火入れが行われますが、地際にあるミヤマシジミの越冬卵は火に弱いので、弊会では火入れはせずに草を高めに刈ります。この時期の草刈りは、春に芽吹くフデリンドウやスミレ類、ミツバツチグリなどが咲く前に、日当たりを良くしてあげることができます。
1日目の朝は、前日までの暖かさが嘘のように雪がチラついていましたが、集合時刻には降り止んでくれました。とはいえ、手や口がかじかむ寒さでしたので、体を温めるべく、参加者10名でせっせと作業しました。そのうち2名は初参加の非会員さんでしたが、慣れないなりに高刈りを楽しんでくれたかと思います。3時間で大きい土手を3か所刈り終え、達成感と軽い疲労感を両手に抱えて解散しました。
2日目は晴れ、風強め。ヒバリが上空で囀り、キタテハがひらひらと舞い、アマガエルがよたよたと動き出す中、10名で楽しく作業しました。お日柄に恵まれたので、草刈りと生き物観察と他愛無いお喋りとが適度に混ざり合い、楽しく汗を流すことができました。「オドリコソウとヒメオドリコソウは似ていない」や「在来種イヌノフグリを見つけたい」といった話で盛り上がりました。この日も3か所の生息地の草刈りができ、ミヤマシジミの越冬卵の観察もできたので、素晴らしい1日でした。今年もミヤマシジミが多く舞う光景を見られそうです。
雪のおかげで草が湿っていて刈りやすかったです。この土手では今年もスズサイコやユウスゲが見られるでしょう。
今日の差し入れはあんどーなつでした。冷えた身体に甘いお菓子はとても染みます。いつもありがとうございます!
昨秋にオミナエシが一面に咲いていた土手。数年前までミヤマシジミがいたはずの土手なので、復活を目指します。
冬を成虫で越したナニワクビグロクチバ。迷惑そうに草の中に潜っていきます。高刈りは避難場所を提供できます。
2日目はこの土手からスタート。枯草の高刈りは難しいですが、皆さんすぐにコツをつかんでガシガシ進んでいきます。
ミヤマシジミもウスバカマキリも暮らす土手。ウスバカマキリの卵は今回は発見に至らず。残念…
風で飛びやすい枯草を押し固めるために、アルプスの少女遊び(70代後半男性)が始まりました。気持ち良さそうで羨ましい!
いつの間にか仲良くなった女性陣。熊手を片手にアルプスに向かって歩む背中は頼もしい限りです。
冬の南信らしい青空の下、「いいじま環境フェア」に出展しました。記念すべき第1回目となるいいじま環境フェアは、ミヤマシジミをシンボルとする生物多様性の保全・回復を目指した「ネイチャーポジティブ」と地球温暖化対策としての「カーボンニュートラル」を2つの軸として、それぞれの講演に加えて、町内外で活動する多様な団体・事業者による展示・体験もあるという、1日がかりのイベントです。
会場となった飯島町文化館では、関係者あわせて200名ほどが来場され、屋外の寒さを吹き飛ばすくらい賑わいを見せていました。大ホールでは午前も午後も、飯島町親善音楽家の竹下正登先生が代表を務めるオリジェム・フルートアンサンブルさんによる、「組曲飯島」のうちの2曲「山への賛歌」と「ミヤマシジミ命の舞」の演奏がありました。「ミヤマシジミ命の舞」は昨年秋に初披露された新曲です。この機会に竹下先生から楽譜を弊会にプレゼントしていただけるとのことで、里の会から2名が登壇してサイン入りの楽譜を受け取りました。
弊会の展示・体験ブースでは、標本や活動写真の展示のほか、定番のキーホルダー作りも行いました。今回も大人気で、会員の皆さんはてんやわんやになりながらも一生懸命お客さんにレクチャーしていました。東京からお越しのオリジェム・フルートアンサンブルの皆さんは、まだ実際のミヤマシジミを見たことがないようで、演奏の合間にミヤマシジミの標本や生態紹介を見に来ていただき、ミヤマシジミキーホルダー作りも楽しんでいただけました。その他のブースでも、鳥の巣箱づくりやインセクトホテルづくり、エコバックづくりなどなど、子供も大人も楽しめる内容の体験が用意されており、来場された皆さんは「環境」を学びつつ楽しめたのではないでしょうか。出店のあったソバやおやき、五平餅も全て完売したようで、おなかも心も満たされるとても良いイベントだったと思います。こうしたイベントを積み重ねていくことで、自然環境の大切さを感じてもらい、行動に移す方が増えていくことを願っています。
オリジェム・フルートアンサンブルの皆さんの素敵な演奏の後に、全員のサイン入りの楽譜をいただきました。
キーホルダー作りはやはり大人気。会員の皆さんは大忙しでしたが、教える側も作る側も一緒に楽しめました。
来場された多くの方にミヤマシジミの生態や今年度の活動についてのポスターを見てもらうことができ、何よりでした。
大忙しの中でしたが、大ホールでの生物多様性シンポジウムにも顔を出すことができ、しっかり学びを得ることができました。
弊会が立ち上がって今年の10月で3年が過ぎ、毎年開催されているミヤマシジミ研究会での活動報告は今回で4回目となりました。昨年飯島町で開かれた「ミヤマシジミサミット」が盛況だったからかはわかりませんが、今回は例年以上に多くの方が来場されていました。
基調講演は「埋蔵文化財とミヤマシジミ~安曇野市におけるレッドデータブック活用術~」というタイトルで、安曇野市で長くオオルリシジミの保全に携わっている那須野雅好さんがお話しされました。レッドリスト種と埋蔵文化財を同格とみなして、可能な限り同様のプロセスで開発の事前情報を把握し、調査・ミチゲーション・データベース化をするという安曇野市の取り組みは、弊会が活動する町村にも是非取り入れてもらいたいです。その後の活動報告では5団体が登壇し、弊会からはミヤマシジミ生息地での草刈り方法についてお話ししました。他の団体からは、小学校等への放チョウの取り組み事例や、保護ケージを使った企業敷地での活動成果、外来植物の駆除による成果などについて発表され、それぞれの精力的な取り組みが活動地でのミヤマシジミの個体数の増加に結びついているようです。弊会から参加した6名は、各々刺激を受けていました。今年草刈りのお手伝いに来ていただいた「わかぜん」さんたちが目指している、毎年度の目標と計画を立てて実行していくというスタイルは弊会も参考にしていきたいと思います。来年もより良い活動にバージョンアップしていきたいと、強く思う1日となりました。
基調講演の様子。50名近くが耳を傾けていました。一般の方や活動団体だけでなく、行政職員にも是非聴いていただきたい内容でした。
弊会が実践している草刈りが、研究結果に基づいていることとその成果を、事務局の出戸から説明しました。(写真:大村洋一さん)
休憩時間には、他団体との和気あいあいとした交流ができました。「わかぜん」さんは来年もお手伝いに来てくれるようで、嬉しい限りです。
最後に意見交換の時間もありました。多くの意見や質問が出され、ミヤマシジミの保全に対する関心が高まっていることを実感しました。(写真:大村洋一さん)
11月中旬とは思えない暖かさの中、今年最後の活動を行いました。朝は雲が低く靄がかかっており、地面もしっとりと濡れていて地際の越冬卵を探すには不向きなコンディションでしたが、参加した会員10名で熱心に探索しました。はじめは皆さん難題に取り組んでいる様子でしたが、虫眼鏡片手にコマツナギの根元を探すうちにコツをつかんだのか、「見つけた!」という発見の報告が少しづつ増えていきました。来年工事で消失するエリアに10個強、今年コマツナギを移植したエリアには5個ほど確認できました。工事で消失するエリアの卵は今度小学生たちに救出してもらおうと思います。
卵探しが一段落した後は、植物の観察とタネ集めに移りました。キキョウやサワヒヨドリ、オミナエシ、マツムシソウ、ワレモコウ、ユウスゲなどはタネが十分熟していたので、観察もしつつタネを集めていきました。ヤマラッキョウの花は見ごろを過ぎていましたが、2か所で確認でき、球根を食べてみたいという素朴な意見を頂きました。センブリも花がほとんど閉じていて残念でしたが、土手に点々と生える風景を見て、懐かしい気持ちになった方は少なくないようでした。春のような陽気だったためか、希少種コケリンドウが小さな蕾をつけていたことがこの日の一番の驚きでした。今回集めたタネは来春に土に撒き、ある程度の大きさの苗になるまで育てて植栽していきます。晩秋の草地を堪能した一日となりましたが、来年の活動のスタートとも言える一日でした。
例年よりも緑色が残る土手で腰を落として卵を探します。越冬卵探しは、生き物を見つけ出す楽しさを味わえるので、観察会に適したテーマかもしれません。
初めて見るコケリンドウに皆さん興奮気味です。しかも秋に蕾をつけているなんて玄人でも初めて出会うシーンかもしれません。案内役にとっても嬉しい発見でした。
刈り残したマツムシソウとキキョウのタネは採集に最適な頃合いでした。ぜひ来年は花の時期に観察に訪れたいです。ここは他にも多くの希少な植物が残る草地です。
わずかに見られたセンブリの花。この時期でも花を咲かせる数少ない植物です。越冬卵探しと同じく顔を地面すれすれにして、背丈の低いセンブリの花を楽しみました。
年に1度の飯島町の文化の祭典に今年で3回目の出展を行いました。開催1週間ほど前は雨予報でしたが、多くの関係者の願いに天が応えてくれました。晴れ間はあまりなかったものの過ごしやすい2日間となり、来場者が1100人を超す盛況ぶりでした。弊会のブースにも多くの方が見に来ていただき、置いておいたリーフレットは数十枚は持ち帰ってもらえました。昨年はチョウのキーホルダー作りのワークショップコーナーと展示コーナーが同居していたので、ワークショップに人が集中して展示に目がいかない方が多かった印象ですが、今年はコーナーを別にしていただけたので、展示をじっくり見ていただけたのではないでしょうか。事務局お手製のドライフラワーとチョウの立体標本や実体顕微鏡での越冬卵の観察などで目を引き付け、今年の活動写真でミヤマシジミの保全の盛り上がりをしっかりアピールできたと思います。今年はチョウのキーホルダー作りは2時間だけだったので、作れずに残念に思う方もいらしたようですが、会員スタッフの負担を去年に比べて大きく減らすことができました。10種類近くのチョウから好みの種類を選んでキーホルダーを作ってもらうようにしてあるのですが、今年はツマグロヒョウモンやアオスジアゲハといった派手な種と同じくらいミヤマシジミを選んでもらい、嬉しい驚きを覚えました。別の部屋の展示コーナーに飾られていた油絵にもミヤマシジミが描かれていたり、ステージ発表で歌われていた曲にも飯島町の象徴の一つとしてミヤマシジミが登場したりして、弊会のアイドルが徐々に浸透してきている実感を得られた楽しい2日間でした。
展示コーナーに多くの方が見に来てくれました。ミヤマシジミの名前を聞いたことがあるという方がほとんどで、関心の高まりを実感しました。
越冬卵の構造美を堪能してもらいました。立体標本や活動写真も見ていただき、植物や昆虫に対する愛情や保全活動への参加にまで結びついてくれることを願います。
キーホルダー作りは2時間だけでしたが、希望者を可能な限り受け入れました。子供たちが嬉しそうに持って帰ってくれてこちらもとても嬉しくなります。
前日は強めの雨が降りましたが、当日はいつも通り晴れ渡り、会員8名と東京からの助っ人お1人で作業を行いました。今回は、前回刈り払った草の片づけをした後に、外来植物などの抜き取りを行いました。前回の刈り草のほとんどは乾いて持ち運びやすくなっていましたが、草の量が多かったエリアは前日の雨をしっかり吸い込んでしまい、軽トラに載せるのが少し大変でした。女性陣にはフェンスに絡まったツルを大方取り除いてもらい、風通しも見通しも良い状態になりました。1時間半弱で軽トラ6台分の草を運び出し、楽しいお茶会を済ませた後は、今年何度もコマツナギを移植した土手に向かいました。ここは外来植物が周囲から侵入してきたのか、元々あったタネが発芽したのかわかりませんが、コマツナギを覆うように勢力を拡大させています。そのうち、コセンダングサ、オオブタクサ、ビロードモウズイカ、ニセアカシヤの4種は10月2日に飯島小学校6年生が30人がかりで目立つものは抜き取ってくれたので、今回はだいぶ楽に作業ができました。特にコセンダングサのタネが作業中に服や手袋にほとんどつかないというのは、大変ありがたいです。それにしても努力の甲斐があり、至る所にコマツナギが根付き、沢山の鞘をつけている株も見られました。植え付けた株の根元には越冬卵も確認でき、来年の発生に期待が高まります。伸びたススキなども刈り、土手をかなり綺麗にして、予定の終了時刻となりました。参加された皆様、お疲れさまでした。
刈り草を軽トラに山盛りにして運び出します。先週よりも乾いて軽くなってはいましたが、広い敷地の刈り草全てとなると量は膨大です。
フェンス際には自然に緑のカーテンができていましたが、女性陣の頑張りですっかり風通しが良くなりました。作業だけでなく女子トークも盛り上がったことでしょう。
今年何度も作業した土手です。移植した株以外の草を選んで丁寧に刈ったり抜いたりしました。安全に歩けるように土手に小道をつけた方が良いという意見を頂きました。
助っ人に来てくれた方が移植株についた越冬卵を発見!果たしてこれが厳しい冬を越えてくれるのかはわかりませんが、とても嬉しい発見でした。来春が楽しみです。
10月中旬とは思えない暖かさの中、運動場としてかつて利用された場所の整備を行いました。ミヤマシジミが暮らすエリアは弊会が管理してきましたが、それ以外の場所は手入れがされなくなって数年が経った状態です。弊会としては、希少な動植物を保全しつつ地域の方の憩いの場も提供できる自然公園のような形に整備したいと考え、今年6月以来2度目の草刈りを行いました。
ノスリが参加者10名をお出迎えしてくれる中で、事務局から整備プランを説明し、まずは人目のつく場所から草刈りスタート。今年最後のミヤマシジミがまだわずかに舞っていました。越えればホームランだった周囲のフェンスにはクズやノイバラのツルが絡まり、一部押し倒された状況だったので、そうした場所は手鎌で丁寧にツルを除去しました。外来植物のメリケンカルカヤは既に綿毛ができていましたが、周囲に広まらないようにしてほしいとの連絡が近隣の方から行政に入ったようなので、刈払いと、土の柔らかい場所は抜根を行いました。侵入したアカマツやニセアカシヤ、伸びて大きく株立ちしたススキも懸命に刈り倒し、灌木と刈り草を何度も軽トラで運び出すことで、数年ぶりに奥のフェンスが見えるようにまでなりました。活動は予定していた3時間を30分ほどオーバーしてしまいましたが、久しぶりに運動場の面影を取り戻すことができました。子供からお年寄りまで多くの方々を笑顔にしてきたこの場所が、人もミヤマシジミもその他の多様で希少な動植物たちも安心して過ごせる場所へと復活するように、これからも継続して取り組んでいきたいと思います。
草刈り中、オオカマキリが迷惑そうにこちらを見ていました。びっしり生えたカワラケツメイは葉も鞘もほぼなくなり存在感が弱まりました。
かつて使われた東屋で一息。7~9月の活動ではお茶をガブガブ飲みましたが、10月ともなるとお茶の減りが大分少なくなりました。
力を込めてメリケンカルカヤを引っ張ると土ごと抜根できました。土は払い落とし、綿毛を極力落とさないようにして回収しました。
フェンスにはまだまだクズが絡みついていますが、フェンスまで近づけるようになったのは4,5年ぶりのこと。少し感動です。
ミヤマシジミの今年最後の世代がひらひらと舞う中で、生息地の整備を行いました。9月中旬とはいえ今年は残暑が厳しく、熱中症には十二分に警戒しながらの作業となりました。今回の草刈りは今年6月に草を刈った場所でほとんど行ったので、草はある程度伸び、その中にワレモコウやツリガネニンジン、サワヒヨドリなどが咲き誇っているので、できるだけ刈り残す慎重さも求められます。
1日目は7名で飯島町田切地区と飯島地区の3か所で活動しました。早朝のどんよりした天気が嘘のように晴れ渡り、厳しい日差しの中、一昨年植栽した区画の中とその周囲の草を刈りました。男性陣は刈り払い機で大雑把な高刈りを、女性陣は手鎌で丁寧に在来植物以外の草取りをして、来年の発生も望めるような環境になりました。
2日目は新潟県妙高市から専門学校の先生と生徒の計4名がお手伝いに駆けつけていただき、合わせて12名で飯島町飯島地区の3か所を草刈りしました。1か所目は8月に植栽した飯島町文化館で、コマツナギ以外の伸びてきた草を地道に手と鎌でとり、丸太の枠を竹の杭でとめる作業も並行して行いました。2か所目は、近隣の方からぜひ保全してもらいたいと頼まれていた土手で、町内随一のオミナエシの花々が出迎えてくれました。ミヤマシジミは今は残念ながらいませんが、可憐な黄色の花を眺めて参加者一同心躍りながら、高く伸びたススキやチガヤを主に刈りました。3か所目は6月も刈った大きな土手で、時間がかかると想像しましたが、若い力のお陰でものの30分ほどで草回収まで終わらせることができました。草刈りによって明るくなった草地でミヤマシジミが何匹か舞っていました。
3日目は助っ人なしの10名で、飯島町本郷・七久保地区の大きい土手2か所を刈りました。小雨がぱらつくお天気だったので、中止しよう!と笑いながら言いつつも、結局3時間しっかり活動しました。30℃に届かない久々の天候だったので、作業が捗りました。
最終日4日目は、松本市と長野市からお越しの若い助っ人3名を加えた計15名で、飯島町七久保地区と中川村の4か所の草地で草刈りしました。この日も炎天下でしたが、これまでの草刈り作業の中では最多の参加人数だったということもあり、あっという間に作業が進んでいきました。4か所全てでミヤマシジミを拝むことができたので、助っ人の方にとっても楽しい時間になっていれば嬉しいです。最終日は偶然にも敬老の日。若い力が大活躍してくれて、弊会の大黒柱の70代の皆さまは少しは骨休めができたのではないでしょうか。10名を超す人数での作業が今後もできれば、より楽しくより広域でミヤマシジミや希少な生き物を守っていけると期待が持てる4日間でした。
1日目。一昨年植栽した急傾斜を刈りました。今年はユウスゲやキキョウ、オミナエシが多く咲きました。
強い日差しの中での作業でしたが、作業の合間に頂いた地元産の採れたての梨がより美味しく感じました。
2日目の1か所目。草を刈り、草をむしり、草を集め、杭を打つ。10代の助っ人も70代に教わりながら、汗をかいてくれました。
咲き誇るオミナエシに一同感嘆したあとは、イネ科植物を刈り、刈り草を全員で軽トラに運んでいきました。
2日目の最後の土手。終了時効まで残り30分に迫る中、若者たちが急傾斜を上り下りしてフル稼働。保全活動での若さとマンパワーの大切さを痛感します。
急で大きな土手を刈り終え、草寄せまで完了し、ミヤマシジミも見られて、みなさんご満悦。専門学校の皆さん、本当にありがとうございました!
3日目。雨でも晴れでもない曇天が我々にとっては一番ありがたいです。会員の方のお住まいから目と鼻の先の生息地を高刈りしました。
3日目の2か所目。高めに草を刈った後は、丁寧に草を集めて、土手が瘦せるように運び出します。大変な作業ですが、皆さん手慣れたものです。
4日目。助っ人や初参加の方もいらしたので、集合場所で簡単な自己紹介をしました。この日の平均年齢は驚異の30代後半~40代前半でした。
大まかに事前説明しただけでしたが、各自が刈る、寄せる、運ぶなどの役割を上手に果たしてくれたお陰で、スムーズに作業が進みます。
輪になって休憩。旬のリンゴと梨と台湾のお菓子を頬張りながら、助っ人も新人さんも楽しく交流できました。
4日間にわたる草刈りの最後の土手。大勢の人がやってきて驚いたミヤマシジミが、作業が終わるまで農道で待ってくれています。喜んでくれているかな。。
晴れ渡る夏空のもと、通算3回目となる「ソバと虫の日」を開催しました。今回も昨年と同様に、ソバ畑で昆虫を採集し、スケッチしたものをキーホルダーにして昆虫に感謝しつつ流しソバをすする、という盛りだくさんの内容です。流行りの手足口病のためキャンセルが3組ありましたが、当日いらした方も何人かおり、スタッフもあわせて40人ほどの満員御礼で開会することができました。まずは室内で、ソバなどの作物と昆虫たちの関係や、ソバ畑の周りでの昆虫の暮らしについて、ソバの花に訪れる虫を長年研究する学生の会員からレクチャーを受け、いざソバ畑へ!ソバ畑までの道中から様々な虫たちに出会い、大人も子供も網を振り回して畑まで向かいます。既に道中で何匹ものミヤマシジミが舞っており、子どもたちは嬉しそうに網と虫かごを持って土手を走り回って追いかけていきます。ソバ畑でもコムカシハナバチやキアゲハ、コアオハナムグリなど目につく虫たちの行動をつぶさに観察しながら上手に捕まえていきます。大人たちも動きの素早いオニヤンマを捕まえたり、なぜかノコギリクワガタを肩に乗せていたりと、童心に戻って楽しんでくれました。小一時間で53種の生き物を見つけ、事前に配っていた昆虫ビンゴカードをコンプリートする子も出てきました。その後、室内に戻り休憩を挟んでビンゴの商品(ミヤマシジミ缶バッチ)を手に入れてから、捕まえた虫たちをプラ版にスケッチしていきます。じっくりと観察し、時々図鑑も確認しながら、思い思いに描きあげ、周りをハサミで切り、オーブントースターで焼き上げて完成!チョウだけでなく、バッタやトンボ、カマキリ、アリなど色々な分類群を描いてもらえて、種の多様性が高いオリジナルキーホルダーが誕生しました。子どもたちは完成したキーホルダーを嬉しそうに持って走り回り、十分にお腹を減らしてくれたので、その後の待ちに待った流しソバは格別に美味しかったことでしょう。竹の上を流れてくる飯島町産のソバとミニトマトを心置きなく頬張り、子供も大人もスタッフもお腹いっぱいになって会を無事終えることができました。この自然豊かな地域に暮らすミヤマシジミなどの様々な昆虫たちと、彼らがもたらす自然の恵みを五感でふれあい、心から楽しむことができた良い会となりました。
ソバの花粉を運んでくれる虫たちについてしっかり予習しています。虫たちのありがたみを理解してくれていると嬉しいです。
満開のソバ畑には様々な虫たちがやってきています。虫を観察して網を振る楽しさを老若男女みんなで味わいます。
無心に虫取りしていると、採集フィールドがいつの間にか田んぼや水路、竹林にまで広がっていきました。ミヤマシジミは10匹近く捕まえました。
昆虫ビンゴの景品を選ぶ子供たち。身の回りの物につけて、ミヤマシジミとその他のチョウとの違いを野外で学ぶきっかけになると幸いです。
捕まえた虫たちと睨めっこしながら、図鑑の助けも借りつつ、リアルな虫から芸術的な虫まで、多様なスケッチが出来上がっていきました。
プラ板を焼き上げてお好みの金具をつけて、キーホルダーの完成!この子たちが大人になっても生き物を愛し続けてくれますように。
流れてくるソバを我先にと掬い上げていきます。素早く飛びまわる虫たちに目が慣れたみなさんにとって、等速直線運動をするソバを掬うの簡単なことなのでしょう。
ざるに流れ着いた「ざるそば」を食べるのが玄人の食べ方なのかもしれません。いいじま手打ち蕎麦の会の皆様、ご協力ありがとうございました!!
今回の活動は、7月15日の移植作業に飯島小学校の先生が参加していただいたご縁で実現しました。なんと小学6年生の総合学習の1時間を使って、コマツナギの移植作業をぜひ手伝いたいと申し出ていただいたのです。そこで、平日にもかかわらず会員6名が集まり、子供たちが到着するまでに、柏木運動場の工事が入る部分のコマツナギを掘り出し、隣りの土手に植えるための穴を掘る作業を行いました。今年すでに数回経験している作業なのでもう慣れたものですが、やはり地中の石が作業効率をすこぶる悪くします。周囲のミヤマシジミを感じつつも作業に熱中しているといつの間にか集合から1時間半が経過し、子供たちを出迎える時刻に。到着早々の6年生約25名に、ミヤマシジミの生態や来年から始まる工事について簡単な説明をした後に、事前に掘り出しておいた株を植えてもらいました。ところが、子供たちのエネルギーは予想以上で、あっという間に用意していた分が終わってしまいました。そこで急遽子供たちにもコマツナギの掘り出しをお願いすることに。6年生ともなるとスコップの使い方も扱う力も持ち合わせているので、深く根の張ったコマツナギをどんどん掘り出してくれました。掘り出した株は自ら運び自ら移植し、もうおなじみとなったエンジンポンプで消防士張りの散水も披露してくれました。スコップで空けた穴に土を入れて元の状態に戻し終えた頃には、もう学校へ帰る時間に。濃い1時間を過ごした子供たちですが、掘り出す場所でも植え付ける場所でもミヤマシジミを多く見てもらうことができたので、子供たちにとって得難い機会になったのではないでしょうか。子供たちからは「大人になってもこの場所でミヤマシジミを見られると嬉しい」という締めの感想をもらい、次世代へバトンを引き継げるように弊会一同頑張っていきたいと改めて思いました。
工事が入るロープより右側部分のコマツナギや希少植物を掘り出していきます。ミヤマシジミが周囲を舞う中、子供たちの到着までにできる限り作業します。
子どもたちは会員の皆さんの説明をしっかり聞き、丁寧に植え付けてくれました。本当に素直な良い子たちで、心が洗われます。
移植ごてとスコップを上手に使ってどんどん掘り出してくれました。実際に掘り出すことで植物の形をより観察してくれた気がします。
移植が終わった後は、掘ってできた穴を砂で埋め戻してくれました。みんなの頑張りのお陰で多くのミヤマシジミが救われることでしょう。
先週の植栽会から1週間が経ち、植栽後の様子を見ることも一つの目的として、今回の活動を行いました。この日の活動場所は飯島町内の田切地区、飯島地区、七久保地区の1か所ずつで、参加者は8名でした。まず田切地区で昨年植栽した場所のコマツナギ以外の草を手鎌で丁寧に刈っていきました。コマツナギはしっかり育っていましたが、少し日陰のためかミヤマシジミはまだ見られていません。コマツナギの葉にフシダニの虫こぶが多いのが気がかりです。その後一昨年植栽した数十m先の場所に移動し、3世代目の発生初期のミヤマシジミをじっくり観察しました。ヤマトシジミやツバメシジミとミヤマシジミの違いを復習しつつ、植栽による定着とその後の個体群の維持を全員で確認できました。次に先週植栽した現場に移動し、順調に根付きつつある様子を見て、今後の管理について参加者で意見交換をしました。植栽した周囲を丸太で囲うまではできたので、9月中に杭で丸太を固定する予定です。日陰で一休みした後は、今回のメインの活動地、コマツナギの移植地へ。来年の工事の影響を減らすために今年から生息地のコマツナギを移植しているのですが、植えざるを得なかったお隣の土手はニセアカシアやオオブタクサが多く、前回の草刈りから1か月余りで、かなり草が伸びてしまいました。草刈り機や手鎌でキキョウや、コマツナギ、サワヒヨドリを残しつつ刈るのは大変でしたが、8名でどうにか終わらせ、刈り草も掻き出すことができました。被陰されつつあったコマツナギも今回で日当たりが良くなり、しっかり成長してくれることでしょう。キキョウは花がほとんど終わってしまいましたが、もうしばらくすればサワギキョウが見頃となりそうです。
オオアレチノギクが伸びてきていますが、コマツナギもそれなりに成長しています。ミヤマシジミの定着には隣接する木々の剪定が今後必要そうです。
ミヤマシジミのオス4匹メス3匹ほどと終齢幼虫も数匹確認できました。オスをくん付け、メスをちゃん付けして楽しく観察しました。
色々な方にご協力いただいて集めた丸太を植栽区の周りに置きました。この後の管理をどうしていくか、しっかり話し合いました。
ニセアカシアと穂をつけたオオアレチノギクを中心に草を刈りました。こうした活動を継続すれば、土手が痩せて外来種も減っていくと期待しています。
毎年イベントとして開催しているこの植栽会は今回で3回目。今回の会場は飯島町文化館の敷地内です。ここは弊会が発足した2021年10月10日にも植栽した思い出深い場所です。2022年には放チョウによってミヤマシジミの幼虫が一時居ついてくれていましたが、今年に入り生息は確認されず、絶滅してしまいました。今回の植栽で再びミヤマシジミが舞い、そして末永く暮らせるように、会員一同で春から苗を育ててきました。4か月間の育苗によって手持ちの苗は1000株を超え、昨年の倍近くに達しました。
17日は翌日の植栽会本番のために、会員10名で植栽予定の区画の草を刈り、穴を掘りました。植える区画は痩せた芝地のうち、散策に来られた方の歩行の邪魔にならない8か所を選びましたが、穴を掘ってみると芝の根がスコップの刃の行く手を塞ぎ、その先には石が埋まっていたりと、作業は思うように進みません。とはいえ、木陰でお茶とお菓子を両手に持っての休憩を挟むことで、無理なく7割方(つまり穴700個!)終わらせることができました。
18日は朝8時に集合し、男衆で穴掘り作業の続きを、女衆で室内の受付と学習会の準備を進めていきました。9時開始には会員15名と非会員21名(うち報道関係者5名)が集まり、室内でミヤマシジミやコマツナギについて、そして植栽に至る経緯について学びました。非会員の方の中には千葉県や新潟県、高知県からご参加いただいた方もおり、小学生や中学生も応援に駆けつけていただき、ありがたい限りです。植栽は35度に迫る勢いのお天気の中でしたが、皆さん黙々と、一株一株丁寧に植えていただきました。参加者40名弱で、植える人、水をかける人、ジョーロを運ぶ人など役割分担しつつ作業を続け、1000株という途方もない数を1時間半で植えきることができました。その後のホースによる散水で子供たちは元気を取り戻し、大人たちは木陰でしっかり水分補給をした後は、ミヤマシジミの生息地に車で移動して観察を行いました。8月中旬は幼虫が多い時期ですが、アリが幼虫に群がっているシーンや成虫の交尾シーンも見ることができました。今回の植栽区も同じように継続してミヤマシジミが発生するように願いを込めて、植栽会は幕を閉じました。
植栽会前日。手前に見えるのは3年前に植えた満開のコマツナギ。奥に見えるのは満身の力で掘る会員の皆さん。
ご先祖様もこの辺りをこうして開墾したことでしょう。水路周りは落ちると危ないので、丁寧に鎌で刈ってくれています。
植栽会当日。窓の外の穴だらけの草地を横目で見ながらレクチャーを受け、炎天下の植栽に向けて気持ちを高めていきます。
いざ植栽!みなさん手を汚しながらせっせと植え付けてくれました。タネから育てたコマツナギたちの門出です。
立場を越えて老若男女全員で同じ作業に汗を流すのは今では珍しい作業ではないでしょうか。この作業とこの場所が皆さんの心に残り続けますように。
植えた苗とほてった身体にしっかり水をかけました。厳しい夏の暑さを乗り切り、実りの秋を迎えましょう。
ミヤマシジミは日当たりの良い場所を好みますが、我々は木陰を好みます。しっかり働きしっかり休みました。
最後にミヤマシジミをじっくり観察。ミヤマシジミが舞う憩いの場がこの地域に一つでも増えますように。
7月中下旬は2世代目のミヤマシジミの最盛期であり、草刈りに適した時期です。ただし最高気温は30度を超え、身体にとても負担がかかるので、開始時刻を1時間前倒して朝8時から11時まで、4日間連続で草を刈りました。朝から気温は高いものの、カンカン照りという時間帯は少なく、4日間で大きい草地を計8か所も整備することができました。1日目は6名、2日目は6名、3日目は8名、4日目は8名の参加でした。4日目は今年ミヤマシジミが絶滅してしまった場所と新たに植栽した場所の草刈りだったので、ミヤマシジミを拝むことはできませんでしたが、1日目~3日目は足元や刃先をひらひらと舞うミヤマシジミを沢山見ることができ、「今までで一番ミヤマシジミを見られた」という感想がとても印象的でした。3日目はミヤマシジミを再導入している場所でも活動し、ユウスゲやシラヤマギク、スズサイコ、クララといった今では珍しくなった在来植物を残して手鎌で刈り、植物についても学び愛でる良い活動になったのではないかと思います。草を刈っている最中はあわただしい動きをしていたミヤマシジミですが、草刈りによって彼らが好む草丈の低い草地によみがえったことで、どこか嬉しそうに羽を休めていました。次の世代もきっと沢山の個体が草地から湧きだすことでしょう。
女性陣は草集めで大活躍してくれました。熊手で刈り草を集めて綺麗にまとめてくれました。
我が家が刈られてもなんのその。次世代のために命を繋いでいます。
この日のお茶休憩のお供は浅漬けと干しマンゴーでした。ピクニック気分で楽しいひと時でした。
今回初めて弊会で刈った場所。カワラナデシコやユウスゲ、ミツバツチグリが多い土手でした。
草を軽トラに乗せた後に休憩、と思いきや通り雨が降ってきました。おかげで涼しくなりました。
ミヤマシジミを再導入している土手です。希少植物を刈り残すのは大変ですが、丈が低くなったことでメスが居ついてくれそうです。
去年コマツナギを植栽した土手。コマツナギは元気に育って花を咲かせていますが、ミヤマシジミはまだ発生していません。
最終日は手作りケーキを差し入れして頂きました!老若男女で手も口も忙しい4日間でした。
今年は梅雨が遅く、7月も半ばですがまだ移植には適した時期です。この日は前回(6月9日)の移植でできなかった分を移植すべく、急遽会員が集まり作業を行いました。場所は前回同様の柏木運動場で、来年の工事で消滅する部分の在来植物をどうにか隣の土手に移植する計画です。集合して現地を確認してみると、5月と6月に草を刈った移植先の土手が、ススキやオオブタクサで既にかなり生い茂ってしまっていました。そこで、4・5・6月に植えた在来植物を刈らないように注意しながら、機械と手鎌で丁寧に刈っていきました。少し枯れてしまったような株も見られましたが、ほとんどは根がつき、葉を茂らせてくれていました。なんと4月に植え付けた株にはミヤマシジミ幼虫の食べ跡らしきものが見られ、6月に移植したキキョウは真っ直ぐに立ち上がり、蕾をつけていました。1時間ほどで草を刈り、刈り草を持ち出した後は、2世代目の羽化したての新鮮なミヤマシジミを横目で見ながら、コマツナギなどの掘り出しと植え付けです。移植先の土手は植え付けた株でかなり混みあってきましたが、場所を見つけては穴を掘り、丁寧に掘り出した株を丁寧に植え付けていきました。精一杯掘り出しましたが、まだ1区画は手付かずのまま終了時刻を迎えました。ただ今回、ダメもとで非会員向けにHPで呼びかけたところ、地元の小学校の先生が参加していただき、子供たちにもこの活動を体験させてあげたいと仰ってくれました。体と手と頭を一緒に動かして取り組んだ経験は記憶に残り、成長の糧になるはずだという先生のご意見には心から同意します。手付かずの部分は9月に子供たちと一緒に作業できれば、ミヤマシジミにとっても弊会にとっても素晴らしい活動になることでしょう。
草刈り機で粗く刈った後は、刈るべき植物と刈らない植物を選り分けて手鎌で作業します。
ヘラオモダカとトノサマガエルを見ながら一息休憩。雨予報が外れたおかげでゆっくり休めました。
前回移植したキキョウの蕾。花が咲き始めるのはあと一週間ほどでしょうか。
前回の残りを掘り出していきます。急傾斜で踏ん張って作業したせいで長靴に穴が開いてしまったようです。
6月上中旬は今年度最初の生息地の適した草刈り時期です。飯島町の農地周辺では、この時期にミヤマシジミの第1世代の成虫が羽化します。羽化が完了し、交尾して卵を産む少し前に草を刈ることで、草刈りによる死亡を減らすことができ、彼ら・彼女らが好む丈の低い草地を維持することもできます。とはいっても、地際で刈って刈り草をそのままにしてしまうと卵を産むことが難しくなるので、10㎝程の高刈りをして、刈り草を全て回収することも弊会では行っています。
上記の方法で草刈りを始めてはや5年が経ち(弊会としての草刈りは今年で3年目)、草の伸びもかなり落ち着いてきた印象ですが、とはいえ草刈りは重労働。今回は6/13(1日目)に7名、6/14(2日目)に5名、6/15(3日目)に9名、6/16(4日目)に8名と、昨年以上に多くの方にご参加いただきました。4日間とも炎天下の中でしたが、皆さん無事に作業を全うして頂けてホッとしています。4日間の中でのハイライトは、2日目と3日目です。2日目は、ミヤマシジミが多産するだけでなく在来植物も多い生息地の周囲で、地元有志が管理できなくなって草ぼうぼうになっていた場所を半日かけて草刈りし、近隣住民からの苦情をある程度回避できるような状態にまで持って行くことができました。この場所は今後重点的に保全し、多くの方の憩いの場にできるように整備を進めていきたいと考えています。3日目は、これまで保全のための草刈りができていなかった大きな土手を、地権者の方に許可を得て草刈りすることが出来ました。草刈りをしたほぼ全ての生息地で成虫を確認でき、次の世代も期待が持てそうです。今回初めて弊会の活動に参加して頂いた方がこの機に入会を決意してくれました。弊会の草刈りは急傾斜地ばかりでとても大変ですが、やりがいのある活動を大勢と協働できる、楽しい時間でもあると再認識できました。
飯島町から参加者に支給して頂いた草刈り刃。刃の種類が豊富なので、うんちくを語りながら嬉しそうに選んで各々持ち帰りました。
初日の草刈り風景。刈り草は全員で集めます。草が水路に流れてしまわないように十分気を付けています。
希少植物スズサイコはこの時期に花を咲かせ始めるので、できる限り刈り残しました。花が咲いたクララの株も残しました。
2日目。広大な面積の草を刈っては軽トラに乗せ、堆肥場まで運ぶという作業を何度も繰り返しました。この日のお茶菓子は草餅でした。
3日目。今回初参加の方もいらしたので、自己紹介シーンです。強い日差しの中、皆さんの熱い想いを聞いて、やる気が出てきました。
この場所は飯島町役場の土手です。放チョウによりミヤマシジミが定着したのですが残念ながら昨年絶滅。再定着を目指して丁寧に作業します。
大きな土手を刈り終え、みんなで小休憩。清々しい風が汗だくの身体を冷やしてくれました。雲の形が夏の到来を告げています。
4日目は一昨年植栽した場所です。高刈りしたいところですが、この場所のミヤマシジミの発生が予想よりも早く、コマツナギだけを刈り残すことにしました。
この日は、5月19日の「コマツナギの植え付けDay1」の続きです。国体開催のために工事が入る生息地の一部から、工事されないお隣の土手に在来植物を移植する活動を行いました。移植にはもってこいの小雨がぱらつくお天気で、予報では午後にも雨という絶好のコンディションで作業を進めます。移植先の土手は5月中旬に草を刈ったばかりですが、既にススキやツルウメモドキが旺盛に再成長してきており、先日植えたコマツナギだけは刈らないように注意しながら丁寧に手鎌で刈っていきます。それと同時進行で、移植用の穴掘りと、コマツナギやキキョウ、サワヒヨドリの掘り出しを手分けして進めていきました。作業が1時間程経ったところで、サッカー少年・少女たちが合流し、総勢17名で汗を流しました。コマツナギは予想以上に根が深く、さらに、地中は大きな石ばかりで地面を掘るだけでも悪戦苦闘。土手の傾斜も急なため、作業は思うようには進みません。それでも、子供たちの笑い声や頑張りに励まされ、予定の半分ほどの面積は掘り出すことができました。掘り出した植物も、子供たちの活躍によってしっかり根がつきそうです。あとは、作業中にヒラヒラと舞っていた成虫が移動して、移植先に居ついてくれることを願い、この日の作業を終えました。
前回植えたコマツナギに目印を付けつつ、それ以外の草を慎重に刈っていきます。
足元が不安定な中、スコップを地面に精一杯突き立てていきます。コマツナギの根の深さは予想の倍以上です。
キキョウとクサボケのセット株。キキョウの根を傷めないように深く広く掘り出しました。
子どもたちは軽々と斜面を登って、大人が掘り出した株を次々に植え付けてくれました。
掘り出すとどうしても根は傷着いてしまいますが、根付いてくれるようにしっかり水をあげます。
子どもたちは掘り出しにも協力してくれました。老若男女での共同作業です。
最後にホースで散水。子供たちは初めての体験だったようで、とても楽しんでくれました。
子どもたちが水遊びに興じている間に、大人たちは成虫をじっくり観察。成虫はニガナに吸蜜していました。
この日は前日に掘り出して移動させたコマツナギを植え付けていきます。朝9時に集合し、まずは植栽用の穴を掘ります。前日に草を刈り、溜まっていた落ち葉や枝を極力持ち出したおかげで、少しは掘りやすくはなっていたのですが、地面は石だらけ根だらけ、足元は急傾斜で切り株もあり、悪戦苦闘。どうにかこうにか100個以上の穴を開けたところで1時間が経過。10時に隣のグラウンドで練習を終えたサッカー少年たちと親御さんが何名か見に来て下さり、そのうちの1組の親子が協力したいと名乗りを上げてくれました。ミヤマシジミの生態についてや工事で生息地の一部が失われることを説明し、いざ植栽!教育委員会の担当の方も駆けつけて下さり、計12名で足を踏ん張って作業しました。100株以上を植え付け、ジョウロとホースで散水し、コマツナギが根付いてくれることを願います。作業が終わった後は、工事が入る場所にいるミヤマシジミの幼虫を観察し、幼虫の見つけ方やアリとの共生について改めて学びました。そのあと夕方から翌朝まで恵みの大雨が降り、我々の運も捨てたものではありません。
作業にはもう少し子供たちに来てもらいたかったのですが、作業はこの日だけでは終わりません。6月9日には工事される部分の在来植物の引っ越し作業、8月18日には弊会で育てたコマツナギの植栽作業もあります。国体によって希少な生き物が失われてしまうのではなく、その生きものたちがより豊かに暮らしていけるように、是非ご協力をお願いいたします。
えっちらおっちら穴を掘ります。鍬、つるはし、スコップ、あるものは全て使います。
全員で植え付けます。土が足りない部分は刈り草堆肥を足し、コマツナギの定着を促します。
ジョーロとホースで散水。しっかり根付き、6月に発生するメスが産卵してくれることを願って。
最後にミヤマシジミの幼虫を観察。狭い範囲だけで3,4匹は見られました。あと2週間もすれば成虫です。
この日は翌日の植栽会のための準備を行いました。天候は晴れ、最高気温は30℃に迫る予報の中、周囲の多くの田んぼでは家族総出で田植え作業が進められていました。そんなお忙しい中、弊会の活動に9名もご参加くださり、ありがたい限りです。今回は二手に分かれ、草刈り機持ち込み組は植栽場所の草刈り、スコップ持ち込み組はミヤマシジミの食草コマツナギの掘り出しを行いました。植栽を予定している場所は、国体開催のための工事が入る生息地のすぐお隣、昨年までニセアカシア林と化していた大きい土手です。この土手は飯島町教育委員会の管轄する地面で、昨秋にニセアカシアを切って搬出し、切り株には除草剤を注入していただくなど、弊会の植栽計画に協力していただきました。この日はその土手を数名で刈り、草を集めておきました。一方コマツナギを掘り出すのは、飯島町の町営住宅の敷地内です。こちらではここ数年ミヤマシジミが発生していたのですが、老朽化した建物を解体する際に工事の手が入ってしまう予定です。工事が入る箇所のコマツナギを、根が極力傷まないようにスコップや鍬で掘り出していきました。芝地に生える背の低いコマツナギにはミヤマシジミ幼虫も見られたため、慎重さが求められます。掘り出したコマツナギは軽トラの荷台に乗りきらないほどでしたが、終盤は草刈組も合流し、時間内に無事作業を終えられました。この後は水をたっぷり与えて、翌日までコマツナギを元気に保つ一仕事をして、解散となりました。
大きい土手の草集めをしているところです。草刈り中の写真は撮り損ねてしまいました。
芝の隙間からわらわらと生えるコマツナギを掘り出します。地面が固く、大変です。
掘り出したコマツナギの株は、軽トラの荷台に収まりきりません。荷台ごと上から散水してもらいました。
工事で失われる土手に生える在来キキョウ。こうした植物も移植で救い出す計画です。
昨年に続いて2度目の開催となったこのイベントは、昨年よりも定員を増やして開催したのですが、やはり5,6組のご家族にはお断りをしなければならず、大変申し訳なく思います。それほどまでにカブトムシは大人気で、計45名の方(うち、お子さんは24名)にご参加くださり、弊会主催のイベントではこれまでで最も賑わいました。弊会を「カブトムシ里の会」と思われてしまってはいけないので、まずは室内で、草のありがたみを学習する時間をとりました。子供たちはカブトムシを掘り出したい気持ちでウズウズしていましたが、話をしっかり聞いてくれました。その後は堆肥場に移動し(一目散に走っていき)、子供たちは大きく育った幼虫を我先にと掘り出していきます。自分の手で掘り出した満足感を得て、幼虫期の雌雄の違いも学び、収穫を全員で山分けする際の足し算と割り算も復習(予習?)し、子供たちにとってとても良い機会になったのではないかと思います。計110匹の幼虫を掘り出してもらい、1人あたりの取り分4匹を堆肥いっぱいの虫かごに詰めてご満悦になった後は、コマツナギの株にいるミヤマシジミ幼虫を観察しました。同じ幼虫なのに、カブトムシに比べてミヤマシジミへの興奮度は大分低く感じましたが(笑)、ミヤマシジミの実際の暮らしを見てもらえて良かったです。イベント終了後は、会員のみで堆肥の切り返しをする予定でしたが、何人かの子供たちも作業に協力してくれました。来年も沢山のカブトムシたちが、草を堆肥へと生まれ変わらせ、掘り出しに来る子供たちを喜ばせてくれることを願い、切り返し作業に汗を流しました。
まずは座学で草の大切さを学びます。
幼虫のもとへ駆け寄る子供たち。
大人も子供もみんなで掘り出します。
掘り出した幼虫はみんなで山分け!
オスの幼虫だけでこれだけの数です。刈り草堆肥、恐るべし。
ミヤマシジミの幼虫も観察。どこにいるかな?
集合写真。カブトムシが無事大人になってくれますように!
重機で切り返し。お手伝いしてくれた子供たち、ありがとう!
お田植えの準備や作業が忙しくなるこの時期に、8名もご参加いただき、昨年コマツナギを植え付けた場所の草むしりを行いました。その前に、翌日のカブトムシ幼虫掘り出しイベントのために、堆肥場の草刈りも行いました。普段は事務局一人で2~3時間程かかる草刈り作業も、8人いれば30分も経たずにあっという間に刈り終わり、明日の準備はこれにて終了!続いて田切の道の駅に車で移動し、植えたコマツナギ以外の草を手鎌で刈っていきます。大きく育った株からまだ小さい株まで様々でしたが、慎重に他の植物と見分けて、コマツナギがしっかり日光を浴びられるように刈っていきました。ミヤマシジミ幼虫の食痕らしきものがついている株もあり、今後が楽しみです。お菓子休憩をはさみ、田切の埋立地に移動し、少し手鎌で整えて、計3時間の作業が終了しました。最後に一昨年の植栽区の様子を見て、今年も在来植物たちが立派に成長し始めていることを確認し、解散となりました。在来のキキョウやオミナエシ、クララ、ワレモコウといった植物たちが今年も花を咲かせますように。
草刈り機と手鎌で分担して、堆肥場を整えました。刈った草はもちろん堆肥にします。明日のイベントは成功裏に終わるのか、ドキドキです。
田切の道の駅の植栽区。昨年8月に植え付け、11月に一度草を刈りましたが、また伸びてきた草を手鎌で刈ります。大方のコマツナギは元気に育っています。
風で飛ばされそうになるテントを抑えつつ、小休憩。参加された方からお菓子の差し入れを頂きました。作業後に外で食べるものは何と美味しいのでしょう。
昨年の2か所目の植栽区。こちらのコマツナギは成長がとても良く、他の植物はあまり伸びていません。今年ミヤマシジミが定着するのか、乞うご期待!
珍しく夏日を記録した4月某日、2024年度の総会を執り行いました。会員の皆様はお忙しい合間を縫って17名もご出席くださりました。昨年度の事業報告や会計監査、今年度の事業計画など、全ての議題が承認され、会員の方から有意義なご意見も頂戴しました。役員の任期満了に伴い、役員の続投と交代も行われました。新たな気持ちで今年度も活動していきましょう!
総会後の勉強会では総勢30名で、ミヤマシジミとオオルリシジミの2種類の絶滅危惧種について知見を深めました。ミヤマシジミについては、弊会の事務局から、飯島町北部での保全活動の重要性が一層高まっていることや、畦畔での適した草刈り方法などについてお話ししました。オオルリシジミについては、「北信濃の里山を保全活用する会」の福本匡志さんから、飯山での産地発見から現状の保全活動、今後の課題まで、たっぷりお話しいただきました。現状では放チョウによって何とか維持されていることが印象的でしたが、茅の利活用による活動資金の確保や土壌の貧栄養化といった、弊会にとってとても参考になる内容でした。
勉強会後のタネ蒔き・移植ワークショップでは、強い日差しの中でしたが、作業を楽しめたと思います。はたしてタネは発芽してくれるのか?、土の配合はどれが良いのか?、今後の検証が楽しみです。移植先ではコマツナギが芽吹き始め、クサボケ、スミレ、フデリンドウが咲き誇り、弊会の今後を占ってくれているようでした。
総会での役員交代の様子。副会長と監事が交代となりました。役員一同、活動を一層盛り上げていく所存です。
勉強会の様子。予想以上にご参加いただき、満席になりました。ミヤマシジミの保全の機運が高まってきています。
発芽に適した条件を探るために、刈り草堆肥と赤玉土の配合を4パターン用意してタネをまきました。ちょっとした実験のスタートです。
生息地のすぐ脇に食草を移植しました。この生息地は工事で半分の面積が消失するため、その影響を緩和するために今年度精一杯取り組みます。